一位

イチイ科イチイ属−イチイ−常緑高木

Texus cuspidata

一位
イチイ科イチイ属−イチイ−常緑高木
Texus cuspidata

「赤く艶やかな美しざ」
彫り師たちを魅了してきた木
 イチイは、北は北海道から市は九州の高隈山まで、深山にポツンと
散生していることが多いようです。北海道や飛騨地方に群生している
ところもありますが、現在ではきわめて少なくなりました。
 あまり大木になる木ではなく直径60センチを越えることはめった
にありまぜん。成長は実にゆっくりで、80年で直径25センチに満
たないくらいです。
 材は、針葉樹としては重い部類に属し、ヒノキなどよりも堅く強度
もあります。成長が遅いため年輪が密で、木肌は赤く、なめらか。反
りや割れも少なく、重いわりには加工がしやすいため、昔から実に優
良な材として評価の高い木です。
 一般的には木造建築の床柱、床板、鏡板などの装飾部材から、菓子
盆、櫛(くい)、額縁といった生活用品にいたるまで使われてきまし
た。飛騨の一位一刀彫をはじめとした彫刻なども有名で、工芸品とし
ても賞用ざれている木です。最近、とみに少なくなっている木の一つ
でもあります。

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