神聖存在/聖獣信仰


 


○聖獣

 サバンナや平原で暮らす狩猟民族が主に信仰しているのは、『聖獣』と呼ばれるものです。これを崇める者たちを、ペルソニアでは『獣の氏族』といいます。
 聖獣とは獣の神性であり、動物たちの優れた力の源であると同時に、偉大なる獣の王として君臨する霊的存在です。これは唯一神のように単独ではなく、獣の種類だけ居るものです。それぞれの獣は、たとえば獅子であればその強さと気高い心、狡猾さであれば蛇といったように、何らかの力や精神性に深く関連するものと考えられています。それから転じて、特定の技術を司る神や職能の守り神として崇められる場合もあります。
 通常は、部族ごとに特定の種類の獣を信仰するわけではなく、全ての獣とそれに宿る神聖な力を尊びます。しかし、個人としては自身の職能に関する獣を特に崇めることが多く、その対象となる獣を特別にトーテム(守護聖獣)といいます。なお、まれに単独の獣だけを信仰する集団もおり、獅子の部族、梟の部族というように呼ばれています。


○至高存在

▼神獣(始祖神)
 半人半獣の姿を持つ神で、自然の秩序を保つために、大断崖の上から下界を見張っていると伝えられています。人の知恵と獣の力を合わせ持つ至高の存在であり、全ての動物はこの神から分化したものだと考えられています。様々な姿を持つ者がおり、動物の種類の数だけ存在するようです。

▼獣王
 ペルソニアの大地には、それぞれの獣の種類につき1匹だけ、特に強く霊性を宿すものがいると考えられています。それは獣王と呼ばれる神の使いで、南にある大断崖の上で暮らしているという伝承もあります。

▼獣人
 半人半獣の姿を持つ亜人のことです。エルモア地方では異端と認識されていますが、この大陸では聖獣の化身、あるいは神獣の眷属として敬われる存在です。


○術法

 聖獣を信仰する者の中には、生物系や獣化系の術法を使いこなす者もいます。これらを行使して戦う者は、戦巫女や獣戦士としての地位を得ることができます。


▼生物系
 生物を自在に操るための術です。なお、ペルソニアの人々は、聖獣の力を借りて様々な現象を引き起こすものと考えています。

・関連生物系術法


▼獣化系
 動物の能力を借りるための術法です。エルモア地方では獣使いの間だけで細々と伝承されている技で、使い手には滅多に出会うことは出来ませんが、ペルソニア大陸には多くの術者が存在します。しかし、この系統の術は外見の変化を伴うものが多く、変異体と間違われる可能性があります。そのため、術者や彼らが属している部族は、エルモア地方の移民からは異端と認定されており、侵略の大義名分とされています。

・関連獣化系術法


○文化・伝承

▼食事
 多くの部族では獣の霊性を内に取り込むために、狩った獣の生肉を食べる風習があります。また、シカの足や鳥の翼など獣の特定の部分を食べることで、その動物の持つ優れた能力を身につけたり、その箇所の病や怪我を治すことが出来ると信じる人々もいます。

▼獣の祭祀
 獣の毛皮や仮面をかぶって行なわれる儀式のことで、多くの場合は獣の動きに似せた舞いを踊ります。薬物などを用いてトランス状態に移行し、神獣からの神託を得ることもあります。


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