機械/基本要素

概要舞台シナリオその他


 

概要


 機械を巡って起こるトラブルを題材としたシナリオです。


○目的

 聖歴789年のエルモア地方では科学の重要性が認められており、蒸気機関などの機械が普及し始めています。しかし、一方で機械が引き起こす問題も多く、解決しなければならない問題も多数存在します。
 科学技術の進歩を歓迎する一部の先進国家では、新しい技術は手放しで受け入れられるものです。しかし、場合によっては、それが非合法な手段で入手されることもあります。軍が他国の研究者を誘拐同然の手段で引き抜いたり、他人の研究を盗み出して大金を手に入れようと言う不届き者も存在します。もちろん、科学の進歩が必ずしも人々を幸せにするとは限りません。
 このタイプのシナリオでは、いかにゲームの目的に沿った形で科学や機械が用いられるかが問題になります。プレイヤーは、それが人や社会に及ぼす影響をも考慮した形で、トラブルを解決しなければなりません。盲信や迷信というのは、それが正しいかどうかを判断する根拠にはなりませんし、自分の意見や調査の結果を周囲に理解させなければ、本当の意味でシナリオを解決したとはいえないでしょう。


○楽しみ

▼新発見
 新たな発見に対する興味や、そしてそれがもたらす騒動や問題に遭遇した時の驚きといったものも、このタイプのシナリオにおける楽しみになります。

▼アクション
 カーチェイスや暴走する機械を止めるなどのアクションなど、機械ならではの緊迫したシーンを楽しむことができます。

▼憧れ
 この時代の科学ではわからないことはたくさんあります。しかし、無知ゆえに努力し、荒唐無稽とも思える夢に突き進むことができるのです。もちろん、非合理的な機械を生み出すこともありますが、それが許されてしまうのがこの時代の特徴でもあります。子供の頃に抱いた科学への憧れを実現できるのも、このタイプのシナリオの大きな特徴です。

▼陰謀
 新発見に関係するシナリオは、国同士の問題や軍が出動するような大きな話に膨らませることもできます。特に発掘品の発見は、エルモア地方全体もを巻き込む大きな騒動に発展する可能性があります。なお、発掘品の秘密そのものに触れる場合は、GMはシークレットパートに一通り目を通すようにして下さい。

▼珍発明
 現実にはばかばかしくて到底考えもしないような発明も、この時代では真面目に開発に取り組むこともあり得るのです。珍発明が絡むシナリオは、特にコミカルな雰囲気で遊ぶことができるでしょう。


先頭へ

 

舞台


○地域

 機械が関与するシナリオは、主に科学が発展している国家となるでしょう。カルネア、カスティルーン、ペトラーシャ、ライヒスデール、フレイディオン、エリスファリア、カーカバート、ロンデニアといった国々が挙げられます。
 逆に舞台として全く適さないのは、ユナスフィール教国のように機械を導入していない国家や、聖母教会の勢力の強い地域などです。ただし、このような場所にいざ機械が導入されるとなった時に、古くからの職人や聖職者たちとの対立が生まれることが多く、それがシナリオのネタとなる場合もあります。たとえばソファイアのマイエスルッツ州を中心に起こっている事件がそれで、非常にエルモア地方らしいシナリオの題材であるといえるでしょう。


○研究機関

 機械についての先進的な研究を行っている場所は、大学の研究室、企業や国家の研究所、軍事工房、それから学問院などです。中でも学問院と先進国家の軍事工房は、特に優れた技術を持っています。なお、神大学ではこのような研究は行われておりませんので、この点には注意して下さい。


先頭へ

 

シナリオ


○タイプ 

▼事故
 機械によって引き起こされた事故を解決するシナリオです。機械の暴走を止めたり、場合によっては破壊しなければならないこともあるでしょう。救出を主体とするシナリオも考えられますし、これから起こりうる事故を未然に防ぐというシナリオもあり得ます。

▼発明品
 発明品が元で起こる騒動や犯罪事件がシナリオの中心となります。発明家の誘拐といったネタなどもこのタイプのシナリオに含まれるでしょう。

▼アクション
 機械を用いたチェイスや活劇といった、アクション主体のシナリオです。自動車レースなどの競技もこのタイプに含まれます。コミカルなシナリオにも、命を懸けたシリアスな展開にすることも可能です。発想次第で、非常に幅広い傾向のシナリオを楽しむことができるでしょう。

▼調査
 発明品をつくるための材料を探したり、機械絡みの犯罪に関する調査を行います。機械そのものというより、機械をキーアイテムとしたシナリオといった感じになるでしょう。

▼調停
 新たな技術の出現は、社会全体にも影響を与えるものです。それは人々に良い影響を与えるだけではなく、公害のように悪影響を及ぼしたり、一部の人に損害を与えることもあり得るのです。こういった科学に端を発した問題を調停する作業も、シナリオの核となりうるものです。

▼誤解
 なんでもない機械を過剰に恐れたり、あるいは本当は科学的な調査によって解析できる問題を、祟りのせいにしたりということがあります。こういった無知ゆえに起こる問題や誤解を解くことが、シナリオの課題となります。


先頭へ

 

その他


○判定

▼能力値
 機械に関する知識が必要となりますので、まずは【記憶】の数値が高い方がよいでしょう。また、発明や改造を行う場合は【判断】、機械を自分で修理・作成する場合には【器用】の能力を高くした方が有利です。これらは機械を操縦する際にも役立ちます。

▼技能
 機械の製作や知識に関しては、《機械知識》の技能に含まれる専門知識が必要となります。技師の場合は〈機工技術/各種〉を習得していれば十分となりますが、機械開発者や発明家をプレイする場合は、〈機械工学〉の専門分野を身につけていなければなりません。
 機械の運転・操縦に関しては、《操縦技術》の技能を用います。車両などの機械を操縦するためには、〈専門操作/各種〉の専門分野を習得していなければなりません。
 技能レベルは高い方が有利となりますが、失敗も想定したコミカルな雰囲気のシナリオで遊ぶ場合は、判定値が低くてもさほど問題にならないはずです。


○物品

 当然のことながら、シナリオの中心となるのは機械です。それは交通機関かもしれませんし、新型の工場機械かもしれません。新しく開発された機械類というのは他国の密偵に狙われることがありますし、産業スパイが設計図の奪取をもくろんだり、あるいは身内に裏切られるということも考えられます。また、軍事に絡む機械は戦局を大きく変えてしまう可能性もあり、非常に緊迫した雰囲気のシナリオを展開することができるでしょう。
 しかし、新たな思想で設計された機械は必ずしも完璧に動作するとは限りません。いえ、むしろ何らかの問題を抱えていることが多いものです。この問題点を解明することをシナリオの目的とすることもできますし、また機械が引き起こしたトラブルを解決することをシナリオの目的とすることも可能です。
 シナリオに登場させる機械類は、特にこれといった数値が必要でなければ、機能だけを設定しておけば問題ないでしょう。交通機関として用いられる機械を利用する場合は、データパートに記されているデータを参考にして下さい。ただし、そこにあるものはあくまでも一般的な例ですので、それを参考に新たな機械を作製しても構いません。


先頭へ

 


概要舞台シナリオその他