ダーマトグラフ+透明水彩 F4 2009.11.6 一枚描き終えて個展会場に戻ると、宴が始まるまでまだ時間がありそうなので、また さっきの傾いた家の前に戻りました。 こんどは、間近の駐車場に腰を下ろして描き始めましたが、線画を終えたころには、 手元がかなり暗くなって、大まかな色づけで終わらざるを得ませんで、不足分は翌々 日に自宅で加筆しました。 終わりにしようと立ち上がったら、そこへ男性が近づいてきて、「この家は描いて 欲しくないなぁ」と私に声をかけて来ました。「描きたくなるようないい雰囲気の家 ですよー」と応対すると、「実際より少し良く描いてあるけどー、コピーをくれよ」 と言われ、それほど咎めているわけでもなさそうです。 「住所を教えて下されば、絵葉書にしてお送りします」と答えると、苗字だけ教え て下さって、私が会場の方に歩く途中まで一緒に、「ラーメン屋に貸してたんだが、 家賃を払わないから裁判かけて追い出したんだ。なかなか建て替えもできないで‥」 などと話され、路地に消えられました。 |