[VO Top] [Lounge(BBS)] [BriefingRoom(BBS)] [VO Crush!] [V-Chat]

第2ブリーフィングルーム: 続きにて候・3。


掲示板一覧へ タイトル一覧へ 前のメッセージへ 次のメッセージへ リプライをまとめ読み // 新規に書き込む リプライを書き込む 引用してリプライを書き込む // アイコンの説明

タイトル: 2185 . RNA 続きにて候・3。
投稿者: 皿頭更級姫 <moon_shark@gariya.net>
投稿日: 5/21(21:02)
オリジナル: 2182. RNA 長大なが故に分けて綴り居り候。 [皿頭更級姫] 5/21(21:00)
リプライ元: 2184. RNA 続きにて候・2。 [皿頭更級姫] 5/21(21:02)

------------------------------

Profile of 藤ノ宮はづき
本来は読書等を趣味とする、何処にでも居る「深窓の令嬢」だった。
名前からも創造が着く様に、戦争等とは本来無縁の存在。
ただ、とある夜に見た夢が、彼女の人生を大きく変えてしまうことになる。
記録上の年月日も定かでは無く、その夢が如何なる内容であったのか、
ということに関しても、同じく謎のままではある、が。
月に関する何かしらの夢であったことは、現在もはづきの記憶に在る。
その日を境にして、彼女の行動に理解不能な点が目立ってきた。
何処とも知れず、ふらりと数十キロ先の街まで歩いてみたり、
一晩中ずっと空を見上げて動かずに居たり…一つ一つ上げればキリが無い。
それに比べると余計に、ゲームセンターに出入りする様になったことなど、
極々一般的な行動に見えたことだろう…もっとも。
およそまともな令嬢は、斯様な場所に足を踏み入れたりしないのだが。
通りすがりに入ったゲームセンターに置かれていたのは、
DNAが一般人のバーチャロン・ポジティブを測定するために設置した、
MSBS非稼働型の筐体であった。
はづきは、ただ何かに魅入られる様に腰を降ろし、操縦桿を握った。
インストを見た訳でも、まして初めての代物にもかかわらず、
計測された数値は、軍の内部でもお目に掛からぬ程に異常な高さを記録した。
折も折、遺跡で新機軸のVRに導入可能と見られる、
NOTらしき存在が発掘寸前と噂されている。
軍は迷うこと無く、はづきに目を付けた。
現在稼働中のVRを用いての貴重なデータ採取のみならず、
新型VRをテストする際に、打って付けのサンプルになるからである。
さて、当初はフェイ・イェンが3次元上に実体化したかとの憶測も流れたが、
それは全くの誤りであると云うことはすぐに判明した。
だがしかし、余計に謎は深まるばかり…一般民衆が何故に、
あれ程の異常な数値を示したというのか。
内偵を進めるもやはり、回答に結び付く様なものは、
果たして生い立ちからは何一つ得られなかった。
やがて、はづきの好奇心旺盛な素行を掴んだ軍は、
言葉巧みにはづきを誘い出すことに、それ程の時間を要しなかった。
後日、世間一般で「令嬢失踪」などと派手なニュースが流れ出した頃、
はづきは軍の極秘研究所に身を置いていた。
異常なバーチャロン・ポジティブのもたらす、予想出来ない危険性も考慮して、
一般兵には何も知らせぬまま、軍関係者でさえ知る者の少ないまま、
VRシミュレータ、そして実物・・「或る目的」の為に、実験は重ねられていった。
記録された数値は常に揺らぐことが無かった、本物だった。
本人は知る由も無いが、極秘のプロジェクトであるが故に、
令嬢出ということも考慮して、逃げ出さぬ様に環境は整備されていた。
蝶よ花よと持てはやされ、片やVRを振り回す。
今まで通りのレベルのままの生活水準、そして刺激のある日々。
「ここも…悪くないわね。」はづきは、充二分に満足していた。
(続く)

------------------------------

▼リプライ


Maintenance: D-Red
KINOBOARDS/1.0 R5.3: Copyright (C) 1995, 96, 97 NAKAMURA Hiroshi.