職場の風景 



月刊誌「新しい風」の表紙カット原画に淡彩をつけて

1994年分



3号館から出る朝日とアオキの実

冬の朝は太陽も低く、朝日のまぶしさが印象的です。朝早く来るのは月曜だけですが、こういう風景も描きとめておきたいとおもいました。【1994年1月号】 




寒風に実を残すユリノキと3号館

 モクレン科の高木で、比較的珍しいのですが、3号館の北側にあります。ゴールデンウイークにはオレンジ色まじりの黄色い花が咲きますが、その種はこうして冬まで枝先に残り、強い寒風にのって遠くへ飛んでいきます。種族保存の戦略でしょう。【1994年2月号】



しだれ梅、背景は池と10号館

 このしだれ梅は他の梅より少し遅れて咲きます。この花が咲くと、もうすぐ春という気分になります。(今この池はありません)【1994年3月号】



3号館と沈丁花

 とてもいい香りを放つ沈丁花、ここは3号館と5号館の間から太陽がさすせいか、所内でも一番きれいに咲いてくれます。【1994年4月号】



タイサンボク、音響棟を背景に

 この花もモクレン科で、通研のなかで花の大きさでは一番。花びらも良い香りを放ちます。(今この樹はありません)【1994年6月号】



ヘクソカズラ、8,9号館玄関

 サザンカにからみついて毎年花を咲かせるここのヘクソカズラが、通研のなかで一番みごとです。別名のヤイトバナは、花の中央部がお灸(ヤイト)に似ていることから。枯れても、黄金色に輝く丸い実をたくさんつけて、好い画題となります。【1994年7月号】



バナナ、背景は10号館

 バショウと思いちがいしていまして、表紙にもそう書いてしまいましたが、しばらくして小さいながら実がなったのを見て、バナナだったことがわかりました。(今このバナナの木はありません)【1994年8月号】



サルスベリ、背景は音響棟入口 

 正門大芝生の音響棟の玄関前にこの木がありました。百日紅という字の通り花の少なくなる夏に長い間、花を見せてくれます。花の形の複雑さにめげて、なかなか描かずに来ましたが、ある日気合いを入れて鉛筆でスケッチしました。この絵はそれをトレースして風景に取り込んだものです。(今はこの木も建物もありません)【1994年9月号】



【94年10月号】 音研棟のぶどうとキウイの棚

 青ぶどうとキウイ、植物画の題材にも使わせてもらい、また試食もさせていただきました。ここは廊下が吹きさらしで、中庭には野鳥の餌台なども置き、自然のなかで研究する雰囲気でした。新棟建設のためとはいえ壊されたのが残念です。【1994年10月号】



ベニバナボロギクと音研棟の廊下

 アフリカ産のこの花は、下向きにつくのが特徴です。通研ではここだけに咲いていました。【1994年12月号】


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