武器データ
○基本データ
全ての武器には攻撃修正、打撃値、装備箇所といったデータが設定されています。
▼攻撃修正
攻撃修正とは攻撃判定にかかる修正値のことで、−1などといった形で書かれています。基本判定値(能力値+技能レベル)にこれを加えた値を基準として、攻撃の成否を判定することになります。つまり、これが大きいほど扱いやすい武器であることを意味します。▼打撃値
打撃値は武器が与えるダメージの大きさのことで、この値が大きいほど強力な武器だということになります。この値が横棒線で表わされている武器は、たとえ命中してもダメージは与えられません。▼サイズ
武器の大きさのことです。このデータは、格闘武器/近接武器にしか設定されません。
小型:長さ60cm程度までの小型の武器です。
中型:長さ60〜120cm程度の中型の武器です。
大型:長さ120〜180cmの大型の武器です。
特大:長さ180cmを超える特に大型の武器です。▼装備箇所
装備箇所はその武器を片手で持つか、あるいは両手で持つかということを示しています。
中には片手でも両手でも持つことができる武器もあります。こういった武器は、両手で持った場合の打撃値は、片手で持った場合よりも2ポイント上昇します。装備表では3/+2という具合に表記されており、スラッシュ(/)の左側が片手で持つ時の打撃値で、両手で持つ時はそれに+2した値が打撃値として扱われることになります。▼効果分類
武器には与えるダメージのタイプが記されています。それぞれの詳しい効果については、次の「効果分類と用途」の項目をご覧下さい。▼用途
武器によっては特殊な攻撃方法を選択することが可能となります。それぞれの詳しい効果については、次の「効果分類と用途」の項目をご覧下さい。▼価格
武器の価格です。全てエラン単位で書かれています。
○飛び道具
▼射程距離
武器のデータに書かれているのは、基準射程として扱われる距離(単位:m)と射程倍数です。データに10m×3と書かれている場合は、基準射程が10mで射程倍数が3であることを意味します。
有効射程距離は基準射程に射程倍数をかけた数字で示され、近距離は[基準射程×1]m、中距離は[基準射程×2]m、遠距離は[基準射程×3]mとなります。中距離に攻撃を行う場合は攻撃判定に−3、遠距離にいる相手の場合は−6の修正がかかります。▼数/準備
弓や銃などの矢や弾丸を撃ち出す武器には、数/準備という数値が設定されています。これは1度に装填できる追加武器(矢や弾丸)の数と、その準備に要する小行動(SA)の回数のことです。
追加武器の準備作業は、マルチアクションとして扱われます。準備に1SAと書かれている武器の場合は、小行動で準備を済ませ、次の本行動で射撃を行うことが可能となります。準備4SAの武器の場合は、小行動4回(2ラウンド)を費やして消費武器の装填を行い、3ラウンド目に射撃を行うことが出来ることになります。
○追加武器
▼種類
追加武器はそれ単体では武器として利用できるものではなく、他の武器と組み合わせて使うものです。主に矢や弾丸などがこれにあたりますが、スコープのように狙撃の精度を上げるものもあります。▼使用武器
追加武器の表には使用武器という欄があり、ここに書かれている武器でしか、それぞれの追加武器を使用することはできません。▼数値
追加武器は攻撃修正と打撃値の数値を持ち、攻撃修正:±0や打撃値:+1といった具合に表記されています。これらは使用武器のデータにそのまま加える値で、たとえば弓の打撃値が4で矢の打撃値が+2であれば、4+2=6ポイントの打撃値として扱われます。
○銃器と弾丸
▼弾薬
銃器にはタイプおよび弾薬というデータ欄があります。これはその銃器で用いることができる弾丸の種類に関係するデータで、使用武器に書かれているタイプの武器でしか、その弾丸を使うことができません。▼徹甲値
徹甲値というデータが記されている銃弾や砲弾は、その分の装甲(防御値)を無視してダメージを与えることが出来ます。
○効果武器
