一般聖職者
聖職者とは小務官もしくは小女官以上の者を指す言葉で、その殆どは教区教会で働く者となります。マイエル教の聖職者は地域の人々と繋がりが深く、非常に尊敬されています。なお、マイエル教で一般聖職者といえば男性の聖職者のことになり、女性の場合は巫女として区別されています。
○教育期間
聖職者になるための修行は、それぞれの神殿で行うのが一般的です。ここで雑務をこなしながら少しずつ教義や儀式の手順などを覚え、神殿長に認められた時点で、晴れて正式な聖職者として神務官の位を与えられます。通常は5〜10年ほどの修行の期間を経て、ようやく一人前として認められます。
宗派によっては見習いが修行を行うためだけに設置された建物を持っており、そこで自給自足の生活を行いながら修行を重ねます。そして、小務官として認められた時点で街の神殿に配属されます。
○収入
収入は神殿単位で管理されており、経営に見合った分の分担金が各自に割り当てられます。しかし、基本的にこれは聖職者個人の判断で使うことは出来ませんし、個人的な収入として蓄えることを考える者もおりません。しかし、修行をはじめた若いうちは、神殿長のはからいで小遣いを少し与えたりすることもありますし、実家が困っている場合は特別に分担金を送金するなど、それぞれの事情に合わせて柔軟に対処しているようです。
○衣装
宗派によって色は異なりますが、だいたいは貫頭衣を帯で止めて身に纏います。高位聖職者の場合は位を示す肩掛けを羽織っています。
○結婚
マイエル教の聖職者は、基本的に妻子を持つことは許されません。特に巫女は一生をかけて独身を貫き、純血を守り通さなければなりません。
▼清浄婚
宗派の頂点に立つ大神官とその下の神儀長は、聖職結婚と呼ばれる特別な婚姻を認められています。これは宗派の後継者を産むためのもので、選ばれた巫女を妻としなければなりません。妻といっても普段は全く離れて暮らし、儀式として御神体の前で交わる時のみ会うだけの関係となります。なお、誰と誰が交わるのかは、神儀秘室と巫女秘室の聖職者で構成される、後継儀会によって決定されます。
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階級
聖職者の階級は以下のようになります。神務長以上の階級は神儀会が決定することになりますが、小務官として入門を許したり神務官の位を認める場合に限り、神殿長がこれを決定することが出来ます。
マイエル教では年功序列的な階級制度が維持されており、たとえ実力や人望があっても、若いうちは小神殿の神殿長がせいぜいとなります。また、上の地位にいる者が出世するか死亡して席が空くまでは、位が上がらないこともあります。
◆聖職者の階級/マイエル教
階級 説明 大神官 宗派の頂点にたつ存在です。それぞれの宗派に大神官は1人しか存在せず、宗派に対する全責任を負う地位となります。 神儀長 神儀官たちを束ねる役割を持ち、かつ大神官の補佐役も努めます。大神殿の様々な業務を取り仕切る地位です。 神儀官 神務官たちを指導する立場にあり、政治的な影響力をもつ地位です。地方儀会に所属しており、実際に神殿の業務を取り仕切ることはせず、その地方の神殿を管理する役目となります。 神務長 地方神殿を預かる高位の官位であり、広い地域における宗教行事の一切を取り仕切ります。 神務官 神殿で一人前と認められたものであり、神殿の実際の仕事をこなします。小神殿を預かり、祭儀などを取り仕切ることができる地位です。 小務官 見習いとして神殿に属する者であり、様々な雑役をこなしながら修行に励みます。 平信者 それぞれの地域の神殿に属する一般の人々です。自主的に宗教儀式に出席したり、寄進を行なったりします。
○神殿での階級
小神殿で生活する聖職者は神務官と小務官となり、高位の聖職者が小神殿に所属することはありません。ただし、神殿内には上の階級以外にも聖職者の区別があり、位の高い者を敬い、その指示に従わなければなりません。
これは地方神殿や大神殿でも共通する役職名ですが、同じ階級でもより上の神殿に務める者が上位となります。なお、これはある程度の人数がいる神殿でのみ存在する位であり、そうでない場合は神殿長と神殿小官の位しかありません。
神殿長 神殿の一切を取り仕切る責任者です。小神殿の場合は神務官がこの役に就きますが、地方神殿の神殿長に限っては、神務長という上位の聖職者がこれを務めます。 神殿儀長 神殿長を補佐すると同時に、儀式の進行や準備を担当します。 神殿大官 神殿儀長の補佐をしたり、下の位の聖職者の指導をする役目となります。特定の仕事や神殿内区域の責任者となることもあります。 神殿小官 一般の神務官が就く位で、神殿大官などの指示に従って仕事を行います。
○宗派後継者
