王国復活へ 盤上熱く

日本オセロ連盟北海道ブロック(札幌市中央区)(08/02/06)



練習ゲームをした後、初手から打ち返しながら定石を研究したり、 感想戦をしたりするメンバー。 盤は狭くても奥深いゲームに、 みな「最高の娯楽です」とオセロ人生にひたっている



 日本で生まれ、1973年から広まった「オセロゲーム」。今でも根強い人気があり、 毎年春と秋の全国大会では各地の代表が激突する。北海道勢はかつて1〜3位を独占し たことがあるほど強豪ぞろいだった。現在は世代が代わり、往時の勢いはないものの、 王国復活を目指してメンバーが熱心に腕を磨いている。   (酒井静夫)

                                   

 「オセロはルールがやさしいから、世間的には子どもの遊びと思われてます。でも、 8路の盤上は狭いが限りなく奥深い。これを分からないまま、みんなやめてしまう」。 こう残念がるのはオセロの研究に打ち込んでいる元高校教員の若松雅迪さん(69) (二段・札幌市北区)。道立江別、野幌の両高校でオセロ同好会を作り、自らも全日 本選手権に出場、79年には9位になった。

 76年には、それまでよく打たれていた序盤の手順を6種の「定石」にまとめ、 それぞれに名前をつけて自作のガリ版新聞に発表。これをオセロ創始者の長谷川五郎 さん(75)(千葉県在住)が見て著作に取り上げ、うち「鼠(ねずみ)」「牛」 「虎」「兎(うさぎ)」の4定石を「四大定石」として若松さんの名前とともに紹介 した。これが基本定石として広く使われるようになった。

 若松さんは今も定石研究を続け、ブロックの月例会や公式戦では若い仲間と盤上で 火花を散らす現役オセラーだ。

 北海道ブロックが出来たのは、日本オセロ連盟創立から2年後の74年。道勢は全 国選手権大会に75年の第3回から参加し、毎年、20位以内に入る常連だった。圧 巻は第8回大会。当時18歳の三村卓也さん(46)(牧場経営・新冠町)ら10代 トリオが1〜3位を独占、8、11、13位にも食い込み、北海道旋風を巻き起こし た。三村さんはこの後、ロンドンで開かれた世界大会で2位になった。

 オセロにプロはいない。若い有力選手は社会人になるとオセロから遠ざかり、道勢 パワーは衰えた。全国大会に出場を続けているのは、会社員野崎順悦さん(52) (四段・札幌市東区)。野崎さんは昨年秋の全国大会で34位と健闘した。「これか らも少しでも上位を目指したい」と気を吐く。

 リーダーのブロック長は、4代目の北大大学院生佐々木惣平さん(41)(四段・ 同市中央区)。役員の同竹信航介さん(26)(二段・同市北区)ら若手2人と運営 にあたる。連盟に登録しているメンバーは二十数人。月例会には10人前後、年4回 の公式戦にはインターネット対局で腕を磨く“隠れオセラー”も参加し、30〜40 人が集まる。「メンバーの数を倍にしたいですね。ネット専門の人には生(対面)対 局の魅力を知ってもらいたい」と佐々木さんらは話す。

 ブロック大会の成績は連盟に報告され、全国レーティング240人が発表される。 道勢は昨年10月末現在、20位の佐々木さんをトップに11人が名を連ね、確実に レベルアップしている。昨年の全国選手権大会女子の部で主婦飯塚美智子さん(30) (三段・同市北区)が初の決勝進出を果たし、2位に輝いた。飯塚さんは「チャンピ オンになって世界大会を目指します」と世界に照準を合わせている。

◇  17日午前9時から、「かでる2・7」(同市中央区北2西7)で「北海道名人戦」 が開かれ、当日参加も受け付ける。 連絡先は、佐々木さんの電子メール(cruel2bkind@yahoo.co.jp)へ。

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