天使は10の階級に分類されています。以下の記述は、位の高い順に上から並んでいます。
聖天使は非常に高い位にある天使で、全て合わせて23名しかおりません。彼らは世界の源となる存在や現象を司っているといわれています。属天使はそれよりも低い位となり、非常に数多く存在しています。
○聖天使
▼天使長
最高位の天使で、至高の愛を司るものと言われています。他の天使たちの前にさえ姿を見せることがなく、大天使だけが声を聞くことが可能です。彼らが姿を現わすのは世界が崩壊した後で、世界を復興するために地上に降り立つのだと言われています。
聖母教会では、大変異現象の後に1度だけ天使長が人間の世界に降り立ち、人々に聖母アリアを授けたのだと教えています。対して法教会では、世界を救う使命と力を与えるためにルーンの前に現れたということになっています。いずれの記述でもその姿が描かれることはなく、温かい光と声だけがあったと記録されています。
▼大天使
天使たちの指揮を取る立場であり、事実上の指導者です。現在では大天使と呼ばれる存在は、それぞれ空・星・大地・海を司る4名しか確認されておりません。
大柄で身長は3mほどもあり、美しさとともに近寄りがたい威厳を身につけています。左右に6枚、合計12枚の翼は白銀色に輝いており、頭上の輪は虹色のきらめきを放っています。この天使が人間の前に姿を現わすのは、世界が崩壊する時だと言われています。
▼八柱の天使
8つの徳目を極めたとされる8人の天使で、それぞれが1つの徳目を修めています。他の天使たちの目標となる存在であり、魂の天使、心の天使、世界の魂、顕現する叡智などと呼ばれています。彼らはいつも温和な表情をしており、誰かに敵対的な行動を取ることは決してありません。また、彼らは欲を持つこともありません。それぞれの徳目を司る天使は常に1人しかおらず、1人が死んだ時には選ばれた誰かがその地位を引き継ぐことになります。もちろん、そのためには自分を厳しく鍛え、他の八柱の天使に認められなければなりません。しかし、八柱の天使になりたいという欲があれば、絶対になることは不可能なのです。
▼色天使
青、赤、黄、白、黒、銀、金、緑、紫、茶の10色に属する天使で、各々1人ずつしか存在しません。それぞれの色の瞳をもつ高位の天使であり、全身から瞳と同じ色の光を放っています。それぞれが色に関連した力をもっており、それを駆使して魔族と戦います。自然界の要素を司ると言われており、色は順に水、炎、砂、氷、闇、風、光、植物、雷、地に対応します。色天使は10人の間でしか協力せず、他の天使とは離れて行動しています。
○属天使
▼夜天使(門天使)
別名、命の天使と呼ばれる者たちで、死者の魂を冥界へと送り届ける役目を持っています。これは死者の魂を魔族に奪われないためで、死天使を率いて魔族と戦うこともあるそうです。最も人間の世界に現われることの多い天使で、時には人と会話をすることもあると言われています。天国への鍵を持つことから鍵の天使、あるいは門天使と呼ばれることもあります。
▼死天使(戦天使)
天界の守護、および悪魔など敵対する者との戦いを受け持つ戦士で、非常に優れた戦闘能力をもちます。この天使は翼や頭上の輪をもたず、美しさを除いて人間と変わることはありません。戦天使、断罪の天使、法の天使、剣天使、裁天使などと呼ばれることもあります。
▼上位天使(霊天使)
透き通った光る体をもつ天使で、1つの事柄を司るものです。たとえば、バランスを司る天秤の天使、愛や癒しを司る杯の天使、魂を映し出す鏡の天使などがいます。
色素はなく雪のように白い肌をし、瞳は穏やかな金色に輝いています。性別はなく、20歳前後の姿のまま生き続けます。
▼下位天使(導天使)
最も数の多い天使で、天界の一般的な住人たちです。上位天使の命に従って行動し、人々を神の示す明るい世界へと導くと言われています。そのため導きの天使、燭台の天使、道の天使などと呼ばれます。彼らは使役天使と違って名を持っており、聖典にも時々その名が登場します。
白い鳥の翼を背負った美しい姿であることは使役天使たちと変わりませんが、下位天使は成長した若者たちです。崇高な美しさの持ち主で、頭の上にはうっすらと光る輪が浮かんでいます。声は清水のように澄み渡り、紡ぎ出される歌は人々に安らぎを与えます。争いはあまり好まないものが多いのですが、魔族に対しては敵対心を露にします。
▼使役天使(瞳天使)
人間の世界や天界に入り込んだ魔族を監視し、その動向を高位の天使に伝える役目を負っています。そのため世界の瞳、警告の天使などと呼ばれることもあります。彼らの名が聖典に出てくることはないので、名も無き天使という言い方をする場合もあります。
使役天使は小さな白い翼を背負った美しい少年や少女の姿をしています。人間の前には翼のない少年少女の姿で現われ、普通の子供と区別がつきません。人間の世界での魔族の動向を監視するために、まれに人間とともに暮らしている者もいます。
▼小天使(守護天使)
生前の善行が認められて天使への転生を果たし、天使の翼を持つに至った心清き人間のことです。彼らは人間の守護を行う天使であり、1人の人間を見守る役目が与えられています。しかし、人間に触れることも出来ない霊的な存在であり、その姿は天使や悪魔といった存在にしか見えません。生前の記憶を持っていますが、それに従って動くことは出来ず、神に与えられた役目をこなすだけしか許されておりません。
先頭へ