隠密作業

尾行追跡罠の扱い鍵開け変装


 

尾行


 町中などで相手を追跡するためには、尾行(一般:判断+隠身行動)の判定を行います。これは見えている目標に対して、物陰に隠れたり前に回り込んだりして、見失わないようについてゆくための技術です。


○判定方法

 特に相手の視界に入るようなことがなければ、比較的騒がしい場所では容易に尾行を行うことが可能です。ただし、相手を見失う可能性もあるので、GMは適当な間隔で判定を行わせて下さい。だいたい、尾行が終了するまでに2〜3回の判定を行うくらいがちょうどよいでしょう。
 判定に成功すれば相手に気付かれずに後をつけることが出来ます。失敗した場合は一時的に姿を見失いますが、相手がまだ見える範囲にいる場合は、《知覚力》や《観察力》の判定に成功すれば再び見つけだすことができます。この時、相手の外見や人混みの度合いによって、幾らかの修正を受ける場合があります。


▼発見
 尾行の途中で相手が振り向いたりした場合には、状態観察(一般:判断+観察力)との対抗判定を行います。対抗判定で勝利すれば、ただの通行人のフリをしたり、近くの店や壁に隠れてやり過ごすことができます。しかし、気づかれてしまった場合は、相手は尾行されている気配に気づきます。こうなった場合は、相手は積極的に尾行を警戒することができ、数分おきに《観察力》の技能で判定を行うことができます。そして、次に1度でも対抗判定に勝利すれば、明らかに尾行されていることに気づきます。

▼知り合い
 なお、相手が自分のことを知っている場合、見つかったら即座に尾行に気づかれてしまうでしょう。どうにかごまかそうとする場合は、演技(一般:判断+演技力)で対抗判定に勝利しなければなりません。しかし、2度目に見つかった場合は、いかなる言い訳を試みたとしても、疑われることは間違いありません。

▼足音
 静かな場所で尾行を行う場合は、相手の視界に入ることがなくても、聴覚(一般:感応+知覚力)との対抗判定に勝利しなければなりません。この場合は、忍び足(一般:敏捷+隠身行動)との複数判定を試みる必要があります。


◆状況による修正値

修正 状況

+1〜+2
 人混みの中、隠れる物陰が多い場所、相手が目立つ格好をしている場合など

±0
 平常の街路、初対面の相手、目立たない格好での尾行など

−1〜−2
 目立つ格好での尾行、相手と顔見知り、馬車を尾行する場合など

−3〜−4
 身動きがとれないほどの人混み、隠れる場所が全くない場所での尾行など


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追跡


 足跡や車輪の跡、あるいは草の倒れている方向や折れた枝先など、残されている何らかの痕跡から判断して目標を追う場合は、追跡(一般:判断+観察力)の技能による追跡判定を行います。難易度1の判定に成功すれば、相手の痕跡をたどって後を追跡できるだけでなく、移動距離や人数などを推測することができます。


▼カモフラージュ
 相手が意図的に隠蔽工作を行った場合は、まずは捜索(一般:感応+観察力)の判定を行なって、カモフラージュ(一般:判断+隠密技術)との対抗判定に勝利しなければなりません。

▼再発見
 判定に成功しているうちは相手の痕跡を見失わずに後を追うことができますが、失敗した場合は痕跡を見落としてしまいます。この後に改めて痕跡を見つけるためには、捜索(一般:感応+観察力)の判定に成功しなければなりません。

▼移動速度
 追跡を行っている時は、移動速度が通常よりも落ちます。行き先の見当をつけて一本道を進む場合は関係ありませんが、そうでない場合はGMが状況を見て移動速度や距離を減少させて下さい。

▼専門知識
 なお、追跡する相手が動物の場合、動物知識(一般:記憶+生物知識)や動物学(専門:記憶+生物知識)などの判定を必要とする場合があります。これに成功すれば、なわばりや移動方法、あるいは生活サイクルといった動物の生態知識を合わせて行動を判断し、行き先の見当をつけることができます。ただし、見て簡単にわかるほど明確な痕跡が残っている場合は、特に気にする必要はありません。


○状況

 雨や風などで痕跡が薄れている場合や、下草が生えていて足跡が見つけにくい状況では、いくらかの不利な修正を受けることになります。また、時間が経てば経つほど、追跡は難しくなります。


