ペルソニア/植民地

基本情報調停会議領土拡張


 

基本情報


 エルモア地方の国々がペルソニアに進出した目的は、新たなる領土、天然資源、労働力、市場の獲得であり、その多くは侵略というやり方によって達成されました。現在ではペルソニア北部の海岸付近は、殆どが植民地として支配されている状況にあります。
 各国は武力による原住民の征服と植民活動を正当化するために、それらを「文明社会への同化を促す啓蒙活動」だとうそぶいています。しかし、実際には言語、宗教をはじめとした原住民たちの知的活動の結晶を奪い、数多くの伝統的文化の衰退をもたらしています。そして、銃や剣をちらつかせて恭順の道を選ばせ、教化と称して言語や道徳観念を一方的に押し付けているのです。また、幾つもの国家が領土拡張を狙う現状では、他国の侵略から原住民を保護するという大義名分を掲げて、新たな植民地の獲得を進めているのが現状です。


○歴史

 ペルソニア大陸の存在は古くから知られておりましたが、地理的要因から最初に入植を果たしたのは、中央地方にあったラガン帝国でした。聖歴84年にはじまったラガンの大侵攻に対して、技術や兵力で劣るペルソニアの原住民たちは為す術もなく、北部一帯は瞬く間に植民地として支配されることになります。
 エルモア地方の国家がペルソニアと交易を開始するのは、聖歴200年代に入ってからのことです。そして、200年代後半に入ると、東メルレイン連邦国(現ルワール)がラガンの後ろ楯を得て植民地を獲得し、聖歴300年代にはロンデニアも入植を開始します。しかし、それから幾つもの国家・勢力が入り乱れて海上での覇権争いを続けるのですが、大国ラガンのペルソニアでの優位が揺らぐことはありませんでした。
 しかし、聖歴700年に入ってまもなく、この状況に変化があらわれます。聖歴709年のことですが、とある遺跡の中から『冒涜の王』と呼ばれる怪物が発掘されるのです。化石のように眠っていたこの巨大生物は、蜘蛛の胴体にねじれた人間の上半身をくっつけたようなおぞましい姿をしていました。今ではラガン帝国そのものが滅んでしまったため詳しく語ることはできませんが、目覚めた怪物はたった1体でラガンの駐留軍をほぼ壊滅の状態まで陥れ、帝国は多くの植民地を失うことになるのです。
 こうしてペルソニアの原住民は、長きにわたるラガン帝国の支配から解放されることになりました。しかし、これによって人々の不遇な境遇が改善されたわけではありません。弱体化したラガンの隙をついて、カルネア、ロンデニア、エリスファリア、ライヒスデール、ソファイアなどの国家がこぞって入植を開始し、多くの植民地を支配下に置くことになるのです。その後、原住民たちは奴隷組合などのルートを通じて、今まで以上のペースでエルモア地方へと送り込まれ、その忍従の日々は現在も続いています。


○統治

▼国家
 現在ペルソニアに植民地を持つのは、カルネア、ライヒスデール、エリスファリア、ルワール、ソファイア、ロンデニアの6カ国です。

▼統治制度
 制度の細部は各国によって異なりますが、基本的な統治方法は本国から植民地総督を派遣する直接統治によるものです。

▼身分制度
 通常、植民地の先住民は正式な国籍を持たず、外地籍という特殊な法的身分が与えられます。これには奴隷階級として財産登録される者と、市民権を持つ外地市民の2種類があります。

▼居留地
 ペルソニアの居留地には2つの種類があります。1つは、新たに支配下に置いた原住民を恭順させるために教育を行なったり、反乱の恐れがある部族などを住まわせる場所です。もう1つは流刑民や現地の罪人が置かれる所で、監獄とほぼ同じ意味を持ちます。これらの地域はバリケードなどで囲われており、軍が周囲を警戒しています。


