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第2ブリーフィングルーム: リプライをまとめ読み

2296. 斯様なもの・其の四。 ▼ [皿頭更級姫] 6/1(20:20)
- 2297. 斯様なもの・其の伍（ここで終はり）。 ▼ [皿頭更級姫] 6/1(20:23)
  - 2299. Re: 斯様なもの・其の伍（ここで終はり）。 [レオン・Ｆ・Ｋ] 6/1(20:48)

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タイトル: 2296 . 斯様なもの・其の四。
投稿者: 皿頭更級姫 <moon_shark@gariya.net>
投稿日: 6/1(20:20)

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８）ＦＰＶ－ＳｂⅦ　Ａｐｈ．ｔｈｅＡｓｓａｕｌｔｅｎｄ　＋　Ｅｘ’ｃａｒｇｏ
逆順ながら、エクスカーゴの解説から…外見は巨大なドームで、アサルトエンドを３機収納。
外装は全１５層からなる複合装甲と反動装甲で覆われており、しかも回転して移動するので、
装甲全面を使用して耐弾に充てることができ、その耐久力は凄まじいもので、
しゃがみライデンレーザの直撃さえ、１度のヒットで穴を穿つことは出来ない程である。
目標まで１．５キロ程度まで前進し、突如ハッチが開いたら…「それ」の出番となる。
ハッチ開放直前までエネルギーを充填していたコードを引きちぎり、飛び出して来る異形のＶＲ。
いや、異形とは云うものの、確かに素体はアファームドだったはずなのだが、
Ｅｘ’ｃａｒｇｏと同じく複合及び反動装甲を幾重にも重ね着しているため、胸板の厚さ、手足の太さはドルカス並。
脇目も振らず、目標地点へ一目散に突っ込んでくるアサルトエンド。
云うまでも無く、回避行動などは一切無く、敵弾に晒されるがままに、ひたすら突進する。
若し途中で撃破されずに辿り着いた場合、到着直後に、着込んでいた装甲を内部より爆裂剥離させる。
その瞬間から突然、周辺の砲台、ＶＲ、施設等を手当り次第にトンファーの的とし、
２０秒後、いきなり静止したかと思えば…次の瞬間、体内随所に仕掛けられた高性能炸薬により自爆する。
アサルトエンドは、一般兵器や並のＶＲが束になっても陥とせない様な堅牢不落の拠点に対し、
文字通り（防衛ラインに）大穴を空けるための特攻兵器として開発された。
リミッターカットしたジェネレータの持続時間は通常９０秒だが、臨界点ギリギリまで稼働させると、
ジェネレータ本体の耐久限界で、メルトダウンまで３０秒と持たない…が、その代償は以下の通り。
１）驚異的な運動性能…通常の２倍で歩行、ダッシュ、ジャンプできるスピードを得る。
２）攻撃力の倍加…アサルトエンドの場合、エネルギーを余計なことに使わぬために、
　　Ｓガンもボムも削除され、武装はただトンファーのみであるが、外寸２倍、破壊力は３倍化する。
３）メルトダウンに連動させて…上記の高性能炸薬で自爆すれば、相乗効果により、
　　ヤガランデ・ファランクスの３．５倍の破壊力を生み出す。
さて、アサルトエンドは３機１セットで行動するが、うち２台は自動操縦のＡＩ－ＶＲである。
残り１台は別体式ＭＳＢＳによる遠隔操作で、２名（シューターとオペレータ）が担当する。
いづれも行動パターンは上記の通りであるが、ＡＩ型は周囲をバーサーク状態で攻撃するのに対し、
何故全てがＡＩ機で無いかと云えば、有人操作の場合、当該地点の最重要目標を捕捉し、
それにターゲットを絞って狙うことができる、という利点がある…辿り着ければ、の話しだが。
ところで、ジェネレータ出力全開での戦闘は先述の通り２０秒が限度であり、あとは自爆するしか無い。
また、それ以前に目標へ到着前に集中砲火を浴びる等して撃破されて仕舞った場合も同じく、
マインドシフトを行っているシューターの意識は、電脳虚数空間に「飛んで」仕舞う。
この防止策として、自爆若しくは破壊される寸前に、ＭＳＢＳの回線を強制切断する、というのがオペレータの役目。
この強力凶悪無比な特攻兵器、コンセプトの一例として、Ｅｘ’ｃａｒｇｏ共々１セットのみ試験生産された。
しかし、斯様なものを量産しては、軍の資金は即日底を突いて仕舞う。
と云う至極尤もな理由により、プロトタイプが保管されているのみに終わっている。

９）ＦＰＶ－ＸｘⅧ　Ｆｅｉ－ＹｅｎｔｈｅＦａｋｅ
軍の最重要機密事項だったはづが、流石に旧人曰く、人の口に戸は立てられぬ。
「いいのか？そんな機密保持レベルで」とは思えるが、
どう考えても生産理由に疑問を感じづには居られぬ、フェイ・イェンの外観…そして、生産理由。
噂話のレベルで、多くの一般兵士にも伝説として残る「フェイ・イェン逸話」。
それを逆手に取って考案された、されどやっぱり訳の判らない実用新案が、これ。
レーダーにも掛からない様な超小型（足の小指程度）ビットを地面に這わせ、敵陣近くへ寄せる。
敵の眼前に、いきなり現れる（ホログラフィの）フェイ・イェン。
発射するエネルギー弾もホログラフィだが、着弾地点に炸薬を仕込んだビットを先行させ、
現実に爆発を起こす…が、射出体たるフェイ・イェンを、
いくら撃っても斬っても、無論のこと空振りするばかり、当たる訳が無い。
電脳虚数空間から瞬間的に実体化して攻撃を受けている様に錯覚し、敵陣は混乱すること請け合いである。
炸薬自体はそうそう派手な代物では無いので、決定的なダメージを与えることは不可能だが、
あくまで混乱を引き起こす為のデモンストレーションが本懐。
ましてや、Ａ地点のフェイが消えたかと思いきや、突如としてＢ地点に出現、
等と云う光景を目の当たりにしたら…兵士達の当惑や如何ばかり。
派手なホログラフィ展開に因り、幻影ビットのバッテリー容量はせいぜい３分程度だし、
炸薬入りビットも使い切りなので、合計でフェイ３台相当のセットしか生産されていない。
因みに、幻影ビット１＋炸薬ビット２０が１セットとなる。
（続く）

