簡易水張り法の限界

  
 水張りは、水で濡らす作業があるので、どこでも出来るというわけにいきません。 そこを、代わりに粘着テープを使うだけでできれば便利です。
 どこまで可能か、やってみました。

 鉛筆デッサンした画用紙を、濡らさないまま板の上に置き、回りを工事用マスキングテープで板に貼り付け、 にじみ・ぼかしを多用して彩色しました。

 ドライヤーで乾かした結果の写真です。紙の周辺でたわみが残っているのがわかります。 何もしないで彩色したよりは、ましですが、水張りのようにピンとはならないことが分かりました。
 マスキングテープをはがしてスキャナーでスキャンした画像です。

周辺の白く見える部分がテープをはがした跡です。

 画用紙をスキャナーのガラス面に押し付けて、たわみ・うねりを潰すように努めながらスキャンしましたが、 上の端にたわみ・うねりが残っています

 裏面に水を塗り、厚紙に水貼りし重しを置き、長時間かけて乾燥させたところ、うねりを減らすことが出来ました。
 FB友達の笠井一男さんが、携帯に便利なスケッチボードとしてポリカプラダン(プラスチック製段ボール)をご推奨。

 大判パネルを購入、F6を貼る大きさにカッターで切り分けました。

 テストにmuse社HOMOスケッチブックのF6を幅広セロテープで貼り付け、「人物画を描こう会」に持参、水多用の描き方で使ってみました。紙の厚さが薄い(160g)せいか、水によるうねりが激しく、 描きにくくて大変でした。
 笠井さんの場合は、厚い水彩用紙を粘着テープで貼られたので不具合が無いのだろうと気づきました。

 そこで、モンバルキャンソン紙(300g)を幅広セロテープで貼り、花の静物画を描いてみました。結果は大丈夫でした。


 薄い紙でも水を十分含ませ十分伸びた状態で水貼りテープで貼ればOKかと今回試したのですが、結果はNGでした。

 描き終えるころに水貼りテープがボードから剥がれました。

 プラスチックに水貼りテープでは貼り付け強度が不足のようです。ベニヤ板など木に水貼りテープならば強度は十分ですが。



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