○軋轢

 征服民と被征服民の確執は根深く、地域や部族によっては支配の歴史は数百年にも及びます。この間に積もり重なった憎悪の念は簡単に消え失せるものではなく、反乱の火種は常に燻っています。原住民たちがこれ以上虐げられるような状況になったり、本国との連絡が経たれるような自体に及んだ時は、すぐにも植民地政府に対する反乱が勃発する可能性があります。
 実際、反抗を企てる地下組織は各地に存在しておりますし、地位の低いラガン由来の黄人がこれに同調していたり、まだ征服されていない現地国家が影で支援している組織もあります。また、他国のスパイがこういった活動を煽動し、植民地支配に隙をつくろうと画策することもあるようで、いつ何が起こっても不思議ではないというのが現状です。


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調停会議


○会議

 聖歴787年に中立地カーカバートで行われた、列強によるペルソニア大陸の分割に関する会議です。これはルワールとカルネアの共同提唱によって行われたもので、カルネア、ライヒスデール、エリスファリア、ルワール、ソファイア、ロンデニア、カーカバートの7者が参加しました。
 初めて開催されたペルソニア問題に関する会議であり、正式には『第一次南方大陸植民地調停会議』といいますが、通常は『ペルソニア調停会議』という略称で呼ばれます。また、この時に締結された条約は『南方大陸領土協定』といいますが、一般には『ペルソニア条約』で通っています。


▼決定事項
 この会議によって、ペルソニア分割について、以下のような原則が定められました。
 
<1> 領土の確定

 現在占有しているペルソニア植民地の領土を、参加各国の共通理解のもとに確定する。また、今後10年の間、これらの領土を巡って争わないことを条約として締結する。

<2> 領土の維持
 現在占有している領土については、その統治において必要な権力・戦力を領土内に確保する義務を負う。

<3> 新規領土の拡大
 新たに領土の拡大を行った場合は、他の条約締結国に対して獲得領土について通告を行う義務を負う。


 1つ目の条文は、現在の植民地について境界線を正式に定め、会議参加国間での争いを避ける目的でつくられたものです。
 2つ目は領土の保持にあたって、植民地政府と植民地軍を整備しなければならない、というものです。逆に言えば、領内統治が不安定であれば、その地域を領土として認めない、という意味にとらえることが出来ます。このような曖昧な内容の条文であるため、これを逆手に取って他国の領土に侵攻する国が出てこないとは限りません。
 3つ目は新たな占領地を他の締結国に領土として認めてもらうための手続きに関する文章です。しかし、これは領土の確定前の出来事については触れておらず、侵略している最中に他国が干渉しても、それに対して罰則があるわけではありません。
 このような不完全な内容から、この条約は現在保有する植民地を確保するための最低限の約束事に過ぎず、各国は他の参加国に対して気を許したわけではありません。特にライヒスデールは、ルワールが開発している西部の鉱山地域を狙っているという噂が流れており、この一帯は現在も緊張状態にあります。


○経緯

 もともと、ルワールやカルネアがこの会議を提唱したのも、友好国であるルワール領が侵略される事態を避けたい、ロンデニアの思惑があってのことです。とはいえ、敵対勢力の多いロンデニアの誘いには、必要以上に他国が警戒する可能性もありますし、ルワールだけでは背後にいるロンデニアの思惑を勘ぐられるため、内戦状態にあり植民地が隣接するカルネアを巻き込み、共同提唱という形でこの会議を実現にこぎつけました。


○各国の思惑

▼カルネア
 現在は本国が内戦状態にあるため、現在の領土を確実に維持するために、条約締結に積極的に賛成した国家です。なお、この会議に出席したのは南部連合の代表者であり、

▼ライヒスデール
 ペルソニア植民地に関しては新規参入の国家であり、さらに領土を拡大したい考えです。しかし、本国ではユークレイとの国境紛争を抱えており、ロンデニアとはポラス海峡の通航問題で争っている状態です。また、カイテインの南方政策との関連で、現在のところは戦力を本国に集中しておきたい考えがあり、とりあえず会議には賛成の立場を取りました。

