植物画スケッチ入門 (1)
こうすれば誰でも描ける
改訂('96.12.3/'99.8.15/'99,11.10/02.1.16/02.6.5/04.12.28/05.5.15)  若松倫夫

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★三つのこつ★
(1)観念で描かず、観察して描く‥‥見えるとおりに描いてみると本物らしく描けて驚く。*

(2)練習が上達の保証
   ‥‥あたりまえだがやはり正しい 。
(3)楽しんで描く
   ‥‥見過ごしていた自然の美しさを、描くことで発見できる。
  あなたの絵を求めてくれる人、褒めてくれる人をみつける、etc.

見えるとおりに描くってのが難しいという方には
‥‥こうすれば誰でも写実的に描ける
 これからの説明は、次の5章に分かれています。クリックして好きな章に飛ぶことが出来ます。
1.植物画を描くためのポイント2.鉛筆で描く3.水彩で色を塗る【参考】用具について【参考文献】講習用レジュメ
植物画から絵を始めるメリットは‥‥
1.題材・モデルを得やすい
2.見えるもの全てを描いても失敗しない
3.色や形を実物と並べて比較できる。自然が先生だから独学しやすい
4.生活が楽しくなる。散歩で見かける植物が分かるようになる。絵葉書やカレンダーも。
5.リアルに描く力、絵の具を扱う基礎が身につけば、他の絵も。

●●植物画についての問答集はこちら●●


1.植物画を描くためのポイント
(1)絵画と植物スケッチの違い

・美しさだけでなくその植物の特徴を記録する目的がある。

・図鑑のように(図1)

・事実をそのまま、デフォルメせずに記録する。
 ‥‥「植物の肖像画」という人も。これができれば似顔絵もうまく描ける。
牧野富太郎のツバキの絵

(2)ポーズの決め方

・各部に目を配り、事実が一つでも多く記録できるポーズ。
・肝心なところが遮られないように。(図2)
肝心な所を遮らぬ
・その植物らしく、自然に生えている姿を再現する角度をさがす。
‥‥私の失敗例:ヒメオドリコソウは直立するのが習性なのに、それを知らず、地を這っているものを描いたら、「何の花?」と聞かれてしまった。
 ‥‥ジャングル戦で植物学者の活躍:不自然な枝振りに敵兵が潜むことを見る。


・決めたら、目の位置を変えない、片目で見る。

・ビンとオアシス(吸水性スポンジ)などで固定する。(図3)
正しい姿勢に固定
(3)どこから描くか

・実物大に描く。大きいものを描くときは大きい紙を使う。(図4)

・左上から始め、次第に右下へ。(手の陰にならぬ)

・手前に見えているものを先に、さえぎられたものは後に。
紙の大きさ
・さえぎられる境目のところを正確に描く。
 見る人は、さえぎられる直前の部分を延長して想像する。
 描く人もそれを頭に入れて、注意深く描くことが必要。(図5)
境界が大切
・目立つもの、手前のものを先に。

・花の部分の数が多いときは、中心から。

・葉は主脈を先に、葉辺(へり)、側脈へと進む。
‥‥裏側が見える反り返った葉でも主脈はなめらかに続いている。
 ねじれたり、横からみた複雑な鋸歯は、主脈の走り方を決め、それをたよりに描いていく。(図6)

・最後に植物名、制作年月日、署名を入れる。
主脈はいつもなめらかな曲線


1.植物画を描くためのポイント2.鉛筆で描く3.水彩で色を塗る【参考】用具について【参考文献】講習用レジュメ


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