▼イエカリバチ
体長10cmほどもある大型のハチで、針も3cm以上の長さがあります。群れをつくらないハチで、単独生活をしながら昆虫や小型の動物を襲って捕食します。
針から注入される毒には麻酔効果があり、刺された箇所はしばらく感覚が無くなってしまいます。しかし、刺したのがオスであればそれだけで済むのですが、これが繁殖期のメスだった場合には、同時に産卵官から卵を産みつけられる場合があります。卵は体内で孵化し、幼虫になると体の内部に深く潜り込んで、血管から養分を吸収するようになります。成虫になれば自ら体外に出てくるのですが、この時は宿主の肉を食べながら少しずつ外側へと移動します。しかし、麻酔作用のある毒を注入されるので、寄生された動物が気づかないことも多く、最悪の場合は知らずに負ったダメージで命を落とすこともあるようです。・不明度:6
・生息地:全域/森林、林縁部など
▼オオカイコ(大カイコ)
通常の3倍ほどの大きさを持つカイコ蛾の仲間ですが、糸の収量は普通のカイコと殆ど変わりません。その上、飼育は非常に難しく、殆どの場合は死なせてしまうようです。しかし、この育成に情熱を傾ける者は少なくありません。というのは、彼らは与える餌によって異なる色の糸を吐くためで、特に黄金色に輝く黄金絹は高値で取り引きされています。・不明度:2
・生息地:全域/森林
▼カノコアシキリ
緑地に白の鹿子模様をしたカミキリムシの1種で、成虫は体長15cmを超えます。彼らは植物の根元を切り落とし、切断面から樹液を吸って生活しています。また、攻撃性が強く、近づいた者に反射的に噛み付く場合もあるため、非常に敬遠される昆虫です。ただし、ごく一部の放浪民族などには、これを焼いて食べる食文化もあるようです。・不明度:7
・生息地:南部
▼クロクモムシ/ムシカゴムシ
ナナフシによく似た姿の細長い体を持つ体長1cmほどの昆虫で、全身は甲虫のようなキチン質の黒い甲殻で覆われています。通常は群れでまとまって生活していますが、集団のつくり方が非常に独特で、直径50cm以上にもなる半球型の集合状態をつくり、1つの生き物のように統率された動きをします。この群れの状態をフォートレス(要塞)と呼びますが、これは中央にいる女王を周囲の個体が守るためのもので、フォーメーションを維持しながら移動や捕食を行います。
移動途中にいるものは餌とされ、群れに取り込むようにして一斉に襲いかかり、短時間で喰い尽くしてしまいます。大型の生き物が捕食されることはありませんが、相手を区別することなく強い顎で噛みつくため、体がこすれ合う時に鳴るキシキシという音が聞こえた時は、すぐさま逃げ出した方がよいでしょう。・不明度:5
・生息地:全域、ペルソニア/森林、草原など
▼スピア・ハンド
細い針状の2本の脚を持つ大型のクモで、足の長さを含めると30cmほどにもなります。針脚と呼ばれる特徴的な脚を用いて狩りを行い、離れた場所から大きくジャンプして獲物に突き立て、しがみついたまま獲物の肉を喰いちぎります。昆虫を捕食することが多いのですが、まれに鳥などを襲う姿が目撃されることもあります。非常に攻撃性の強い生き物で、大型の動物が近づいた時は体を左右に揺らしながら踊るように威嚇し、それでも逃げない時は飛びかかって針脚を突き立てます。・不明度:4
・生息地:全域/森林、草原など
▼トビトゲムシ(跳棘虫)
体長4〜5cmほどのカマドウマの近縁種です。体は茶褐色の殻で覆われていますが、その表面は鋭い突起で覆われています。彼らは高く飛び跳ねて相手を威嚇する習性があり、それでも相手がいなくならない場合は全身で体当たりをします。複数の個体がまとまっていることが多く、洞窟などで大量の個体に刺されることもあります。・不明度:5
・生息地:全域/森林、洞窟など
▼ニジユメチョウ(虹夢蝶)
光沢のある鮮やかな虹色の羽根を持つ蝶で、コレクターには垂涎の的となる希少種です。しかし、この蝶の羽ばたきを見た者は、いつの間にか意識を失っているという噂があり、変異動物ではないかという説もあります。実際、生体で捕獲された例はなく、出回っている標本も偶然死体を発見したものしか存在しません。なお、動物の死体に群がる習性もあるようで、このチョウを忌み嫌う地域もあります。・不明度:9
・生息地:全域
▼ハサミノキ
体長40〜50cmほどの昆虫で、真っ白な芋虫のような体からトゲのついた6本の脚が生えています。口器はハサミ状になっており、樹木の幹を顎でくり抜いて住処としています。外に出てくるのは繁殖期の時だけで、幹に産みつけられた卵の状態から成虫になるまで、一生の殆どを木の中で過ごします。
この虫がいる木には直径10cmほどの大きな穴と、その下に小さな穴が6つ、3対になって並んでいます。これは頭と6本の足を出す穴で、この場所に鳥や虫などが止まった時にハサミを出し、相手を捕まえて食べてしまいます。ハサミノキという名は、この独特の狩りの姿からつけられました。人間が引き摺りこまれることはありませんが、うっかり手を近づけたりすると、獲物と間違えられて噛みつかれることがあります。非常に顎の力が強く、骨まで達するほどの傷を負った者もいるほどですので、森に入る時は注意しなければなりません。・不明度:5
・生息地:全域/森林
▼フナゾコムシ
シロアリのように木を食料とする虫で、ムカデのような姿をしています。湿気のある場所を好み、主に腐食した木片を食べて暮らしています。その名の通り、知らぬ間に船底に穴を開けていることがあるため、船乗りたちにはひどく嫌われています。・不明度:5
・生息地:全域/湿地、河岸、海岸など
▼フラッシュ・ビートル
真っ黒な体をもつ3〜4cmの甲虫で、カブトムシやカナブンによく似ています。オスは鋭い角を頭の先端にもっていますが、メスは角がありません。
この甲虫のメスは繁殖期の夏にはホタルのように淡く輝いて、オスに自分の存在を知らせます。オスはこれに群がり、ライバルがいた場合には角で相手を追い払います。光に引き寄せられる勢いは明るさに比例します。ロウソクの光程度の強さがあれば、全速力で寄ってきて角で光源にぶつかります。これは角が木に突き刺さるくらいの強さになります。この虫は夏に大発生することがあり、その時は怪我人が多数でます。・不明度:7
・生息地:全域(主に南西部)、ペルソニア/水辺付近
▼ランタンボタル
非常に強い光を放つホタルですが、発光部位は通常のホタルと違っていて、腹部の後端から長く伸びた針状の突起を輝かせています。それ以上に独特なのが、中が管状になったこの針状突起から、低温で発火する揮発性の液体を放出することです。これで外敵を威嚇して追い払うのですが、気温が高い夏に山火事を引き起こすことがあるため、一般には嫌われている昆虫です。・不明度:6
・生息地:北部〜中部
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