基本情報
空洞界は概念情報や思念の影響を受けやすい、非常に不安定な空間でもあります。そのため、広大な地下空洞だけでなく、以下のような異界が形成されている場合もあります。これらの世界をまとめて呼ぶ場合には混合世界といいます。
○種類
混合世界には以下のような種類が存在します。
▼始原界(ルート・ワールド)
大自然と融合を果たした世界で、地底でありながら眩しい日射しが降り注ぎ、原始的な自然の大地が広がっています。中には高山がそびえる空洞や、大海原が広がる世界も存在しています。▼融合界(メルト・ワールド)
融合界というのは、異次元と空洞界が融合を果たし、その限られた空間だけが異界となっている場所のことをいいます。この世界は異次元の法則に支配されていますが、融合の度合いは個々の空間によって異なっており、単に精霊や妖精などが住み着いているだけの空間もあれば、異次元の側に限り無く近い場所も存在します。▼幻影界(シャドウ・ワールド)
意識や夢といった人間の精神や、過去の記憶などの全ての情報が無作為に反映されて生み出される異世界で、非常に様々なタイプの融合世界が存在します。それぞれの領域は異なる法則によって支配されており、物語の中の魔法世界が再現されている空間や、次々と荒唐無稽な現象が引き起こされる夢の世界などが存在します。
○基本法則
混合世界の基本的な法則は以下のようになります。その他の事柄については、世界設定や法則も含めて、GMがシナリオに応じて自由に設定して構いません。
▼認識
実際にこれらの世界に遭遇した場合は、異次元や変異現象によって生み出された、一時的な仮想空間として認識される可能性が高いでしょう。既にこの世界に辿り着き、妖精界などと混同している場合もあるかもしれません。▼法則
混合世界は異次元の1種となり、混合世界の中で起こる全ての現象は、領域ごとに設定されている法則に従います。▼ルール処理
領域ごとに設定されている特殊な法則以外は、全て現実世界と同じように処理して下さい。行為判定や耐久値の減少なども、通常のプレイ時と同じように扱います。
○空間
▼範囲
混合世界は特定の範囲で区切られており、空間ごとに異なる広さを持っています。なお、混合世界の個々の空間は、ルール上では混合領域(フィールド)と表現します。▼独立領域
同じタイプの混合世界であっても、領域が異なれば別の法則が働く世界となります。たとえば、精霊界との融合空間でが1つしか存在しないわけでなく、現実世界のような場所で人間と精霊たちが仲良く暮らす領域もあれば、砂の精霊しか住まない砂漠が広がる領域もあるわけです。▼障壁岩
混合世界も空洞界の1種ですから、洞窟の中のように壁や天井は岩で覆われています。天井までの高さは領域によっても異なりますが、数kmもの高さに達することもあります。壁面も天井まで繋がっており、混合世界を幾つもの洞穴空間に区切っています。
○移動
▼ゲートポイント
通常の空洞界とは異なり、混合世界にはゲートポイントを通らなければ移動できません。ゲートは地底世界だけでなく、地上と直接繋がっている場合もあります。ですから、妖精界に迷い込んだと思っていても、実はゲートを通じて地底の融合空間に足を踏み入れている可能性もあるわけです。▼条件
混合世界へのゲートポイントを開くためには、何らかの条件を満たす必要があります。向う側から引き込まれる場合もあるようですが、その条件は内部の法則に従うもので、領域ごとに異なっています。▼外界への移動
混合世界の中に生み出された存在も、ゲートが開いていれば外界へと移動することが出来ます。外界に出現した場合でも、根源となる領域が存在する限りは、固有の能力や機能をそのまま働かせることが可能です。
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始原界
○基本
▼始原界(ルート・ワールド)
大自然と融合を果たした世界で、地底でありながら眩しい日射しが降り注ぎ、原始的な自然の大地が広がっています。中には高山がそびえる空洞や、大海原が広がる世界も存在しています。
○環境
基本的には地上世界と同じで、多様な自然環境が維持されています。
▼光
光源は見えませんが、上から陽光のように眩しい光が降り注いでおり、現実と同じように昼夜が訪れます。光の差し込む時間は地上世界とだいたい一致していますが、場所によっては全く異なる場合もあるようです。▼水
地底にも川が流れており、地域によっては湖や海へと水が注がれていることもあります。また、環境によっては雨も降りますし、泉が湧いている場所も存在します。▼天気
地下にも風は吹いておりますし、天井の高い場所では上を雲が覆っていることもあります。また、雲から雨や雪が降ったり、霧や砂嵐に包まれるといったことが起こります。▼地域性
地底における環境は、その上にある地域と一致するとは限りません。ペルソニア大陸の砂漠の地下でも猛吹雪が吹き荒れることもありますし、北方から通じる空洞界に砂漠が広がっていることもあるのです。▼生物
地上世界と同様に、地下にも様々な動植物が暮らしています。この地下生態系は地上と共通する部分も多くありますが、独特の生活を営む固有種や単独種も数多く生息しています。▼変異現象
通常世界と全く同じように、空洞界も変異現象の影響を受けるもので、変異体が多数生息している可能性もあります。
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融合界
○基本
▼融合界(メルト・ワールド)
融合界というのは、異次元と空洞界が融合を果たし、その限られた空間だけが異界となっている場所のことをいいます。この世界は異次元の法則に支配されていますが、融合の度合いは個々の空間によって異なっており、単に精霊や妖精などが住み着いているだけの空間もあれば、異次元の側に限り無く近い場所も存在します。
▼種類
