遠隔攻撃

基本条件攻撃判定遮蔽物の影響


 

基本条件


 飛び道具を用いて遠隔攻撃を行う場合は、以下のような条件に注意する必要があります。


○種類

▼武器
 飛び道具(遠隔武器)に含まれるのは投擲武器、弓矢、拳銃、長銃、砲銃となります。武器のデータについては「飛び道具」および「追加武器」のページを参照して下さい。


▼攻撃技能
 遠隔攻撃に用いる技能には、《投擲技術》《弓矢技術》《銃器操作》があります。

種類投擲技術弓矢技術銃器操作


○射線

 飛び道具による攻撃を処理する場合は、攻撃と回避を行うキャラクターを直線で結び、その間に遮蔽物があるかどうかを確認する必要があります。この時に引いた直線のことを射線といい、攻撃が可能な状態を「射線が通っている」と表現します。
 直接攻撃を行うことが出来るのは、相手との間に部分的にでも射線が通っている時だけです。相手が全く見えないような場合には、攻撃は間にある障害物に対して命中するものとして扱われます。


○乱戦状態と誤射

 乱戦状態にある相手に遠隔武器を用いた時は、標的以外の者に攻撃が当たる可能性があります。


▼判定
 乱戦状態にある相手への攻撃判定に失敗した時は、GMの判断で誤射が起こるものとして構いません。この場合は乱戦範囲内にいる誰かが被害を受ける可能性がありますが、実際に誰に命中するのかは判定の結果で判断します。
 この時、GMは判定値1の誤射判定(攻撃判定)を行ない、これに成功した時だけ誤射が起こります。なお、乱戦範囲にいるキャラクター数が多い時は、GMの判断で判定値を上昇させても構いません。誤射が発生した時は標的以外の全員が反射回避を試み、判定に失敗した1人がダメージを受けることになります。回避判定に失敗した者が複数いる場合は、【導引】の値が最も低いキャラクターに命中したものとして下さい。

▼補助技能
 〈制御射撃〉の補助技能を習得している者は、乱戦状態でも狙った相手だけに攻撃を行うことが出来ます。この場合は、標的以外の相手に射撃が命中することはありません。詳しくはこちらの「制御射撃」の項目をご覧下さい。


○間接攻撃

▼携帯武器
 個人携行用の遠隔武器の場合、ゲームのルールとしては間接攻撃はサポートしておりません。軍隊が使用する砲銃でもなければ、たとえ相手のいる場所まで矢や銃弾が届いたとしても、自動的に外れてしまうことになります。

▼砲撃
 大砲などによる砲撃では、弾道を予測して間接砲撃を試みることが出来ます。この場合に限り、相手との射線上に何か障害物が存在しても、その上を超えて射撃を行なうことが可能です。


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攻撃判定


 弓や拳銃などの遠隔武器を用いる場合、攻撃判定には射程距離や目標の大きさなどが影響します。


○距離による影響修正値

 飛び道具による攻撃では、相手との距離に応じて攻撃判定に修正を受けます。


▼射程

◇データ記述
 武器のデータに書かれているのは、基準射程として扱われる距離(単位:m)と射程倍数です。データに10m×3と書かれている場合は、基準射程が10mで射程倍数が3であることを意味します。

◇有効射程距離
 有効射程距離は基準射程に射程倍数をかけた数字で示されます。

・近距離:[基準射程×1]m
・中距離:[基準射程×2]m
・遠距離:[基準射程×3]m
 
◇射程距離外
 有効射程距離より離れた場所にいる相手には、射撃による攻撃を試みることが出来ません。これは相手を狙うことが不可能という意味であり、武器によってはそれ以上届くものも少なくありません。ですから、射程外にいる相手への攻撃でも威嚇としては有効ですし、運悪くダメージを受けてしまう場合もあるでしょう。


