ユークレイ王国/全体情報

概要基本情報国土文化・生活凍湖人物・集団


 

概要


 カルネア、ライヒスデール、カイテイン、カスティルーンと隣接する北方の国家です。表向きは立憲君主制の王国ですが、司法権以外の諸権限は全て君主に属するという、前近代的な政治制度をとっています。国家の支配者となるのは貴族たちであり、非常に強い権限を有します。
 国民の90%以上はスレイラール人という民族で占められています。スレイラール人は自らの国を湖の国と呼んでおり、湖と森で囲まれた美しい国土を誇りとしています。特に北部には8万を越える湖があり、凍湖と呼ばれ夏でも溶けない氷に覆われた湖も1万以上存在します。
 カスティルーン、ペトラーシャと神聖同盟を締結して、カイテインの南方政策やライヒスデールとフレイディオンの軍事同盟に対抗していますが、それが逆に他国の干渉をまねく結果になっています。現在は霊石鉱田を狙うライヒスデールとの局地戦が本格的になり、激しい戦乱の時代に突入する様子です。


 政治:全体/貴族主導の政治/民意は反映されにくい
   :地方/領邦国家/領主貴族の支配
 代表:国王(女王)
 貴族
:支配階級/領主貴族/諸特権を持つ
 騎士
:存在/軍人
 軍隊
:全体/王国軍/地方軍を統括
   :地方/領主貴族が統括
 警察
:国家が統括/通常形態
 司法
:国家が統括/法教会が管理
 宗教
:法教会/高
 教育
:中
 科学
:中〜高
 術法
:中〜高


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基本情報


 カルネア、ライヒスデール、カイテイン、カスティルーンと隣接する北方の国家です。表向きは立憲君主制の王国ですが、司法権以外の諸権限は全て君主に属するという、前近代的な政治制度をとっています。国家の支配者となるのは貴族たちであり、非常に強い権限を有します。
 国民の90%以上はスレイラール人という民族で占められています。スレイラール人は自らの国を湖の国と呼んでおり、湖と森で囲まれた美しい国土を誇りとしています。


▼国号
 正式名称はユークレイ王国となります。

▼国旗
 国旗は湖の青を地色とし、その中央に王家の紋章と法教会の一員であることを示す白十字が飾られています。

▼統治
 現在の第一君主であるスティート=ラズフォード女王(37歳)が、国家第一の統治者となります。

▼貴族
 支配階級であり、非常に強い権限を持っています。領主貴族は1つの自治体を統括する存在であり、一軍の将としても活動します。無領地貴族には官僚として働くものと、騎士として領主貴族に仕えるものがいます。

▼首都
 首都はフィドリアーネ地方にあるクレイオール市です。シグニア川の上流域に位置する大都市で、良質の水源と肥沃な土壌を持ち、郊外には小麦畑が広がっています。


○現況

 カスティルーン、ペトラーシャと神聖同盟を結成して、ライヒスデールとフレイディオンの軍事同盟に対抗していますが、それが逆に他国の干渉をまねく結果になっています。現在は霊石鉱田を狙うライヒスデールとの局地戦が本格的になり、激しい戦乱の時代に突入する様子です。
 国内では、スティート女王と宰相カルヴァーンとの間の確執が年を経るごとに激しくなっています。しかし、ライヒスデールの大きな侵攻が始まろうとしている現在、双方とも少なからず国民の反感を買っており、行動を自重せざるをえなくなっています。


○民族

▼スレイラール人(白人)
 国民の殆どを占めている民族です。彼らはプラチナブロンドの髪に碧眼の白人で、背はそれほど高くありません。国民の90%以上を占める主要民族です。

▼ヴァルネル人(白人)
 淡い銀色やプラチナブロンドの美しい髪で、瞳も銀、金、青、緑などの薄い色をしています。白人の中でも、特に白い肌をもちます。カルネア由来の民族で、全人口のうち5%程度を占めています。

▼その他
 南部にはライヒスデール由来のリミュール人の住む土地がありますし、カスティルーンとの国境付近ではマイリール人やナヴァール人も住んでいます。しかし、これらの民族は全体の5%にも満たない少数派となります。


