エリスファリア植民地
(A)エーゼル準州 

基本情報自然・要所植民地統治


 

基本情報


○全体

 A-4、A-5地域がエーゼル準州として扱われています。


▼植民地総督
 現在の植民地総督はフェーブル家の当主であるウィリアムが務めています。しかし、まだ13歳と成人前の年齢であるため、後見人である父親のジェラルディンが政務を代行しています。

▼州都
 バラハ川の中流域にあるオルシア市に総督府が置かれています。


○人種・民族

 バウンシャ系の赤人を起源とする褐色の肌の民や、ラガン系の黄人、およびこれらの混血であるクルゼイア人が多くを占めます。また、西部にゆくとレグラム系の黒人が見られるようになりますし、A-5地域には黒人と赤人の混血であるレバンド人がわずかに住んでいます。白人の多くを占めるのはエリスファリアから入植したマイリール系民族ですが、現地に同化したルワール系の白人もわずかにですが存在しています。


○歴史

▼A-4
 かつてはドゥモア王国が支配していた土地ですが、聖歴96年にラガン帝国に征服されます。その後、聖歴714年にエリスファリアの植民地に代わりますが、聖歴720年代になると本国では国内問題の処理に忙しくなり、植民地への影響力が弱まります。その隙を狙って、聖歴736年にはルワール大公国がこの地を奪うのですが、聖歴768年にエリスファリアが奪還し、現在も植民地として支配している状態となります。


▼A-5
 かつてはドゥモア王国が支配していた土地ですが、聖歴98年にラガン帝国に征服されます。その後、聖歴717年にエリスファリアの植民地に代わりますが、本国の干渉が弱まった聖歴730年〜750年の間には独立運動が起こります。しかし、聖歴760年代末には抵抗運動は沈静化され、現在もエリスファリアの支配地のままとなります。


▼カルネア対ルワール
 聖歴750年代に入るとカルネアとルワールの関係が悪化します。そして、聖歴753年にカルネアはルワールからA-2地域を奪いますが、その背後ではエリスファリアの暗躍があったという噂があります。実際、聖歴740年代にルワールに対する抵抗運動が起こった際に、カルネア軍に扮して現地民に武器や食料の供与を行なっていた、謎の集団が存在したことがわかっています。その後、カルネア軍がルワール領土に侵犯したことがきっかけで、両国軍の争いに発展することになりますが、その発端を作った部隊の所属が明らかとなっておらず、これもエリスファリア軍の工作部隊である疑いがもたれています。
 これを裏付ける事実として、聖歴750年代の後半にエリスファリアはルワールに奪われたA-4地域に侵攻し、この土地を再び奪回することに成功しています。この時、エリスファリア軍はA-4地域の原住民に対して、A-2地域で行なわれたのと同様の支援を行なっており、ルワール軍に対する反抗運動を助けました。なお、エリスファリアはこの時、現地民に対して将来の自治・独立を約束していたという噂がありますが、現状を見ればわかるように空約束でしかなく、虐殺され滅亡した部族も存在するといいます。
 現在、植民地総督を務めているのはフェーブル伯爵家の当主で、聖歴768年よりこの州を治めておりますが、聖歴778年に開いた戦勝記念式典において、領主一族のうち2名が現地民から登用した儀典兵に殺害されるという事件が起こっています。すぐに実行犯たちが処刑されてしまったために、その背後関係は明らかにされておりませんが、暗殺計画を主導したのは虐殺された部族の生き残りという噂もあり、他の国々はこの事件こそがエリスファリアの暗躍を裏付ける証拠だと考えているようです。なお、現在でもまれに政府高官の襲撃事件が起こっており、彼らの復讐はいまだ終わっていないのかもしれません。


○産物

 ワーズ山脈やラムティア山地からは多量の鉄や石炭が採掘されています。また、平野部では綿花やサトウキビといった商品作物が栽培されています。


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自然・要所


○地勢・気候

 ペルソニア北東部域は亜熱帯から熱帯に属しています。この地域は海から吹く風によって湿潤な気候となり、気温、雨量ともに安定しています。夜間を除いて、気温は1年を通じて20℃を下回ることはなく、平均気温は25度近くになります。


