基本情報
○全体
A-1、A-6地域がフロリア準州として扱われています。
▼総督
現在はアルベルト=ウィナー総督が植民地政府を統括しています。▼州都
北部にあるバスラ市に総督府が置かれています。
○人種・民族
もともとはバウンシャ系赤人が支配する土地でしたが、後にラガン系黄人が多く移り住み、赤人と黄人の混血であるクルゼイア人が増えるようになりました。現在は混血の民が非常に多く、3割以上をクルゼイア人が占めるようになっています。また、レグラム系の黒人ばかりでなく、ペルソニア西部から奴隷として連れて来られたアデン系黒人もおりますし、ロンデニア系の白人の移民も現在は増加しています。
○歴史
▼A-1
かつてはバウンシャ系赤人によるラ・トゥール王国が支配していた土地ですが、聖歴84年にラガン帝国による武力侵攻が行われ、聖歴87年までに全国土を征服されます。以来、この土地は聖歴720年代までラガン帝国の領土でしたが、聖歴733年にロンデニアが西半分を制圧し、聖歴766年には全域を支配下に置きます。そして現在も植民地として、ロンデニアが管理している状態となります。
▼A-6
古くは熱帯雨林が生い茂る地域で、その中で原住民たちが狩猟採取の生活を行っておりました。しかし、北部をラガン帝国が支配するようになってから、ゆるやかに耕作地の開墾が行われるようになり、聖歴300年頃には完全にラガンの支配下に置かれます。その後、聖歴730年代まではラガンの植民地時代が続きますが、北部は聖歴745年に、南部は聖歴765年までにロンデニアに征服され、現在に至ります。
○産物
平野部では綿、タバコ、サトウキビといった作物の栽培が盛んですし、熱帯雨林を伐採したミルナ台地では香辛料やコーヒーの収穫や、パルプ材などに用いる樹木の植林が行なわれています。特に、砂糖、香辛料、コーヒーといった特産物は高値で取り引きされています。
○拡大・開発
▼開発
現在もA-6地域では農地の開墾が進められており、少しずつ耕作地が広がっています。主に開拓に従事するのは、奴隷や本国から連れて来られた流刑民で、彼らは日々過酷な労働を強いられています。
▼侵略
南下のために重要なラシャン川流域(D-2)は、各国が狙っている場所となります。そのため、他国に先んじてこの地を手に入れるのは重要課題で、現在はマルクトハーム共和国(D-1)やロゴン=ロゴナ(D-2)への侵攻を準備している最中です。また、周辺植民地の思惑を調べるために、密偵による情報収集も継続して行なっています。
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自然・要所
○地勢・気候
▼気候
ペルソニア北東部域は亜熱帯から熱帯に属しています。この地域は海から吹く風によって湿潤な気候となり、気温、雨量ともに安定しています。夜間を除いては、気温は1年を通じて20℃を下回ることはなく、年間の平均気温は25度近くになります。
▼地勢
もともとこの一帯は熱帯雨林や草原などが広がっていた場所で、野生の動物が多く見られました。しかし、前聖歴には既に赤人たちが移住し、アニム川やザップ川の下流域に農地が開墾されるようになります。そして、聖歴に入ってラガン帝国の植民地になると、さらに南へと開拓は進められ、それまでの大自然の景観は殆ど失われてしまいました。その後、ロンデニアの支配下に置かれてからは、商品作物を栽培する大農場が開かれるようになり、現在は見渡す限り綿やサトウキビの畑が広がっています。
平野の南部にはレオール山脈がそびえており、その麓はエバー・グリーンと呼ばれる密林が生い茂っていました。しかし、山脈北端となるミルナ台地では伐採が進み、コーヒー、香辛料、パルプ材などの栽培が行なわれています。
河川の上流域(D地域)では、まだ未開発の草原や密林が多く存在しますが、こういった場所も少しずつ探索が行なわれ、木材の伐採や焼き畑による農地の拡大が進められています。しかし、密林の奥地になると河川も急で、少し進むと幾つもの大きな滝に遭遇するので、舟での移動もままなりません。猛獣や変異体も多く出現することから、かつて探険に出かけた人のほとんどが逃げ帰るか、2度と戻って来なかったかのどちらかです。
○都市
▼バスラ市/州都(A-1)
ラガン色を一掃するため、ロンデニアが新たに州都として選定した都市で、ザップ川(A-1)の下流域にあります。もともとは、文化都市として栄えたラ・トゥール王国の旧王都が置かれていた場所で、有名なデルカナ学院やヴァスクル図書館などの遺跡が存在します。
▼ヘズリア市(A-1)
アニム川の河口にある港湾都市で、ラガン植民地時代に経済の中心として繁栄しました。最初はペルソニア侵略の拠点として置かれた軍港でしたが、後に貿易港として発展を遂げ、ラガン文化の拡散の拠点ともなりました。このため、現在もこの都市の建物には、ラガン様式のものが多く残っています。