○宗教

 古くから法教会を国教としており、熱心な信者を多数抱えています。国家に対する影響力は強く、実質的に司法組織を運営しているのは法教会ですし、枢機卿の1人が国政相談役の地位に就いています。
 首都クレイオールにはクレイオール正教会があり、信仰の中心となっています。聖堂騎士として白銀騎士をもち、不死者の掃討には大きな成果をあげており、銃士隊に劣らぬ人気を誇っています。


○科学・教育

 豊富な鉱石資源を活かした重工業や機械産業を中心に発展を遂げており、学問院を中心に神聖同盟3国で協力して技術開発を推進しています。霊子機関の製造やその他の最新技術の開発も行われており、技術水準は非常に高い国家です。しかし、高名な科学者も多数抱えている一方で、民衆に余計な知恵がつくのを恐れる貴族が多数おり、他の先進国家に比べて教育の普及が今一歩という状況です。そのため、将来的な人材の育成には不安を抱えています。
 初等学校教育の普及は地域によって異なり、基本的には授業料は無料となりますが、下級学年までしか適用されない地域もあります。また、辺境では学校が設置されていない地域も多いようで、法教会の聖職者などが移動教師となって無償で授業を行ったりしています。


○産物

▼農産物
 小麦、大麦、燕麦、ライ麦、カラス麦、ジャガイモ、キャベツ、リンゴ、テンサイ

▼鉱産物
 霊石、霊水、鉄、金、真金、銅、石炭、鉛、亜鉛、すず、希少鉱物

▼その他
 工業機械、船舶、原木(広葉杉など)、製材、製紙、粗糖、はちみつ


○交易

 海洋貿易は頻繁には行われておらず、カルネア、カスティルーン、ペトラーシャを通じる陸路交易が主体となります。というのは、北の海は流氷で閉ざされており、ブルム内海は通商権やライヒスデールとの戦闘によって通航が難しくなっているためです。


○交通

 他国と同様に主な交通手段は馬車ですが、三国鉄道の開設以前から鉄道の敷設が進められており、中部以南の主要な都市間は殆ど鉄道で結ばれています。しかし、北の湖沼地帯へ進むにつれ水路が多くなり、蒸気河船などが頻繁に見られるようになります。鉄道建設の障害となる沼地の干拓などが計画されたりしていますが、貴族の反対も多いために計画はなかなか進展していないようです。


▼三国鉄道
 首都クレイオールからセザック、そしてカスティルーンのリスティアへと続く長距離鉄道で、交易のためにも重要な役割を果たしています。


○亜人

▼ギガント(巨人族)
 身長2m以上にもおよぶ巨人で、様々な亜種がいるようです。北部の山中に住み、殆ど人間と交わろうとはしませんが、不死者に対しては協力して戦います。


▼ロックガーディアン
 ライラント山脈に住む巨人の一族です。最高峰エスランディオを聖地と崇め、それを守ることを使命としています。


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国土


○概要

 大陸ではほぼ最北に位置する国家で、カルネア、ライヒスデール、カイテイン、カスティルーンと隣接しています。南部はブルム内海に続いており、漁業や養殖業が盛んに行われています。降水量は年間を通してほぼ一定で、年による変化も殆どありません。
 国土の東西には大きな山脈が通っており、3000mを越える山々が頂を連ねています。ここから採掘される霊石や鉄を主要とする鉱産物は、産業基盤として重要な役割を果たしています。しかし、同時にこれが他国の侵攻を招く結果ともなっており、古くは東のナイセン山岳地帯を巡ってカイテインと争っておりますし、ライヒスデールの侵攻も主に鉱産資源を目当てとしたものです。また、これらの山地の麓には広大な森林が形成されており、原木や製紙は重要な輸出品となっています。なお、西部のカルネアとの間には大森林と呼ばれる原生林が広がり、その奥地にはエルフと呼ばれる亜人が生息していますが、彼らがユークレイの国土に入り込むことはないようです。


