フレイディオン共和国/制度

概要国家制度皇帝軍事警察司法


 

概要


○政治制度

▼国家
 現総統アルザフが樹立した総統政府が三権を統括しています。立憲国家であり国民の代表による国会も存在しておりますが、実際には独裁国家であり、立法、司法、行政の全権が総統1人に掌握されています。


▼地方
 フレイディオンの行政区分は州とそれに含まれる県で区切られています。州は軍の管区に関連する区分であり、地方自治体としては県単位で運営されることになります。
 県政は国務院地方局によって統括されており、地方長官である県知事も中央から派遣されます。総統は県知事に対する任免権を有しているため、地方の政治に直接関与することが可能です。


○軍事

 職業軍人と徴兵からなる近代的な常備軍を保有し、警務院軍事局が軍事全般を統括しています。陸軍は州ごとに管区として分割されており、それぞれの部隊は州軍として活動します。


○警察

 行政機構に所属しており、警務院警察局が全ての警察組織を統括しています。軍との違いは国内問題に対する治安維持組織であるということであり、中には重武装を許された治安警察隊という部署も存在しています。
 警察局は県警察などの下部の組織に対して監査・粛正を行う権限を持ちます。警察組織は通常の形態で、警察署の中にいくつかの部署があり、刑事や警察官が業務を担当します。なお、これらの警察組織に務める場合は、警察学校で訓練を受けなければなりません。


○司法

 裁判権を有するのは司法府であり、立法・行政機関からは完全に独立しています。しかし、三権が総統の下に集まるこの国では、違憲審査権は全く意味をなさないものとなっています。
 裁判所は大審院(国家)、高等法院(県)、地域法院(地域自治体)の順に体系的に整備されています。この他に、民事裁判所や簡易裁判所も各地域自治体に置かれています。裁判の進行方法は現実世界とほぼ同じ方式で行われ、それぞれ控訴・上告を行うことも出来ます。


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国家制度


 現総統アルザフが樹立した総統政府が三権を統括しています。立憲国家であり国民の代表による国会も存在しておりますが、実際には独裁国家であり、立法、行政、司法の全権が総統1人に掌握されています。


◆フレイディオン/制度

 
  総統───┬──┬──総合官房
       │  └──総統補佐官
       │
       ├──行政府──┬──国務院
       │       ├──会計院
       │       ├──外務院
       │       ├──警務院
       │       └──法務院
       │
       ├──司法府
       │
       └──立法府──┬──元老会議
               ├──国民会議
               └──立法委員会   
 


○総統

 国家代表となる政府首脳で、憲法によって独裁的権限を与えられた存在です。総統は終身制であり、何者によっても罷免されることはありません。また、総統が強い裁量権を握っているため、政府機関の多くは総合官房を通じて、総統に逐次指示を仰ぐ形となっています。


▼任免権
 総統は各大臣を含む官僚、および県知事に対する任免権を持ちます。このことにより、下部機関の人事にも間接的に関与することになります。また、国民会議の議長に対する推薦権と罷免権を持ちます。


▼法律への関与
 法律の発布は総統の名の下に行われることになります。また、法案の発議権も有しておりますし、憲法改正については提議そのものに総統の許可を必要とします。


▼議会の招集
 臨時に立法議会や委員会を招集する権限を持ちます。また、独自の判断でこれらを解散させることも可能です。


▼補佐

◇総合官房
 総統を補佐するための機関であり、政務の下準備や各政府機関との連絡・調停といった仕事を行います。

◇総統補佐官
 総統の補佐を行う主席補佐官と次席補佐官がおり、総統の権限で自由に選出することが出来ます。主席補佐官は総統の代理として活動する者で、委任状があれば総統と同等の権限をもって、政府活動の一切を取り仕切ることが出来ます。次席補佐官は総統の諮問にこたえるための存在で、実質的な政治権限は存在しません。ただし、次席補佐官は自身の権限で、調査委員会を設置したり公聴会を開くことが出来ます。


○立法府

 それぞれ役割の異なる3つの機関から構成されています。以下のように役割が分散化している上に、最上位に位置づけられている元老会議の殆どを総統が選出するため、総統に不利益な法案が採択されることはありません。


▼立法委員会
 法案発議権を持つ下部機関で、基礎法案を作成して国民会議に提出します。委員は国民会議の推薦に基づいて総統によって任命されるもので、主に経済・産業・法律などの専門家によって構成されています。国民会議の議員や元老議員はこれを兼任することは出来ませんが、地方議会の議員を兼任することは可能です。


▼国民会議
 立法委員会から提出された法案の審議・修正を行う機関です。その名の通り、国民から選ばれた代表によって構成されており、議員選挙は4年に1度行われます。選挙権が与えられるのは、国内に定住しており一定額以上の税を納めている18歳以上の成人という条件があります。


