支配と影響
恐怖体験などによる心理的な圧力は、キャラクターの精神に対して長期的に影響を与える場合があります。このような精神的な傷のことを、ルール上では支配イメージと呼びます。
○条件
▼影響
【自我抵抗】で致命的失敗を出したり、幾度もイメージの刷り込みが行なわれた場合などに、心理的な圧力が支配イメージとして扱われることになります。この他にも、GMの判断でこのルールの適用を決めることが出来ます。▼対象
通常、このルールが適用されるのはNPCに対してになるでしょう。ただし、支配イメージがもたらす恐怖や不幸を克服することも、シナリオのテーマになりうるものですから、このような目的でPCに支配イメージを与えても構いません。▼選択ルール
以下のルールは必ず使用しなければならないものではなく、選択ルールとして扱われます。シナリオの傾向に合わせてGMが判断して下さい。
○支配イメージ
支配イメージは内容と強制度の2つの要素を持ちます。逆に言えば、強制度を持たないような単なる精神的な傷を、支配イメージとして扱うことはありません。
▼内容
支配イメージを持つ心理的圧力には、恐怖による精神的な深い傷や薬物による禁断症状、あるいは変異現象による精神影響などが存在します。▼強制度
精神に与える影響の大きさは、強制度という数値で表わされます。強制度という名称は強制影響度の略であり、影響度の一種として扱われます。▼イメージの反復
同じ種類の支配イメージに繰り返し影響を受けた場合でも、強制度が累積されることはありません。ただし、より高い数値が出た場合は、そちらの方を新たな強制度として扱って下さい。▼記録
支配イメージを獲得した場合は、その内容と強制度を一緒に記録しておいて下さい。
○影響
その後、支配イメージを呼び起こすような出来事が生じた時は、精神的な影響によって判断に狂いが生じたり、思いもかけない行動を取ってしまう可能性があります。このような場合は以下の処理を行なって下さい。
▼抵抗判定
行動支配による影響を避けるためには、強制度を難易度とした【自我抵抗】の判定に成功する必要があります。▼行動支配
支配イメージに抵抗しきれなかった場合、そのキャラクターは一時的にGMが指定した症状に支配され、NPCとして扱われることになります。たとえば、恐怖体験を鮮明に思い出した時に、恐怖症によって一時的に行動不能となるといった具合です。▼自我ダメージ
支配イメージによる精神影響が長期に渡って続いた場合は、そのことによって【自我値】にダメージを被る場合があります。
恐怖症や禁断症状などの影響によって、精神に多大なる負荷がかかったと判断される場合は、GMの判断で強制度を難易度とした【自我抵抗】の判定を行わせて下さい。この判定に失敗した場合、[強制度−達成値]の分だけ【自我値】が減少することになります。
先頭へ
影響の種類
支配イメージとして扱われる心理的圧力には、以下のような種類のものがあります。
○恐怖イメージ
恐怖体験によって精神に傷を受けた場合、その時のイメージに長く苦しめられることになります。
▼強制度
恐怖ダメージとして【自我値】に受けた値が、そのまま強制度として扱われることになります。▼支配と抵抗
精神的な傷を思い起こすような事態に陥った場合には、支配イメージを基準とした【自我抵抗】の判定を行う必要があります。判定に成功すれば恐怖に耐えたことになりますが、失敗した場合は副作用によって行動を制限されることになります。・副作用
動揺、一時的錯乱、気絶、無気力、精神異常(恐怖症、被害妄想、凶暴化など)...etc.
