キャラクター作成/概要
ルール概要
ようこそ、『アンバランスド・ワールド』へ。これからあなた方は『トリダリス』という惑星にある『カナン大陸』の住人として生活することになります。主な冒険の舞台となる場所は、この大陸の西方に位置する『エルモア地方』です。
エルモア地方は19世紀中頃の欧米とよく似た雰囲気があります。あなたは今から、この地方のあなたとなるキャラクターを作成することになります。あなたはもう1人の自分となって、この世界の様々な困難に立ち向かってゆくのです。
○準備
最初にキャラクターシートを用意します。他に6面体のサイコロと筆記用具が準備できたら、いよいよ実際のキャラクター作成が始まります。
○CP
キャラクター作成時には、初期ポイントとしてキャパシティーポイント(以下CP)が与えられます。CPはキャラクターの将来性や潜在力を表わす数値で、これらを消費することによって、キャラクターの具体的な特徴を獲得することができます(一部を未使用のまま残しておくことも可能です)。
与えるポイントはGMが決定します。シナリオの難しさから適正な消費CPを考える場合は、経験点の基準ポイントを目安に考えて下さい。通常のシナリオであれば、消費CPが[基準ポイント×10+50]以上あれば十分となります。ですから、特に難しい条件がない場合には、初期ポイントは75CPでキャラクターを作成するとよいでしょう。
○人種
エルモア地方には、白人、黒人、赤人、黄人の4人種がいます。基本的に自由に動けるのは白人と黄人で、中でも白人が人口の大多数を占めています。黒人と赤人は、国家によっては奴隷として扱われる場合がありますし、その地位は総じて低いものとなります。このような理由があるため、人種の選択はこれから行おうとしているシナリオに応じて、GMが指定した方がよいでしょう。
○能力値
能力値には【導引】【体力】【敏捷】【器用】【記憶】【判断】【感応】【霊力】の8種類があります。これらはキャラクターが試みた行為が成功したかどうかを判断するために行う、様々な行為判定の基本値として用いられます。
能力値 説明 導引 運や偶然の巡り合わせの良さ、およびそれによって得た経験の豊富さなどを表わす能力値です。主に運に大きく左右される事柄や、事件や特定人物と接触した事実があるかといったこと判断するために用います。 体力 力の強さや生命力の高さを表わす数値で、主に近接武器を使った白兵戦闘の判定に用いられます。また、生命抵抗と呼ばれる抵抗判定や、生命値の基準値にもなります。 敏捷 動作の俊敏さや運動能力の高さを表わす能力値で、素早い身のこなしが必要とされる行為全般の判定に用います。また、アクションシーンでの移動の速さにも関係します。 器用 手先の器用さや動作の正確さを表わす能力値です。物品の製作や修理、あるいは道具を操作する時など、緻密で正確な作業が必要とされる行為の判定に使用します。 記憶 記憶力の高さや知識の豊富さを表わす能力値です。主に知識を引き出すためや、物事を記憶する時の判定に用います。 判断 判断力や洞察力の高さを表わす能力値です。交渉、演技、観察、分析などの判定に使用します。また、自我抵抗と呼ばれる抵抗判定や、自我値を決定する際の基準値として用いられます。 感応 感覚の鋭さや想像力の豊かさなどを表わす能力値です。知覚力や発想力に関わる行為の判定に使用します。 霊力 霊的な力の強さを表わす数値で、主に術法の判定に関係します。また、精神抵抗と呼ばれる抵抗判定や、精神値を決定する際の基準値として用いられます。
▼決定方法
能力値は先天的な要素であるため、決定に際してCPを消費する必要はありません。
PCの場合、全ての能力値の基本値は5となります。これに20ポイントの分配ポイントを加えて、能力値を決定します。分配ポイントは必ず使いきるようにして下さい。
数値配分はプレイヤーの自由に行うことが出来ますが、各能力値は5〜10の範囲に収まっていなければなりません。目安としては5〜6はやや劣っている、7〜8は平均的、9〜10は優れているということになります。
○抵抗力
病気や精神的な影響など、何らかの作用に対する抵抗力を示す値です。抵抗力は抵抗判定を行う際の基準となる数値の1つで、技能と同じように扱われます。これには【精神抵抗】【自我抵抗】【生命抵抗】の3種類があります。
