現地部族
○組織・集団
▼ダミラ女騎馬団
女性のみで構成されている正体不明の騎馬民族です。彼女たちは全身余すところなく刺青を入れており、非常に多彩な色合いの目立つ装飾品で飾り立てています。そして、丈の短い弓を持ち、複雑に編み込んだ長い髪を振り乱しながら草原を疾駆します。
彼女たちは草原を巡回しており、エルモア地方の移民がそこに足を踏み入れた場合、弓矢で攻撃を仕掛けます。非常に厄介なのは、大型の黒いヒョウを数頭引き連れていることで、動物と連係して見事な戦いを繰り広げるそうです。
▼岩壁の民
聖獣信仰者の民族で、獣の彫刻を岩壁に彫り上げることで知られています。これはトーテム・ウォールと呼ばれるもので、成人の儀式として1人につき1体のトーテムを彫る風習があります。一族の守り神であるトーテムの彫刻は、高さ30mを越える非常に立派なものです。
▼マクワク族
彼らは樹上に家をつくる部族で、それで外敵の侵入から身を守っています。木々の間には蔓で編んだロープが上下に2本渡されており、それを移動のために利用しています。狩りを行なう時にも樹上で待ち伏せを行ない、長い吹き矢で獲物をしとめるといった手段をとります。
▼鳥羽根族
サバンナで暮らす部族で、ダチョウの羽根でつくった飾りを身につけています。これは単なる装飾という意味だけでなく、狩りの時のカモフラージュの目的で扮装を行なっています。また、プロポーズの時にダチョウの羽根を束ねたものを両手に持ち、独特のダンスを踊る習慣もあります。
▼ペケルル族
草原で移動生活を送る小集団で、騎乗動物としてペルソニア・ルー(ルーの亜種)を飼っています。逃げ足の早い部族として知られており、トラブルが発生した際にはいち早くその場を離れます。そのために住居も非常に簡素なテントを使っており、必要最低限の物だけを持って放浪生活を続けています。
▼獣人族
半人半獣の姿を持つ亜人たちで、ペルソニアの奥地に住むといわれています。エルモア地方では異端と認識されていますが、この大陸では聖獣の化身、あるいは神獣の眷属として敬われる存在です。過去にはラガンの侵略に抵抗するために現地民とともに戦ったのですが、その多くが異端として殺害されてしまいました。ただ、現在でも中部以南(E・F・H地域など)でまれに目撃されることがあるようです。
▼砂織族
砂漠に住む一族で、霊砂系と呼ばれる術法を用います。侵略者に対して反抗の意を示し、現在も植民地軍を相手に戦っています。
▼サリライ族
砂漠に住んでいた一族で、ユマという植物から取る糸でつくる絨毯の見事さで知られています。砂漠ということで緑に憧れるためか、花柄の絨毯を多くつくっていましたが、植民都市に移住させられた現在では、様々な模様の品が織られるようになりました。
▼穴掘り衆
サンド・ボーラー(砂掘虫)と呼ばれる怪物を笛で操って、地面に穴を掘ることで生活していた集団です。もともとは砂漠を中心に生活していた部族で、水を得るためにこのような知識を身に付けました。現在は各地を移動しながら、現地部族を助けるために活動を行なっています。
▼白沙族
砂漠で移動生活をしている部族ですが、彼らは白い衣装を身につけ、顔や手など露出している部分も真っ白に塗る習慣があります。砂漠に住む部族を繋ぐ存在で、物資を届けたり連絡役を引き受けています。一部の者はまれに植民地に赴いて密偵活動も行うようで、砂漠に対する外部の動向を調査しています。
▼影道化団
各地の植民地に出没する黒衣の集団で、エルモア地方からの移民に攻撃を行なったり、植民活動を妨害することで知られています。ピエロのような装飾が施された仮面を被っているため、人々は素性不明の彼らを影道化団と呼びます。奇怪な術を行使するという噂で、仮面の下を見たことのある者の話では、変異の影響を受けた人間であったといいます。◇限定情報:黒沙族
彼らはもともと黒沙族と呼ばれる砂漠の一団に属していた者たちです。変異現象の影響を強く受けた砂漠の民は、黒沙族という集団に預けられ、戦闘や暗殺に関する技術を学びます。そして、砂漠の秩序を守るための役目を負い、侵入して来た外敵と戦ったり、他部族に被害を与えた者に懲罰を与えます。
