セルセティア/地図


 



 



 北島/エリンシャ島
  01:セトラキアン地方
  02:ジーナン地方
  03:エンドゥア地方
 南島/コルヴィナ島
  06:ラルニア地方
  07:ティルリィ地方
  08:シェラクス地方
  09:ラムエミュラ地方
  10:イグナッツァ地方
  11:ヤハーナ地方
  12:ツァパク地方
  13:ラフィド地方
  14:サントッツァ地方
 小島
  04:ラヴァール島
  05:リーツェン諸島
  15:ベルジュ島


○北方同盟

<1>セトラキアン地方

 幾つかの独立公国が存在する地域で、領主貴族による支配が続いています。古くはアリアナ海貿易で栄えておりましたが、現在はあらゆる面で発展から取り残されております。主要産業は農業で、トウモロコシ、稲、果樹などの栽培が行われています。


▼ナルハリエン市
 オリーブや柑橘類の栽培が盛んに行われており、住民のほとんどが農業に従事しています。


<2>ジーナン地方

 北西部は乾燥した荒地が広がっており農業には適しておりませんが、海岸近くの低山地帯では宝石の採掘が行われており、重要な産業の1つとなっています。島中央にあるベナール山北部は大理石の産地で知られており、南部では銅や亜鉛が採掘されています。山裾からは高原が広がっており、放牧や畑作が行われています。沿岸部では水田が見られるようになり、一帯は鮮やかな緑で覆われています。沿岸部には漁業と交易で栄えてきた都市が幾つか存在し、綿織物などの軽工業が盛んな地域もあります。


▼ペントラハル市
 漁業で栄えた街で、西海で漁を行う大型船の寄港地です。家々の壁が白く輝く美しい街並みで、ブルーに塗られた扉や窓枠が見事に調和しています。しかし、現在は多数の軍船が港に停泊しており、街の景観を損なっています。


<3>エンドゥア地方

 北部は小雨地帯となっており、灌木と雑草の生える荒れ地が広がっています。この付近は農地の開発が進められておらず、ベナール山麓での鉄鉱石の採掘が主要産業となっています。対して南部のワーズ川流域は豊かな穀倉地帯となっており、北島の食料生産を支えています。


▼ナランツィア市
 ラハト派の本拠地であり、市の北部にある高台からはラハト派の大神殿が街を見下ろしています。ラハト連合の政治の中心地ともなっており、中央地区には政府の主要機関が集まっています。もともとは石炭の採掘で発展した炭坑町で、現在も採掘作業が行われています。
 
▼サハンドラ市
 セル人勢力の防御の要であり、難攻不落の都市として知られています。


<4>ラヴァール島

 ベルン海峡に浮かぶ島で、現在はラハト連合の支配下に置かれています。南北が激しく争う激戦区である上に、山地に住む混血民の多くが反政府活動を行っているため、非常に混沌とした状況にあります。


○セルセティア連邦

<5>リーツェン諸島

 中央地方との間に浮かぶ島々で、形の上ではセルセティア連邦に所属してはいますが、実質的には自治区として扱われており、南北の争いに対しては中立的な態度をとっています。これは、もともとラガン帝国との争いに巻き込まれやすい地域で、古くからいかなる勢力とも深く結びつかない方針を取ってきたためであり、中央地方に最も近いガムランルート島で顕著な傾向です。かつてラガン帝国がセルセティアに侵攻してきた際にも、全く抵抗することなく港を明け渡し、その代償として自治権を守り通しております。しかし、そのために長く裏切り者として扱われ、現在のセルセティアでもこの地方出身者は、あまりいい目では見られないようです。


<6>ラルニア地方

 北部は戦いの前線となっており、沿岸域には幾つもの防壁や要塞が建てられております。この辺りは焼き物の産地として有名で、茶碗などの食器や水瓶をはじめとして、水差しや香油入れなど様々な種類のものが作られています。かなり古くから焼き物は行われていたようで、遺跡からは着色された土器類が大量に出土することがあります。また、この付近では死者を陶棺に入れる風習があったようで、蓋に故人の全体像が象られた陶製の棺が墳墓から発掘されています。


▼マエティン市
 もともとは農業で発展した街であり、郊外には水田やサツマイモ畑が広がっています。この辺りの土は特に陶器づくりに向いており、マエティン焼きが名産として知られています。また、非常に精緻な彫刻が施されたマエティン人形と呼ばれる小像は、芸術品として取り扱われています。


<7>ティルリィ地方

 ベルン海峡に面する地域で、北部地域では南北が最も激しく争っています。もともと南北の文化が混ざり合う地点であったため、混血民であるグラズム人が多く住んでいます。この辺りは宗教的にも混合している地であることから、非常に雑然とした社会が形成されており、現在も民族のあり方や宗教について激しく論争が行われています。


▼メルリッツェ市
 貝の養殖や海藻の加工を主な生業としていた都市です。現在は戦地となっており、幾つかの産業については操業停止の状態に追い込まれています。


<8>シェラクス地方

 南にクォニーズ山脈が控える地域で、北部は交易と漁業、中部は農業、南部は工業を主要産業としています。この辺りは綿花の栽培が盛んで、中部の街では綿織物の工場が建てられています。山脈の麓は鉱工業で発展を遂げた場所ですが、現在は武器生産が盛んに行われています。