宗派の後継者となるのは清浄婚によって生まれた者だけとなり、選ばれし者として特別な修行生活を送ります。通常は物心がつく前から神儀秘室の指導の下で集団で修行し、7歳を過ぎた辺りで一般の小神殿へと派遣されることになります。なお、彼らは誰が親であるかを知らされることはなく育ち、親の側でも子供の顔を知ることはありません。後継儀会の一員と母親となった巫女のみが知ることが出来ます。
小神殿に配属された後継者候補は、特に他の聖職者と区別されることなく修行を行い、信者と触れあいながら一般社会の様々なことを学びます。大神官と神儀長は宗派後継者の中だけから選ばれますが、いきなり後継者として指定されることはなく、一般の聖職者と同じように少しずつ位を上げてゆかなければなりません。ただし、この場合に限って年齢は関係なく、人格と能力のみで地位に相応しい人物かどうかが判定されます。判定を行うのは神儀会であり、血縁とは全く無関係に決定されます。
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神武官
マイエル教の独自の兵力としては、『神武官』と呼ばれる存在がおります。心身鍛錬の一環としてマイエル教では武道を奨励しており、その中でも宗派を守る存在として武の道に励む者が神武官と呼ばれる職につきます。彼らは素手での戦いを得意としており、武器を持った相手とも互角に渡り合うことができます。
○所属
神武官は各々の神殿に属する戦士であり、神殿と神殿子区、そして信者を外敵から守るために存在するものです。中には神武官のみを抱える武神殿と呼ばれる神殿も存在し、そこから他の神殿に配属される場合もあります。
▼選出
一般の神殿と同じように、神殿に入信を志願することで認められるものです。神殿長に認められさえすれば、見習いとして修行を行う資格を得ることが出来ますが、正式な役職として神武官に任命されるには長く厳しい修行に耐える必要があります。▼一般修行
武闘訓練のみならず、一般の神殿と同じように様々な修行を行います。ですから、神武官として一人前になるには、普通の神殿で修行するよりも長い期間が必要となります。
○装備
▼武器
武器を用いて闘う技も当然心得ていますが、彼らは無手でも非常に高い武力を誇ります。また、黄人独特の文化として発展した、奇妙な形の武器をも使いこなします。▼防具
一般にあまり重い鎧などを身につけることはなく、軽装で闘うことを基本とします。▼衣装
一般の聖職者とは違い、薄黄色の修行着を身に纏っています。これは上下に分かれた薄いシャツとズボンで、冬でもあまり厚着はしません。ただし、儀式に参加するときは、上から特別な貫頭衣を着込みます。▼制限
マイエル教の聖職者は、銃器を用いることを禁じられています。その他は特に制限はありませんが、宗派や神殿によっては特別に重要な意味を持つ武器が存在する場合があり、その武器の訓練が必須とされることもあります。
○術法
一般の神殿で修行を行っている場合は、他の聖職者と同じように様々な術法を身につけている可能性があります。基本的には内気功系、外気功系、武闘系の3つが主体となります。
▼気功系
マイエル教では気というものが信じられており、この気を操ることで病を治したり、遠当てと呼ばれる気を飛ばす技で相手を倒したりといったことができます。これらは気功系という術法系統として伝承されています。この奇跡の力は衆生を救うためのみならず、穢れ(変異)を掃討するためにも役立てられ、これらの技に長けた者は人々の一層の尊敬を受けています。▼武闘系
魔力と戦闘技術を組み合わせた技で、黄人の間で継承されてきました。ほとんどがセルセティアに存在しており、その他は都市国家半島やユノスなどにわずかに存在する程度です。気功系とは異なり、純粋に戦闘のために用いられるものとなります。
○任務
▼神殿警護
有事や盗難に備えて神殿の警護を行います。奥座殿と表座殿の間の警護は特に重要とされており、大きな神殿では常に誰かが立ち番をしています。▼一般雑務
神武官は一般の聖職者としての知識も身につけていますので、護衛や戦闘任務がない時には神殿の仕事の手伝いもします。▼巡礼者の護衛
何らかの危険が予想される区間では、巡礼者が危険にさらされないために護衛を行います。しかし、巡礼は修行の一環として考えられているので、一般の区間では定期的に巡視を行うだけとなります。▼異端との戦闘
危険な変異体や不死者などの不浄の者と戦ったりします。警察や軍隊、あるいは一般市民と協力することもあります。▼戦争
現在のセルセティアでは内戦が行われておりますので、神武官が民衆を率いて戦ったりしています。また、その身軽さを活かして、密偵任務などをこなすこともあります。
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