種類 関連能力 説明 精神抵抗 霊力 術法や霊的な力に対する抵抗判定に用います。 自我抵抗 判断 恐怖、混乱、誘惑などに対する抵抗判定に用います。 生命抵抗 体力 毒や病気など、主に肉体の変調に耐えるための抵抗判定に使用します。
▼抵抗レベル
抵抗力の値は、関連する能力値に抵抗レベルを加えた値となります。CPを消費して抵抗レベルを獲得することで、抵抗力を上昇させることが出来ます。
レベル上昇のために消費するCPは、以下の表のようになります。抵抗レベルを1つ上昇させるためには、目標とする数値と同じ値のCPを消費する必要があります。表の消費/合計の欄は、0レベルからいきなり上昇させた場合に必要となるCPの合計値を示しています。
レベル 消費/個別 消費/合計 1レベル 1CP 1CP 2レベル 2CP 3CP 3レベル 3CP 6CP
○耐久値
耐久値は負傷や疲労に対する耐久性を表わす数値です。これは判定そのものには使用せず、その減少の度合いによってキャラクターの状態を表わします。耐久値には【精神値】【自我値】【生命値】の3種類があります。耐久値は[関連能力+6]となり、数値が高い方がより大きなダメージに耐えられることを示しています。
種類 数値決定 説明 精神値 霊力+6 キャラクターの霊的なパワーを表わし、主に術法(魔術など)を使用できる回数に関係します。 自我値 判断+6 恐怖や混乱に対する耐性を表わし、この値が減少すると発狂してしまう可能性があります。 生命値 体力+6 キャラクターの生命力を表わします。命に関わる怪我に耐える能力です。
○行動力
アクションシーンでの行動順番を決めるための数値で、この値が高いほど早く行動することが出来ます。【行動力】の値は[判断+感応]となります。
○移動力
【移動力】はキャラクターが一定時間内に移動できる能力を表わす数値で、数値が高いほど足が速いことを意味します。【基本移動力】は[敏捷+6]となります。防具など重い物を見につけている時は、【基本移動力】に回避修正を加えたものが実際の移動力となります。
○ウィルパワー
ウィルパワーは世界の法則を変えるほどの強い力であり、願いと奇跡ルールに関連します。
▼個人ポイント
ウィルパワーの個人ポイントは、【導引】の1/2(四捨五入)が初期値となります。たとえば【導引】の値が7のキャラクターの場合、初期値は4点ということになります。この数値はシナリオ毎に更新されるもので、次のシナリオが開始した時点で、改めて初期値と同じだけの個人ポイントを貰うことが出来ます。▼共有ポイント
共有ポイントはプレイヤー全体に与えられるポイントで、シナリオ開始前にGMから配付されます。共有ポイントはシナリオ毎に更新されるもので、経験点の基準ポイントに対応した値となります。▼数値
ウィルパワーは0以上の値を取ります。消費して0になってしまえば、ウィルパワーを利用した判定を行うことが出来なくなります。
○職業
職業データからキャラクターの職業を選択します。職業のデータは以下のような形式で書かれています。
職業名 その職業における大雑把な分類です。国や人種によって呼び名が異なる場合もあります。 職業タイプ その職業分野におけるバリエーションのことで、こちらを職業名として名乗ることもあるでしょう。たとえば、音楽家の中には歌手や演奏家といったタイプがあります。その下にさらにサブタイプという分類がある場合は、基本となる職業タイプの要素にサブタイプのデータを加えて下さい。 身分 その職業の社会的な身分を表しています。 最低年齢 その職に就くために必要な最低限の年齢です。なしとなっている場合には、何歳でも構いません。ただし、あまりにも若い場合は見習いということになるでしょう。 推奨技能 その道に携わる者として重要とされる技能です。 必須分野 その職についている者は必ず習得している専門分野のことで、これらを習得していなければ職につくことはできません。ただし、見習いの場合は全てを習得していなくても構いません。 所持品 仕事に必要な道具です。職業を選択した時点で自動的に手に入るもので、お金を払って購入する必要はありません。 説明 その職業がどういったものか、簡単に解説してあります。