▼距離と修正
 飛び道具で攻撃を行う場合は、距離によって以下のような修正を受けます。
 
◇至近距離
 影響範囲内(半径3m程度)に存在する相手に遠隔攻撃を行う場合です。ただし、マイナスの修正を受けるのは、相手が動くことが可能な場合に限られます。その時点で目標が完全に静止していて、なおかつ動く可能性がない場合は符号が逆転し、プラスの修正値として適用されることになります。
 なお、〈制御射撃〉の補助技能を習得している者は、乱戦状態においてもペナルティなしで射撃を行うことが出来ます。詳しくはこちらの「制御射撃」の項目をご覧下さい。


◆射程距離と修正値

距離 射程距離 修正値
至近距離 影響範囲 −3
近距離 基準射程×1 ±0
中距離 基準射程×2 −3
遠距離 基準射程×3 −6


▼射程距離の延長

◇スコープ
 長銃にスコープを装着した時は、基準射程を10m延長することが出来ます。ただし、この場合は射撃専念を行なって、安定姿勢を保つ必要があります。


○攻撃姿勢修正値・距離

 遠隔攻撃を行う場合、攻撃時の姿勢によって判定や射程距離に変化が生じます。


▼射撃専念/投擲専念
 安定姿勢が確保できない時は、近距離までの範囲にいる相手にしか射撃を試みることは出来ません。しかし、射撃専念/投擲専念を試みた場合は、中距離以上の射程距離にいる相手にも攻撃を行うことが可能となります。なお、射撃専念/投擲専念はマルチアクションの小行動に分類される行動となります。


▼狙撃専念
 狙撃専念を選択した場合、遠隔武器での攻撃判定にプラスの修正を得ることが出来ます。
 
◇内容
 狙撃専念はフルアクションに分類されます。これは射撃の準備を整えるための行動で、実際に攻撃が可能となるのは、狙撃専念を行った次のラウンドとなります。
 狙撃専念に1ラウンドの時間を費やした場合、遠隔攻撃の判定に+1の修正を得ることができます。狙撃専念は最大3ラウンド行なうことが可能で、追加できる修正値は累積します。

◇条件
 
狙撃する目標は静止しているか、ゆっくり移動している相手でなければなりません。ただし、移動する先が予測できる場合は、乗り物などに乗って移動する相手でも、GMの判断で狙撃を許可しても構いません。
 狙撃の準備が整った状態では、自動的に安定姿勢で射撃を行うことになるので、改めて射撃専念を選択する必要はありません。ただし、狙いをつけている間に他の行動をとった場合(回避、抵抗なども含む)、それまでの準備行動は全て無効となります。

◇行動順番
 狙撃を選択した場合は、自動的に継続待機を試みていることになるため、以降のラウンドは【行動力】の値とは関係なく、自分の好きなタイミングで射撃判定を行なうことが出来ます。

◇ペナルティ
 狙撃を行っている場合は攻撃に集中するために隙が生まれます。周囲の状況を確認することは出来ませんし、回避判定など相手を認識する必要のある判定には、複数行動のルールが適用されることになります。


○周辺状況による修正修正値

 離れた距離にいる相手を狙撃する場合などは、風の影響を強く受けます。また、足場が悪い場所や体の自由がきかない状態にある場合も、いくらかの不利な修正を受けます。
 GMは状況に応じて適当な修正値を与えて判定を行わせて下さい。ただし、修正値は最大でも−4くらいにしておいた方がよいでしょう。修正値が−6より悪いと思われる場面では、射撃は不可能としても構いません。


○スケールによる修正難易度

 射撃による攻撃判定は、目標の大きさでも成功の度合いが変わってきます。


▼基準
 基準となる大きさは人間大(1〜2m)となります。見えている面積でいうと、1m×1m程度の大きさです。この場合は難易度1の判定に成功すれば、射撃は命中したこととなります。しかし、基準の半分の大きさになると、難易度は1上昇します。面積がさらに1/2になるごとに難易度は累積してゆきます。