○都市

▼オルシア市/州都(A-5)
 ラガン帝国時代に建設された都市を基盤に新しく設計された州都で、ワーズ山脈の東麓からバラハ川にかけて市街地が広がっています。平野の一部は丘陵地になっており、その頂上に石壁で囲われた要塞が置かれています。街の中心はこの高台の東を流れるバラハ川の流域で、河岸につくられた港の付近に繁華街がつくられています。領主の城館や上流階級の人々の住宅は丘陵地の南側の斜面にあり、街の喧噪を想像させない静かな田園風景が広がっています。
 都市の北部には有名な凱旋門があり、先代のセリーナ女王の姿をかたどったレリーフが飾られています。これはラガン時代につくられた市門を基礎にしたもので、土台部分には彫刻が施されていたのですが、現在は跡形もなく削り取られてしまっています。門をくぐった先には凱旋門広場がつくられており、ここには現領主ウィリアムの伯父ダリウスをモデルとした騎士像と、戦勝記念碑が建てられています。なお、この場所は観光名所としても有名ですが、11年前に開かれた戦勝記念式典の際に、ダリウスとその母親が射殺された現場でもあり、痛ましい事件の記憶を呼び起こす場としても知られています。息子と妻を1度に亡くした前領主マグナスは、その辛い記憶から目を背けるように、市の南部に新しい広場を建設しており、そちらを市の象徴として花々しく飾り立てています。
 
◇戦勝記念碑(マ・バンバ石碑)
 凱旋門広場にある記念碑は、もとはワーズ山で発見された巨石建築物に飾られていたもので、聖歴720年代にエリスファリアの探険家が発見し、この場所に移築したという由来があります。基部は黒大理石のような外見をした不思議な円柱ですが、中間部から緩やかに角張った形へと変わってゆき、先端部は細く尖った八角錐になっています。また、継ぎ目はまったく見当たらず、塗装を施した形跡もないのに、先端に向かって少しずつ白く変わってゆき、頂点は純白の石となっています。構造はもちろんのこと、表面に彫られた文字の意味も未だ解明されていないため、考古学者や科学者がこの遺物に強い興味を示しています。しかし、これはエリスファリア植民地の象徴であり、凱旋門や広場も含めて有名な観光名所となっているため、詳しい調査・解析は現状では不可能となります。


▼クルコ市(A-5)
 オルシア市の北部にある衛星都市で、工業の街として知られています。ワーズ山脈やラムティア山地からは大量の鉱石や石炭が運ばれ、この街の工場で製錬・加工されます。新しく建設された街らしく、通りは広くまっすぐに造られており、整然とした町並みが続いています。しかし、バラハ川に設けられた港の周辺は雑然としており、特に市場付近は人でごったがえしています。


▼フィレーネ市(A-5)
 オルシア市の南部にある衛星都市で、ペルソニアにおけるエリスファリア国教会の布教中心地です。ここは冒涜の王と呼ばれる怪物の侵攻によって滅び、1度は廃虚となった街です。これを復興させたのは、国教会によって浄化が完全になされたことを知らしめるためであり、この街は現在も教会の威光と尊厳を示すために存在しているのです。そのため、聖堂や教会建築は過剰に装飾が施されており、まっすぐに空に向かう幾つもの高い塔が、遠くの人々をも睥睨するようにそびえています。国教会の崇高さを示すために、街の建物には白を基調とした建材を使用しており、白亜の都市と呼ばれることもあります。
 街の中央には、ペルソニアでも最大級の建物となるエクスシウス大聖堂が置かれています。敷地にはもともとラガンの大神殿が置かれていたのですが、建物部分は完全に取り壊されてしまい、基礎部分は現在の教会建築の土台に用いられています。水道も当時のシステムを流用しており、中庭の大噴水や水道橋もそういった遺産の1つですが、エルモア風の装飾が施されており、かつての面影はまったく残っておりません。


▼チェスター・ポート(A-5)
 ライヒスデール植民地に最も近い港湾都市で、バラハ川の支流が注ぎ込むエルノサ湾に面しています。波が穏やかで良質の魚介類が捕れることから、この場所には古くから都市が建設されており、ラガン帝国の支配時代も貿易港として繁栄していました。
 この街は水路の街としても知られており、物資運搬のために設けられた小運河が、蜘蛛の巣のようにはり巡らされています。そのため、ゴンドラを操る船頭の姿があちこちで見られますし、市内には橋が多く架けられています。橋はそれぞれの町のシンボルでもあり、欄干には凝った装飾が施されたり、レリーフや彫像が飾られています。中でも有名なのはバラハ川の河口に架かるエルノサ大橋で、そこから大展望台へと渡ることが出来ます。これは堤防の上に設けられた広場で、広々とした海の眺望を楽しむことが出来る市民の憩いの場だったのですが、現在では河川東岸に軍の要塞が設けられており、そちら側の半分は立ち入り禁止区域となっています。


