接敵と妨害
それぞれ敵対する意思を持ったキャラクター同士が遭遇することを接敵といいます。接敵状態に陥った時は、以下のようなルールが適用されます。
○影響範囲
補助移動で即座に動くことが可能な空間(半径3m程度)は、そのキャラクターの影響範囲として扱われます。
▼補助移動(補助行動)
行動時に移動を選択しなかった場合でも、補助移動を行って影響範囲内(3m程度)の移動を行なうことが可能です。補助移動は移動以外の行動を試みる前に行なうことが出来るもので、小行動や本行動としては扱われません。
○近接状態
キャラクター同士が相互に影響を与えることが出来る距離にいる場合は、近接状態にあるものとして扱われます。近接状態はキャラクターが相手の影響範囲内に入った時に発生します。
▼乱戦状態
敵対するキャラクター同士が近接状態にある時は、乱戦状態として扱われます。直接的な攻撃を行なうキャラクターだけでなく、行動を妨害する可能性やその意思を持つ存在も敵対者の中に含まれます。
▼密着状態
キャラクター同士が接触、もしくはそれに近い体勢にある時の状態で、組打ちによる捕縛状態、鍔迫り合い、他者を治療している最中などがこれに該当します。
○乱戦状態
アクションシーンの最中に、敵対者となる誰かが別のキャラクターの影響範囲内に侵入した場合は、乱戦状態が発生したものと見なされます。3者以上が同時に影響範囲に含まれる場合も同様に処理して下さい。
▼乱戦範囲/状態
キャラクター同士が近接状態に陥った場合は、相互の影響範囲が重なるものとして処理します。この時の影響範囲のことを乱戦範囲といい、この状態のことを乱戦状態と呼びます。
▼範囲と位置
◇中心点
乱戦範囲の中心点は、影響範囲に侵入された側がいた地点に固定されます。乱戦状態に置かれている全てのキャラクターは、自動的に乱戦範囲が影響範囲として扱われます。その後に乱戦範囲に侵入した者も同様に処理されます。◇位置
それぞれのキャラクターは、乱戦範囲のいずれかの場所に位置していることになります。ただし、実際にはこの範囲内で細かく動いているため、特にGMから指示がなければ正確な位置を決める必要はありません。◇距離
射撃や術法などを用いるために距離を決めたい場合は、乱戦範囲の中心点を基準に考えて下さい。◇人数
通常の場合は、特に乱戦範囲に入れる人数を制限する必要はありません。しかし、何らかの理由で人数を限定したい場合は、最大で10人程度までとしておいて下さい。
▼接敵と侵入
既に乱戦範囲の中にいる対象と接敵する場合は、自動的に乱戦範囲内に侵入することになります。
▼移動
乱戦状態になった場合は、次の移動を試みるまで乱戦範囲内にとどまることになります。ただし、その範囲内であれば補助移動を試みることが可能です。
▼解除
乱戦状態が解除されるのは、アクションシーンが終了した場合、乱戦範囲内に妨害を試みるキャラクターがいなくなった場合、乱戦範囲に1体のキャラクターしか存在しなくなった場合などです。
○移動妨害
乱戦状態にある時は移動の妨害が起こります。移動を妨害する要素が存在する場合は、以降の行動選択に制限を受けることになります。
▼妨害状況
影響範囲内に別のキャラクターが侵入して乱戦状態に陥った場合は、能動行動で積極的に移動を妨げなくても、妨害状況が発生したものと見なします。移動の妨害は、影響範囲に侵入したすべてのキャラクターに発生する状況です。たとえば、2人が対峙している場合は、相互に移動を妨害し合うことになります。
◇妨害の可能性
このルールが適用されるのは、相手の移動を妨げる可能性のある敵対者がいる場合に限られます。その時点で妨害が不可能である相手は自動的に除外されますし、相互に妨害の意思がないことが予めわかっている時には、影響について考える必要はありません。
▼移動の停止
相手の影響範囲に入ったキャラクターは、一旦その場所で移動を停止することになります。
▼解除方法
相手の影響範囲を出るまでは、次の移動を試みることが出来なくなります。この妨害状況を解除するためには、離脱や突破といった移動行動(本行動)を試みる必要があります。
○集団影響
▼誤射
乱戦範囲にいる者に遠隔武器で攻撃を行なった場合は、誤射が生じる可能性があります。詳しい処理については「乱戦状態と誤射」の項目をご覧下さい。
