基本情報
無機物を主体とした物質によって構成される、生物様の生活形態を取る活動体の総称です。簡単にいえば無機物で構成された生物のことで、様々な種類のものが存在します。
○活動
無機生物は以下のような活動形態を取ります。
▼生命維持
通常の生物と同様に、自己の維持・存続を目的とした活動を行います。そのためにエネルギーと構成物質の獲得を自ら行い、自己修復や自己複製といった能力も備えています。▼休眠
無機生物の多くは、周囲からエネルギーを獲得できない状態が長く続くと、休眠状態に入って活動を休止する性質を持ちます。▼形態
通常、無機生物は独立して活動する場合が多いのですが、種類によっては集団で活動を行ないます。また、一部には寄生生活を行なうものも存在します。
○結合
無機生物の最大の特徴は、無機物および有機物のいずれとも結合できることです。そして、結合状態を維持したままでも、エネルギーと構成物質の補給さえ行うことが出来れば、生命活動を維持し続けることが可能となります。中には無機物と融合を果たしたり、ミトコンドリアのように寄生している宿主の細胞に取り込まれ、そのまま生存し続けるものも存在します。
○精神
通常の生物と同様に、無機生物が意識を持つ場合もあります。たとえば、星界蟲は群れが持つ統合意識に従って行動しておりますし、それぞれの個体も自発的な判断力を備えています。
▼精神
基本的に高度な精神活動を行う様子は見られないのですが、群体/集団となった場合に統一された行動をパターンを示し、複雑な行動形態を取る場合があります。このような集団の中には精神場を持つものが存在しており、1つの意識に従って活動しています。▼自我
無機生物そのものは基本的に自我を持たないようですが、これに別の霊魂が宿る場合があるようです。このような変化は霊的な影響によって生じるもので、自然発生的にこの状態が形成されることはありません。
先頭へ
存在
○起源
本来、無機生物はトリダリス星上には存在しなかったもので、発見されたのは星界蟲が最初です。しかし、その後は科学魔道の技術によって、目的に応じた性質を持つ無機生物が人工的に生み出されています。現在、エルモア地方に存在する無機生物は、それら人工生物の末裔やその変異体、もしくは変異現象によって生み出された新種となります。
○種類
▼星界蟲
最初に発見された無機生物は『星界蟲』と呼ばれる存在です。これは霊子を食べる性質を持つ無機生物で、霊子を活性化させてエネルギーを得る霊子機関に対して敏感に反応します。その名の通り星界に生息するものですが、現在ではトリダリス星に降りてきているものも存在します。
◇群れ
星界蟲は集団で行動する生命体で、女王と呼ばれる個体を中心に群れを構成します。この生物は1つの群れが共有意識を持っており、全体で1つの生命体のように動きます。◇技術
科学魔道時代の人々は星界蟲の研究により、カーバンクルという生物の制御機器など、幾つかの新しい技術を誕生させています。
▼霊子蟲
旧コロニー勢力が開発した微小な無機生物で、霊子をエネルギー源とします。この生物は星界蟲の制御を目的に進められた研究の中で、偶然に誕生した派生産物なのですが、後にこれを用いた霊刻魔儀という新しい技術が誕生することになります。
◇砂孔蟲
ペルソニア大陸の砂の中で生活している『砂孔蟲』と呼ばれる無機生物は、変異現象によって生み出された霊子蟲の亜種です。◇霊子喰らい(エーテル・イーター)
エルモア地方には霊子喰らい(エーテル・イーター)と呼ばれる怪物が存在します。霊子物質を食べることでエネルギーを得ており、青白く輝く透き通ったアメーバ質の体を持っています。これは変異現象によって生まれた変異体で、霊子蟲の亜種が体内に寄生する形で存在しています。
▼金属生物
金属を主構成物質とする無機生物です。エルモア地方ではミズガネと呼ばれる、水銀のような性質を示す金属生物などが発見されています。この存在を知るのは錬金術師だけであり、一般社会では活動体だという事実に気づいている者はおりません。というのは、その活動は非常にゆっくりした速度で行われ、増殖速度も遅いためです。なお、錬金術師たちはこれらを生命金属、自律金属、活動金属などと呼んでいます。
◇銀色変異
カルネアの大森林に近い場所に位置する、エヴァンゼルという遺跡の街の周辺では、銀色変異と呼ばれる変異現象が起こります。これは金属化現象ともいい、その名の通り物体が無差別に金属となってしまいます。生物がこの影響を受けた場合に限り、金属生物が誕生することになります。
▼細胞石
ケイ素で構成されている無機生物で、生物の細胞のように内部に小器官を備えています。科学魔道時代に開発された人工生物であり、ケイ素を主体とする物質と結合する性質があります。また、群体となった場合はネットワークを形成し、統一行動を取ることが可能となります。
カーバンクルと結合させて制御できることや、自己再生機能を持つことから、科学魔道時代には長期稼働を行う装置などに組み込んで利用してきました。このうちで最も有名なものが浮遊大陸と呼ばれる人工の大地です。現在もエルモア地方の上空を飛行しているこの大陸は、ケイ素をベースとする滞空物質と細胞石を融合させた、巨大な無機生物の群体なのです。
なお、この細胞石は聖歴773年にユークレイの凍湖で発見されており、学問院での研究が続けられています。しかし、生物様の構造を持つことはわかっておりますが、その細胞石は休眠状態に入っているため、解析は殆ど進んでいないようです。
先頭へ