○裏の術法系統
現在伝えられている術法のデータは、それぞれの系統のタイプA(オール)として設定されています。裏には歴史から消えていった術や、特定の集団で密かに受け継がれているもの、それから派閥によって効果が若干異なるものなど、表向きには知られていない事実もあるのです。
たとえば、錬金系のバリエーションとしてはタイプB(バイオロジー:生物)やタイプC(ケミストリー:化学)などが存在します。GMは術法変化技能と組み合わせて効果を変化させたり、また他の系統を参考にして新しい術や系統を設定しても構いません。このようにして設定された術法の例として、精神操作系から分かれた魅了系や、神舞系から分かれた呪舞系などがあります。特に裏教会はこのような系統を保持していてもおかしくはありません。なお、錬金系のものは科学魔道の技術と深く関わりがあるようですので、裏設定が絡むシナリオに利用してみるのも面白いでしょう。
○術法の副次的効果
データとして示されている術の中には、副次的な効果をもたらすものもあります。これもまた科学魔道に関係する話ですが、たとえば霊砂系の「砂雨」や「砂結界」は、科学魔道機器による霊子的な探査を撹乱する効果があります(ある種のジャミング効果です)。それから、霊糸系の術法と同じ原理でつくられた科学魔道時代の装置は、ナノテクノロジー分野におけるマニュピレーターとして利用されておりました。
それから、「呪法解除」や「呪詛払い」も副次効果を持つ術です。呪詛に含まれる術法は通常の魔力解除では解くことができません。仕組みとしては、普通の術法を針金を曲げて何か形を作っているようなものとすれば、解除は強い力を加えて引っ張ることで、真っ直ぐな状態に戻していることになります。しかし、呪法の場合は針金に結び目をつくってしまうので、いかなる力を加えて引っ張ってみたところで、元の状態に戻すことはできません。そこで、特殊な術法を使って結び目を解くといった工程が必要になるわけです。
実は、これは科学魔道時代のプロテクト技術の1つとして用いられていたものです。神聖魔術の浄化系4レベルに「呪詛払い」があるわけですが、これにも意味があります。魔力操作系の「呪法解除」は5レベルということを考えると、聖職者たちは明らかに呪法を解呪する必要が多くあったのです。理由は真実の歴史や裏教会のページを読んでいただければわかるでしょう。もちろん、これによって解けないプロテクトの方が圧倒的多数となります。
これらの技術を用いて科学魔道の技術を解明したり、対抗したりすることも不可能ではありません。同時に、精度やバリエーションでは確実に劣りますが、組み合わせ方によっては術法で科学魔道の技術に似た効果を生み出せることも意味します。もっとも、これを個人で完成させるのは至難といえるので、組織や集団として設定するのが無難と思われます。
○科学魔道技術との連動
術法と科学魔道技術を連動させることも不可能ではありません。実際、精霊系や霊獣系などは、かつて霊体兵器を制御していたプログラムと似た効果を持つ術法です。星月系には特にその目的で特別に設計された術が含まれており、術法にカモフラージュして科学魔道の機械を利用しています。もっとも、術法では科学魔道技術ほど細かい設定ができるわけではないので、その点については注意して下さい。
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