判定の基本
○発動判定
術法を行使する際の判定を発動判定と呼びます。この判定も通常の行為判定と同様の処理を行います。
▼基本判定値
術法の基本判定値は、基準となる能力値に各術法系統の技能レベルを加えた値となります。▼能力値
術法は系統ごとに使用する能力値の種類が変わります。使用する能力の種類は、「術法データ2」にある各系統の説明に書かれています。▼判定方法
基本判定値を基準とした発動判定に成功すれば、術法は発動したことになります。
○対象の認識
基本的に、術法は認識している対象に必ずかかります。認識が正確でさえあれば、どれだけ小さいものであっても照準を外すことはありません。逆にいえば、認識を攪乱されてしまった場合は、正確に目標をとらえられない可能性があります。ただし、これは術の種類によっても異なりますので、詳しくは要素やタイプなどの項目や、個々の術のデータを見て判断して下さい。
○発動スタイル
術法を使用するためには、精神を集中する過程が非常に重要となります。術法師たちはこの集中法を、術法の発動スタイルとして選択しなければなりません。
▼種類
発動スタイルは大きく分けて、精神集中と補助動作の2種類に分類されます。
◇基本条件
術法を発動させるためには、スタイルによらず必ず精神を集中しなければなりません。精神集中を妨害されると術法は発動できません。◇精神集中
念を凝らすなど精神集中を主体とするスタイルです。念を凝らす、祈りを捧げる、凝視、手をかざす、といったものがこれに含まれます。◇補助動作
身振りや呪文など、明確な物理的変化を交えたスタイルです。身振り手振り、呪言(聖言、竜語など)、印を結ぶ、宙に文字や紋様を書く、といった方法があります。補助動作を組み込んだスタイルの場合、ある程度の複雑な身振りや詠唱が必要とされます。単音節の言葉や指を振っただけでは発動の補助とはならず、精神集中のみの場合と同等に扱われます。これらの動作を行なった場合、周囲はそれを確実に認識することが出来ます。ただし、それが術法の発動準備であるかどうかは、知識のない者には区別がつきません。
○術法の抵抗
誰かに術法をかける場合、相手はそれに抵抗することができます。抵抗したい場合は、【精神抵抗】を用いた対抗判定に勝利しなければなりません。
【精神抵抗】との対抗判定に勝利すれば、術者は相手に何らかの影響を与えることができます。この時、効果が固定されているようなものは完全に効果をあらわします。しかし、ダメージを与える術の場合、武器を用いて攻撃する時と同様に、抵抗判定に成功すれば達成値の分だけダメージを減少させることができます。相手が抵抗しない場合には、術法の判定に成功しさえすれば効果は完全にあらわれます。
▼範囲
術法の効果範囲が広い場合は、その範囲内にいる全ての存在に対して効果が適用されます。この時、術者は1度だけ判定を行い、それぞれがこの達成値に対して対抗判定を行うことになります。▼発動の認識
【精神抵抗】は術の発動を認識していなくても行うことができます。また、意識の有無にも関係ありませんので、寝ていたり気絶していても抵抗判定は可能です。▼抵抗専念
精神抵抗に専念することを宣言した場合、そのラウンド中の抵抗判定に+3修正を得ることができます。この行動はアクションシーンではフルアクションとして扱われます。▼物品
物体には抵抗力はありませんので、術法などで特別に抵抗力を付与されているのでなければ、抵抗されることなく術はかかります。なお、髪の毛などの生物の体の一部にかける場合は、通常と同じように抵抗判定を行って下さい。
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精神値の消費
○消費基準
▼基本消費
術法を使用する際には、1回の発動につき【精神値】を1点消費します。これは術の種類やレベルによらず一律です。▼判定の失敗
術法の判定に失敗した場合は、術法変化技能による拡大の程度にかかわらず、1回の発動判定につき1ポイントの消費(基本消費分)ですみます。▼消費のタイミング
実際に【精神値】を消費するのは、精神集中に入った時ではなく発動判定の終了後となります。途中で発動を妨害された場合など、発動判定を行っていない状態では、【精神値】を消費する必要はありません。
○精神影響
▼影響と回復
【精神値】の消費による影響と回復については、こちらの「精神値の減少」のページで詳しく説明します。▼消費制限
プレイヤーの意志で消費できる限界は、キャラクターが自動的に気絶するまでとなります。
気絶判定が不可能となるのは、【精神抵抗】と【精神値】の現在値を加えた値が0以下になる場合です。ですから、【精神値】の限界消費は、現在値が−精神抵抗(精神抵抗の基本値にマイナスをつけた数値)になるまで、ということになります。
