新大陸エスティリオ

概要技術その他


 

概要


○勢力

 かつてこの土地にどのような国家が存在していたのかはわかりませんが、複合民族国家があったのか、あるいは多数の国家が乱立していたかのどちらかのようで、現在の住民も様々な人種で構成されています。彼らは住みやすい東部に集まり、村や小さな集落をつくって生活しています。
 原住民たちは数百年ほど前から、『聖域連合』(ユナイテッド・サンクチュアリ)と呼ばれる連合体制をつくり、協力して変異体やトカゲ竜から身を守っています。この中心となるのが『中央聖域』と呼ばれる高台に位置する土地で、旧世界の遺跡が存在しています。付近にも聖地として崇められる場所が集中しており、この地は政治の中心でもあると同時に、宗教的な中心地としての意味あいを持っています。遺跡を管理する役目は政治を司る『長』と神官である『守護役』が担っており、人々の指導とともに旧文明の技術を代々伝えているようです。
 中央聖域の遺跡は別名『地下道都市』といい、高台の下には入り組んだ地下道がつくられています。地下道の大半の通路には土砂が堆積し、原住民たちも奥の様子を正確には知りません。この都市そのものが旧文明の遺産であり、人々は現在も地下道都市の復旧に取り組んでいます。


○現況

 エルモア地方から移民者たちが訪れた現在でも、この連合体制は堅く守られたままであり、人々は協力して侵略者から身を守っています。トカゲ竜の脅威によって狭い土地で暮らさねばならなかった原住民たちにとって、耕作地となりうる場所を奪われることは生死に関わる大問題なのです。
 しかし、移民たちとの間でトラブルが発生して、小規模ながら戦争状態に入ったことにより、原住民たちにはかつてない不安が広がっています。そのため、聖域の封印を解くべきだとの声も上がっていますが、守護役たちが頑としてそれを受け入れないため、住民たちとの間に亀裂が入りつつあるようです。


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技術


 原住民たちの技術レベルは非常に低く、戦いにおいても槍や斧、あるいは弓などによる攻撃が主体となります。もちろん、蒸気機関や銃のような優れた技術は、移民たちがこの大陸に訪れる以前には目にしたこともありません。文化レベルにこれほどの差がありながら、未だに彼らが征服を受けずにすんでいるのは、旧科学魔道文明の発掘技術を用いた、非常に特殊な戦闘法を身につけているからです。


○魔道蟲

 発掘技術の1つに、原住民たちが『魔道蟲』と呼んでいるものがあります。この生命体には、再生蟲や神経蟲などといった幾つかの種類が存在します。これらは培養してある組織塊からつくられ、目的に合わせて機能が付与されます。このようにして様々な能力を獲得した蟲は、人体に埋めこまれると組織や器官と同化し、人間に驚異的な戦闘力や他生物の能力を与えることになります。翼で空を飛んだり、手足を自在に伸縮させたり、あるいは毒の息を吐いたりといった能力が、変異体の脅威や移民たちの武器から人々を守っているのです。
 ただし、蟲を体内に埋め込む際には想像できないほどの苦痛が伴うため、誰もが身に付けることができるわけではありません。この試練に耐えたものは『蟲使い』として、人々から最大の尊敬を受けることになります。蟲使いはこの賞賛に応え、自らの力を惜しむことなく使って仲間たちを守ります。


○魔玉

 魔道蟲と並ぶ有用な戦力には、『魔玉』と呼ばれる石の力があります。これを使うものは『魔玉使い』と呼ばれており、蟲使いと同様に恐れられています。魔玉使いは別名『獣魔使い』とも呼ばれ、魔獣を操る技術を持ちます。使役する獣魔の特徴は、額に第3の瞳をもつことです。


▼シャドウ・ファントム
 魔玉というのは生物の情報が記録された特殊な結晶石で、シャドウファントムと呼ばれる霊魂の核となるものです。これらは周囲に霊媒物質を集めて、それを自らの肉体として活動することが出来ます。

▼憑魔
 獣魔の中には非常に特殊な存在がいます。これは使い魔のようにただ1人の魔玉使いに仕えるもので、魔玉使いたちはこの魔獣を『憑魔』(憑魔獣)と呼んで、常に身近に置いています。憑魔が宿る魔玉は残留思念が憑依した特殊な結晶体であり、死を迎えた人々の獣魔使いを思う心が刻み込まれています。
 多くの場合、この思念情報は家族や恋人の願いで構成されています。つまり、憑魔とは愛する者から最後に与えられた涙でもあり、そして死んでいった人間そのものでもあります。ですから、魔玉使いたちは憑魔を何よりも大事にし、常に自分の側から離さないのです。逆に憑魔たちも主からは決して離れようとはせず、死してなお愛する者を守り抜く力として存在し続けるのです。


○術法

 新大陸でもいくつかの術法は使われています。特に、不思議な紋章や模様を体にペイントすることによって力を得る化粧系や、獣化系の術法がよく知られています。蟲使いや魔玉使い、そしてこのような変身に関わる術法を多く使用することが、エルモア地方の人々に原住民を化け物だと誤解させる要因となっているようです。


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その他


○機神

 ロンデニアの移民の1人に、バーニッシュ=ビーという青年軍人がおりました。彼は原住民との戦いの中で死亡したものと思われていましたが、バーニッシュは無事生存しており、しかも大きな手みやげをもって帰還したのです。
 バーニッシュが開拓村に持ち帰ったのは、全長8mを越える巨大な人型の機械でした。彼は帰還した早々、仲間たちがトカゲ竜の群れに襲われている光景に出くわすことになります。そして、バーニッシュはこの人型機械を用いてトカゲ竜を倒し、これを追い払うことに成功しました。
 こうして、はじめはこれを恐れていた移民たちも、破損していながらも何体ものトカゲ竜を倒したこの機械に羨望の眼差しを向けるようになったのです。人々はこの人型機械を機神と呼び、その秘密をどうにかして解明しようとしました。しかし、最後の戦いで機神自体がバラバラに破壊されてしまったこと、本国から遠く離れていて技術者がいないこと、そして何よりバーニッシュが戦いで死んでしまったことから、機神の秘密についての情報はほとんど得られていません。しかし、たった1機でさえ戦局を大きく変える力を持つだろう機神という存在は、この大陸に進出する上で最大の魅力となったのです。
 現時点ではこの最初の1機以外の機神は全く目撃されておりませんし、まだロンデニアの移民たちしか機神の存在を知る者はおりません。ですが、これから植民活動が拡大するにつれ、いずれバーニッシュのように機神を発見する可能性も少なくありません。これが変異体の掃討に利用されると同時に、数多くの人々を殺すことになるのも想像に難くないはずです。


○その他

▼黄金郷エデン
 新大陸について囁かれる噂の中に、『黄金郷エデン』伝説というものがあります。これはロンデニアから広まったもので、真金でつくられた都エデンがエスティリオの奥地に眠っているという内容です。金よりも正しい金であるといわれる真金は、霊子機関の中枢回路に使用されている導霊金属です。
 この一連の噂には真実も含まれており、導霊金属の大規模な鉱脈がエスティリオにあるのは確かですし、聖域連合は金を真金に転換させる技術の一部を秘匿しております。これらは聖地の1つに隠されており、その場所を守る部族もおりますが、いずれエルモア地方から軍隊が派遣されるようになれば、簡単に奪われてしまうことでしょう。


▼黄金のカタレリナ
 黄金像となったといわれる少女像で、中央聖域の建物の奧にあります。彼女は聖者として崇められており、聖域連合のシンボルとなっています。


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概要技術その他