▼範囲
乱戦状態でキャラクターの位置を厳密に決めていない場合、以下のようなルールが適用されます。
◇効果範囲
術法や特殊能力の効果範囲(半径)が乱戦範囲の半分以下の場合、標的として指定できるのは1対象に限定されます。また、それを超える半径かつ乱戦範囲に満たない面積の場合は、1/2の確率で巻き込まれるものとして処理して下さい。◇直線範囲
術法や特殊能力の効果が直線上に適用される場合、指定した2対象までを効果範囲に含めることが出来ます。◇密着状態
上記の効果範囲に含まれる対象と密着状態にあるキャラクターも、自動的に効果範囲内に位置することになるので、標的と同時にその影響を被ることになります。
先頭へ
離脱と突破
乱戦状態から逃れるためには、以下の行動を取る必要があります。これらは移動行動として扱われるため、マルチアクションの本行動に分類されます。移動行動の移動距離は[移動力]mとなります。
○離脱(移動行動)
乱戦範囲から離れるための行動で、周囲に移動できる空間が存在する場合に試みることが出来ます。
▼行動分類
離脱は移動行動に分類されるため、マルチアクションの本行動として扱われます。▼行動処理
離脱は宣言を行うだけで成功するもので、判定を試みる必要のない移動行動として扱われます。どのようにして妨害者から逃れるかは状況次第となり、相手の周りを大きく迂回したり、背中を見せずに少しずつ距離を取るなどの方法があります。▼移動距離:[移動力]m
離脱は移動行動となりますので、移動距離は自動的に[移動力]mとなります。
○突破(移動行動)
狭い通路を相手が塞いだり壁際に追い詰められるなどしている時は、相手に進路を封鎖されていることになります。このような状況を、ゲームの中では封鎖状態と呼びます。
進路を封鎖している妨害者の向こう側へ移動する時は、移動行動として突破を試みる必要があります。このような状況に該当するのは、目的地に到達するために影響範囲を迂回することが出来ない場合に限られます。
▼行動分類
突破は移動行動に分類されるため、マルチアクションの本行動として扱われます。▼行動処理
妨害者を突破できるかどうかは、疾走(一般:敏捷+運動技術)の判定結果に応じて決まります。相手が突破を防ごうとする場合は、双方が疾走の判定を行って勝敗を決して下さい。この判定では突破を試みる側が能動行動、妨害を行う側が受動行動として扱われます。
判定の結果、能動側が勝利すれば相手の脇をすり抜けて移動できたことになります。引き分けもしくは敗北した時は、相手が先に回り込んで突破を妨げたことになります。なお、突破に失敗した場合は乱戦範囲にとどまることになるため、離脱や突破を行うまで相手から逃れることは出来ません。▼移動距離:[移動力]m
突破は移動行動となりますので、移動距離は自動的に[移動力]mとなります。
先頭へ
特殊な状態
○特殊な移動手段
飛行、水中移動、地中移動などの手段を持つキャラクターは、高度や深度などを変えることによって乱戦状態を解除することが出来ます。
▼移動妨害
これらの移動手段を持たないキャラクターからは接敵による妨害を受けず、通常の移動によって乱戦範囲から離れることが可能です。ただし、同じ移動手段を持つキャラクターがいれば、移動の妨害が発生する可能性があります。
○隠密状態
▼認識外
術法や特殊能力の効果で透明化している場合など、妨害者によって認識されていないキャラクターは、誰にも邪魔されることなく移動を試みることが出来ます。
◇事故
乱戦状態では多数のキャラクターが入り乱れて戦うため、遠隔武器による誤射と同様に攻撃に巻き込まれる可能性があります。GMがこのようなアクシデントを発生させたい場合は、「乱戦状態と誤射」を参考に判定処理を行なって下さい。
▼遮蔽状態
遮蔽物に隠れたまま、誰にも気づかれずに移動を試みる場合には、潜伏(一般:敏捷+隠身行動)の判定に成功する必要があります。
◇発見
既に乱戦状態に置かれている者は、周辺の状況に気を取られているため、これに気づくための判定を行なう必要はありません。ただし、乱戦範囲の外にいる者や、接敵中でも小行動を消費して周囲の確認を行なったキャラクターは、状態観察(一般:判断+観察力)による対抗判定を試みることが出来ます。
先頭へ