▼北部
 この付近は冷帯に属しており、半年近くは冬が続くという気候の厳しい地域です。夏の平均気温も10℃後半というのが例年です。北端は流氷海域と呼ばれる海に面しており、流氷が移動したためしはありません。ただし、カイテイン北部の海域ほど流氷に覆い尽くされるわけではなく、部分的に海が見えるところもあります。
 全体に湖沼と森林の多い国土ですが、特に北部には8万を越える湖があり、凍湖と呼ばれる夏でも溶けない氷に覆われた湖も1万以上存在します。これらの湖には夏季に渡り鳥たちが訪れ、湖面を優雅に泳いでいます。北部に住む狩猟民は、この鳥を狩って食料や生活用品を手に入れます。特に、リュクティア湖という大きな湖には白鳥の大群が訪れ、鳥の楽園と呼ばれています。


▼南部
 国土の中部以南は温帯に属しており、緯度のわりには気温は高くなります。中部辺りからは針葉樹に混じって照葉樹林が見られるようになり、南の都市の街路には多くの広葉樹が植えられています。中南部の多くは平野となっており、小麦、大麦、ライ麦、えん麦、リンゴ、キャベツ、ジャガイモといった作物が広く生産されています。南部の海岸地方は漁業の他にリゾート地としても知られており、夏冬を問わず観光客が訪れます。しかし、近年ではライヒスデールとの国境紛争が激化しつつあり、海辺でくつろぐ人々の姿も見られなくなりました。


○地図


 


○要所

▼ライラント山脈
 白銀の屋根、銀の天幕とも呼ばれる山脈で、4000mを越える山が幾つか見られます。最北に位置する最高峰エスランディオは、5000m近い高さになるといいます。雪に包まれるのは早く、山頂には夏でも雪が残っています。山々の間には雪解け水をたたえた湖が広がっており、この水が首都を通るシグニア川へと流れ込み、ユークレイの農業を支えています。


▼シグニア川
 ライラント山脈に源流を持つ川で、南部の重要な水源となっています。クレイオールの西を流れ、ラフランシアまで続いています。川幅は広く水深も深いため、ラフランシアまで大型船が入ってくることが出来ます。


▼ナイセン山岳地帯
 ライラント山脈ほどの高度はありませんが、それでも3000m級の山々が並んでおります。霊石や金などの鉱物資源が豊富な山地で、周囲には鉱山夫たちの街がたくさんあります。カイテイン側には火山があり、山肌は岩石が多く山林はそれほど見られません。


▼ルビー湿地帯
 フルラットの南に広がる湿原で、カモ、カイツブリ、シギ、ガン、ハクチョウといった渡り鳥たちが生活しています。春先から夏にかけて赤羽シギが訪れる時期は、一面が夏羽の鮮やかな真紅に覆われて、宝石を散りばめたかのような美しい光景へと変わります。これがルビー湿地帯と呼ばれる由来であり、この光景を見るために多くの観光客が訪れます。


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文化・生活


 ユークレイの人間は忍耐強く、特に北東部でその傾向が強いといわれています。これは寒さに耐えて開拓を行った人々の気質を受け継いでいるためであり、北へゆくほど実直な人間が多い傾向にあります。南部の人々は開放的で人当たりがよいといわれていますが、その一方で打算的な面が強いといわれ、商売上手な人が多いようです。


○湖

 ユークレイの生活には何かと湖が関わってきます。各地にある湖のおかげで、この国では水資源に困ることはありません。湖で採れる淡水魚は蛋白源として重要で、ほぼ毎日のように食卓に上ります。冬には氷をくりぬいて小魚を釣ったり、休日は家族でスケートに興じたりします。祭の日にはスケートレースが開かれて、会場を大いに盛り上げます。また、水資源が豊富であることから、この国では至るところで水車を見ることができ、風情のある音で人々の耳を楽しませてくれます。


▼氷
 この国で何よりも特徴的なのは、凍湖から運ばれる氷です。真夏でも凍湖から掘り出される氷は、食料の保存や涼を取るために大いに利用されています。不思議なことに、凍湖から持ち出すとこの氷は徐々に溶けてしまうのですが、それでも普通の氷よりはずっと長持ちします。