▼エリスファリア
 現状では国内に不安はなく、最も余裕のある立場で会議に参加した国です。彼らは各国が国内問題の解決に忙殺されている間に、ペルソニア南部に植民地を拡大してゆきたい考えでした。しかし、現状は植民地内の統治にやや不安がある上、カイテイン帝国の南方政策に対する備えと、新大陸進出のための戦力を国内に確保しておきたいため、条約の内容については特に反対することはありませんでした。

▼ルワール
 国内に黄人の反乱問題を抱えると同時に、カイテイン帝国による侵攻が予想される現在は、植民地の現状維持を望む立場にあります。そもそも、この会議はルワールが提唱したものであり、当然のことながら積極的賛成の立場を貫きました。

▼カーカバート
 植民地を持たないカーカバートですが、ペルソニア交易を頻繁に行っており、参加国それぞれとの利害関係も生じるため、軍事的には中立の立場で会議に出席しました。彼らは得意の交渉能力を発揮し、通商権と航行自由の立場を守り、各地にある自治都市の独立を維持することを締結国に取り付け、ペルソニアでの立場を守ることに成功しました。なお、その見返りとして、これまで通りに完全中立の立場を貫き、いかなる場合でも非軍事勢力の自治都市へ立ち入りを認めること、および戦時下における難民の保護といった条件を受け入れています。

▼ソファイア
 今回の会議については全面的賛成とは言えませんが、消極的賛成の立場にあります。植民地の拡大を行いたいものの、本国の政府は腐敗状態にあり、そのための戦力の確保も難しい状態です。加えて国内では地方勢力による反抗運動が顕著で、これを抑えるまではペルソニアは現状維持で仕方ないという考えのようです。

▼ロンデニア
 現状ではペルソニアの植民地を維持したまま、新大陸の開拓を行いたい考えです。しかし、エストルーク問題を抱えたままで、エリスファリア、ライヒスデール、フレイディオン、ソファイアなどと争うのは難しいため、今回の会議には賛成の立場にあります。


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領土拡張


 新規の領土拡張に関しては、各国は以下のような状況にあります。


○カルネア

 現在、カルネアは本国が内戦状態にあるため、現在の領土を確実に維持することが第一目的です。よって、新規の領土拡張は予定しておりませんが、周辺地域への他国の侵略は阻止したい考えです。


○B地域

 ソファイア、エリスファリア、ライヒスデールの3国は、B-8地域への南下で衝突するかもしれません。ただし、D-2制圧に関して、ロンデニア・ルワールの勢力を抑えるために、エリスファリアとライヒスデールが手を結ぶ可能性も残されています。また、本国の関係を見てみると、ライヒスデールとソファイアは共同でロンデニアに対抗したいという考えもあるため、結局は現状のまま睨み合いを続けるという予想が一般的です。


○C地域

 ロンデニアとルワールは、双方ともC-10地域の鉱山開発を進めています。この2国は比較的友好的な間柄にあるため、最終的に共同開発となる可能性が高く、衝突はまず起こらないでしょう。問題はルワールとライヒスデールの関係で、こちらは植民地を巡って争いを続けてきた間柄で、今後C-8、C-9地域の開発に伴い、再び何らかの衝突が起こるものと予測されます。特にライヒスデールはC-9地域の鉱山資源を狙っていると考えられており、既に侵攻の準備を整えているという噂が流れています。その際、ロンデニアも干渉してくる可能性が高く、本国同士の争いもこれが原因で激化する可能性もあるでしょう。


○D地域

 この一帯はいずれの国家の支配地でもなく、ロンデニアとエリスファリアが虎視眈々と狙っています。ルワールはロンデニアと友好国であり、エリスファリアとはA-3地域の植民地を巡って争った経緯があるため、両国が衝突した場合はこの争いに介入することになるでしょう。しかし、これが原因でカイテインの南方政策にエリスファリアが荷担する可能性も考えられるため、ルワール本国としては非常に頭を悩ませるところとなっています。


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