固定的なダメージを表わす数値を効果値といい、難易度とまったく同様の扱いを受けます。ダメージの大きさが効果値で表わされるような武器を効果武器と呼び、手榴弾などがこれにあたります。これらの武器は、通常の武器のようにダメージに攻撃判定時の達成値を加えたりすることはありません。
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効果分類と用途
武器には用途や与えるダメージの分類が記されています。それぞれの効果は以下に示す通りです。
○効果分類
武器によっては、与えるダメージの処理が変化する場合があります。効果分類が複数書かれている場合は、効果を選択して扱うことが出来ます。
▼打撃
刃物や重い鈍器などの殺傷武器は、普通に打撃を加えた場合は相手が死ぬ可能性があるものです。効果分類が打撃となっている武器で攻撃した場合は、通常のダメージ計算を行ってダメージを決定して下さい。
▼破壊
殺傷力のある武器のうち、木を切り倒したり固い物品を破壊することが可能なものです。破壊と書かれていない武器の場合は、逆に武器の側が壊れてしまいます。ダメージの処理は打撃の場合と同じで、通常通りに計算を行います。
▼気絶
◇ダメージ
効果分類に気絶と書かれている武器を用いた場合、【生命値】が0になるまでは通常と同じようにダメージ処理を行います。しかし、どれほど攻撃を受けても、【生命値】がマイナスになることはありません。◇気絶判定
気絶武器による攻撃で気絶判定が生じた場合は、特殊な判定処理を行います。この時は実際に受けたダメージを基準とするのではなく、まず打撃/破壊武器と同様に【生命値】の減少分を計算して下さい。そして、【生命値】がマイナスになった分を仮想の修正値として、気絶判定を行なうことになります。
たとえば、【生命値】が残り4の相手に8点のダメージを与えた場合を考えてみましょう。この時、通常の武器によるダメージであれば、【生命値】が−4まで減少したことになります。ですから、−4修正を加えて気絶判定を行なわなければなりません。◇死亡
気絶武器では相手を死亡させることも不可能となり、仮想ダメージをいくら受けたとしても、死亡判定を行う必要はありません。
▼非殺
殺傷力を持たない武器のことで、網などの捕縛武器がこれに当たります。非殺武器を用いた時は、攻撃が命中しても相手の生命値が減少することはありません。
○用途
その武器を用いてどのような攻撃を行うことが出来るかを示しています。用途が複数書かれている場合は、攻撃方法を選択して扱うことが可能となります。攻撃方法の種類と説明は、こちらの「捕縛行動」および「特殊攻撃」の項目に詳しい説明があります。
▼投擲
投擲可能な武器であることを示し、10〜20m程度の射程距離を持ちます。判定は投擲技術(投擲打撃:一般:敏捷)の判定値を基準として行わなければなりません。▼絞め
相手の首を絞め付けて気絶させたり殺すことが出来ます。攻撃方法については「捕縛行動」のページに詳しい説明があります。
相手の絞め付けを振りほどくためには対抗判定で勝利しなければなりません。絞めによる攻撃には「窒息」ルールが適用され、気絶した後も首を絞め続ければ相手は死亡することになります。▼捕縛
格闘攻撃や網などの捕縛武器で相手の動きを封じることができます。攻撃方法については「捕縛行動」のページに詳しい説明があります。
「捕縛+」と書かれている武器の場合は、補助技能の「巻き付け」を習得していなければ捕縛行動を試みることは出来ません。なお、用途が「捕縛+」の武器については、捕縛状態にある相手に拘束攻撃(窒息絞め/転倒攻撃)を試みることが可能となります。▼転倒
攻撃が成功した場合、相手を転倒させることができます。攻撃方法については「特殊攻撃」の項目に詳しい説明があります。▼突撃
突撃攻撃が可能な武器で、移動の突進力をダメージに追加することが出来ます。攻撃方法については「特殊攻撃」の項目に詳しい説明があります。
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防具データ
