特殊攻撃
打撃によってダメージを与える以外にも、以下のような行動を選択することが出来ます。これらは攻撃を行う前に宣言すれば、誰でも試みることが出来る行動です。
・種類:転倒攻撃、全力攻撃、武器狙い、疾走突撃、鍔迫り合い、狙撃専念
○転倒攻撃
転倒攻撃を試みた場合、相手にダメージを与えることは出来ませんが、体勢を崩して転ばせることが可能となります。この攻撃を試みることが出来るのは、用途の欄に転倒とかかれている武器を使用している時か、用途が捕縛+となっている武器で「巻き付け」(補助技能)に成功している場合となります。
この行動はフルアクションとして扱われます。攻撃判定は通常と同じように行ない、回避側は戦闘防御(一般:敏捷+回避力)で対抗判定を行ないます。この攻撃が成功した場合、相手はその場で転倒することになります。転倒した者は次の自分の行動順番で起き上がることができますが、転倒状態では運動に関係する全ての判定に−4の修正を受けます。・行動分類:フルアクション
・使用武器:用途/転倒、捕縛武器
・対抗判定:回避力(戦闘防御)
○全力攻撃
相手を強打することによって、打撃値を+4することが出来ます。この行動はフルアクションとして扱われ、攻撃判定には−2修正がかかります。また、これを試みてから1ラウンドが経過するまでの間は、運動と作業に関する全ての判定に−2修正を受けることになります。
・行動分類:フルアクション
・使用武器:近接武器
・対抗判定:回避力(戦闘防御)
○武器狙い
相手が持っている武器や手を攻撃して、武器を落とさせることができます。この行動はフルアクションとして扱われます。
・行動分類:フルアクション
・使用武器:格闘、近接武器、鞭状武器、投擲武器、射撃武器
・対抗判定:回避力(戦闘防御)、回避力(反射回避)
▼判定
◇命中
通常の打撃あるいは射撃による攻撃判定を行ない、相手の《回避力》との対抗判定を行ないます。射撃の場合は体の末端部を狙うことになりますが、スケールによる難易度は無視してしまって構いません。なお、この攻撃が命中しても、相手にダメージを与えることは出来ません。◇抵抗
実際に武器を落とすかどうかは、攻撃側の成功値を難易度とした《剛力》の判定によって決まります。相手がこの判定に失敗した時は、武器を取り落としたことになります。なお、相手の攻撃を認識していない場合でも、《剛力》による判定は試みることが出来ます。◇落下
武器落しに成功した場合、武器は[成功値×0.5]mだけ離れた場所に落ちます。この場合の成功値は、[難易度(攻撃の成功値)−剛力の達成値]となります。武器を拾い上げて再び構えるための行動は、小行動の準備作業として扱われます。
○疾走突撃
疾走しながら相手に突撃を仕掛けることが出来ます。この行動については、一連の処理をフルアクションとして扱います。
・行動分類:フルアクション
・使用武器:用途/突撃
・対抗判定:回避力(反射回避)
▼条件
疾走突撃を行なうためには、相手との間に10m以上の距離が必要となります。また、用途が突撃となっている武器を用いなければなりません。▼攻撃
[移動力]mまでの距離の移動を行ない、その途中にいる相手に突撃を仕掛けることが出来ます。突撃が成功すれば、移動力5につき打撃値を1ポイント上昇させることが出来ます。▼影響
攻撃を行なってから1ラウンドの間は、運動と作業に関する全ての判定に−2修正を受けることになります。▼反撃
待機状態にある者は突撃の成否にかかわらず、すれ違いざまに反撃を行なうことが可能です。この時、突撃側が移動力によって得られる追加ダメージを、武器の打撃値に上乗せすることが出来ます。▼最終移動距離
突撃もしくは反撃が命中した場合、攻撃側は目標がいた場所で移動を停止することになります。しかし、どちらも攻撃に失敗している時は移動距離の減少は起こらず、突撃側は最初の地点から[移動力]mを進んだ場所まで移動することが出来ます。
○鍔迫り合い
鍔迫り合いの状態に持ち込んで相手を押さえつける行動です。なお、この攻撃を選択した場合は、相手にダメージを与えることは出来ません。
・行動分類:フルアクション
・使用武器:近接武器
・関連:追い込み、転倒攻撃
▼判定
近接攻撃および戦闘防御を試みた際に、相手との対抗判定に勝利していれば、この状態に持ち込むことが可能となります。▼効果
この体勢にある者は、次の行動時に「追い込み」「転倒攻撃」(格闘/体当たり扱い)を試みることが出来ます。なお、これらの判定を試みた場合は、行動の成否にかかわらず鍔迫り合いの状態が解除されます。▼解除
押さえ付けを行なっている側は、望む時にいつでもこの状態を解除できます。押さえ付けられている側は、近接攻撃の技能同士による対抗判定を仕掛け、これに勝利すれば解除できたことになります。また、解除するのではなく攻守を逆転し、そのまま相手を押え付けることも可能です。▼影響
