全体の流れ
TRPGでいうセッションとは、ゲームを行うための1回の集まりのことをいいます。セッション全体は、事前準備、ゲームパート、事後処理の3つのパートに分けることが出来ます。
○事前準備
ゲーム開始までに行う事柄には、以下のようなものがあります。
▼ルールの把握
ゲームの参加者は、実際にゲームを始める前に基本的なルールを把握しておかなければなりません。特に裁定役をまかされるGMは、事前にルール全体を一読しておき、どこに何が書いてあるかを確認しておく必要があります。▼シナリオ作成
GMはこれから行うシナリオの準備をしておく必要があります。事前にキャラクターを作成している場合は、その能力や技能、参加人数などに応じて、バランス調整を行わなければなりません。▼シナリオの解説
GMはゲーム開始前に、これから遊ぶシナリオの概要や傾向(セッションの雰囲気など)を説明して下さい。できれば、プレイヤーとして望ましくない態度についても話しておくとよいでしょう。これはプレイを円滑に行う上で非常に重要な要素となります。▼基本設定の解説
舞台となる場所やキャラクターに関する基本設定の説明です。舞台の概要やキャラクター間の関係をどの程度まで親密にするかを予め伝えておけば、情報の不備によって起こりうる問題を解消することができます。また、セッションの導入時でもよいのですが、キャラクターがどのような立場で事件に関わるのかを話してしまっても構わないでしょう。▼キャラクター作成
プレイヤーは実際にゲームを開始する前に、自分が操るキャラクターを作成しておかなければなりません。キャラクターの準備は、なるべくであればプレイを行う日よりも前に済ませておいた方がよいでしょう。その方がプレイ時間に余裕を持つことが出来ますし、事前にキャラクターの能力を把握したり、各キャラクター間の関係を確認しておくことで、スムーズにゲームを進めることが可能となります。▼キャラクターの紹介
各プレイヤーは、自分が用いるキャラクターがどのような人物であるかを、他の参加者に紹介しておく必要があります。ここでは、名前、容姿、職業、性格、得意分野などを簡単に伝えておけばよいでしょう。▼装備の準備/変更
シナリオの内容などに応じてキャラクターの装備を変更したり、新たに物品を購入する場合もあるでしょう。GMや仲間と相談しながら、必要な品を用意して下さい。▼最終確認
準備に不備がないかを確認したら、いよいよゲームを開始することになります。
○ゲームパート
実際にゲームを行うパートで、導入、展開、結末、終幕の4つに分類することが出来ます。
▼導入/オープニング
キャラクターが登場し、事件の概要を把握するパートとなります。キャラクター同士が知り合うシーンも、導入部分に含まれます。▼展開/リサーチ
主に事件解明に向けての調査・探索を行うためのパートとなります。聞き込み、交渉、潜入など、さまざまな行動が行われます。▼結末/クライマックス
事件解決のために、最後の障害を乗り越える場面です。課題・障害の種類としては、戦闘、説得、禅問答、逃走、罠解除などが考えられます。▼終幕/エンディング
小説でいうエピローグに相当するシーンです。事件の後始末をしたり、GMからその後の状況が伝えられたりします。
○事後処理
事件が解決しても、すぐにセッションが終わるというわけではありません。その後にも、経験点の配付や後片付けなどの処理を行う必要があります。
▼経験点の配付
GMは各システムの評価基準に従って、経験点を配付します。▼成長/数値変更
獲得した経験点を消費して、キャラクターの成長や要素の変更などを行うことが出来ます。▼回復
セッション中にキャラクターが負傷した場合は、状況に応じてダメージの回復などを行って下さい。▼ディスカッション
必要があれば事後に相談の場を設け、その日のセッションでの反省点や、次のセッションに向けて方針の確認などを行ってもよいでしょう。▼後片付け
以上の処理を済ませたら、使用した会場を片付けて、セッション終了となります。
上記の例は、1回で1つのシナリオが完結する単発セッションの場合です。TRPGでは、1つのシナリオを複数回に分けて行うこともありますが、この場合は連続ドラマのように1つのシナリオをシーンで区切って中断し、次のセッションで中断したところから再開するだけとなります。
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シーン
ゲームパートでは、各場面をシーンという単位で分割してプレイを進めてゆきます。
○設定
▼状況
各シーンの状況設定を行う権限はGMにあります。GMは最初に、そのシーンがどういった内容のものであるのかを、簡潔にプレイヤーたちに説明します。詳細な説明を行うのはシーンが開始してからで構いません。この時は、キャラクターが把握しうる範囲で、置かれている状況を的確に伝えて下さい。▼登場人物
各シーンにどのキャラクターが登場できるかは、GMが決定します。
○進行
1つのシーンの中には幾つかのイベントが含まれます。イベントとはシナリオの中で起こる出来事をさすものです。
▼イベントの発生
◇発生/終了
GMはイベントという形で局面における障害や状況の変化を用意しておき、シナリオの展開や条件(時間の経過、特定地点への到達、作業の達成度合いなど)に応じてそれを発生させます。◇期間
イベントはシーン毎に区切られるわけではなく、 数シーンにわたって続くこともあります。
▼シーンの移行
ゲームパートはシーンが移行することで進行してゆきます。シーンからシーンへの移行は、GMが定めた条件(時間の経過、場所の移動、目的の達成など)に応じて行われます。
○シーンの種類
シーンには以下のような幾つかの種類があります。
▼通常シーン
調査、交渉、移動などを行うシーンです。短い時間で区切って行動を処理する必要がない場面は、全て通常シーンとして扱われます。
▼アクションシーン
戦闘などの活劇に関する処理を行う場面は、アクションシーンとして扱われます。アクションシーンは、戦闘や逃走劇などに何らかの決着がついた時点で終了となります。
▼特殊シーン
幻覚を見たり、超常現象に巻き込まれるなどした場合には、現実の時間と体感時間が大きく異なることになります。このようなシーンは特別に、特殊シーンとして扱われます。
○幕間
GMは必要があれば、シーンの間に休憩や相談のための時間を設けることが出来ます。特にクライマックスへ向かう前には、なるべく相談のための時間をつくって、やり忘れたことや情報の行き違いがないよう、確認を取っておくようにしましょう。
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時間管理
セッションの中では、一定時間や行動ごとに場面を区切って処理を行います。
○経過と単位
ゲーム内でキャラクターが何らかの行動を取った場合、それに応じて幾らかの時間が費やされることになります。GMはゲーム中での時間の流れを把握し、必要であればプレイヤーに経過時間を伝える必要があります。
▼ワーク
ワークとは1つのまとまった行動(仕事、作業)について、特定の時間で区切って管理する場合に用いる単位です。これは様々な作業を分担して行うなどした場合に、各プレイヤーが費やす時間や行動権を平等に取り扱うために有効な処理方法となります。
1ワークにかかる時間は、その行動内容に応じてGMが決定して下さい。1ワークの中で可能な判定の回数も、GMが自由に決定して構いません。たとえば、1日かけて聞き込みを行うような場合、判定を1回行うために3時間を費やすものとGMが定めたとします。この場合は、3時間が1ワークとして設定されることになります。
▼ラウンド
これはアクションシーンで行動を管理する時に用いる時間単位で、1ラウンド=約10秒として扱われます。この間、各キャラクターには順番に行動権が与えられ、全員が行動を済ませた時点で1つのラウンドが終了することになります。
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