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タイトル: 2297 . 斯様なもの・其の伍（ここで終はり）。
投稿者: 皿頭更級姫 <moon_shark@gariya.net>
投稿日: 6/1(20:23)

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10）ＦＰＶ－ＣｐⅩ　Ｃ－Ｃｒａｄｔ．
ＯＭＧ発動より遙か以前、ＤＮ社による月面遺跡調査開始直後のことであった。
遺跡調査チームは、見た目も怪し気な「謎の壁画」を発見する。
４脚の砲台らしき物体から太い四角柱が突き出ており、当初は「煙突ガニ」等と呼ばれていた。
がしかし、調査本部はこれを古代兵器との結論を出し、ＤＮ社に打電。
さて、入電を受けたＤＮ社は「煙突ガニ」の壁画をコンピュータにかけ、取り敢えず大きさと形は判明した。
取り敢えず当該物体、いや兵器を、現代の技術力で製造しようとした、が。
問題はあった…あれだけ大きな物体を移動するための４脚を稼働させる出力発生装置、
壁画に描かれている４種類の兵器を如何様に定義し、開発すればよいのか。
ここで「煙突ガニ」の開発計画は頓挫して仕舞うところであった…ところが状況は目まぐるしく転機を迎える。
月面上遺跡より、人型兵器の頭部と思しき物体が発掘された。
後日何者かに強奪され、何時の間にかバル・バス・バウの根脚部となっていた、アレである（本当の話）。
それを皮切りに、日替りで技術水準は上昇の一途を辿り、
遂にはＶコンバータの開発に漕ぎ着け、テムジンやライデンと云った初期開発ＶＲもラインナップされた。
全８種類の第一世代ＶＲが完成したところで、全ＶＲの指揮機及び移動本部として、
技術陣には再び「堅牢な装甲と重武装を誇る」巨大な「煙突ガニ」の開発が要請されることとなる。
取り敢えづは巨大なフレームに、作戦本部と指揮通信装備一式、
そして射撃管制室を配置し、全面３メートル、３０層の複合装甲で覆い…これでは動けないではないか。
無理矢理Ｖコンバータを６機搭載し、残りは武装の問題となった。
まづは四隅に、ベルグドルのＧランチャ（現行型）に高速給弾装置を付加したものを配置。
其の次は四方面にリップルレーザを２機づつ、計８門配置。
因みにこれが、後にＢ．Ｂ．バウのリングレーザの雛形となった、開発初期の代物である。
最後に、最上段に旋回式の巨大な砲塔が据え付けられた。
主砲身には、ライデン生産時に投売りされていた対艦レーザを９つ束ねたものを、
根本を取り巻く様に、ドルカスのファランクス（現行型）発射器を４門配置。
最高速度は（重力が地球の６分の１である月面上でのシミュレート計測で）時速４０ｋｍがせいぜい。
ショットパワーはそれぞれ、各ＶＲの現行型と変わらない（リップルレーザを除く）。
指揮、通信、索敵、射撃管制装置は当然のこと常時稼働させていなければならないので電力系の付加は重く、
静止した上で、一度に一種類の武器しか稼働させることが出来ず、
チャージ時間は現行型と同じ、主砲に至っては充填に１０分も掛かってしまう。
「取り敢えず形だけ作って置け」という投げ遣りな発想の産物。
兵士達の間では「あれは標的機か？」と冷ややかな眼差しを送られ、遂には蔵入りとなる。
「遺跡の壁画にあった『煙突ガニ』も、大した代物では無いらしい」
そうタカを括っていた兵士達は…後日、ＯＭＧ発動後、本物の「煙突ガニ」を完全にナメてかかり、
次から次に「飴の様に溶け、蒸発させられてゆく」地獄絵図を見ることとなる。
その折、「地球製煙突ガニ」の出動が検討されたが、あれだけの超重物をやっとこさ引張り出し、
宇宙軍港に運び込んだ時には、既にＯＭＧは終結していた。
「地球製煙突ガニ」は再び蔵入りとなったが、以後、異星人の煙突ガニがコードネーム「Ｇ－ｇｒａｄｔ」と
銘々されたことから、「一本毛が抜けている機密」という揶揄を込めて、
地球製煙突ガニ（正式名称無し）は「Ｃ－Ｃｒａｄｔ」というペットネームで呼ばれることとなった。

以上、ＦＰＶ一覧にて御座候ふて、如何なものぞえ？
綴りし後に思ひ居けるを、やはり第一世代初期に計画及び試験生産された、
なる経緯より…いづれかと問はば、地球側かいな。
取り敢えづそこはかと無ふ筆を走らせたるものの無責任な造作にて、
若し「此は使えるやも」という機材なと在らし居りますれば、
些少さえスポットライトなと浴びせ賜はるに、きっと浮かばれることぞえなあ。
～皿頭更級姫～

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タイトル: 2299 . Re: 斯様なもの・其の伍（ここで終はり）。
投稿者: レオン・Ｆ・Ｋ
投稿日: 6/1(20:48)

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毎回x2、すごい設定をありがとーございます！！

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