技能分類
○基本
キャラクターの職業が決定したら、それぞれの職業に必要な要素を考えてみましょう。たとえば発明家であれば学問に関する知識が必要となりますし、自分で何かを作製するためには機械を組み立てたり、その他の職工作業に関係する技術を身につけていなければなりません。
▼技能と判定
アンバランスド・ワールドのルールでは、学習や訓練によって身につける知識や技術を、技能として扱います。技能は特定の事柄に関する行為判定を行う際に用います。▼分類
技能は特定の行動分野ごとにまとめられたものであり、1つの技能を用いて何種類もの判定を試みることが出来ます。たとえば、乗り物の操縦に関しては、馬車や自動車などの乗り物ごとに技能が用意されているわけではなく、《操縦技術》という技能1つで全ての行動を処理することになります。
○技能分野
技能を用いて行う判定は2種類の分野に分けることが出来ます。
▼一般分野
キャラクターたちは、ごく当たり前に行うことができる一般的な行動については、何の制限もなく試みることができます。このような行動分野のことを一般分野といいます。▼専門分野
外科治療や車の運転など、少々の練習では身につけることが出来ない行為は、専門分野として区別されます。専門分野に含まれる行動を取るためには、CPを消費して分野ごとに技術や知識を習得する必要があります。
▼例示
実際の技能では、以下のように技能が分類されることになります。
技能 技能分野
社会知識 ─┬─ 一般分野
├─ 専門分野:社会制度
├─ 専門分野:法律/各種
└─ 専門分野:経済
音楽 ─┬─ 一般分野
├─ 専門分野:音楽知識
├─ 専門分野:楽器/各種
└─ 専門分野:作曲
○補助技能
補助技能は通常の行為判定に用いる技能とは異なり、判定の基準となる数値を持たない特殊な技能です。これはその他の技能と組み合わせて使用するもので、それによって特殊な行為を試みることが出来るようになります。専門分野と同様に、特定の行為を行うための資格と言い換えてもよいでしょう。
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判定と技量
○レベルと判定
▼技能レベル
それぞれの技能には、その分野についての習熟の度合いを示す技能レベルと呼ばれる数値が設定されます。技能レベルは0以上の値となり、レベルが高いほど行為判定が成功しやすくなることを意味します。▼基本値判定
キャラクターが何かを行なった時に成功するかどうかの判定には、能力値と技能レベルが関係します。簡単に説明しますと、サイコロをいくつか振って出た目の合計が[能力値+技能レベル]以下であれば、その行為は成功したことになります。
判定の基準に用いる[能力値+技能レベル]のことを、ゲームでは基本判定値と呼びます。なお、技能に対して何もCPを割り振らなかった場合は技能レベルが0なので、能力値を基準として判定を行うことになります。▼使用能力
判定に使用できる能力値の種類は、個別の技能のデータに記されています。▼修正値
実際に判定を行う際には、修正値と呼ばれる値を基本判定値に加えることがあります。これは周辺の状況や使用する物品に応じて決まる数値で、キャラクターにとって有利な要素であればプラスの値を、不利な要素であればマイナスの値を取ります。▼判定値
実際にサイコロを振って判定する基準の値は、能力値、レベル、修正値を全て合計した数値となり、ゲームの中ではこれを判定値と呼びます。キャラクターはこの値を基準として様々な行為判定を行なうことになります。判定値=[能力値+レベル+修正値]
○技量のランク
基本判定値にはだいたい以下のようなランクが設けられています。自分のキャラクターの技量がどの程度なのか、これを見てイメージを把握して下さい。
◆基本判定値のランク
判定値 目安 〜8 素人レベル。失敗も多い 9〜10 職業人としてはやや不安定。セミプロレベル 11〜12 普通に仕事をするには十分な実力を持った専門家 13〜15 その世界では名が知られている一流のプロ ただし、プロとして評価される基準は、単一の技能によるものではありません。たとえば、どれほど素晴らしい発見をしても、それを学会や論文でうまく表現できなければ見向きもされずに終わってしまうかもしれないのです。
1つの職業で必要とされる技能は複数存在し、それらに総じて秀でていて、初めてプロとしての評価がなされます。ここで上げた数値は、あくまでも目安でしかないことを覚えておいて下さい。
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データ形式
○種類
技能の種類や内容については、「データパート1」に詳しく書かれています。ここにある技能表と技能解説のページに、個々の技能についての説明が書かれています。それぞれの項目をよく読んで、技能を獲得して下さい。
○技能表
技能表には、技能名称と解説が書かれています。
▼技能名称
それぞれの技能の名称が書かれています。技能名称/各種と書かれている場合は、それぞれ別個の技能として習得する必要があります。▼解説
各技能の説明と、技能分類について書かれています。
上の欄には、その技能の全体的な内容について書かれています。
下の欄には一般分野や専門分野といった技能分野ごとに判定名称が書かれており、その技能を具体的にどういった行為に用いることが出来るのかがわかるようになっています。判定名称の後ろにある( )内には、判定に用いる能力値が記されています。
○技能解説
技能解説のページでは、表よりもさらに詳しい具体的な説明が書かれています。
▼種類
各解説ページの最初には、どのような種類の技能が存在するのかが記されています。このうちの《 》で囲まれている項目が個別の技能として扱われます。
▼解説
個々の詳しい説明は、技能ごとに1つの項目として書かれています。
◇技能名称
解説部分の一番上にあるのが各技能の名称です。技能名称/各種となっている場合、種類ごとに別個の技能として習熟する必要があります。技能解説のページでは、選べる種類の例示が記されている場合があります。◇技能分野
