儀式

一般儀式入信儀式祭祀


 

一般儀式


○礼拝

 礼拝は基本的に毎日行われていますが、一般市民が最も参加する機会が多いのは休日礼拝です。信者は休日の朝に教区教会の礼拝堂に集まり、神書や聖書などをもとにした神の言葉を聞きます。これは教区の民に限らず、誰でも自由に礼拝堂に出入りして参加することができます。


○告白

 一般に懺悔と呼ばれる贖罪の儀式です。通常は教会の礼拝堂にある懺悔部屋あるいは告白室と呼ばれる小部屋で行われます。
 神を信ずる者が罪を犯した場合、教会へ赴き聖職者に告白し、許しを請います。聖職者はその告白を聞き届け、どのようにすれば罪を償うことができるのかを一緒に考え、そのための方法をわかりやすく教えてくれます。聖母教会系の宗教組織では、善行を積み、そして同じ過ちを繰り返さないことで贖罪は為されると説いています。


○結婚

 神の前で永遠の愛を誓う儀式です。結婚する2人は、生涯の伴侶として互いに認め合い、尊敬し合い、赦し合いながら共に歩んでゆくことを誓います。教会に認められない結婚というのは、教区の人々にも認められていないということになります。
 なお、聖母教会、法教会では、教会の賛同を得ていない離婚は許されません。そのため、信仰心の強い地域では、離婚者は教区民の助けを得られないこともあります。なお、エリスファリア国教会だけは別で、その成立の経緯から離婚は容認されています。


○臨終

 臨終をみとるのも聖職者の仕事の1つで、本人や家族の悲しみや苦しみを和らげるために祈りを捧げたり、最後の言葉を贈ったりします。死者が出た場合にも同様に教区の聖職者が駆けつけ、神のもとへゆけるように祈りを捧げ、聖水で額に聖印を描きます。これは死者の魂が悪魔に誘惑されずに、信仰を堅く守って天国へと行けるように手助けする儀式です。
 葬儀は教会で行い、教区の墓地や納骨堂に故人の遺体がおさめられます。葬儀のやり方は宗教組織によって異なりますし、火葬にするか土葬にするかということも地域によってまちまちです。敷地の狭い教会では墓を新しくつくるのは難しいため、新しく死者が出た場合は古い墓から骨を掘り起こし、それを納骨堂に移して土地を空けるということも行われています。


○巡礼

 聖地巡礼の目的で旅をする人は現在でも多くいます。正式な巡礼は物見遊山の旅行とは異なり、自らの魂を見つめ直すための修行の場であり、道中は非常に苦しいものとなります。
 巡礼は徒歩で行うもので、交通機関を利用することはありません。しかし、徒歩での旅は危険も多いので、ある程度の人間が集団となって行うのが普通です。また、場所によっては護衛団として神官戦士や聖堂騎士などが配備され、巡礼者の身の安全を守ることもあります。


▼宿泊
 巡礼途中の宿泊は、たいてい巡礼宿と呼ばれる教会の付属施設を利用することになります。ここには炊事場やベッドが準備されており、旅の疲れを癒すことができます。利用には料金は一切かかりませんが、代わりに教会の掃除などの手伝いを申し出るのが普通です。そういったことも修行の一環であり、巡礼者は求められなくても進んでこれを行います。巡礼宿はある程度の大きさの街にしかありませんが、そういった施設がなくても教会に行けば寝る場所を貸し与えてくれます。また、巡礼のメインルートとなる街道では、一定間隔でに巡礼小屋と呼ばれる小屋が置かれており、雨風や寒さを防ぐことができるようになっています。


▼変化
 交通機関の発展とともに、修行としての巡礼ではなく、旅行として聖地や中央教会を訪れる人も年々増えています。また、昔は体の不自由な者の代わりに行っていた代理巡礼というものが、現在では全く健康な人々の間でも行われるようになっており、旅費をカンパすることを代理巡礼というように変化しています。


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入信儀式


○洗礼

 入信する時に行う儀式です。洗礼を受けなければ神の保護を受けることができず、死んでも神のもとへ行くことは出来ません。また、教区の一員として認められることもありません。
 これを行うためには、まず教義について理解していることが前提となります。そのため、洗礼式の前に開かれる入信希望者のための洗礼礼拝に出席し、基本的な教義についての手ほどきを受けます。といっても、通常の礼拝に参加していれば理解できる内容であり、特別な内容の講義が行われるわけではありません。入信者はこれを行った後に聖職者と相談し、洗礼式を受けるかどうかを決めます。
 次に必要なのが名付け親です。これは血縁者や聖職者からは選ぶことができません。名付け親は洗礼名を授ける者であり、また、本人の成長を支える助けとなる存在です。名付け親がいるということは、入信希望者が教区の人々に受け入れられているという証でもあります。
 洗礼式では、入信者は洗礼を受けることの誓いをたて、聖職者に聖水で額に聖印を描いてもらいます。洗礼を行う日は特に決まっておりませんが、使徒の聖誕祭などに希望者が集中するため、大きな教会では大勢の入信者が合同で式を行うことが多いようです。なお、洗礼は幼児期に行うこともできますが、その場合は改めて堅信式を行わなければ、正式に入信したとは認められません。


○堅信

 洗礼式では自らの口で入信を申し出なければなりませんが、幼児洗礼を受けた場合は喋ることができませんから、成人してから改めて入信告白をしなければなりません。通常は15歳ぐらいの時に堅信式を行います。


○叙階

 叙階は神に生涯を捧げることを違う儀式で、これを行って初めて聖職者として認められます。大方の場合は15歳以上になってからでなければ、神学徒として認められることはありません。


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祭祀


○聖者祭祀

 聖者の業績を讃えるための祭祀で、主に大教会で祭事が催されます。よほどの業績を残した者でなければ、基本的にその教会のある地方だけで行われます。


○一般祭祀

 季節の折り目としての春祭や収穫祭、そして何より新たな年を祝う新年祭では、酒や肉などが人々に振る舞われます。こういった祭りは宗教機関を中心として行われ、人々は神への感謝の祈りを捧げます。


▼新年祭
 1月1日から3日まで行われ、酒や料理が人々にふるまわれます。広場や大通りには屋台が出て、パレードやサーカスなどが催される地域もあります。

▼春祭
 春の到来を祝う祭事で、地域によって日にちが異なる場合もありますが、だいたい4月の初め頃に行われます。

▼収穫祭
 秋の収穫を感謝するもので、地域によって行われる日は異なります。地域特産の作物がある場合は、それが人々にふるまわれたりします。


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