▼衝撃度
強いショックをともなう副作用が生じた場合、支配イメージは同時に衝撃度としても作用します。抵抗判定に失敗した時は、1ラウンドの間だけ自発的に行動を取ることが出来なくなります。
○魅了イメージ
相手に魅了されている間は、相手を思う気持ちが自らの行動を支配する可能性があります。
▼強制度
演技力を用いた誘惑判定の成功値が、強制度として扱われることになります。▼支配と抵抗
相手に盲目的に追従したり絶対的な信用を置くなど、魅了対象について正確な判断を下すことが出来なくなります。もし、魅了対象以外の存在を優先したい場合は、強制度を基準とした【自我抵抗】の判定を行うことが出来ます。
○調教イメージ
繰り返し調教を受けた動物や、洗脳や虐待を受けたキャラクターは、強制力を持つ支配イメージを心に刻まれることになります。
▼強制度
動物の場合は指揮統制を用いた調教判定の成功値が、強制度として扱われることになります。キャラクターの場合は、GMが任意に数値を設定して構いません。▼支配と抵抗
命令に逆らおうとしたり、他の誘惑に負けそうになった場合は、強制度を基準とした【自我抵抗】の判定を行います。判定に成功した場合は、調教イメージに逆らって自らの意思で行動することが出来ます。
○抑圧イメージ
強いストレスがかかる状況が長く続いた場合、キャラクターの心は抑圧イメージに支配されることになります。
▼強制度
強制度はGMが任意に数値を設定して構いません。▼支配と抵抗
何か心配事が生じたり、再び強いストレスがかかるような状況に置かれた時は、強制度を基準とした【自我抵抗】の判定を行います。この判定に成功すればストレスに打ち勝ち、特に何も影響を受けることなく行動することが出来ます。しかし、失敗した場合は不安に心が支配されてしまい、イライラして仕事が手につかなくなったり、周囲に対して攻撃的になったり、現実から逃避するといった行動を取ることになります。
○依存イメージ
アルコール依存や薬物依存などの状態にある者は、依存対象から長く離れると精神的な不安に襲われます。また、マザーコンプレックなどのように、精神的に依存している特定の対象が存在する場合も、それを依存イメージとして扱うことが出来ます。
▼強制度
対象への依存度の高さを強制度として扱います。▼支配と抵抗
依存対象から長く離れていたり、相手を頼ることが出来ない状態に置かれた場合は、極度の不安に襲われることになります。このような場合、強制度を基準とした【自我抵抗】の判定に成功すれば、一時的に不安を抑えたままでいることが出来ます。
先頭へ
治療と回復
○精神診断
▼心理学
支配イメージを打破するためには、まず心理学(専門:判断+精神知識)の判定を行い、いかなるイメージに支配されているのかを判別する必要があります。これは難易度1の判定となりますが、【現在自我値】がマイナスまで陥っている時は、その分だけ判定に不利な修正を受けることになります。
▼行動支配の防御
診察時には問診を行うので、相手は確実に支配イメージを思い出すことになります。このため、診断を行う際には、同時に行動支配による影響を防ぐ判定を行わなければなりません。
この判定は改めて行うのではなく、診断時の達成値で結果を判断することになります。行動支配による影響の大きさは強制度で表わされますので、精神診断の達成値はこの値を上回らなければなりません。もし、達成値が強制度に満たない場合、相手は行動支配による影響を受けることになります。
○支配イメージの打破
▼判定
支配イメージを打破するためには、以下のような判定に成功する必要があります。
◇心理的治療
強制度を難易度とした心理学の判定に成功すれば、強制度を減少させることが出来ます。治療期間はGMが設定して構いませんが、通常は1か月おきに治療判定を行えるものとします。◇克服イベント
支配イメージを乗り越える契機となるイベントが生じた場合、【自我抵抗】による克服判定を試みることが出来ます。この判定の難易度は、支配イメージの強制度となります。どういったイベントによって抵抗判定が可能になるのかは、シナリオの内容やそのキャラクターの設定に合わせて、GMが個別に設定することになります。
▼修正値
【現在自我値】がマイナスになっている時は、その分だけ判定に修正を受けることになります。
▼強制度の減少
〈心理学〉や【自我抵抗】の判定に成功した場合、強制度は1だけ減少します。最終的に強制度が0まで下がれば、その支配イメージを克服したことになります。
先頭へ