兵役制度

種類変化と問題


 

種類


 一口に兵士といっても、職業兵士、義勇兵(志願兵)、徴集兵、傭兵など、様々な出自があります。国家制度によってどのような兵役制度をとるかは異なり、特に領主貴族の有無によって大きく変化します。


○雇用兵

▼職業兵士
 職業軍人として国家や自治体に雇用されている兵士で、常備軍に配属されています。通常は兵学校で教育を受けるため、統率のとれた行動を取ることができます。


▼傭兵
 金銭で雇われる戦闘の職業軍人で、傭兵部隊の一員として戦争に参加します。領主貴族に雇われることが多いようです。


○徴集兵

 国民の義務として徴用される兵士で、くじ引きなどで選抜され、一定期間の兵役につきます。平時であれば訓練期間が終わった後は予備役となりますが、召集があれば軍務に従事しなければなりません。戦時に徴用された場合は、きちんとした教育を受けずに戦場に出される場合もあります。


▼徴兵免除
 多くの国家では、一定以上の税を支払っていたり、特定の金額(通常は年額100万〜200万エラン)を戦費として支払えば兵役を免れることができます。このため、ある程度の資産を持つ有産市民の子弟の多くは兵役から逃れています。
 他にも子供が一家に1人しかいなかったり、身体検査で不合格だった場合は徴兵されずに済んだりします。また、他の行政行務に参加することで兵役の代替とする場合や、代理人をたてることで免除される国家もあります。


○特別志願兵

 自ら志願して軍属になる兵士です。主に戦時中に登用されるもので、戦争が終われば軍属から解除されます。なお、市民権を得るために志願兵となる者もいますし、国家によっては兵役につけば犯罪者の刑期を短縮するという措置をとることもあります。


○騎士

 国王や領主に仕え、その者のために戦う戦士のことです。騎士は支配階級の一員であり、貴族の特殊な形態です。通常の国家では世襲の称号となります。忠誠と引き替えに仕えている主から俸給を受け取り、それによって生活を営みます。騎士には下士官の階級が与えられ、兵士を率いて戦ったり戦略を練る立場となります。そのため、士官学校に通って必要な知識を身につける必要があります。
 
・存在国家
 カイテイン/アルメア/ユークレイ/カスティルーン/ライヒスデール/エリスファリア/ジグラット/ルワール/メルリィナ/ソファイア


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変化と問題


○制度の変革

 貴族領主の存在する国家では、未だに農兵中心に軍が構成されている場合もあります。しかし、有事の際にのみ徴集される農兵や臨時雇いの傭兵では、きちんと組織された常備軍のように統率された行動を取れるものではありません。そのため現在はどの国家も、訓練された常備軍の整備に力を入れるようになっています。


○徴兵制度の問題

 徴兵制度は民衆の反発を生むことも少なくありません。というのは、兵士の給料は低廉なことが多く、残された一家にも大きな負担がかかるためです。強制徴募から逃れようとして脱走した兵士が、山賊などと合流して略奪を働く場合もあります。
 しかし、軍隊では衣食住の保証がありますし、日雇い労働の生活よりも軍事訓練の方が楽なことが多いため、身分によっては必ずしも忌避されるものではないようです。下層労働者や流浪者、あるいは土地を持たない農民が喜んでこれを受け入れる場合もあります。また、先進国家では教育を受けさせてくれることもあるため、国民生活の向上に役立つという側面もあるのです。


▼期間徴兵(準兵役)
 戦時下にない国家では、期間徴兵(準兵役)という待遇で徴兵を行うこともあります。これは先の問題を解決するほかに、多数の働き手を奪うことで国力が低下するのを防止する意味合いでつくられた制度です。
 期間徴兵は召集があった時だけ軍事活動に専念するもので、平時は自身の職業に従事することが出来ます。ただし、戦時に統率を乱すことなく働けるように、召集に応じて休日などに定期的に訓練を受けなければなりません。そのため準兵役にある期間は、移動を制限されることが多いようです。


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種類変化と問題