○技能
実際の行為判定に用いる数値で、サイコロを振ってその出た目の合計が[能力値+技能レベル]の値以下であれば、その行為は成功となります。
▼分野
1つの技能の中には、幾つかの一般分野と専門分野が含まれております。一般分野は誰でも判定を試みることが出来ますが、専門分野はCPを消費して習得しなければ、判定を行うことは出来ません。専門分野には、外科医学や乗用機関の運転技術などがあります。専門分野を習得するためには、1つにつき3CPを消費しなければなりません。
▼技能レベル
個々の技能は、CPを消費することでレベルを上昇させることが可能です。ただし、キャラクター作成の時点では3レベルまでに制限されます。レベルを1つ上昇させるためには、目標とする数値と同じ値のCPを消費する必要があります。表の消費/合計の欄は、0レベルからいきなり上昇させた場合に必要となるCPの合計値を示しています。
レベル 消費/個別 消費/合計 1レベル 1CP 1CP 2レベル 2CP 3CP 3レベル 3CP 6CP
▼補助技能
補助技能には術法変化、戦闘変化の2つの種類があります。これはその他の技能と組み合わせて使用するもので、それによって特殊な行為を試みることが出来るようになります。専門分野と同様に、特定の行為を行うための資格と言い換えてもよいでしょう。
補助技能は1つにつき2CPを消費すれば習得することが出来ます。技能レベルは存在せず、獲得してさえいれば特定の行為を試みることが可能となります。
○社会レベル
社会特性として設定されるのは、一般社会からの評価や立場が関係する内容です。これには《身分》《財産》《経歴》の3種類があり、それぞれ社会レベルという数値が設定されます。これは社会的に認知されるランクを示すもので、数値が大きいほど社会に対する影響力が強くなります。社会レベルは0〜5までの数字であらわされますが、身分レベルに関してはキャラクターの職業に制限されます。
▼消費CP
レベル上昇のために消費するCPは、以下の表のようになります。社会レベルを1つ上昇させるためには、目標とする数値と同じ値のCPを消費する必要があります。表の消費/合計の欄は、0レベルからいきなり上昇させた場合に必要となるCPの合計値を示しています。
社会レベル 消費/個別 消費/合計 1レベル 1CP 1CP 2レベル 2CP 3CP 3レベル 3CP 6CP 4レベル 4CP 10CP 5レベル 5CP 15CP
▼身分レベル
《身分》は生まれや職業に準ずるもので、職業が決定すれば自動的にレベルも決まります。職業データに書かれているものをそのまま適用して下さい。なお、最下層身分の者が本来の身分を偽っている場合には、偽っている方の身分でレベルが設定されることになります。
レベル 内容 0 最下層身分 1 下層身分 2 中層身分 3 神聖身分/上流身分(政治関連職を除く) 4 上流身分(政治関連職) 5 上流身分(王族)
▼財産レベル
《財産》レベルはキャラクターの所持する資産額を示す数値です。キャラクターは《財産》レベルの範囲内で、所持金や収入を得ることが可能となります。金額の桁数はエランという単位で、エルモア地方共通の通貨となります。
1エラン=1円と考えていただければ目安となるでしょう。ただし、物価には多少の違いがみられ、食料などは現実世界よりも安くなります。通常のキャラクターの場合は、2レベルもあれば十分となります。
レベル 内容 0 〜金額4桁(千エラン単位以下) 1 金額5桁 (一万エラン単位) 2 金額6桁 (十万エラン単位) 3 金額7桁 (百万エラン単位) 4 金額8桁 (一千万エラン単位) 5 金額9桁〜(一億エラン単位以上)
▼経歴レベル
《経歴》レベルはキャラクターの職歴の幅や、居住した経験のある土地の多さ、今まで参加した組織活動の多さなどを示す数値です。この値が高いほど、数多くの社会・集団と接触した経験のあることを意味します。
また、これはキャラクターの付き合いの広さや社交性の高さを示す数値でもあり、レベルが高いほど人脈が多く、知己に恵まれていることを示します。これはキャラクターの性質のみで決まるものではなく、周囲からの評判なども含む総合的な要素となります。
