基本構成
法教会から分かれた組織であるため、基本的な組織構造は法教会のそれとよく似ています。大きな違いは、教皇は代々のエリスファリア国王が務めることです。
聖職者は院と呼ばれる組織に分かれて、その役割に応じた活動を行います。院長となるのは枢機卿になりますが、中央枢院の長は教皇が務めます。全体の組織構成は以下のようになります。
◆組織構成/国教会
教皇───┬──中央枢院
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├──教区院───教区教会───教区聖職者
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├──継承院────────┬─継承教師
| └─秘術教師
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└──審問院────────┬─異端審問官
├─異端粛正官
└─異端管理官
○中枢組織
国教会の中枢組織は中央枢院と呼ばれており、教皇と枢機卿によって構成されています。中央枢院の会議によって教会組織の運営がなされ、教皇の名によって下部組織へと決定事項が伝達されます。
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教区院
教区教会を束ねる院で、大教会や分教会の全てがこれに含まれます。一般の人々が教会といった時は、教区院に属する教会を指すことになります。教区院は各教区教会の監督や経営指導、教会建築物の建設や補修の資金配分、および聖職者の赴任などについてを決定する役目を負います。
▼教区聖職者
教区教会に所属し、教区内の一切の仕事を任される役目です。教導教会で教育を受けて神学徒と認められた者の大半は、教区教会へと配属されて修行することになります。赴任する教会は教区院によって決定されます。
教区聖職者は教区教会で生活し、教区の民と生活を共にします。礼拝、洗礼、説教、祭祀、葬儀、結婚式、教区住民の相談役など、その仕事は多岐に渡ります。また、教区聖職者はその他の座に属する特別な役職を兼ねることも多く、配属された神学徒の教育、施療、地域住民の保護などの役目を担うこともあります。
エリスファリア国教会の場合は、他の宗教機関と異なり、私的な財産を保有することができます。不正を行って私腹を肥やす高位聖職者も多く、政治家と深く結びついています。教会内部の権力争いも激しく、どの派閥につくかで得られる利益も異なってきます。
ただし、聖職者の全てがこうだというわけではなく、清廉潔白な者も決して少なくはありません。しかし、そういった者が教会上層部へと取り上げられることは殆どなく、小さな教区教会で一生を終わるのが普通のようです。
多数の聖職者を抱える教会では、教区聖職者は役割分担を行って活動するのが普通です。これは教会組織の階級とは異なり、正式な階級には含まれませんが、慣用的な上下関係として成り立っています。
教会長 教会の最高責任者です。 祭司官 教区における大きな祭祀を執り行ったり、教会の運営に携わる役目で、神官長以上の高位聖職者がこの役職に就きます。 待祭 祭司官の補佐を行う立場で、下位の役職の指導を行う立場ともなります。神官階級にある者がこの役職に就きます。 読師 礼拝を執り行うことのできる聖職者です。いわゆる一般の神官がこれに当たり、事務や布教活動、礼拝客や告白者の相手といった仕事をこなします。
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その他
○継承院
聖職者に対する教育を行う組織であり、一般教育および術法の教授を行います。
▼継承教師
聖職者を目指す者に対して教育を行う係です。聖職希望者はまず継承教会と呼ばれる場所で、自給自足の生活を行いながら修行をします。この辺りは法教会と同じシステムとなります。ただし、高い身分にある者が聖職者を目指す場合はこれとは異なり、町中の教会で高位聖職者に仕えながら修行を行うことになります。これは身分の高い者は高い教育を受けているために、基礎的な教育は必要ないという理由からです。
▼秘術教師
神の奇跡の1つである術法を継承する役目で、一般に各地方の大教会で活動しています。術の教授は上層部の指示に従わなければならず、秘術教師や各聖職者の判断でこれを行ってはいけません。この他にも、必要に応じて地方に派遣され、奇跡の力をふるって人々を助ける役目も負います。
○審問院
異端者の審問や内部の監査などを行う係となります。エリスファリア国教会の場合は、国教徒ではないということ自体が異端となり、国教徒以外のものは公職に就けないなどの不利益を受けます。なお、教義の見直しなどは中央枢院で行われるものであり、教皇の意見が強く反映されます。
▼異端審問官
異端の判別および内部監査を行う役目で、主に高位聖職者がこの職に就きます。賄賂を得るには非常に都合のよい立場にあり、不正が行われやすい役職となります。
▼異端粛正官
異端粛正官には2つのタイプがあります。1つは対悪魔などの戦闘訓練を受けている専門の役職で、術法を習得している割合が高くなります。もう1つは国内の異教徒を相手にする粛正官で、審問官と通じて不正を行う割合の高い役職です。
▼異端管理官
隔離施療院や変異現象の影響を受けた人間を収容する修道院の管理係です。なお、施設の管理費を着服したり、近親者を脅迫して金をせびるような者も少なくないようです。
○教会親衛隊
これは教会の正式な組織ではなく、信者たちが独自につくる支援組織です。通常は1つの教会や一定範囲につき1団体が形成される形となります。
親衛隊は教会参事会とは異なり、主に荒事を担当する教会の私兵のような存在となります。表向きは自警組織ということになっており、地域を守るために怪物たちとの戦いに参加することもありますが、実際は聖職者に取り入って自らも甘い汁を吸おうとする者や、教会に目をつけられないために協力している者が殆どです。真面目な活動をしている親衛隊もありますが、教会の権威を後ろ楯に市民を脅したり、魔女狩りなどの異端審問を勝手に行なったりする組織が多いため、人々に嫌われています。
○ペルソニア伝道会
ペルソニア植民地において国教会を束ねる組織で、基本的には教区院に属しています。しかし、実際にはほぼ独立した活動を行なっており、本国の監視の目が届かないのをよいことに、横暴の限りを尽くす聖職者も少なくありません。もとより国教会の上層部は腐敗しており、民衆の評判はあまりよいとは言えないのですが、異教徒も多いこの地では輪をかけてひどい状況となっています。
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