基本条件
○位置づけ
術法協会などの組織とは別に、個人や民族といった単位で術法を教えていることもあります。社会に害を与える存在でなければ、それほどあからさまに忌避されることはありませんが、宗教組織に認められているわけではないので、位置づけとしては異端の術法師ということになります。ですから、その立場は非常に危ういもので、術法の行使には細心の注意を払う必要があるでしょう。田舎では何もしていなくても、偏見の目で見られることもあります。
また、術法を悪用して犯罪を試みた場合は、一般社会や宗教機関のみならず、あらゆる術法師を敵に回したものとみなされます。積極的にこれらを保護する者もおらず、たとえ私刑を加えたとしても、法を執行する機関があえて見逃す場合も少なくありません。
○資格
普通は誰かのもとへと弟子入りしなければなりません。ほとんどは無料で教えてもらえるでしょうが、労働などでそれなりの代価を払わなければならず、かなりの時間的制約を受けることでしょう。ただし、家族に術法師がいる場合は、何の問題もなく教えてもらえるはずです。
それから、特に意識しないまま術法を習得しているということもまれにあります。古来より伝わるまじないや祈りの言葉などに織り込まれていることが多く、これには金銭的な取り引きや辛い勉学などを強いられることはありません。このような場合は、本人でさえ術法を使用していることを意識していないのが普通です。
○術の習得
民間で継承されている術法を習得する場合は、必ずGMの許可を得なければなりません。許可を得た場合でも、周囲の環境や術が継承されている理由づけ、それから習得できる系統や術のすべてを、GMと協議の上で決定しなければなりません。
○術の教授
プレイヤーは術の教授においても、GMの指示に従う必要があります。民間の異端術法師の多くは魔術学を学んでいないので、術を教授するための基礎がありません。身振り手振りで教えることも可能ですが、非常に時間がかかるために諦める者がほとんどです。GMの判断でできなかったものとしても構いません。
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異端
異端術法師は呪術などを用いて犯罪を行う者、宗教機関に認められていない異端者、あるいは民間に細々と伝わる術法の使い手などのことを言います。一般の人々の目に触れることはほとんどなく、存在さえ不確かなものも含まれています。
これらの扱いは宗教や地域の風習、あるいは法律や思想といったものに左右されます。あきらかに異端とされるものは、錬金術師や悪魔使いなど、反社会的な活動を行うごく一部の存在に限られます。舞師のように人々に受け入れられている職業もあれば、自分で術法を使用していると認識していない者も存在します。
なお、その他の項目に分類されている術法は、地域やそれを使用する人物によって大きく印象が異なるものです。これらは民間につたわるまじないとして、無意識に身につけている場合もあります。
◆錬金術師
術法系統 錬金 習得条件 誰かのもとに弟子入りしたり、協会などの組織に加入しなければならない。多くは黄金十字秘協会に入会し、組織に全てを捧げる。 スタイル 触媒や実験器具を用いる。
◆呪曲師
術法系統 呪歌 習得条件 家族など比較的小さな集団の間で細々と伝授される。自然に習得することもある。 スタイル 歌をうたう、あるいは楽器を演奏する。
◆占術師
術法系統 予知 習得条件 自然に目覚めるか、誰かのもとに弟子入りする。 スタイル 基本的に自由だが、水晶球やカードといった道具を使用する者が多い。
◆舞師
術法系統 呪舞 習得条件 ラチェン人のエイルン族など特定の部族の間だけで継承される。基本的には女性のみが使用する。 スタイル 踊りによって発動する。
◆霊媒師
術法系統 霊媒/不死/霊体 習得条件 部族や親子の間で継承する。自然に身につけることもある。 スタイル 術者によって異なる。
◆精霊使い
術法系統 精霊 習得条件 部族や親子の間で継承する。自然に身につけることもある。 スタイル 精霊文字による詠唱や精霊語を空中に書くことによって、精霊に自分の意思を伝える。
◆呪術
術法系統 呪詛/悪魔/不死/霊体/魅了/瞳眼/声/肉体破壊/影/仮面/傀儡 習得条件 習得条件はそれぞれ異なり、自然に身に付くこともあれば、書物などに残されている場合もある。どれも滅多に身につけることはできない。 スタイル 使用するものや系統によりさまざま。
◆民間
術法系統 地/火/風/水/光/闇/氷/雷/砂/植物/自然操作/生命/精霊/予知/祈願/誓約 習得条件 自然に身についたり、伝承として教えられる。 スタイル 祈りを捧げる、あるいは昔から伝えられてきた言葉を紡ぐことで発動させる。
◆その他
術法系統 習得条件 習得条件はそれぞれ異なる。自然に身につくこともあれば、誰かに教えて貰えることもある。 スタイル 使用するものや系統によりさまざま。
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地域
以下に示すものは、特定の地域において細々と伝承されてきた術法です。黄人によって伝えられてきた戦闘魔術や武術以外は、そのほとんどが異端と認定される存在です。
◆霊獣使い(アルメア)
術法系統 霊獣 習得条件 部族で認められた者が使用できる。 スタイル 獣の紋様と呼ばれる複雑な図形を宙に描く。
◆竜使い(竜の一族、竜人)
術法系統 竜 習得条件 一族の儀式を終え、一人前と認められたものが使用できる。 スタイル 竜語と呼ばれる言語を唱えることによって発動する。
◆セルセティア
術法系統 内気功/外気功/武闘 習得条件 多くはマイエル教の戦士たちが身につける。 スタイル 念を凝らし、気を練ることで発動させる。
◆中央地方(由来)
術法系統 身体戦闘/霊糸/内気功/外気功/武闘 習得条件 多くは誰かに弟子入りすることで身につける。 スタイル 念を凝らすことで発動させる。
◆ペルソニア大陸
術法系統 霊砂 習得条件 一族の中でも、戦士や巫女といった特別な地位にいる者だけが使用できる。 スタイル 砂の言葉と呼ばれる古い言葉と紋章を砂に描くことで発動させる。
◆新大陸エスティリオ
術法系統 不明。 習得条件 不明。 スタイル 不明。
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特殊
ここにある術法は既に失われたものか、基本的には人間が習得できない術法系統です。これらはGM用の術法であり、よほどの理由がない限りプレイヤーは使えないものとするべきでしょう。
◆魔族
術法系統 魔族◇ 習得条件 魔族など負の生命力をもつものが使用できる。 スタイル 使用するものによりさまざま。
◆天使
術法系統 天使◇ 習得条件 天使および天使に祝福された者のみが使用できる。 スタイル 強い祈りの言葉によって発動する。
◆妖精
術法系統 妖精 習得条件 妖精のみが使用できる。 スタイル 多くは踊りや複雑な身ぶりによって発動する。
◆遺失
術法系統 霊子、時間、紋章、結界など 習得条件 不明。 スタイル 不明。
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