2013年 若松倫夫の植物画カレンダーの絵についてのコメント
 
表紙 
ラディッシュ
アブラナ科[Raphanus sativus var. radicula]
 区主催・植物画講習の題材として毎年ラディッシュを使っています。寒い時期でスーパーや農協売店にも無いこともあり、自家栽培してみました。形が良くなく直径2cm以上の数が揃いません。やむなく、スーパーを2軒回り35個買い、不足分の5個は自家製でうめました。
1月 
二ホンスイセン
ヒガンバナ科[Narcissus tazetta var. chinensis ]
 教室の題材探しで河川敷にスイセンを見つけました。植えた人が分からずにいたところ、偶然通りかかった元受講生のOさんが植え主と分かりました。採取OKをいただき、教室の始まる前に描いたのがこの絵です。
 
2月 
サンシュユ
ミズキ科[Cornus officinalis]
 武蔵野中央公園の西にサンシュユの木があり、満開になると、遠くからでも木全体が黄色く見え、春が近いことを感じたものでした。
 
3月 
エドヒガン
バラ科[Prunus pendula]
 各地を旅行してたくさん見た樹齢数百年の長寿の桜は、エドヒガンかエドヒガン系の枝垂れ桜です。花の根元が壺型にくびれているのが特徴です。
 
4月 
タチツボスミレ
スミレ科[Viola grypoceras] 
 教室で、野草をもっと描きたいとの要望に添うため、団地のなかに沢山咲き始めたタチツボスミレを鉢植えにしておき、描いてみました。
 
5月 
エゾヤマザクラ
バラ科[Prunus sargentii]
 本州ではオオヤマザクラといいます。北海道に自生している桜はこれが多いです。
 ソメイヨシノのようなクローンとは違い、実生などで増えた木が多く、木の性質は一様ではなく、色の濃い薄いも多様です。
 
6月 
バラ ブルー・バユー
バラ科[Rosa 'Blue Bjou']
 神代植物公園のバラ園で撮影したバラから、初めて青系のバラを描いてみました。
 立て札には、1993年 コルデス作出 系統F(=フロリバンダローズ)とありました。
 
7月 
モモ実
バラ科[Prunus persica]
 アトリエ植物画の題材に、葉のついた桃という幸運が訪れました。Iさんが、山梨で果樹園をしておられるお友達に、葉のついた状態で送って欲しいと注文され、段ボール一杯のモモをご持参下さいました。開くとファーッとモモの良い香り、みなさん歓声とともに、描き始められました。
 
8月 
アメリカンブルー
ヒルガオ科[Evolvulus pilosus]
 涼しげな青い色が良く、ベランダの常連です。水やりに応えてきれいに咲いてくれた花に感謝して描きました。
 
9月 
キクイモ
キク科[Helianthus tuberosus]
 赤みの少ない黄色が爽やかで、花びらも細くスッキリ、好きな花です。西武新宿線脇の駐車場に咲き乱れているのを見つけました。大きさ花数も見事な咲きっぷりでした。根が健康食品として話題になりました。
 
10月 
サンザシ実
バラ科[Crataegus cuneata]
 Mさん邸の大きなお庭からいただいたものです。教室の教材用にTさんがサンザシの実を見つけ、庭師の方に切っていただきました。実の表面から葉が出ているのが面白いと思いました。葉の根元が細くなっている形もユニーク。いい教材になりました。
 
11月 
ユズ実
ミカン科[Citrus junos]
 2011年11月、福島県伊達市のつきだて花工房で震災復興支援の個展を開かせていただきました。帰りがけに花工房のYさんからこの枝をいただき、帰宅した翌々日に描きました。実は放射能汚染で食べてはいけない実なのでした。
 
12月
リンゴ実
バラ科[Malus pumila] スターキング
 入手の困難な葉付きのリンゴを、福島県伊達市月舘の関根果樹園からいただきました。
 果樹園のご主人に「枝がリアル」と評価いただきました。さすが、栽培している方の見るところは違います。
 スターキングは、いまは出荷していない品種で、その木に接ぎ木して「ふじ」を作っています。そのふじの枝は切れないが、台木に成った実ならと、葉・枝付で欲しいとの希望に沿って下さいました。