▼元老会議
 総統、主席補佐官、国民会議の議長、そして行政大臣から為る機関です。審議なしで法案の最終採決を行います。


○行政府

 行政府の長となるのは総統であり、その下部に5つの院が整備されています。各院の下には局が置かれており、局以下の組織が実際の行政行務を担当します。


▼大臣の選出
 総統は独自の判断で各行政長官の選出・罷免を行うことが可能であり、誰の承認を受ける必要もありません。大臣の任期は5年となります。


▼院

◇国務院
 内務問題の一切を取り仕切る重要な機関で、産業、運輸、文部、郵政といった諸局を統括しています。また、地方行政を監督するのも国務院の管轄です。

◇会計院
 財務・金融問題を取り扱う院で、造幣局や会計検査局といった局を下部に持ちます。

◇外務院
 外務問題を統括する院で、使節局や情報局といった下部機関を持っています。

◇警務院
 国内外の警務を取り仕切る院で、警察局、軍事局、国境警備局といった中心組織の他に、風紀・治安維持の目的の下に結成された公安局などを統括します。公安局はいわゆる秘密警察のような存在で、郵便書簡の検閲などを行う権利を与えられています。

◇司法院
 検察局、入管局、移民局、司法監査局などを統括する機関です。


○地方行政

 フレイディオンの行政区分は州とそれに含まれる県で区切られています。州は軍の管区に関連する区分であり、地方自治体としては県単位で運営されることになります。
 県政は国務院地方局によって統括されており、地方長官である県知事も中央から派遣されます。総統は県知事に対する任免権を有しているため、地方の政治に直接関与することが可能です。


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皇帝


 フレイディオンは表向きは共和国であり、現在の制度上では皇帝という地位は存在しません。これは前国家代表であるカヴァリアが皇帝を名乗ったことによるもので、古くはこの地にイーフォン皇国があったことに由来します。現国家代表は憲法上では総統として位置づけられており、軍人皇帝はあくまでも尊称でしかありません。この呼び名が今も継承されているのは、総統アルザフが軍の出身者であると同時に、カヴァリアの独裁者としての地位をそのまま継いだことが理由であり、その政治はカヴァリアとは大きく異なっています。
 前皇帝カヴァリアはもともとは将軍職にあったもので、革命後の反乱鎮圧やライヒスデールの侵略から国家を守ったことで英雄視され、やがて革命政府の要人として活動するようになりました。政権を得た時のやり方も、反政府派の議員による陰謀の証拠を捏造し、架空のクーデターを未然に防ぐためと称して軍を動員して、そのまま議会を占拠して国家代表の地位に収まるというものでした。その後も国内の暴動を武力で押さえ込み、反対勢力を処刑するなどの恐怖政治を展開する一方で、ライヒスデールやロンデニアと小規模な戦いを繰り返しては、小さな勝利で自身の名声を保とうとしました。晩年は強引なやり口は影をひそめ、税制改革を行って増税に努めたり、常備軍の整備に力を入れるなど、現在の国家発展の基礎を固めています。
 しかし、それ以前のやり方には数多くの反発があったため、皇帝の地位を受け継ぐはずだったカヴァリア2世は、レプリカント・スキャンダルによって即座に失脚してしまいます。直後にアルザフが国家代表の座に収まると、専制政治の継続に反発した人々による反乱が各地で相次ぐことになります。アルザフは軍を出動させてこれらを鎮圧し、早い時期に総統の地位を憲法に明記して独裁体制を固めたため、民衆は恐怖政治の再来に恐怖したのですが、その後のアルザフの統治は開明的なもので、武力は最低限しか用いることはありませんでした。
 学業の成績は平凡で軍事面以外には突出したところのなかったカヴァリアに比べて、アルザフは様々な分野で優れた才能を見せてきた人物で、将来を見通した計画的な政策を展開してゆきました。アルザフはカヴァリアの晩年の政策をより洗練させるとともに、人口調査や地勢調査を行って複雑だった行政区を再編し、統制のとれた地方統治を実現させました。それから学校制度の統一、鉱山開発、治水工事、道路整備、鉄道敷設、および官営工場や国立銀行の設置などを次々と行い、フレイディオンは先進国家へと飛躍することになります。
 アルザフは聖歴761年に総統の座に就いてから28年もの間、優秀な統治者として君臨し続けました。彼の政治的手腕は確かに見事なものですが、何もかもを1人で行ってしまうために部下が育たず、総統のイニシアチブがなければ行政機構が活動できないようになってしまいました。現在68歳のアルザフは後継者問題で悩まされており、少しずつ自分のやり方を変えるようになっています。官僚の裁量権を拡大し、自分で判断できない部下を叱責するとともに、闇新聞の元締めであったベルザールを官僚に採用するなど、かつては大きくなる前に悉く潰してしまった反対勢力をも身内に取り込んでいます。こうした積み重ねの結果、最近になって総統政府の中に『良識の筆』派という集団がつくられ、彼に対して意見をぶつけるようになっています。決して表には出しませんが、アルザフはそのことを内心では非常に喜んでいるようです。