▼ディナーム市/旧ルキシャル(A-4)
 ロナ川が注ぐリーベル湾に面している軍港の街で、港には海軍の軍船が舳先を連ねています。波が穏やかで遠浅のリーベル湾の中で、この周辺だけは険しい岸壁と複雑な潮目に守られ、天然の要塞として機能しています。岸壁には大きな洞穴が多数空いており、そのうちの幾つかは地上と繋がっています。これらの洞窟には軍の施設が置かれていたり、私掠船の隠し場所として利用されています。
 ラガン帝国が侵略してきた際には、ドゥモア王国の民はこの地形を利用して戦い、侵略者たちを長く苦しめたといいます。また、聖歴300年頃に周辺の植民都市で奴隷の反乱が相次ぎ、これに便乗して一部のラガン貴族が本国に叛旗を翻したことがありましたが、彼らが最後に立てこもったのがこの場所で、強固な城塞は兵糧が尽きるまで帝国兵の激しい攻撃に耐え切ったそうです。分厚い壁に守られた砦は以前よりもさらに防御力を増しており、最新鋭の兵器を備えてもこれを打ち破るのは容易ではないでしょう。


○要所

▼海賊島A-3/A-4)
 ルワール植民地との間には幾つもの小島が浮かんでおり、潮目が複雑になっています。この島々のどこかにエリスファリア軍のアジトがあり、そこに私掠船を隠しています。


▼双子海域A-3/A-4)
 海賊島とルワール植民地の間には、2つの大きな渦巻きが発生する海域があります。この渦を発生させる原因となっているのは、塔のように海中から突き出た2本の高い岩で、これは双子岩と呼ばれています。渦巻きがつくり出す流れは複雑にからみ合い、不思議な形の潮流を不規則に発生させるため、船乗りは沖合いを遠回りして航行しなければなりません。これは自然界では発生するはずのない流れだと言われており、周辺地域では変異現象の1種ではないかと考えられています。なお、この付近を半透明の巨大魚が泳いでいる姿を見たという目撃談が、昔から周辺海域の各地に残っており、これが渦を発生させる原因だとする説もあります。


▼マ・バンバ遺跡(A-5)
 聖歴720年代にワーズ山脈の北東部で発見されたもので、大量の岩石や土砂に埋まっていたドゥモア王国時代の遺構です。この遺跡の存在が明らかになったのはまったくの偶然で、地震によって山腹の土砂の一部が崩れ、その隙間から石碑の先端がわずかに露出しているのを、近くの炭坑で働く鉱夫に発見されました。これが現在、オルシア市の凱旋門広場に戦勝記念碑として飾られているマ・バンバ石碑で、フォークト博士が率いる調査隊が掘り出してみると、巨石建造物の一部であることが判明しました。
 周辺部族の言い伝えなども含めて最終的にわかったことは、これはドゥモア王国時代につくられた聖獣信仰者の神殿らしいのですが、ラガン帝国が侵攻を開始する直前(聖歴90年代頃)に起こった大地震によって、大量の土砂や岩石の中に埋もれてしまったようです。その後、ドゥモア王国はラガンの支配下に置かれてしまうのですが、彼らが神殿が破壊されることを恐れてこれを秘匿したため、発掘される日までは現地の聖獣信仰者たちにも、伝承の中で語り継がれるだけの幻の存在だったようです。
 発掘されたのは神殿だけでなく、それを守護するための聖職者や戦士たちの住居、彼らが日用品として使っていた器や武具、そして祭祀で用いられていたと思われる仮面なども一緒に見つかっています。これらの発掘品はオルシア市にある古代史博物館に収められておりますが、ルワールの支配時代に紛失したものや、エリスファリア本国に持ち帰る途中で船が沈没するなどして、散逸した品も少なくありません。また、聖歴750年前後の戦乱期には遺跡の管理体制が整わず、自然現象や盗掘によって破損したり、幾度か発生した地震で再び埋没した区画も存在します。