鍔迫り合いの間に回避などを行う場合は、双方とも複数行動扱いとなり、判定に−3修正を受けます。また、反射回避の判定を試みた場合は、自動的にこの状態は解除されてしまいます。
○狙撃専念
狙撃の処理に関しては「狙撃専念」の項目をご覧下さい。
・行動分類:フルアクション
・使用武器:遠隔武器
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防衛行動
○基本
誰かを攻撃から守ったり、防御や抵抗に専念する場合の行動です。
・種類:回避専念、抵抗専念、護衛行動、保護行動、潜伏行動
○回避専念
回避行動に専念することを宣言した場合、そのラウンド中の戦闘防御および反射回避に対して、それぞれ+3の修正を得ることができます。
・行動分類:フルアクション
▼宣言
この行動はラウンドの最初から宣言を行なうことが出来るため、自分の行動順番になる前でも効果を得ることが出来ます。▼制限
ラウンドの途中から宣言を行なうためには、そのラウンドの間に能動行動を取っていないことが条件となります。既に能動行動を済ませてしまった者は、この効果を得ることは出来ません。
○抵抗専念
精神抵抗に専念することを宣言した場合、そのラウンド中の抵抗判定に+3修正を得ることができます。
・行動分類:フルアクション
▼宣言
この行動はラウンドの最初から宣言を行なうことが出来るため、自分の行動順番になる前でも効果を得ることが出来ます。▼制限
ラウンドの途中から宣言を行なうためには、そのラウンドの間に能動行動を取っていないことが条件となります。既に能動行動を済ませてしまった者は、この効果を得ることは出来ません。
○護衛行動
近接攻撃から特定の存在を守るための行動で、護衛対象のかわりに相手の攻撃を受けることが出来ます。
・行動分類:フルアクション
▼護衛状態の成立/解除
護衛行動は護衛対象の影響範囲内に到達し、行動宣言を行った時点で成立します。解除する時も宣言を行うだけで済みます。▼効果
護衛状態が成立すれば、それ以降は自動的に護衛対象の周囲を封鎖していることになります。相手が普通に攻撃を行った場合、その攻撃は常に護衛している者に対して繰り出されます。
この間は護衛に専念することになり、移動や攻撃を行なうことは出来ませんが、複数に取り囲まれていても護衛対象を守ることが可能です。▼突破
相手が護衛対象を攻撃するためには、疾走(一般:敏捷+運動技術)を基準とした対抗判定で勝利して、封鎖状態を解除しなければなりません。突破に成功した場合、相手は護衛対象に攻撃を行うことが可能となります。なお、封鎖状態の解除は移動行動となるので、実際に攻撃を試みるのは次のラウンドからになります。▼接敵状態の解除
護衛対象と攻撃者が対峙状態にある時でも、間に割り込んで護衛を行うことが出来ます。ただし、この時は攻撃者が護衛対象との間の空間を封鎖していることになるので、護衛状態を成立させるには疾走(一般:敏捷+運動技術)を基準とした対抗判定で勝利しなければなりません。相手に突破された後で、再び護衛行動を試みようとする場合も、この割り込み行動を適用して下さい。
○保護行動
保護行動を宣言した場合、相手の攻撃から誰かをかばって、代わりにダメージを受けることができます。
▼条件
◇宣言
宣言は相手が保護対象を攻撃する直前までとなります。実際にダメージを受けてしまった後には、保護行動を選択することは出来ません。◇行動分類
保護行動は能動行動の1種として扱われます。既に能動行動を済ませてしまっている場合は、これを選択することは出来ません。また、保護行動を選択したラウンドは、成功したかどうかににかかわらず、能動行動を試みることは不可能となります。◇術法
術法から相手をかばうことも不可能ではありませんが、攻撃する者とかばう相手の間に割り込む必要があります。しかし、タイプが範囲となっている術や、視覚による認識を必要としない術は、保護行動をとっても無意味となります。
▼行動処理
保護行動の判定処理には、先制対決による順番決定のルールが適用されます。この場合、自身は疾走(一般:敏捷+運動技術)の達成値を、相手は攻撃に関する判定の達成値を【行動力】に加えて、それぞれの先制値を決定します。
自分の先制値が相手を上回っていれば、攻撃が繰り出される前に保護対象の前に飛び出したことになります。先制値が同じ場合は、【敏捷】が高い者の行動順番を先にして下さい。【敏捷】の値も同じ場合は、PC側が先に行動することが出来ます。
▼ダメージ
保護行動の判定に成功した後に、新たに戦闘防御や反射回避による回避判定を行うことは不可能です。防御値の分だけダメージを減少させることは可能ですが、達成値分を引くことはできなくなります。
○潜伏行動