解説ページにおいて○の後に書かれているものは、技能分野の名称となります。その技能が一般分野である場合、一般分野(一般:能力値)という具合に記されています。専門分野の場合は、専門分野名(専門:能力値)となります。◇能力値
判定に使用する能力値の種類は、技能分野名の後ろに書かれています。(一般:器用/記憶)などと記入されている場合、判定内容によって異なる能力値を用いることを意味しています。◇判定の種類
解説ページにおいて▼の後に記されているのは、その技能を用いて行うことができる判定の種類となりますす。これは技能の種類や技能分野をあらわすものではありませんので、間違えないよう注意して下さい。
判定名称の後ろに(体力)などと書かれている場合は、その判定で用いる能力値の種類を意味します。ここで指定されている能力値と技能レベルを加えた値が、その判定で用いる基本判定値となります。◇対抗
その技能に対抗するために用いることが出来る技能や抵抗判定の種類を示しています。◇使用武器/対象
その判定で用いることが出来る武器や、判定可能な行動の種類を示しています。
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習得
○種類
技能名称/各種と書かれている技能は、それぞれ別個の技能として習熟する必要があります。
○技能レベル
技能レベルはCPを消費することで上昇させることが出来ます。
▼数値
技能レベルは0〜5レベルまでの範囲で決定します。
▼割り振りの上限
キャラクター作成時における技能レベルの上限は、以下の表のようになります。これはどのキャラクターでも変わることはなく、人種や能力値などに影響されることはありません。なお、シナリオの都合で技能レベルの上限を調整したい場合、GMは自由に数値を設定することが出来ます。
初期CP レベル上限 20CP〜 1レベル 40CP〜 2レベル 60CP〜 3レベル 80CP〜 4レベル 100CP〜 5レベル
▼消費CP
レベル上昇のために消費するCPは、以下の表のようになります。
技能レベルを1つ上昇させるためには、目標とする数値と同じ値のCPを消費する必要があります。たとえば、0→1レベルにする時は1CP、1→2レベルにする時は2CPが必要という具合です。表の消費/合計の欄は、0レベルからいきなり上昇させた場合に必要となるCPの合計値を示しています。
技能レベル 消費/個別 消費/合計 1レベル 1CP 1CP 2レベル 2CP 3CP 3レベル 3CP 6CP 4レベル 4CP 10CP 5レベル 5CP 15CP
○専門分野
専門分野に関して判定を行えるようになるためには、個別の分野ごとにCPを消費して習得しなればなりません。
▼消費CP
1つの専門分野を習得するためには、3CPが必要となります。▼各種
分野名称の後に各種と書かれている場合は、それぞれ別個の専門分野として習得する必要があります。▼制限
職業データにかかれている専門分野は、プレイヤーの判断で自由に習得することが可能です。しかし、それ以外の専門分野のうち、GMが許可しなかったものは習得することが出来ないので注意して下さい。特に、専門の機関や犯罪組織でしか習得できないような技能は、厳しく制限する必要があります。
○補助技能
補助技能はそれぞれ2CPを消費すれば習得することが出来ます。これは慣れによって身に付くものですから、特にGMの許可を得なくても、CPを消費すればすぐに身につけることが出来ます。
▼選択ルール
補助技能は選択ルールであり、使用するかどうかはGMの指示に従って下さい。▼種類
補助技能には術法変化、戦闘変化の2つの分野があります。▼レベル
これらは特殊な扱いをする技能であり、それ自体を判定に用いることはありません。ですから、補助技能には技能レベルは存在せず、獲得してさえいれば特定の行為を試みることが可能となります。▼判定
それぞれの詳しい判定方法は「データパート1」の技能解説のページに書かれています。
補助技能を用いて行う判定の中には、使用時に何らかの修正を受けるものがあります。この場合は、組み合わせて使う技能に対して修正値が適用されることになります。
○技能の作成
データにはない技能や専門分野をキャラクターに持たせたい場合は、GMや他のプレイヤーとよく相談し、全員に認められた上で習得しなければなりません。この時、エルモア地方の雰囲気にそぐわない技能は習得させないよう心がけて下さい。
また、よほど特殊な技能は、それなりの背景設定がなければ習得することはできないでしょう。エルモア地方とは全く交流のない地方の知識などは、普通のキャラクターは生涯知ることはありません。逆にシナリオの都合上、非常に特殊な技能を得ることもあるかもしれません。このように特殊な技能や専門分野の扱いについては、プレイに参加している全員で相談して決めて下さい。
○記入と計算
以上のようにして獲得した技能は、キャラクターシート2の技能および補助技能と書かれた欄に記入します。
▼技能
技能と書かれている下の欄には、それぞれの技能名称を記入して下さい。その隣のレベルの欄には技能レベルの値を、専門分野の欄には習得した専門分野の名称を書き入れます。
基本判定値という欄は、その技能を用いて行う判定に関するメモ欄です。セッションでよく用いる判定について、あらかじめ基本判定値(能力値+技能レベル)を記入しておけば、実際に判定を行う際に計算せずに済みます。
最後に技能と書かれた横の( )内には、消費したCPの合計を書き入れて下さい。その値を与えられた初期CPから減少させることになります。▼補助技能
技能欄の下にある補助技能と書かれている欄は、獲得した戦闘変化技能に関して記録を行う場所です。それぞれの技能名称の前にはチェックボックス(□)が用意してありますので、習得した技能についてはボックス内を黒く塗りつぶして区別しておいて下さい。なお、術法変化技能に関しては術法シートの方に記入欄を用意してあります。
獲得した技能名を記入したら、消費したCPの合計を補助技能と書かれた横の( )に記入します。そして、この値を与えられたCPから減少させて下さい。
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