○個人分野
個人分野とは、ゲームの中で利用できるキャラクターの個人設定のことで、過去の経歴や業績といったものがこれに該当します。
▼基本設定
基本設定に含まれる個人分野は、現在の職業や立場を示すものであり、獲得のためにポイントを必要とはしません。・身分:社会身分、地位
・財産:日常品、仕事道具/資料、住居
・経歴:職業、学歴、地元、信仰
▼追加設定
追加設定に含まれる個人分野を獲得する場合は、1つにつき2CPを消費する必要があります。キャラクター作成時に獲得できる追加設定の数は、【導引】の値までに制限されます。・身分:地位/権限、業績、継承
・財産:拠点、仕事場、遺産、コレクション、雇用人
・経歴:関連地域、活動経験
▼交友設定
自分に対して好意を持ち、プレイ中にキャラクターを援助してくれる可能性のある人物を、交友人物として設定することが出来ます。これは特定個人として獲得する必要があり、1人につき2CPを消費します。キャラクター作成時に獲得できる人数は、【導引】の値までに制限されます。
▼特殊設定
特殊設定には、通常の人生を送っていては得られない経験などが含まれます。特殊設定に分類される個人分野はGMから与えられるもので、プレイヤーの意思で獲得することは出来ません。・内容:シナリオ体験、特殊体験
○財産と所持品
▼基本資産
《財産》レベルと同桁の額までの資産(金額、物品)を得ることが出来ます。金額は《財産》レベルとして設定した桁内であれば好きに決定して構いません。たとえばレベル1の場合、金額は0〜99999エランまでの範囲で自由に設定することが出来ます。▼基本収入(小遣い)
固定収入が得られる職業の場合は、定期的に収入を得ることが出来ます。セッションで管理するのは月収そのものではなく、月にどれだけの所持金を持てるかを示すもので、自由に使える小遣いの額となります。収入は《財産》レベルの1/10までとなり、[財産レベル−1]以下で得られる金額の範囲であれば、自由に設定することが可能となります。
定期的に収入が得られない職業の場合は、基本収入を設定することは出来ません。そのかわり、基本資産の額を2倍に増やすことが出来ます。▼所持品
ここで決定した金額で所持品を購入することができます。ただし、職業データに書かれている物品と服や靴などについては、最初から所持していることにして構いません。
○装備品
必要があれば装備品を購入することができます。装備品データから選択してデータを書き写して下さい。なお、防具の回避修正と防御値は、合計した値を判定に用いることになります。
▼装備制限
武器や防具の装備には制限があり、これは能力値の体力の値によって変わります。装備できる物品は打撃値と防御値の大きさで決まります。片手装備の場合は[体力−2]、両手装備と全身装備(防具)の場合は【体力】の値が限界重量となります。
手に持つ装備の種類は武器と楯です。両手装備の場合は、打撃値や防御値を合計した値が、【体力】以下である必要があります。身に付ける防具に関しては合計した防御値が基準となり、これも体力以下の数値となっていなければなりません。限界重量が装備重量の合計に満たない場合は、それが1点足りないごとに攻撃や回避の判定に−1の修正を受けることになります。
○術法
まず、技能である術法系統を選択して下さい。術法系統にはそれぞれ、〈術法発動〉という発動の基礎となるスタイルと、個々の術が専門分野として含まれています。
▼消費CP
術法発動の獲得には、通常の専門分野と同じで3CPが必要となります。 個々の術は特殊な専門分野として扱われるもので、習得には[術レベル×1]CPを消費します。▼習得制限
習得制限は、術法データの名称の前についているマークで判断します。○:GMの許可なく習得が可能
△:GMが許可を与えた場合のみ習得可能
×/◇:通常は習得できない
○その他の特徴
名前、性別、年齢、国籍、それから性格や外見といった要素を決定します。
○最後に
それぞれのデータをキャラクターシートに記入します。最後に与えられたCPから消費した分を引いて、キャラクターの作成は終了となります。
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