遮蔽物への潜伏に関しては「潜伏行動」の項目をご覧下さい。
・行動分類:マルチアクション/小行動
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特殊防御/選択
以下の手段を選択することによって、通常とは違った手段でダメージ減少を行なうことが出来ます。なお、これらの行動は選択ルールとして扱われます。
▼行動分類
これらは受動行動に伴う瞬間行動として処理されます。▼ダメージ分類
減少できるダメージの種類は、打撃による物理ダメージに限定されます。術法や特殊能力といった影響はもちろんのこと、炎や毒物などのダメージにも適用されません。▼選択/制限
これらの行動を取ることが出来る回数を、GMの判断で制限することが出来ます。また、減少させたダメージを衝撃ダメージとして扱っても構いません。この時の判定処理については「肉体衝撃」の項目を参照して下さい。
○転倒防御
加えられた力を逃がす方向に自ら大きく飛ぶことで、【生命値】へのダメージを通常よりも多く減少させることが出来ます。
▼条件
既に転倒中やうつ伏せなどの体勢にあるキャラクターは、崩れている姿勢から力を逃すことは出来ないため、この行動を選択することは不可能となります。また、この防御方法では飛び道具のダメージを減少させることは出来ません。▼宣言
この行動を選択するかどうかは、ダメージ計算の処理を行なった後に決定して構いません。ただし、耐久値の計算処理を全て終えて、次のキャラクターの行動に移ってしまった場合は、この効果を適用することは出来ません。▼効果
普通の体勢にあるキャラクターは、通常より4点多くダメージを減少できます。座位や膝つきの状態など不完全な体勢にある時は、2点だけ余分にダメージを減らせます。▼影響
この手段を選択した場合、それから1ラウンドの間は転倒状態となり、次に起き上がるまで運動に関する判定に−4修正を受けます。
○代替防御
武器や防具を破損させるのと引き換えに、【生命値】に受けるはずのダメージを余分に減点することが出来ます。
▼条件
これが適用されるのは1点以上の打撃値/防御値を持つ近接武器と防具だけです。両手でも持てる武器の場合は、追加の打撃値を加えない基本の数値が基準となります。
1度のダメージ減少に利用できる物品は1つまでに限られます。また、武器/防具で減少させるダメージを調整することは出来ません。6点のダメージを【生命値】と防具に3点ずつ振り分けるなど、自らの意思で分散させることは不可能となります。▼処理
減点できるダメージは、近接武器の場合は打撃値の半分(四捨五入)まで、防具では防御値までの値となります。これによって装備品は破損し、吸収したダメージの分だけ打撃値/防御値が減少します。この結果、打撃値/防御値が0となった装備品は、完全に破壊されて使用できなくなってしまいます。当然のことながら、これで吸収しきれなかったダメージは【生命値】に受けることになります。
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妨害行動/選択
○基本
妨害行動が成功した場合、相手の注意を引き付けたり、行動順番を遅らせることが可能となります。なお、これらの行動は選択ルールとして扱われます。
・種類:行動遅延、挑発行動
▼行動分類
これらはマルチアクションの本行動として処理されます。▼影響範囲
妨害できる範囲は、近接武器であれば影響範囲内(半径3m程度)、遠隔武器であれば射程距離までとなります。会話による妨害の場合、影響範囲はGMが任意に設定して下さい。
○行動遅延
相手の行動順番を遅らせるための行動で、マルチアクションの本行動として処理されます。
・行動分類:マルチアクション/本行動
▼条件
自身より行動順番の遅い相手にしか効果を及ぼすことは出来ません。
▼手段
◇攻撃
まだ行動を済ませていない相手を対象として行う攻撃で、相手の武器をはじいたり威嚇射撃を行うことによって、相手の行動を遅らせることが出来ます。
この場合も通常と同じように、攻撃判定と回避判定による対抗判定を行って下さい。攻撃側が勝利した場合、相手の行動順番は【行動力】の値に関係なく、自動的にラウンドの最後に行うものとして扱われます。なお、この行動を選択した時は、攻撃によって相手を傷つけることは出来ません。◇会話
挑発したり動揺させることによって、相手の行動順番を遅らせることが出来ます。ただし、同種の手段を繰り返し用いる場合は、1人に対して1度しか効果を発揮しません。
能動側は挑発(一般:判断+駆け引き)の判定を行って下さい。相手は【自我抵抗】を基準とした対抗判定で、これに抵抗することが出来ます。対抗判定で勝利した場合、相手の行動順番は【行動力】の値に関係なく、自動的にラウンドの最後に行うものとして扱われます。