▼宣言
 いかなる場合でも、攻撃判定の前にどこを狙って射撃をするのか宣言しなければなりません。結果的に達成値が高かったとしても、宣言無しの場合はいずれの効果も適用されませんので、この点には注意して下さい。

▼ダメージへの影響
 これはあくまでも狙った箇所に当たるかどうかの判定でしかなく、ダメージ計算には全く関係しません。難易度以上であれば狙った場所へと命中し、難易度に満たなければ違う範囲に飛んでいったことになります。難易度が防御値として計算されることもありません。
 また、これによって急所を狙うと宣言したとしても、同様にダメージの処理には影響はありません。ダメージの大小や防御値の適用などに関する処理は、あくまでも達成値と自動的成功の有無によって決定されます。

▼姿勢の変更
 伏せる等の行動をとった場合、相手の射撃は当たりにくくなります。攻撃の達成値がスケールによる難易度以下だった場合は、自動的に攻撃は当たらなかったものとして構いません。


◆スケールと難易度

条件 修正
基準スケール  見えている面積が基準スケール(1m×1m)の場合、難易度1で攻撃判定を行うことができます。
基準×1/2  基準の半分になるごとに攻撃判定の難易度は1ずつ上がります。


◆スケールと目標

難易度 目標の例
 人間の大人など
 人間の半身や子供など

 人間の胴部など
 人間の顔、書籍など

 ランプやジョッキなど
 小さめのコップなど


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遮蔽物の影響


 攻撃側と防御側の間に遮蔽物が存在する場合、判定には幾らかの修正を受けることになります。


○潜伏行動

▼分類
 行動パートでは遮蔽物への潜伏を試みることが出来ます。潜伏はマルチアクションの小行動に分類される行動となります。

▼自動成功
 通常の状態では判定を行う必要はなく、物陰に移動できれば自動的に成功します。

▼判定の要求
 周辺状況や遮蔽物の形状などから、どうしても判定が必要だとGMが考えた場合は、潜伏(一般:敏捷+隠身行動)の判定を要求することが出来ます。なお、この場合に限って、潜伏行動は本行動として扱われることになります。


○遮蔽状態

 遮蔽状態には部分遮蔽と完全遮蔽の2種類があります。


▼部分遮蔽
 遮蔽物に体の半分以上を隠せる場合は、部分遮蔽の効果を得ることが出来ます。部分遮蔽の状態にある相手への攻撃には、−4修正を受けることになります。同様にに、隠れている側から攻撃を行う場合も、同じだけの修正が与えられます。
 
◇曲撃ち
 補助技能の〈曲撃ち〉を習得している場合、障害物に隠れた状態でも−2修正で射撃を行うことが出来ます。詳しくはこちらの「曲撃ち」のページをご覧下さい。


▼完全遮蔽
 遮蔽物に体を完全に隠した場合は、完全遮蔽の効果を得ることが出来ます。完全遮蔽の状態にある相手に対して攻撃を行うためには、遮蔽物を撃ち抜くなどしなければなりません。
 相手から全く見えない状態では、隠れている側からも攻撃を仕掛けることは出来ません。攻撃するためには遮蔽物から身を乗り出したり、移動を行って潜伏状態を解除する必要があります。


○状態変更

▼自発的変更/解除
 以下のような行動を取った場合、自発的に遮蔽状態を変更/解除することが出来ます。これらはアクションシーンでは小行動として扱われます。

・手段:遮蔽物から身を乗り出す、遮蔽物のない場所へ移動、遮蔽物自体を移動もしくは破壊するなど


▼強制的変更/解除
 遮蔽物の横や背後に周りこんだ場合は、強制的に遮蔽状態が変更/解除されます。それから、潜伏側が防御行動を試みた時にも、自動的に遮蔽状態が変更/解除される可能性があります。この場合は遮蔽物の大きさや動ける範囲に応じて、GMが状況を判断して下さい。


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基本条件攻撃判定遮蔽物の影響