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軍事


 フレイディオンは職業軍人と選抜徴兵からなる近代的な常備軍を保有し、警務院軍事局が軍事全般を統括しています。陸軍は州ごとに管区として分割されており、それぞれの部隊は州軍として活動します。


▼指揮
 総統は軍の統帥権をもつ最高司令官として位置づけられておりますが、実際に軍全体の指揮・監督を行うのは軍事局の局長および司令部となります。


○兵制

 軍の基本構成員となるのは志願兵である職業軍人と選抜徴兵たちです。


▼徴兵
 軍人皇帝カヴァリアの時代から兵役制度が強化され、徴兵は義務化されています。日曜や休日に民兵組織の訓練を行っており、選抜徴兵は各地域にある軍の駐屯地へと赴かなければなりません。


○軍事情勢

 現在はライヒスデールと軍事同盟を組み、ユークレイとの交戦を支援しています。この軍事同盟は各国の反感を買い、近いうちにこれに対する大同盟が結成される動きもあります。それに対抗するかのように、アルザフはカイテインとの同盟を結ばうとしており、三国軍事同盟による新大陸進出をもくろんでいます。
 アルザフの政治は独裁政権とはいえ私欲を追求するものではなく、あくまでも国益を念頭に置いているため、これまで国内の批判はそれほどでもありませんでした。しかし、国際的に批判の多いカイテインを支援する動きに対しては反対意見も現れつつあります。


○国家関係

▼友好国
 ライヒスデールとは軍事同盟を結んでおり、非常に親密な関係にある国家です。また、カイテイン帝国とは今秋にも同盟が締結される予定です。


▼敵対国
 ユークレイ、カスティルーン、ペトラーシャの神聖同盟3国とは敵対的な関係にあり、ペトラーシャとの交易には規制がかかっております。また、ロンデニアとはポラス海峡の通航問題で古くから対立しており、ときおり小競り合い程度の海戦が行われることがあります。


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警察


○警察機構

 行政機構に所属しており、警務院警察局が全ての警察組織を統括しています。軍との違いは国内問題に対する治安維持組織であるということであり、中には重武装を許された治安警察隊という組織も存在しています。
 警察局は県警察などの下部の組織に対して監査・粛正を行う権限を持ちます。警察組織は通常の形態で、警察署の中にいくつかの部署があり、刑事や警察官が業務を担当します。なお、これらの警察組織に務める場合は、警察学校で訓練を受けなければなりません。


○機構

 国家警察、県警察といった形で所轄を分割しています。


▼国家警察(警察局)
 全警察組織に対して指揮監督を行う部署です。基本的には、捜査などの実際の業務を行うわけではありません。ただし、国際部などは国家警察に所属する場合は、政治犯などを対象とした捜査を専門に行います。


▼県警察
 各県の警察業務を監督します。また、広域の犯罪を取り扱ったり、応援要請があった場合は地域に出向いて業務を手伝います。これには1つの市を統括する市警察や地方警察といった下部組織があります。市警察はさらに地域警察や街区警察といった小さな部署を管理しています。地方警察は県に含まれない地域(群や島など)を管理する部署となります。形式的には市警察と同等の立場にありますが、実際には地方警察の方が立場は低いようです。


▼首都警察
 州警にあたる大きな組織で、首都周辺の警察業務を取り扱います。首都に存在する重要施設などの警護も首都警察の担当です。


○特殊な部署

▼広域捜査部
 複数の地方にまたがって犯罪をおかした者を担当する刑事です。これは国家警察に所属する部署となりますが、地方では嫌われることが多く、協力を得られないことも少なくありません。


▼治安警察隊
 国内軍や治安警察軍とも呼ばれている組織で、武装警官たちで形成されています。国内の暴動を鎮圧したりするのが主な役目となります。軍とは異なり県の要請で出動できるため、緊急時に成果を発揮します。


○公安局

 国内の風紀・治安維持の目的の下に結成された組織です。警察とは別の管轄となりますが、協力して活動することも頻繁にあり、局員の中にも警察局出身の者が多く存在します。


▼活動
 総統政府に反対する思想や言論、行動を取り締まることが行務の半分を占めています。そのために、郵便書簡の検閲や密偵行為が許されておりますし、影では拷問を含む弾圧も数多く行われているようです。


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司法


○司法府

 裁判所を統括する司法機関で、独立した存在です。


▼長官
 司法府長官は総統が独自の判断で任命することが出来ます。


▼違憲審査権
 下部には法案の違憲審査を行う違憲審査局も存在し、違憲と見なされる法案を廃止する権限を持ちます。しかし、三権が総統の下に集まるこの国では完全に形骸化しております。


○裁判所

 大審院(国家)、高等法院(県)、地域法院(地域自治体)の順に裁判所が体系的に整備されています。この他に、民事裁判所や簡易裁判所も各地域自治体に置かれています。裁判の進行方法は現実世界とほぼ同じ方式で行われ、それぞれ控訴・上告を行うことも出来ます。


先頭へ

 


概要国家制度皇帝軍事警察司法