しかし、影道化団の一員は黒沙族から離れ、とある黄人の出資者に従って、植民地に対する攻撃や諜報活動を行なっています。その真意はわかっておりませんが、砂漠の民は彼らの動向を追い、詳しい事情を知ろうとしています。
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その他
▼スレイブマスター
ペルソニアでの奴隷市場を支配している奴隷売買組織です。独自の傭兵隊を抱えており、未開地の部族を武力で制圧して奴隷を仕入れます。特にどの国家に肩入れしているわけではなく、あくまでも公正な取り引きを行なっています。
▼タンターナ技芸団
各地を回って動物に仕込んだ芸を見せる一団です。団員の大半は黄人ですが、中には黒人や赤人も混じっています。ヘビやイヌといった一般的な動物もおりますが、人気があるのはやはりライオンやゾウといったペルソニア独特の動物で、火の輪くぐりやゾウの逆立ちなど見事な芸を披露して喝采を浴びています。
▼ログナル交易社
カーカバートの貿易会社の1つで、ペルソニア植民地で買い集めた品をエルモア地方に輸出しています。彼らは表向きは普通の会社ですが、裏ではペルソニアに住む黄人たちに支援を行なっています。これは各国の植民地を混乱させ、カーカバートの立場を有利にしようとの思惑があってのことで、自由都市連合の指示によって動いています。
▼ラ・ゼルフォ傭兵団
様々な人種・民族による混成傭兵団で、団員の半数以上は黒人が占めています。母体となった集団はラ・ゼルフォ族というレグラム系黒人の現地部族で、聖歴700年代になってエルモア地方の国家が侵略してきた際に故郷を失い、放浪の部族として生きることになりました。彼らが傭兵稼業に従事するようになったのは、ラガン由来の黄人たちを集団に取り込んでからです。その後、傭兵団の活動に関しては黄人がまとめ役と交渉役を担当し、それによって黒人だからという不当な理由で奴隷にされることを免れてきました。
故郷を亡くして久しい彼らには、もはや人種的・民族的なアイデンティティや政治的ポリシーはなく、その日を生きるために誰にでも雇われて、安い賃金で命がけの戦いに身を投じます。ただ、傭兵団としての仲間意識は強く、全ての団員たちは首と肩に鳥を意匠化した刺青を入れています。
▼強盗団グレイグ一味
壁山の悪魔とも呼ばれる武装強盗団で、グレイグ兄弟を頭とする20名近い荒くれ者たちです。北中部(B地域)にあるソファイア、カルネアの植民地を襲い、金品を強奪したり若い娘をさらうなどの犯行を重ねています。殺人さえ平気で行なう極悪人で、近郊の町村では生死を問わない賞金首として手配書が出回っています。
彼らはピルム丘陵(B-4、B-6)を根城にしており、壁山と呼ばれる迷路のような地形の奥に住処をつくっています。また、現地民とも通じており、略奪品と引き換えに必要な生活物資の一部を得たり、危険を知らせて貰ったりしています。
▼深淵信仰者
不死を夢見る狂信者の一団です。彼らは永遠の命を得た者たちの王国が地底に存在すると考えており、その一員となるために活動しています。不死の力はミイラや遺骨を食べることで得られるといい、その目的で墓荒らしや遺跡の探索を行ないます。これは天地信仰から派生した思想だと推測されていますが、天地信仰者はもとよりペルソニア全土で異端扱いされています。
信者たちの話によれば、地底の王国には奈落と呼ばれる深い穴で繋がっており、そこから不死のエネルギーが流れ込んでいるのだそうです。それが深淵信仰と呼ばれるゆえんで、彼らの礼拝の場も地下や洞穴に設けられています。また、体内に取り込む遺体も、奈落から流れ込む気を十分に帯びてなければ効果がなく、死亡してから長い時間を経た遺体しか口にすることはありません。
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