なお、1度に複数の相手の気を引くことも可能ですが、既に乱戦状態にある時は特定個人にしか効果をあらわしません。このような場合は、判定を行なう前に誰か1人を指定する必要があります。
○挑発行動
挑発によって相手を怒らせたりして、自分に注意を引きつけるための行動です。これはマルチアクションの本行動として扱われます。
・行動分類:マルチアクション/本行動
▼判定
能動側は挑発(一般:判断+駆け引き)の判定を行います。相手は【自我抵抗】を基準とした対抗判定で、これに抵抗することが出来ます。▼効果
挑発側が勝利した場合は、おとりとなって相手を不利な場所に誘い込んだり、自分だけに攻撃を行うよう仕向けたりすることが可能となります。また、相手は周囲の変化に気づいたり、その他の対象からの影響を避けるための判定には、自動的に−3修正を受けることになります。▼解除
挑発による効果を解除するためには、最初の挑発側の達成値を基準とした【自我抵抗】の判定に成功する必要があります。この判定は毎ラウンド、準備パートの際に試みることが出来ます。
なお、適度な時間が経過したり、状況に変化があって挑発効果が薄れたと考えられる時は、GMの判断で自動的に解除されたことにしても構いません。▼精神判断
抵抗側が勝利した場合は、挑発した側の意図を見破るために、精神判断(一般:判断+精神知識)の判定を行うことが可能となります。
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協力行動/選択
○基本
以下のルールを用いることによって、味方の行動を助けることが可能となります。なお、これらの行動は選択ルールとして扱われます。
・種類:連繋攻撃、指示行動
○連繋攻撃
同時攻撃や陽動行動を試みることによって、攻撃時に協力判定や助力判定を行うことが可能となります。詳しい判定方法については、こちらの「支援行動」の項目をご覧下さい。
▼行動順番
連繋攻撃に参加する者は、すべて同じ行動順番にタイミングを合わせて行動しなければなりません。そのため、順番は自動的にラウンドの1番最後に回されることになります。▼意思疎通
互いに意思疎通が行われていない状況では一方的な支援しか出来ないため、助力判定しか行うことは出来ません。協力判定を行う場合は、キャラクター同士で声を掛けたりアイコンタクトを行うなどして、タイミングを合わせる必要があります。▼行動の種類
射撃と直接攻撃を同時に行うなど、異なる手段による連繋攻撃を認めるかどうかは、GMの判断に一任します。
○指示行動
周囲に指示を行なうことによって、全体の行動を有利に働かせます。
・行動分類:フルアクション
▼条件
◇視界
指示を行なう者は、周囲がよく見える場所に居る必要があります。見えない範囲に対して指示を行うことは出来ません。◇選択
1ラウンドで指示できる行動内容は、1種類に制限されます。以下のうちから1つの行動を選択して指示を行なって下さい。
▼指示/一般行動
◇状況伝達
現在の戦況を仲間に的確に伝えることが出来ます。これによって、見えない範囲で起こっている出来事にも、対処できるようになります。◇死角封じ
背後からの攻撃などを教えることにより、それによる不利なペナルティを無効とすることが出来ます。◇回避援助
相手の行動を見切ることによって、味方の回避行動を助けることが出来ます。この行動は1ラウンドに1度しか試みることは出来ません。ただし、誰の援護を行なうかについては、予め決めておく必要はありません。
この行動を選択した時は、実際に味方が回避判定を行なう前に、指示者が回避判定を試みることになります。そして、対抗判定に勝利すれば相手の攻撃を見切ったことになり、味方の回避に成功値の分だけ+修正を与えることが可能となります。ただし、この効果は最大でも+4修正までに制限されます。
▼指示/専門行動
◇包囲
戦闘知識(専門:判断+軍事知識)の判定に成功した場合は、相手を包囲できるよう味方に指示を送ることが出来ます。当然のことですが、相手を包囲できるだけの人数、地形条件、進路妨害の準備などが整っていなければ、この行動を試みることは出来ません。
相手がこの事実に気付いたり、これから逃れようとするためには、同じく〈戦闘知識〉を用いた対抗判定で勝利しなければなりません。対抗判定で破れた時は、突破(移動行動)に成功する以外の手段では、包囲網から逃げることが出来なくなります。◇撤退
戦闘知識(専門:判断+軍事知識)の判定に成功した場合は、相手に隙を見せることなく撤退を行なうことが出来ます。相手がこれを阻止するためには、同じく〈戦闘知識〉を用いた対抗判定で勝利しなければなりません。
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