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術法変化技能
術法変化技能とは、術法の効果を拡大させるための補助技能です。これには空間変化、時間変化、回数変化、短縮発動、条件発動、複合発動、遅延発動、術法停止の8種類があります。
○使用方法
術法変化技能はあらゆる系統、あらゆる分類の術法の判定に用いることができます。これは補助技能であるため、使用時に宣言すれば自動的に効果を発揮します。どのように変化させるのかも、自由に選択することが可能です。具体的な使用方法については、データパート1の「補助技能」のページを御覧下さい。
○精神値の消費
術法変化技能を用いた場合は、それぞれ指定された分だけ余分に精神値を消費します。
▼同時使用
術法変化技能を用いる場合、1度の判定に複数の技能を使用しても構いません。その際に消費する【精神値】は、それぞれ余分に消費する分を個別に計算し、それらを最後に合計した値になります。
たとえば、距離を2倍、時間を2倍にしたとすると、2×3×2=12ではなく、2+2=4ポイントの消費となるということです。この点を間違えると自分が損することになりますので、忘れないようにして下さい。
▼上限
1度の判定で拡大に使用できる【精神値】は、術者の【霊力】の値までに制限されます。▼消費精神値の上限
1度の発動機会において拡大に使用できる精神値は、術者の【霊力】の値までに制限されます。
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その他
○妨害
▼発動の妨害
◇精神集中
発動スタイルにかかわらず、精神集中を完全に妨げられるような状態では、術法を発動させることは出来ません。また、周囲からの働きかけによって、発動判定に何らかの影響が出ると考えられる時は、GMは適当なマイナス修正を与えることが出来ます。◇補助動作
発動スタイルを封じられた場合は、術を行使することが出来なくなります。たとえば、身振り手振りを必要とするスタイルであれば、押え込まれたりした時に発動を封じられたことになります。このように、術法の発動スタイルというものは、相手に知られた時には弱点となる可能性もあります。
▼集中維持の妨害
タイプが集中となっている術法を発動している間に、外部からダメージや術法などの影響を受けた時は、自動的に術の効果が途切れることになります。これを避けるためには回避や抵抗などの受動行動を試みなければなりません。
この場合はフルアクションを継続しているものとして扱われるため、回避判定には複数行動のルールが適用されます。回避や抵抗に成功すれば精神集中を続けることが出来ますが、失敗した時は集中状態を維持することは不可能となります。
○アクションシーン
アクションシーンで術法を発動する場合は、以下のような行動処理を行ないます。
▼行動分類
アクションシーンの中で術法を行使する場合、発動準備のために精神集中を行う必要があるため、フルアクションとして扱われます。
▼行動順番
補助動作を加えた発動スタイルの場合は、通常と同じように【行動力】に従って行動順番が決定されます。しかし、精神集中のみを発動スタイルとした場合は、行動力の大きさにかかわらず、自動的にラウンドの最後に行動することになります。
なお、待機状態の者が複数いる場合は、【敏捷】が高いキャラクターから先に行動することになります。【敏捷】の値も同じ場合は、PC側の行動順番を先にして下さい。PC間での順番決定は、プレイヤー同士の話し合いで決めて構いません。
▼例外
◇武闘系
武闘系の術法系統のみ、術の発動は例外的にマルチアクションの本行動として扱われます。◇呪芸術
呪芸術に含まれる術法系統のうち、呪歌系、呪舞系、神舞系の3系統については、準備時間の取り扱いが通常とは異なります。これらの発動スタイルは補助動作となっていますが、自動的にラウンドの最後に行動することになります。
○魔力
術法の発動中には術者の周囲に魔力が発現し、発動した瞬間は特に強い魔力が放出されます。これは目に見えるものではありませんが、魔力感知の術などで感知することが出来ます。
▼術の認識
術をかけられた側が霊感(一般:霊力+知覚力)の判定に成功すれば、わずかですが悪寒のようなものを感じます。しかし、それが術法であると明確に判別することはできません。単に寒いだけか体調が悪いのだと思うのが普通でしょう。術法の可能性があるという発想が出るようになるには、何度も術を受けた経験がなければなりません。
この経験については、プレイの中で実際に術をかけられた過去があるか、もしくは自分にかけるような術を習得していなければなりません。プレイヤーがそういった経験があると主張しても、GMはそれを認める必要はありません。
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