魔道具

一般認識異端の産物


 

一般認識


 術法によって魔道具(マジックアイテム)を作製することは可能です。魔力操作系にはそのための術があり、現在でも間違いなく継承されています。しかし、現行の組織では魔道具を作製することは決してありません。


○術法協会

 術法協会の場合は、社会的影響への考慮からこれを禁止しています。過去に魔道具絡みの事件が起こったことが最大の原因ですが、その際に聖母教会との取り決めにより、以後の魔道具の一般社会への流出を禁じております。なお、問題となった事件の大半はもみ消されてしまっているので、一般社会には殆ど知られておりません。せいぜい悪い魔法使いの逸話として語られている程度のものです。
 魔道具は一般社会へ流出することが問題なのであり、協会内部で管理する分については特に規制はありません。もっとも協会上層部からの許可なしに魔道具を作製することは規約で禁じられておりますので、実際には協会が研究目的で作製するだけにとどまります。
 なお、魔道具を作製するための術は、協会が特別に認めた者にしか継承することがありませんし、習得できる才能を持ったものもほぼ皆無に近い状態にあります。このような事情もあって、魔道具は非常に稀少なものとなります。


○宗教機関

 宗教機関では、このような特殊な力を持つ物品は神や聖者の神性によって生まれたものであるとし、聖具や聖遺物として扱っております。一般の聖職者が魔道具を作ることはありませんし、よほどの理由がなければ上層部が許可することはありません。実際、これまでに見つかっている宗教絡みの魔道具は、聖遺物、聖遺骸のみに限られています。もちろん、これらは宗教機関が認定した物品に限られており、大抵は寄贈されて大教会などに陳列されています。


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異端の産物


 術法協会と宗教機関の認定がない魔道具は、忌まわしい異端の呪物として取り扱われます。その大半は術法協会か宗教機関で封印され、世の中に出てくることはありません。黙って所持していることも、背徳的な行為として認識されてしまいます。


○変異現象

 変異現象の影響によって、術法的な効果を持つ物質が生まれてしまうことがあります。このような物品の場合、奇跡的な効果を持つものは、聖遺物として宗教機関に預けられることが殆どです。逆に人々に害をなすものは、魔神の呪いによる産物として封じられてしまいます。こういった物品は人間が制御できないものが殆どで、多くは何らかの問題や悲劇的な結果をもたらすでしょう。
 しかし、すべてが魔道具として扱われるわけではなく、気づかないうちに日常生活に入り込んでいるものも多々存在します。この世界には現実には存在しない化学的性質を持った薬品や鉱物などもあり、これらの中には一般の物質と同様に利用されているものも数多く存在します。変異現象の影響を受けた動植物の代謝産物などにも、このような効果を持つものが幾つも存在します。


▼変異霊石
 魔道具としては少し異質の存在となりますが、変異現象の影響を受けた霊石も、霊的効果を生み出す可能性がある物品です。これは変異現象によって霊石に霊的回路が組み込まれることで起こるもので、このような変異霊石を霊子機関の燃料として用いた場合に、何らかの特殊効果を発動させてしまいます。


○異端の技

▼異端の術法
 異端の術法によって生み出される魔道具も存在します。


▼錬金術師
 錬金術師の中には、魔道具のような物品を作り上げる者もいるようです。しかし、これらの多くは裏の世界で使用されるので、一般社会に出てくることは殆どありません。製法もそれがどのような品なのかも、一切が闇の中にあります。ただし、それが忌まわしい技術の産物であり、何らかの犠牲が生じていることには間違いないようです。


▼仮面
 ペルソニアに伝わる呪装仮面は、霊的効果を発揮する魔道具の1種です。これらは異端の技術と考えられておりますが、エルモア地方の殆どの人々は通常の仮面と見分けることが出来ないため、単なる工芸品や発掘品として輸入された品の中にも、呪装仮面が混在しているのはよくあることです。


○心の澱

 生物(主に人間)の強い思いによって、不思議な力を持つ物質が出来上がってしまうことがあります。こういった物品が魔道具のような効果を示すことがあるようですが、変異現象の産物と同様に、制御できるものの方が少ないようです。なお、こういった品の中には、変異現象が複合的に作用してできた物もあります。


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一般認識異端の産物