▼渡し守
 北部地域に多い職業で、河川や水路、湖沼などの渡し場で船を待機させている姿をよく見かけます。渡し守は無許可で行ってよいものではなく、各領主の許可を得て行う必要があります。実際には委託を受けた町村の自治体が管理しているため、必要があれば詰め所や役場で訪ねるのが一番よいでしょう。


○食べ物

 ユークレイの主要作物としては、小麦、大麦、ライ麦、燕麦、じゃがいも、てんさいなどがあげられ、主食は小麦やライ麦のパン、もしくはジャガイモとなります。果物や野菜類は夏場に豊富に出回りますし、秋になるとリンゴやナシといった果物が実をつけます。冬場は陸路を通じてカスティルーンやペトラーシャの農産物が運ばれてくるので、少々価格は上昇しますが年間を通じて豊富な種類の野菜を手に入れることが出来ます。また、地域によっては付近で採れるキノコ類がよく食べられます。


▼魚
 この国では氷が豊富であることから、内陸の方でも生の海産物を食べることができます。しかし、なんといっても淡水産の魚の方が漁獲高が多く、イワナのコロッケやマスのソテーなどがよく食べられています。


▼肉類
 牛、豚、羊といったものが主ですが、ウサギや野鳥などもよく食べられています。北部では鹿類も狩猟の対象となりますし、熊を食べる地域もあります。肉類はハム、ソーセージにして保存します。


▼飲み物
 寒い地域なので酒類も多く出回っており、近年の工業化によって安価なビールやウォッカなどが市場に出回るようになっています。また、ペトラーシャ産のワインも好んで飲まれています。ジュース類はリンゴが中心で、柑橘類を使ったものは少なくなります。


▼デザート
 他国ではあまりみられない氷をふんだんに使ったデザートが多く、夏でもアイスクリームやシャーベットを食べることができます。町中ではシャーベット屋の屋台が見かけられ、子供たちが小遣いで買えるほどの値段で売られております。アイスクリームにはシナモンやグレープソースなどが入るものや、ウエハースにのせて食べるものもあります。また、アイスワインと呼ばれるシャーベット状にしたワインを食後に楽しむことができますし、しずり雪という凍湖の氷を上に散らしたカクテルなど、珍しいものが多く見られます。
 冬場のおやつの定番は揚げドーナツで、その他にも揚げジャガイモやパンケーキなど、火を使ったものを食べて体を温めます。


○衣料

 冬になると寒くなるので、フェルトの帽子や毛皮のコート、または羊毛のセーターや手袋などが必要となります。足元はブーツなどの長めの冬靴が多くなり、北部では滑り止めに毛皮を裏につけたものも売られています。


▼洗濯
 北部地方では水車や水路の流れを利用して、特別な木組みの桶の中で洗濯を行うという、天然の洗濯機が用いられています。


○遊び

▼スポーツ
 冬は雪に閉ざされるため、スケートやソリ、それから雪合戦などをして楽しむ子供の姿がよく見られます。それから、現代のような形のものではありませんが、スキーも存在しており、雪の中を歩くために利用されています。凍湖では水をまいて滑りやすくすれば夏場にもスケートを楽しむことが出来るため、余所にはない珍しい光景を見ることが出来ます。


▼船遊び
 湖でボート遊びをするのも一般的な遊びの1つです。恋人たちが輝く湖水の中でおしゃべりに夢中になったり、親子で釣りをして楽しんだりするのが、休みの日の一般的な楽しみとなります。


○死者

 ユークレイではリビングデッドが多く出現することで有名です。これは土葬の習慣が続いていることが原因です。


▼死者の大量復活事件(聖歴722年)
 ソーティー地方の温泉地をスケルトンの大群が襲い、住人のほとんどが惨殺された事件です。スケルトンは軍と法教会の白銀騎士によって掃討されましたが、町は壊滅状態に追い込まれてしまいました。