◆状況による修正値

修正 状況

+3〜+4
 雨後やぬかるみなどの痕跡が残りやすい場所、多人数の追跡など

+1〜+2
 体重の重い相手や複数人の追跡など

−1〜−2
 風雨などで痕跡が消えかかっている場合、森など視界が遮られる場所など

−3〜−4
 1日以上前の痕跡など判別しにくい状態

−5〜−6
 市街地など痕跡が残りにくい場所、1週間以上前の痕跡など


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罠の扱い


 罠の設置を行ったり、仕掛けられている罠を判断するためには、《隠密技術》の技能に含まれる〈罠作業/各種〉の専門分野を用います。これには屋内罠と屋外罠の2種類があり、それぞれ扱う罠の種類が異なります。


○屋外罠

 狩人たちは野生動物を捕獲するために狩猟用の罠を仕掛けます。また、兵士たちが屋外に罠を仕掛ける場合もあります。
 罠には様々な種類があり、たとえばトラバサミや落とし穴、あるいはロープやネットで引っかかった動物を吊り上げたり、檻に閉じこめるような仕掛けなどが存在します。多くは動物の捕獲用として用いられるもので、目的とする動物の生態に合わせて仕掛けられます。これを判別するためには、動物知識(一般:記憶+生物知識)や動物学(専門:記憶+生物知識)の判定に成功しなければなりません。


○屋内罠

 屋内に仕掛ける罠には大きく分けて2つの種類があります。1つは町中で使用される警報装置で、もう1つは遺跡などに設置される大がかりな罠です。


▼警報装置
 警報装置は、扉を開けたらベルが鳴るといった簡単なものが主流で、それほど複雑な仕掛けではありません。一般には金融機関の金庫や博物館、あるいは重要施設に仕掛けられているくらいであり、誰かに危害を加えるといった機構ではありません。しかし、遺跡の罠は泥棒よけのために設置されたものが多く、命にかかわる物もたくさん存在します。これらを相手にするのは、主に盗掘屋や考古学者といった者になります。

▼対象外
 先史文明の遺跡に仕掛けられている罠は、これらとは全く異質のものです。ほとんど全てが屋内罠や屋外罠の技能では外すことができず、罠ごとに個別の対処法が必要となります。といっても、現在のエルモア地方の技術ではどうにもできないものであるため、罠に引っかかって命を落とすか、あるいはそこを回避して別の通路を探すかの2つの選択枝しかないというのが通例です。


○罠判断

 罠の種類を判断したり、仕掛けられていそうな場所を発見するための判定です。判定には【判断】の能力値を用います。


▼認識
 罠を探そうとする場合、GMは成功判定の結果を具体的に教えてはなりません。見つかったか見つからなかったかだけを告げるようにして下さい。そうしなければ、結果からプレイヤーは罠があるかどうかを判断できてしまうからです。

▼捜索
 罠が仕掛けられていそうな場所を予測して、能動的に捜索を行う場合は、判定には一切の修正はありません。そして達成値が罠操作やカモフラージュの達成値を上回っていれば、罠の有無やそのおおよその仕組みに気づくことができます。しかし、失敗した場合は罠の存在を感知することはできません。そのまま罠が仕掛けられている場所を通ったり扉を開けてしまった場合には、罠が発動することになります。

▼予期せぬ罠
 まったく罠の存在を意識していなかった場合には、−2修正を受けた上で判定に成功しなければなりません。成功した場合は罠が発動する寸前でその存在に気づくことができますが、失敗すればその仕掛けが発動してしまいます。その時、それが相手を傷つけるような種類の仕掛けであれば、罠の難易度を目標とした反射回避(:一般:感応+回避力)による回避判定を行うことになります。

▼代替技能
 この技能がない場合でも、《観察力》などの技能によって罠に気づくことは可能です。しかし、これは罠が直接見えている場合に限られますし、判定には−4修正を受けることになります。また、どのような罠が仕掛けられているかを判断することはできません。ですから、発見したとしてもよほど簡単な仕掛けのものでなければ、具体的な解除方法を判断することは不可能です。


