教区
教区とは宗教機関が土地を区分けする際の概念で、聖母教会、法教会、エリスファリア教会で用いられています。教区には地方教区と教会教区の2つの考え方があります。一般に教区といえば教会教区のことを指し、地方教区は聖職者の間だけで用いられる用語となります。
○地方教区
国家の各地方を区分する際に用いる単位で、国家を森に、そして地方を1本の樹木に見立てた名前がつけられます。
▼樹教区
幾つかの州などを含む大きな地方に対応する教区のことで、たとえばシェア地方の教区であれば、シェア樹教区という呼び方をします。樹教区内の教会を束ねる中枢の大教会は、樹教会と呼ばれることもあります。▼幹教区
地方の州、小州、準州、県などに対応する教区となります。幹教区内の教会を束ねる大教会は、幹教会と呼ばれることもあります。▼枝教区
小さな領地や市といった範囲に対応する教区です、枝教区ごとに大教会が1つ設置されており、これを枝教会と呼ぶこともあります。▼葉教区
分教会の教区を指すもので、大教会以外の教区教会の担当地域に対応しています。
○教会教区
1つの教会が管理する区域を教会教区と呼び、教区にある教会を教区教会と呼びます。教区教会は数百人に1つという割合で設置されており、このような規模で存在する施設は他に類を見ません。大都市ともなれば、100以上の教区教会が存在することもあります。
教区教会は教区の人間をすべて収容できる広さを必要とするため、教区の規模に応じて建物の大きさが異なります。ただし、いわゆる大教会と教会は建物の大きさで区別されているわけではなく、その地域の中心となる教会を大教会と呼んでいます。枝教区にある教区教会のことは分教会といいますが、これは小さな地区の教会という意味であり、経営は教会ごとに独立して行われています。
○教会参事会
参事会というのは教区の信者がつくる組織です。1つの教会につき1つの参事会が存在し、教区教会の活動が円滑に行われるよう補佐するものです。参事会は教会のために率先して寄付を行ったり、儀式や補修作業の手伝いなどをします。教区聖職者の仕事に対する監査を行う場合は、参事会の評判も判断材料の1つとなります。
○教区記録
教区教会には、教区住民の様々な情報が蓄えられています。教会はそれを教区記録として残しており、教区聖職者がこれを管理しています。教区の人々は洗礼や結婚式、葬式といった儀式を教会で行いますので、出生、死亡、結婚といった情報は間違いなく教区記録に残されています。また、人の出入りや捨て子、その他の事件や事故といった記録も保存されています。
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構造
教会は神やその使いである聖霊たちを祀る場所であり、信者たちが祈りを捧げる場所でもあります。教会は宗教活動の中心となる場所で、小さな村にも必ず分教会が建てられています。聖母教会に連なる組織では、教会はだいたい同様の構造をとっています。
▼全体構造
聖母教会に連なる宗教機関では、教会は1つの樹として表現されます。そのため、柱には樹皮のような模様や枝に見える梁が取り付けられており、ステンドグラスから差し込む光は、木漏れ日にたとえられます。そして、天蓋は神の居る天界であるとされており、壁や天上に宗教画を描く場合でも、神々や使徒の奇跡は天井画、聖者たちの奇跡は壁画という具合に区別されます。
▼礼拝堂
教会の構造として、まず中央に大きな礼拝堂(祭儀室)があり、その正面には神や使徒たちが祀られている祭壇があります。その前には説教台と呼ばれる机があり、聖職者はここで聖書を朗読したり説教を行います。礼拝堂は教室のように机を並べているものもあれば、ホールのようになっている場合もあり、その規模も都市や街など規模によって様々です。小さい村では礼拝所が会議の場となったり、学校として利用されています。
礼拝堂の横手には懺悔室がつくられているのが普通で、信者はそこで自らの罪を悔い改めます。その他には、賛美歌の伴奏のためにオルガンが置かれていたり、大きな教会ではパイプオルガンが設置されていることもあります。
▼展示物
礼拝堂には まれに聖者の遺体(聖遺骸)や聖者の遺物(聖遺物)が祀られていることもあります。通常はその地方の中心の教会となる大教会に置かれていることが多く、多数の礼拝者が訪れます。
▼墓所
裏手の庭は墓所や納骨堂として使われています。敷地が手狭な場合は墓地が地下につくられていることもあり、歴史のある古い教会の地下墓地はまるで迷路のような複雑な構造になっています。
▼鐘
教会の建物には鐘楼が備え付けられており、定期的に時刻を知らせる鐘が鳴らされます。
▼その他
礼拝堂の裏手には神官や司祭たちが住む居住空間や執務室があり、それぞれの信仰と教義に従って修業を行なっています。他にも儀式に使用する祭器の保管室や、必要な資料が置かれている部屋などがあります。
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その他
○付属施設
▼初等学校
法的な意味で教会に付属する施設ではありませんが、宗教機関は初等学校教育の普及に力を貸しており、聖職者が教師を受け持つこともあります。そのため、小さな町村では初等学校の建物が教会の敷地に立てられたり、場合によっては礼拝堂を臨時の教室として用いることもあります。ただし、礼拝堂はそれほど明るいわけではないので、晴れの日は屋外で授業を行うことが多いようです。▼大学校
大都市の中心となる教会には、大学校が付設されていることがあります。聖母教会では神大学、法教会では学問院といった学校が付属施設として存在しており、一般の人々にも門戸が開かれています。エリスファリア国教会も一部の大学校や高等学校の経営に絡んでおり、大教会の近くに学校施設が建てられることがあります。▼施療院
大きな教会には施療施設が置かれていることがあり、寄進をすることで様々な治療を行なって貰えます。なお、蘇生の術も存在しますが、エルモア地方全体を見ても使い手はほとんどおりませんし、重大な理由なしに儀式が行われることもありません。▼救護施設
慈善院、救護院、孤児院といった救護施設が、教会の敷地内に付設されている場合があります。しかし、どちらかといえば教会とは異なる敷地に置かれ、そこに世話役として聖職者が派遣される場合が多いようです。▼巡礼者宿泊所
巡礼者が多数訪れる教会や巡礼ルートにある大きな教会では、巡礼者のための宿泊施設が準備されていることがあります。
○その他
▼集会
小さな町村では、礼拝堂を集会場として使用することは珍しくありません。議会や裁判など、様々な用途で教会の建物が用いられます。▼広場
教会の近くには広場が設けられていることが多く、人々の憩いの場となっています。小さな村でも教会の横に草地があり、休日にはそこでピクニックを行う姿がよく見られます。▼祭り
宗教上の祭祀のみならず、その他の祭りも教会の広場で催されることが多く、殆どの場合は聖職者がこれを取り仕切ります。▼バザー
教会ではいらなくなったものを持ち寄って売るバザーが行われることがあり、売り上げは寄附として貧しい者を救うために使われます。▼慈善パーティ
慈善目的でパーティを行い、貧しい人々を招待して食事をふるまったり、入場料という名目で寄付金を集めたりします。
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