▼死者の日
 ユークレイでは10月30日に、死者の日と呼ばれる祭が行われます。この死者の追悼儀式は土着宗教から伝わる風習なのですが、祭のあいだ人々は骸骨を型どったお面をかぶることになっています。これは自分が連れてゆかれないようにするおまじないであり、不死者の頻出する地域であることからこういった儀式が考え出されたのでしょう。この他にも、祭が終わった後には死者に家を悟られないように回り道をして帰ったり、死者が食べるためのケーキをお供えするなど、独特の風習が見られます。


▼埋葬都市
 埋葬のためにつくられた大規模な墓場のことで、1つの街全体が墓地として設計されています。ここには人が住むことはなく、聖職者と墓参りに来る人が訪れる程度となります。これは主に東部の山地やそれに近い場所で行われる風習で、埋葬地が足りなくなる度に納骨堂に墓を移動し、墓地を使い回していった結果、たくさんの納骨堂がまるで町屋のように並ぶようになったのです。
 有名なものが聖骸市と呼ばれるナイセン山岳地帯の麓にあるもので、レプレンティス市が古くから所有しています。納骨堂は職能や教区単位、あるいは有力者の家系ごとに用意されますが、時代を経るとともに増えてゆき、今では数百m四方のすべてが納骨堂で埋め尽くされてしまっています。


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凍湖


○概要

 ユークレイ特有の現象の1つで、湖水が凍結したままの湖のことをいいます。凍湖は北部地方に多く、その付近に限っても1万以上が確認されています。これは変異現象の1種ですが、特に住民に被害を与えるものではないので、一般には変異現象としては受け止められておりません。
 凍湖の氷は夏でも溶けることはありませんが、切り出して凍湖から運び出せばいずれ溶けてしまいます。しかし、通常の氷よりははるかに溶けるのが遅いため、ユークレイの人々はこの氷を保冷用に活用しています。また、この特性のために上を歩いて削れた氷がすぐ溶けたりすることもないので、あまり滑ることなく移動することも可能です。
 凍湖の出現条件は全く決まっていないようで、100mも離れていない2つの湖でも、1つは凍湖で1つは普通の湖ということも珍しくはありません。また、凍湖の中には幾つか珍しいものもあり、まだら氷湖と呼ばれる湖は部分的に凍湖の状態になっており、夏場は湖水の中に氷の柱が立っているという光景が見られます。
 それから、凍湖の付近は周囲と気温に違いが見られることが多いようです。これは緯度によらず生じる現象で、暖凍湖や寒凍湖などという呼ばれ方で区別されることもあります。しかし、一般には比較的温暖である場合が多く、冬は一面の銀世界になる北部地方でも、凍湖の付近だけ氷点下になるのがせいぜいという場所が大半を占めます。そのため、国家の位置する緯度のわりには、古くから中部以北にも人が住むことが出来たという経緯があるのです。


○種類

 凍湖は必ずしも平坦であるとは限らず、特異な形状で凍り付いているものも多数存在します。


▼平状湖
 通常の湖がそのまま凍り付いたような、表面が平坦な凍湖です。もっともよく見られるタイプであり、一般に凍湖といった場合にはこれをさしています。

▼斜行湖
 湖の表面が斜面になっていたり、一部だけが斜めに切り取られたようになっているものです。

▼隆起湖
 湖全体もしくは一部分が山のように隆起しているもので、氷丘と呼ばれることもあります。子供たちは冬になると、これを滑り台のように使って遊んでいます。

▼柱状湖
 湖の一部だけが柱状に凍っていたり、凍湖から柱状に氷が突き出ているものです。先端が槍のように尖っている場合もありますが、これは槍状湖と区別して呼ばれることが多いようです。

▼飛沫湖
 飛沫をあげた形で表面が凍り付いているもので、飛沫の部分はその形状から冠氷と呼ばれています。
 
▼階段湖
 一部が階段状になった不思議な形の湖です。螺旋階段のような形で規則正しく下に降りてゆくものもありますが、最後は行き止まりにたどり着くだけとなります。


○その他

▼冬の道
 中部以北の地域では、湖の間には多数の水路が迷路のように張り巡らされております。夏にはこの水路を使ってボートや汽船で移動するのですが、凍り付いた冬の水は凍湖とともに馬車の道として住民に利用されています。