○罠の設置

 罠を設置する場合は、罠作業(専門:器用+隠密技術)の判定に成功する必要があります。この判定の達成値は罠を発見する際の難易度となります。


▼材料
 罠を設置するためには何らかの材料が必要となります。自然物や地形を利用して仕掛ける罠もありますが、この場合でも予め仕掛けを用意していなかった場合は、準備にそれなりの時間を要することになります。


○罠の解除

 罠を解除する場合は罠作業(専門:器用+隠密技術)の判定を行って下さい。行為判定に成功しても、罠を仕掛けた側との対抗判定に勝利しなければ、罠は発動してしまうことになります。


▼判断の失敗
 もし罠判断の判定に失敗している場合は、仮に罠の存在に気づいていたとしても、どのような種類の罠が仕掛けられているかはわかりません。そのため、解除には−2修正を受けることになります。

▼回避
 罠が発動した場合、もし回避できる可能性があるのであれば、反射回避(一般:感応+回避力)の判定を行うことができます。ただし、罠の存在を全く知らなかった時には、判定には−4の修正を受けることになります。


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鍵開け


 鍵を使わずに錠を開ける場合は、《隠密技術》の技能に含まれる〈鍵操作〉の専門分野を用います。〈鍵操作〉は鍵師か犯罪組織、あるいは諜報機関からしか教わることはできませんので、その点に注意して下さい。


○判定

▼判断
 どのような構造の錠なのかを判断するためには、鍵操作(専門:判断+隠密技術)の判定に成功する必要があります。ただし、見て判断できる一般的な錠前の場合は、これを省略して開錠の判定を行わせて構いません。

▼開錠
 実際に錠を外すためには、鍵操作(専門:器用+隠密技術)の判定を行います。

▼道具
 鍵穴があれば、いかなる錠に対しても開錠を試みることができますが、専用の道具が必要となります。針金やヘアピンなどの間に合わせの道具を用いる場合は、−3〜−4の修正を受けます。道具が全くない状態では判定を行うことができません。

▼時間
 複雑な機構の錠ほど、鍵開けに時間がかかります。鍵開けには繰り返し挑戦することができますが、もちろんその分だけ時間がかかりますし、見つかる可能性も高くなります。誰かが気づく可能性がある場合は、適度な間隔で聴覚の判定などを行って下さい。

▼警報装置
 罠と一緒に警報装置などが仕掛けられている場合には、罠作業(専門:器用+隠密技術)の判定に成功しなければ、鍵開けに成功しても相手に察知されてしまうことになります。まったく罠の存在を意識していなかった場合には、−2の修正を受けた上で罠判断の判定に成功しなければなりません。


○難易度の目安

 鍵開けの難易度は錠の種類によって異なります。以下に目安を示しますが、これはあくまでも一般的な数値でしかないので、GMは種類や警戒の厳重さを鑑みて難易度を調整して下さい。


◆鍵の種類と難易度

難易度 状況

1〜3
 戸棚などの簡素な鍵

3〜6
 家の戸口など

6〜9
 小型の金庫、厳重な扉の鍵など

9〜
 金融機関などの強固な金庫


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変装


 変装に成功すれば、他人の目を欺いて別人になりすますことができます。


○判定

▼変装
 化粧や装飾をうまく施すことによって、姿や印象を違うものに変えるためには、変装(一般:器用+装飾技術)の判定に成功しなければなりません。これは自分に対してだけではなく、他人を変装させることも可能となります。ただし、化粧品やカツラ、あるいは付け髭などの小道具を必要とします。

▼感知
 変装を見破るためには、対人観察(一般:判断+観察力)を用いた対抗判定に勝利しなければなりません。成功した場合、皺や仕草なども含めた総合的な印象から違和感を感じたり、あるいは変装の不備に気づいたりすることができます。
 もし、相手が誰か知っている者に変装している場合は、記憶力(一般:記憶+一般情報)による判定を行っても構いません。その場合は普段の仕草や癖などから、違いを判断することが可能です。


◆難易度の基準

難易度 状況

 特徴のある顔。よく知っている人物。自分に近い年齢や背格好など

 全くの別人。あまり知らない人物など
 骨格などが大きく異なる人物。異なる性別など

◆周辺状況による修正値

修正 状況

−2
 間に合わせの道具しかない場合など

±0
 きちんとした化粧品などが用意されている場合

+2
 変装専用の道具や化粧品などがある場合


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尾行追跡罠の扱い鍵開け変装