<9>ラムエミュラ地方

 中央地方に面する地域であり、幾度もラガン帝国との戦いを経験してきました。ベルナール王国時代の防壁も残っており、その多くは既に崩れているものの、150kmの長さに渡って海岸部を覆っています。北端のシェルリル岬付近は海魔現象がよく起こる場所として有名で、かつてこれによって滅んだ街の跡地が残っています。


▼アランゴル市
 ラガン帝国に対する防備のために築かれた城塞都市で、城壁を何重にも巡らせた非常に堅固なつくりをしています。市の郊外にはサツマイモ畑が広がっています。


<10>イグナッツァ地方

 沿岸部はペルソニア貿易の中継港として発展した土地で、いち早く工業革命が行われた地域でもあるため、この一帯の都市は重工業でも栄えています。中部の大平原は大河ヤハトの中下流域であり、肥沃な土壌に支えられた農業地帯が広がっています。河口数十キロ付近は水位が潮の干満でかなり変化するため、乾期の際には天然のポンプとして利用されています。


▼エタニティ市
 ラ・ローヌ半島の突端に位置し、漁港およびペルソニア貿易の中継港として発展してきました。セルセティア王国を建てたエアファル=エリヌースが治めていた都市で、当時はロンデニアと繋がりが深かったため、ロンデニア人との混血民も数多く住んでいます。市の東部には大規模なサトウキビの栽培地帯があり、最近は郊外に糖蜜工場が次々と建設されるようになっています。

▼湖上都市バーティル
 南東部のリュンガル湖には、古くから戦いや差別から逃れた人々が集まり、船や筏を家として暮らしていました。彼らはやがて湖に杭を打って土台をつくり、家を建てて住み着くようになりました。住民たちは釣りや投網といった漁のほかに、魚礁と呼ばれる網で囲った生け簀で養殖を行い、捕らえた魚を生活物資と交換して生活しています。彼らにとって船は必須のものであり、幼い頃から船を自在に操る訓練を受けます。

▼ビトゥン=ビンダー市
 南西部の沿岸域にある都市で、かつては中継貿易や塩の輸出で繁栄し、一時期は王都を凌ぐ人口を抱えておりました。ソファイアと親密だった時期があるため、トアルクレア人との混血民が多く住んでいます。


<11>ヤハーナ地方

 東部にはクォニーズ山脈がそびえており、そこから発するヤハト川の中流域に位置しております。この付近は水路が網の目のように張り巡らされており、水上交通が非常に盛んです。平野部は一大農業地帯であるとともに、近年では工業面においても目覚ましい発展を見せています。


▼シルキィフ市(首都)
 ヤハト川の流域にあるセルセティア最大の都市で、稲の栽培と交易で栄えてきました。政治、経済の中心地でもあり、豊富な品々の取り引きが行われています。都市の中をヤハト川が通っており、一部では河上に市場や家が設けられています。


<12>ツァパク地方

 国家南東部に位置する地域で、南部では大農場の経営が行われています。北部のクォニーズ山脈の麓には密林が広がっておりましたが、最近になって大規模な伐採が行われ、最高峰であるソルング山の裾に広がる高原では、輸出用のコーヒーが栽培されるようになっています。コーヒー農場の東西には未だ密林が残されており、染料になる植物が採取されています。密林は蜜蝋も豊富であるため、付近ではろうけつ染めが行われています。


▼ディナリェン市
 北部には竹林が広がっており、竹細工の生産で知られています。この辺りでは、竹を組んで家をつくったりもしています。


<13>ラフィド地方

 南部の海岸域は波が穏やかで、豊富な種類の魚が水揚げされています。クォニーズ山脈の麓は高原が広がっており、一帯は放牧地として利用されています。そこから山腹へ進むと幾つかの鉱山街が見られるようになり、鉄や石炭の採掘が行われています。山脈東端の高地では紅茶が生産されており、良質の品は国外へも輸出されています。この付近には大きな滝が幾つも存在しており、自然景観の美しさでも知られています。


<14>サントッツァ地方

 南島の南端部に位置しており、綿花、ゴム、サトウキビ、コーヒー、カカオ豆といった作物の栽培が盛んな地域です。また、北部のレニエル山ではスズや宝石の採掘が行われています。なお、北部はグラン・セルセティア時代に被差別民を集めた自治区がつくられたことから、混血民の住む割合が非常に高くなっています。


▼セルキシュ市
 ペルソニア大陸との交易が行われており、香辛料などの取り引きで賑わっています。造船でも古くから知られた場所で、現在も木造船の製造が行われています。


<15>ベルジュ島

 国家の南東部に浮かぶ島であり、中央部はヤシ林などの熱帯雨林で覆われています。島の東西には2つの休火山が存在します。山地付近では激しい火山活動の跡を示す特徴ある地形が見られ、一帯には岩山と奇岩が散らばっています。この島は生物学的に見ても特異で、発見されているだけでも200種の固有種が存在します。また、南の河口付近にはマングローブ林も生えており、干満に応じて周囲の景色が全く異なったものとなります。
 島の南側は波の穏やかな遠浅の海岸となっており、少し沖合に入った場所には大きな環礁が広がっています。コバルトブルーの海には数多くの熱帯魚が生息しており、人々は漁業を中心とした生活を送っています。この島では魚の手づかみ漁や、十字に縛って固定した棒を海に突き立て、その上に座って釣りをするなど、幾つか変わった漁の仕方が行われています。なお、この島ではペリカンは豊漁の印とされ、非常に大事に扱われています。


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