▼スノーバイク
 凍湖の上を走行する目的で、とある発明家が試作しているものです。前輪はソリのようになっており、後ろの二輪は幅の広いスパイクつきの鉄輪がはめられています。しかし、まだまだ安定性が悪いので、車輪部分にはさらなる改良が必要となります。


▼黄金魚
 まだら凍湖の中には黄金魚と呼ばれる魚が生息していることがあります。これは鱗が金属で構成されている魚で、体内に鉄や銅やその他の希少金属を取り込みます。この魚が発見された付近には鉱床が存在しており、利用できる国土の狭いユークレイを発展に導いています。しかし咋今では乱獲がたたり、その数は減少の一途をたどっています。


▼氷壁画
 変異現象そのものではないのですが、凍湖地帯の北のはずれに存在する氷山地帯には、大変異現象の際に凍りついた動物たちが閉じ込められています。人々はこれを氷壁画と呼んでおり、貴重な生物学の資料となっています。なお、この氷を砕いて凍結した動物を食料とする怪物も存在するようです。


▼細胞石の発見(聖歴773年)
 北部の凍湖から、細胞石と呼ばれる生きている石が発見されました。現在でもこの正体は判明されておらず、学問院での研究が続いています。


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人物・集団


○集団

▼王立科学協会
 王家が出資している科学振興会で、学問院などの既存の機関とは切り離された存在です。影では兵器研究を行っているという噂もありますが、その真偽は定かではありません。

▼美しき懺悔派
 法教会信者を僭称する異端派で、拷問によって無理矢理に懺悔の言葉を引きだし、独自の判断で処刑を行うという残忍な無法集団です。北部を中心に活動していますが、その本拠地は未だつかめていないようです。

▼ホワイトシスターズ
 エイルン族と呼ばれる民族で、カイテインとを行き来しながら遊芸生活を送っている女性だけの集団です。彼女らは踊り子であると同時に売春婦でもあり、主に貴族や政治家たちを相手に商売をしています。このため、穢れた純白と呼ばれたりしています。


○人物

▼姫将軍フェリシティ=カーリディン(女/23歳)
 ラフランシア公の末娘で、前線で指揮をとる将軍でもあります。常勝の女神とも呼ばれており、その用兵の巧みさは国内でも随一と讃えられます。しかし、父親である公爵はその将来を心配しており、早く結婚して欲しいと考えているようです。

▼ラナ=リプソン(女/17歳)
 美少女仮面を名乗る正義の味方。国家的な陰謀が絡んだ事件にはなぜか登場し、現場を混乱させて去ってゆく謎の存在です。目のまわりを隠すための蝶の仮面と、肩に乗せた白ネズミが外見的特徴なのですが、このネズミだと思われているのが実は白夜リスで、彼女の使う術法をサポートしています(そのために被害が拡大するわけですが……)

▼アベラル=ホールズワース(男/27歳)
 ソムレリア候リエルの兄なのですが、瞳の色が父親とも母親とも違うことから、その存在を隠されてしまいました。本当は使用人との間にできた子供で、跡継ぎとなるはずの権利を奪われたことから母親を恨み、復讐を企んでいます。

▼ラルティア=リモアルナ(男/32歳)
 酒飲み神官、酔いどれ神官などと、ろくな呼ばれ方をしていないようですが、神官長の地位にいる人物です。治癒術にかけては近隣では並ぶ者のないほどの腕前で、エルモア地方でも数少ない蘇生術の使い手でもあります。

▼ウォルダー=サヴェリッジ(男/35歳)
 黒狐と呼ばれる情報屋で、クレイオール市を中心に活動しています。女王派と宰相派の双方に通じており、警察にもコネを持つ不思議な人物です。その過去もまったく知られておらず、高貴な家系の出ではないかという噂もあります。


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概要基本情報国土文化・生活凍湖人物・集団