基本情報
カルネアとロンデニア領ファイン=ファウンドのほぼ中間に位置する島で、北のクインティア島、西のキズィリン島、東のグレンデル島の3島に分かれています。島の南部は寒流と暖流が合流する場所で、非常によい漁場となっています。
▼制度
カルネア領フリスタスとして存在しています。植民地総督としてクローネ伯が派遣され、この地区を統治しています。
○略史
聖歴235年に、現カルネアの地にあったモーズリー朝ヴァレンティン王国の侵攻を受け、全島が征服されることとなりました。その後、島の原住民であったレプラッド人は奴隷として本国に連れてゆかれ、労役に従事させたりしていたのですが、霊石や宝石の鉱山が発見されてからは、逆に黒人奴隷がペルソニアから輸送されるようになりました。現在では殆どの住民が黒人で、鉱物の採掘作業や凍土開発に従事させられています。
○現況
もともと本国の干渉の少ない地域ですが、現在は南北間の内戦に従事しているため、殆どクローネ伯の独立領として存在しています。地理的な問題から、どちらかといえば北部との関係が強く、この島から輸送される霊石は本国の工業力を支える基盤となっています。
○民族
▼ヴァルネル人(白人)
淡い銀色やプラチナブロンドなどの美しい髪で、瞳も銀、金、青、緑などの薄い色をしています。白人の中でも、特に白い肌をもちます。▼フェルメル人(白人)
灰色の髪にブルーグレイの瞳を持つ白人です。古くはカルネア北部に住んでいた民族ですが、ヴァルネル人の侵攻を受けてこの地に逃げてきました。▼レプラッド人(赤人)
赤銅色の肌に鳶色の瞳、赤茶色の髪の人種です。島の原住民であり狩猟生活を行っていたのですが、現在は奴隷として働かされています。▼アデン人/レグラム人(黒人)
ペルソニア大陸から奴隷として連れてこられた、黒髪に黒い瞳の黒人です。
○宗教
黒人や現地の土着宗教が排斥され、現在は聖母教会に改宗させられていますが、ひそかに昔ながらの民族の神を崇めている者も多くいます。
○産物
霊石、宝石、各種鉱物、魚、雪ジャガイモ、トナカイ、毛皮製品、鹿角細工、角鯨
○文化・生活
▼生活用品
生活用品の多くを白樺、ヘラ鹿、トナカイなどに頼っています。家やカヌーなどには白樺を用い、衣服やその他の小物はヘラ鹿やトナカイの皮や角を加工してつくります。土着のレプラッド人たちは、昔は木とトナカイの毛皮で組んだ直径20mほどにもなる円形住居に住んでいたようです。この中は冬でも非常に暖かく、火を焚けば20℃以上もなります。▼食事
食事は鹿やトナカイの肉料理が多く、これにジャガイモが添えられるのが一般的です。他にレラ熊という小型の熊や鯨肉などが食べられているようです。
土着のレプラッド人たちには、ビタミン、ミネラルを補給するため生肉を食べる習慣もあります。同じ理由から血をそのまま飲むこともありますし、肉や内臓を血につけて発酵させたものや、 血で作ったジャムなどの独特の料理も存在します。▼乗り物
古くから伝わる白樺の皮でつくられたカヌーは素晴らしい出来で、1人乗りのお椀型のものがよく漁に利用されています。これは皮と補強用のわずかな角材だけで作られているので、かついで簡単に持ち運ぶことができます。変わった使い方としては、下に板を取り付けてソリとして利用することができ、雪の上を走る姿を見ることもあります。
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自然
○概要
▼地勢
カナン大陸とファイン=ファウンドのほぼ中間に位置する島で、北のクインティア島、西のキズィリン島、東のグレンデル島の3島に分かれています。島の南部は寒流と暖流が合流する場所で、非常によい漁場となっています。東島では霊石、北島では宝石が採掘されておりますが、いずれも量的には決して多くはなく、あと数十年で掘り尽くされてしまうというのが専門家の一致した意見です。
北島では岩地が多く、荒れ果てた凍土が広がっております。東島や西島では少し条件が良くなりますが、これらの島々で農地を開発するには非常に時間と手間がかかります。この地では岩を細かく砕いて敷き詰め、その上に肥料となる海藻をかけて土壌をつくります。こうして作られた畑が実際に使えるようになるまでは数年待たなければならず、その間に風に土が吹き飛ばされないよう、石塀で周りを囲っておかなければなりません。
▼気候
気候的にはファイン=ファウンドとほぼ違いはなく、南部は暖流の影響によって緯度のわりに暖かく、北部は寒流のために非常に寒さの厳しい地域となります。南部の沿岸域は冬期でも平均気温は−5〜0℃ほどで、夏期は10℃前半くらいになります。しかし、中部以北からは寒さが厳しくなり、亜寒帯に属するようになります。北氷海に面する地域は寒流の影響を受けるため寒帯に属し、1年の大部分が冬に閉ざされています。
○変異現象
フリスタス西島では、光輝水と呼ばれる光を放つ水が川となって流れています。光輝水は特に生物に害を与えることはなく、ビンに入れてランプ代わりに使われています。この光は約1日ぐらいで失われ、光を放出してしまうと普通の水に戻ってしまいます。
○要所
▼エリノラ湖
光湖とも呼ばれており、光輝水が最終的に行き着く場所です。光輝水の光は死者の魂が放つ神聖なものだとして、この湖を聖地と崇める部族も存在します。ここに住む魚は陸上をヒレで歩き、非常に凶暴で人を襲うこともあります。
▼テオリスの雫
キズィリン島の北に位置する光輝水が落ちる滝で、飛び散る雫は虹色の輝きを放っています。夜の展望はさらに美しさを増し、神々しささえ感じさせます。
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人物・集団
○組織・集団
▼ノースポーリア族(赤人)
北島の最北に住みついていた部族で、角鯨の漁を生業としていました。一族のすべてが親戚関係にあり、全員がノースポーリアの姓を名乗ります。彼らは角鯨を特に崇めており、加工した角とビーズで首飾りをつくり、お守りとして代々受け継いでゆく習慣があります。現在は奴隷民となっており、多くは本国カルネアで生活していますが、うまく逃げのびて隠れ住んでいる人々もわずかにいます。▼シャイナー族(赤人)
エリノラ湖の近くで生活しています。主に漁業を生業としており、白樺のカヌーをつくるのもこの部族です。▼ブライトトゥース族(赤人)
前歯に刺青をいれる変わった習慣のある一族です。彼らは死者の歯を抜き取り、それを形見として大事にしています。
○人物
▼ベクストル=クローネ伯爵(男/44歳)
奴隷制度は肯定していますが、工業生産を主体とする北部に味方しています。何よりも私欲が優先する人物で、この島の産物を高く買ってくれさえするのならば、すぐにでも南部に寝返ることでしょう。▼マヌイ=サッハ(男/28歳)
薬草に詳しいラウドルップ族の最後の生き残りで、山奥の村で1人で生活しています。一族の知識をすべて受け継いでおり、基本的に自給自足の狩人ですが、近隣の村から依頼があれば薬師として腕を振るいます。非常に穏やかな性格で、動物好きの青年です。▼カヤ=ストム(女/16歳)
クローネ伯の鑑賞奴隷の赤人です。一族が滅ぼされたことに対してクローネ伯に恨みを抱いていますが、そのことは伯爵も承知しています。彼はカヤが命を狙ってくるのをゲームとして考えており、日々の心地よい緊張感を楽しんでいます。
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