○要所
▼クシュフォール平野(A-1)
レオール山脈に水源を持つアニム川とザップ川の下流域は、クシュフォールという名で呼ばれています。これは空白期の頃に存在したといわれる王国から伝わる、肥沃な大地という意味を持つ言葉で、この一帯は古くから一大耕作地として栄えておりました。ロンデニアの入植が進んだ現在では、綿、サトウキビ、タバコといった商品作物の大農場が経営されています。
▼レオール山脈(A-6/D-1)
北は標高1500〜2000mほどの山々が連なる山脈で、北端はミルナ台地と呼ばれる緩やかな斜面になっています。中央付近は標高2500mを超える山々があらわれ、最高峰は3200mほどになります。南はカヤメ高地と呼ばれる平らな地形で、鬼族が住み着いているため人間が足を踏み入れることは滅多になく、野生動物も数多く生息しています。
▼ミルナ台地(A-6)
アニム川の上流域に広がる台地で、平野部まで緩やかな傾斜が続いています。かつてこの周辺は熱帯雨林でしたが、農地開墾のために森林は伐採されてしまい、現在では商品作物の栽培が行なわれています。
▼エバー・グリーン(A-6/A-7)
レオール山脈の麓に広がる密林地帯のことを、ラガン帝国の人々は古くからこう呼んでおりました。しかし、現在は森林の伐採が進んで、山脈北端のミルナ台地は開けた緩斜面となり、コーヒー、香辛料、パルプ材などの栽培が行なわれています。
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人物・集団
○組織・集団
▼サロル護衛船団
商船の護衛を請け負う専門家たちで、怪物や海賊などあらゆる危険から船を守ります。霊子機関を積んだ高速船を所持しており、海上戦闘を行なうことも出来ます。
▼ルダ族
南部の開拓地やレオール山脈に現われる精霊使いたちの一団で、自然開発に反対して妨害活動を行なっています。精霊に扮するための衣装を纏っているので定かではないのですが、目撃情報によると赤人と黒人が混在した集団のようです。
○人物
▼アルベルト=ウィナー総督(白人/男/39歳)
フロリア準州(A地域)の植民地総督を務める、口うるさい鬚の小男です。軍隊の士官を経験しているためか、規則・期限の厳守を周囲に徹底しています。側近たちにも四角張った態度で接し、ルールを破った者には容赦なく罰を与えるため、部下からの人望が厚いとは言えません。しかし、自分にも厳しい人間であることから、周囲が文句を言うわけにもゆかず、自然と陰口を叩かれることになるようです。
▼ジェーソン=サフィールド(白人/男/38歳)
綿花の大農場を経営する厳つい大男で、凶悪犯に間違えられそうな人相をしています。奴隷たちに過酷な労働を課すことで知られており、その厳しい態度から周囲に恐れられていますが、今年16になる娘のことを溺愛しており、彼女の頼みごとであれば何でも叶えてあげようと思っています。そうして甘やかされて育ったライラは、ひどく我が儘で思いやりのない娘に育ち、奴隷や雇い人たちを困らせることを楽しみにしているため、周囲からは怨まれているようです。
▼ピエール=ドゥナシス(白人/男/54歳)
5年前に大遠征隊を率いて南東部の探索に赴き、海竜の出没する海や険しい陸路を越えて、ペルソニアの奥地まで辿り着いた人物です。そして、かつてラガン帝国が見つけたナクラム遺跡の再調査を行ない、新たな発見をしたことで知られています。彼が持ち帰った発掘品の数々は本国にも送られており、その一部は首都のペルソニア博物館に展示されています。なお、現在はグレボロ山地(G地域)の踏破を目論んでおり、そのための準備を進めているようです。
▼リュティア=ロカリナ(赤人/女/23歳)
植民地の有力議員であるベリオ=ヴィスナー氏の所持する、類い稀な美貌を持つ鑑賞奴隷です。ロンデニア本国から呼び寄せたレプラッド系の赤人で、高い教養を有しているだけでなく、完璧な礼儀作法やピアノ演奏の技術なども身につけています。そのために大金を払って特別な教育を施したのだと、ヴィスナー氏はいつも自慢げにふれ回っており、人々はその会話に少し食傷ぎみです。
主人の人格はともあれ、本国の事情にも詳しい彼女は社交界でも人気が高く、ユーモア溢れる会話で人々を楽しませています。しかし、リュティアには主人でさえ知らない大きな秘密があります。それは彼女が本国政府の密命を受けたスパイで、外地省から派遣される監査官に情報を流しています。その報酬として家族を奴隷の立場から解放する約束を取り付けていますが、政府がそれを守るかどうかは神のみぞ知ることです。
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