防具は手に持って使用する楯と、体に装着する鎧に大きく分けることができます。これら防具は、回避修正、防御修正、防御値などのデータを持っています。
○データ形式
▼回避修正
回避修正は何かを回避する際の判定に修正値として加えられる数値で、重い鎧や動きが制限されるような防具はマイナスの値が大きくなります。この値も攻撃修正と同じく+1などという形式で示されており、戦闘防御および反射回避の基本判定値にこれを加えた値を基準として、相手の攻撃に対する回避判定を行うことになります。▼防御修正
防御修正は回避修正の一種ですが、回避行動のうちでも戦闘防御(一般:敏捷+回避力)の判定にのみ適用される修正値となります。この数値を持つのは、基本的に楯に属する防具に限られます。▼防御値
防御値はその防具がどれだけのダメージを防ぐことができるのかを表わす数値で、これが大きいほど防御力が高い防具だということになります。攻撃が命中した時は、この値の分だけダメージを軽減することができます。
○楯
▼攻撃修正
楯を装備している時は、攻撃時に体のバランスが損なわれたり、その大きさによって動きが制限されます。そのため、楯には防御修正と防御値の他に攻撃修正も設定されており、他の手に持った武器で攻撃する場合に、その分の修正値を受けることになります。▼攻撃データ
楯で攻撃する場合は、体当たりの判定が適用されます。そのため、攻撃修正は−2となります。なお、体当たりを行った時の打撃値は、特にデータに記述がない場合、楯の種類にかかわらず1となります。▼装備表
他と書かれているのは、その他の武器の攻撃判定にかかる修正となりますので、間違えないよう注意して下さい。
○重ね着
装備する箇所が重ならなければ、キャラクターは複数の防具を身につけることができます。鎧を2つ重ねて着たりすることはできませんが、楯と兜と鎧を同時に装備することは可能となります。これは装備箇所というデータを見て判断して下さい。
2つ以上の防具を身に付けているときは、回避修正や防御値は合計した値を用います。たとえば防御値3の胸甲と防御値1の兜を装備すれば、合計4点のダメージを防ぐことができます。
○行動の阻害
▼回避修正
防具の回避修正は、運動に関する判定全般にも影響を及ぼします。防具を身につけている場合、それぞれの判定に回避修正と同じだけの値を加えて判定を行うことになります。
◇移動力
回避修正は【移動力】にも影響を及ぼすもので、【基本移動力】に回避修正を加えたものが、防具装着時の移動力として扱われます。
▼金属鎧
金属製の鎧が特別に阻害を及ぼす行動もあります。たとえば、素材に金属を使っている鎧を身につけている時は、聴覚の判定に回避修正と同じ分の修正を受けます。また、全身を覆う金属鎧を装備している場合は泳ぐことができません。水泳の判定で奇跡的成功がでれば、ごくわずかな時間だけ顔を出すことができますが、それ以外の判定結果では必ず溺れてしまうことになります。
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装備制限
○基本
武器や防具といった装備品の携帯は、重量によって制限を受けます。
▼重量値
装備品には特に重量という数値は設けられてはいませんが、武器の場合は打撃値、防具の場合は防御値を便宜上の重量値とします。なお、片手/両手となっている武器の場合は、片手の時の打撃値が重量の基準となります。
◇追加武器
弓矢や銃器といった飛び道具のダメージには、追加武器の打撃値が関係します。この場合は、追加武器のデータを加えた最終的な打撃値を、装備制限の基準(重量値扱い)として考えて下さい。◇固定武器
装備箇所が固定となっている武器は、使用者の筋力と打撃力は直接関係しませんので、特に重量による制限を考える必要はありません。これには大砲などの砲銃や、梃子や巻き上げ機構のある固定式のクロスボウが含まれます。◇罠/手榴弾など
トラバサミなどの罠や手榴弾も、特に重量による制限を考える必要はありません。
○区分
装備は大きく分けて、手に持つものと身につけるものとに区分されます。具体的には、手に持つものは武器と楯であり、身につけるものは楯以外の防具です。