異次元には精霊界や魔界といった種類があります。現在ある混合領域は、精霊領域、妖精領域、魔界領域、冥界領域の4種類となります。・関連:異次元
○精霊領域
精霊界と融合した混合世界で、その中では精霊たちが暮らしています。これには現実世界のような場所で人間と精霊たちが仲良く暮らす領域もあれば、砂の精霊しか住まない砂漠が広がる領域なども存在します。物語の中で精霊の世界が表現されることがありますが、過去にこの場所に足を踏み入れた者の話を参考にして、そういった舞台が作られたものかもしれません。
○妖精領域
妖精たちが暮らす混合世界で、お伽話のような不思議な空間が広がっています。妖精の世界に迷い込んだ人の話は数多く残されておりますが、彼らの見た妖精界の様子は全くバラバラで、非常につかみどころのない世界として伝わっています。町や空間ごとに物理法則が異なると伝わっているのは、妖精領域に足を踏み入れた者の話も混じっているのでしょう。
○魔界領域
魔界は魔族たちが住む荒涼とした世界で、天空には常に暗雲が立ちこめています。通常は瘴気に満ちた空間となりますが、融合空間の場合は瘴気が存在しない領域もあるようです。
○冥界領域
異次元としての冥界には天国と地獄の2つの階層が存在し、融合世界もそれぞれの領域が存在しています。しかし、冥界というのは一般に知られている階層だけではないようで、全く異なる領域も生み出されています。
▼浄空領域(エトラ)
いわゆる天国と呼ばれる空間で、神に祝福された死者たちの領域です。一般に天国として伝えられているのは、美しい草原や花畑に囲まれた楽園で、人々はその中で穏やかな時間を過ごしているといいます。▼辺土領域(リンボ)
辺土は一般に地獄として認識される場所で、魔界へと繋がる穢れた大地とされています。辺土との混合世界には、囚われの罪人たちが悪魔に拷問を受ける牢獄や、無限に地底へと下ってゆく奈落の螺旋階段、あるいは人々が永遠の闘争を繰り広げる領域などが存在します。▼その他
冥界の融合世界は上のような世界ばかりでなく、死者たちが生前と同じように暮らす街が広がっている場合もあります。また、無限に墓標が連なる領域や、地平線まで棺が並べられた静寂の大地など、死者たちが永遠に眠り続ける場所もあるようです。共通するのは、その世界の住人が死者であるということだけで、死の概念から連想される多様な世界が存在します。
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幻影界
○基本
▼幻影界(シャドウ・ワールド)
意識や夢といった人間の精神や、過去の記憶などの全ての情報が無作為に反映されて生み出される異世界で、非常に様々なタイプの混合世界が存在します。それぞれの領域は異なる法則によって支配されており、物語の中の魔法世界が再現されている空間や、次々と荒唐無稽な現象が引き起こされる夢の世界などが存在します。▼誕生
幻影界が生み出されるためには、非常に多くの情報が必要となります。単なる個人の思い程度が幻影界を形成することはなく、積み重ねられて来た思念や情報の蓄積が、突然こういった融合空間を生み出すのです。▼存在の消滅
幻影界の中に生み出された存在は、現実世界の影であり幻でしかありません。そのため、死亡したり破損したまま放置された場合は、いずれ塵となって霧散してしまいます。これは現実世界に持ち出された場合でも同じで、幻影界で生まれた人間が地上で死んだ時は、やがて骨も残さず消えて無くなってしまいます。
世界から消滅するタイミングは、情報概念としての死が訪れた時となります。これは個別のケースによって異なり、単なる生物的な死によって消滅することもあれば、世界の中で役割を失ってしまったことがトリガーとなる場合もあります。また、人々に忘れ去られてしまった瞬間が死の訪れとなったり、使い手がいなくなった道具が知らぬ間に消えて無くなってしまうこともあるわけです。GMはこの現象をうまく利用して、ゲームの中で印象深いシーンを演出して下さい。
○コア・ハート
幻影界には『コア・ハート』(世界の心臓)と呼ばれる、その混合領域の象徴となる存在があります。これは王や物語の主人公のような人間である場合もあれば、世界の中心にある大樹や宝剣といったものが、その役目を担っている場合もあります。
コア・ハートはその世界を形作る情報概念の核であり、それを失った領域は死を迎えます。その時は世界を構成する全てが氷のように溶け崩れ、本来の空洞界の姿へと戻ってしまいます。
○種類
幻影界には以下のような領域が存在します。
▼再生領域
過去に存在した都市や国家が再生された領域です。当時のままの姿を残している場合もあれば、他の情報と混ざって異なる存在へと変化している世界もあります。▼概念領域
人々の抱く理想や常識といった概念によって生み出された領域です。間違った思い込みによって作られた世界も多く、エルモア地方の人々が勝手に思い描いた新大陸の姿や、過去の人々が想像した現在の世界などが誕生しています。▼架空領域
大勢の人間によって情報が共有されることで、物語などに描かれた架空世界が再現されたものです。舞台となる都市や国家がそのまま再現されている領域もありますし、続編を望む気持ちや結末や展開に対する不満の声が多い作品の場合は、それらを反映した状況に変化している可能性もあります。なお、こういった架空領域に関しては、その世界の中で物語が何らかの終焉を迎えた時に、自動的に消滅してしまうことが多いようです。▼思念領域
人々の思念に大きく影響された領域で、特に現実世界に対する不満や願望によって生み出されます。そのため、領域の住民が何らかの目的を抱いていたり、妄執に囚われていることも少なくありません。特に悔恨の念を抱いて死んだ者の思いは強く、霊魂たちによって再生された国家が存在しているほどです。
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