▼限界重量
キャラクターが身につけることが出来る限界重量のことで、この値までの装備品を持つことが可能です。数値は能力値の体力の値から導き出されます。
▼制限
◇片手装備/両手装備
両手で持つことが出来る装備の限界重量は【体力】の値で、片手にもつ装備(武器と楯)の場合は[体力−2]となります。武器と楯をそれぞれの手に装備しているような場合、装備の合計重量と【体力】の値(両手装備時の限界重量)を比較する必要があります。◇全身装備
身に付ける防具(鎧)に関しては、限界重量が【体力】の値となります。これも両手に持つ場合と同じように、装着している全ての防具を合計した防御値を、重量値として扱って下さい。◇軽装戦闘
近接武器に関しては、身につけている全ての装備品の重量合計(打撃値+防御値)が【体力】の半分以下の場合、【敏捷】の能力値を用いて戦うことが出来ます。◇制限装備
制限装備として用いることが出来るのは、打撃値が【体力】の半分以下の、小型サイズの武器でなければなりません。また、戦闘方法によってその他の制限を受けることもあります。・制限状況:組伏打撃、制限戦闘(密着打撃、水中打撃)
○過重修正
以下の処理は選択ルールとなりますので、採用するかどうかはGMの判断に任されます。
▼行動修正
重量が装備制限を上回った場合、手にもつ装備の場合は攻撃判定に、全身に持つ装備の場合は回避判定にマイナス修正を受けることになります。装備重量が上限値を1ポイント上回るごとに、−1の修正を加えて判定を行って下さい。▼その他の影響
重過ぎる装備を身に付けて長時間の移動などを行なう場合は、移動距離が減少したり疲労が蓄積されてゆくことになります。また、キーパーの判断で装備可能な時間を制限しても構いません。
○記入
エルモア地方に存在する武器や防具のデータは「データパート2」で紹介します。この中から装備を選択して、名称や必要な値をキャラクターシート1の装備と戦闘/基本判定値の欄に記入してください。そして、それぞれに必要事項を書き入れたら、装備という欄が完成します。
▼戦闘/基本判定値
この欄には、攻撃判定および回避判定の基本判定値を記入します。
◇近接戦闘
格闘:格闘技能による攻撃判定値です。【体力】に《格闘》レベルを加えた値を記入します。
近接:近接武器による攻撃判定値です。【体力】に《近接武器》レベルを加えた値を記入します。◇遠隔戦闘
投擲:投擲技術による攻撃判定値です。【敏捷】に《投擲技術》レベルを加えた値を記入します。
銃器:銃器操作による攻撃判定値です。【器用】に《銃器操作》レベルを加えた値を記入します。◇回避力
防御:戦闘防御による回避判定値です。【敏捷】に《回避力》レベルを加えた値を記入します。
反射:反射回避による回避判定値です。【感応】に《回避力》レベルを加えた値を記入します。
▼装備欄
装備の欄は上下に分かれており、上のスラッシュ(/)のない方は個々の装備に関して、下のスラッシュのある方は合計した値を書く欄になっています。
◇個別装備
装備名称という欄には、所持している武器や防具の名称をそれぞれ書き入れます。そして攻撃判定以降の欄には、説明にある通りの数値や用語を記入してゆきます。数/準備の欄の場合、飛び道具であればデータの数値を、追加武器などは矢や弾丸の残り個数を記録して下さい。◇全体装備
下の欄はデータの合計値や判定値を記入する欄となります。
まず、一番左の装備名称というところには使用する武器や防具の組み合わせを、自分が分かりやすいように書いて下さい。
攻撃判定、回避判定という欄には判定値(基本判定値+装備の修正値)を、打撃値、防御値の欄には使用する武器や防具に準じて、各々の数値の合計値を記入して下さい。回避判定の欄はスラッシュ(/)で区切られていますが、左側に戦闘防御(一般:敏捷+回避力)の判定値を、右側には反射回避(一般:感応+回避力)の判定値を書くことになります。
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