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植民地統治


○現状

 聖歴768年よりフェーブル伯爵家がエーゼル準州を治めています。これは先代領主マグナスの息子ダリウスが、ルワール大公国からA-4地域を奪還する際に大きな戦功を立てたためで、マグナスが植民省に務めていたこともあって、この地を封じられることになりました。その後、植民地内は一応の平穏を保っていたのですが、11年前の聖歴778年の戦勝記念式典の際に暗殺事件が起こり、妻と長子ダリウスが現地出身の儀典兵の凶弾に倒れることになります。
 その後、3年前までマグナスが植民地総督を務めていたのですが、年齢のためか体調を崩すことが多くなり、当主の座を退くことを決意しました。彼はそれまでに子供を3人もうけておりましたが、長男ダリウスは射殺され妹のイザベルも出産時に命を落としております。そのため、愛人ミュゼットの娘であるフィリアンを後継者に推すのですが、親族のみならず植民省の官僚にも強く反対され、結局は娘イザベルと婿養子ジェラルディンの間に生まれたウィリアムが、当主の座を継ぐことに決定しました。
 しかし、マグナスはこれに1つの条件を付けます。それは孫のウィリアムが娘フィリアンと婚姻を結ぶということでした。これは反対の声も多くあがったのですが、愛人のミュゼットが植民地で強い影響力を持つランスター家の出である上に、植民省の官僚に裏工作を行なったこともあって、最終的にはマグナスの意向に従うということで、後継者問題はとりあえず決着することになります。
 領主になったとはいえ、その時点でウィリアムはまだ10歳という幼さであり、現在は父であるジェラルディンが政務を代行しております。しかし、ミュゼットとその一族が前領主の権威を借り、何かと政治に口を挟んでくるため、ジェラルディンは思うように領内を治めることが出来ずにいます。また、彼らは豊富な資金を用いて議員や植民省の監査官を味方につけ、ランスター家の一派が領内で幅を利かせるようになった今では、政府内で賄賂や汚職が横行するようになっています。ジェラルディンはどうにかしてこの一派を排除しようとしていますが、味方を増やすどころか逆に孤立を深めている状況です。


○フェーブル伯爵家

▼マグナス=フェーブル(白人/男/69歳)
 健康上の理由から3年前に引退した前領主で、現在は離れで隠居生活を送っています。11年前に妻と息子を失ってからは剛胆な性格もすっかり影を潜め、事件後しばらくは抜け殻のように惚けた毎日を過ごしていました。そんな折にパーティでミュゼット=ランスターに知り合うのですが、様々な手管ですっかり彼女に篭絡されてしまい、やがて常に傍に置いて様々なアドバイスまで求めるようになります。しかし、無理をして若いミュゼットに生活を合わせていたことも原因なのか、年とともに少しずつ体を病んでゆき、3年前には医師の進めもあって引退を決意します。
 それまでは一族の強い反対もあって、ミュゼットとの再婚はせずにいたのですが、後継者問題に関してだけは自分の意思を押し通そうとしました。周囲は家督を孫のウィリアムに譲るよう進めたのですが、本国で生活を続ける顔も見たこともない彼よりも、愛人との間に出来た娘フィリアンを愛おしく思い、1度は彼女を後継者に指名します。しかし、植民省の説得もあって娘を跡継ぎにするのは断念し、2人の結婚を条件にウィリアムに家督を継がせることに決めました。そのことを後ろめたく思ってか、現在はミュゼットの我が儘を何でも聞き入れてしまうようになり、それが原因で植民地政府は腐敗の温床となっています。

▼ミュゼット=ランスター(白人/女/26歳)
 有数の資産家であるランスター家の三女で、美貌と巧みな話術で前領主を篭絡した妖婦です。ランスター家は広大な農地を持つ農場主ですが、もともと本国の地主の出身でしかなく、家柄という点で貴族に並ぶことは決して出来ません。そのため、両親は娘を貴族のもとに嫁がせることに躍起になり、彼女もその期待に応えるべく美しさに磨きをかけ、学問や政治分野の知識も身につけます。そして、ついに傷心の領主を射止めることに成功するのですが、周囲の反対によって正妻の座をつかむことはできず、娘を当主の座に就かせることにも失敗しました。そのことから今度は味方を増やした上で、ウィリアムを傀儡としてフェーブル家を自由にすることを考え、ランスター家の資産を使って少しずつ議員や官僚を懐柔しています。

▼ジェラルディン=フェーブル(白人/男/38歳)
 現領主ウィリアムの父親であり、後見役として息子が成人するまで政務を担当します。彼は無領地ながら王家とも血縁のある名家の出身であり、普段の態度からは想像できませんが非常にプライドの高い男です。地主出身のランスター家の血が貴族の血統に入ることを良く思っておらず、彼らの計略をどうにかして潰そうと策を練っています。しかし、政務に忙しい上に、植民地に来てまだ3年しか経っていない彼に味方する者は少なく、ランスター家の台頭を歯噛みしながら眺めるしかない状況です。

▼ウィリアム=フェーブル(白人/男/13歳)
 前領主マグナスの孫に当たる少年で、現在の領主を務めておりますが、実際の政務は後見人である父のジェラルディンが代行しています。父親をはじめ近しい者たちから色々と言い含められているためか、植民地に来てから知り合った人間を全く信用しておらず、祖父のマグナスにさえ心を開いておりません。また、周囲の期待に応えるべく懸命に学業に励んでおりますが、それも含めて日常生活にやや気疲れしており、1人になった時には溜め息をついてばかりです。そんな彼にもほんの少しだけ気の休まる時間があります。それは結婚相手であるフィリアンと密かに会っている時で、互いの親が近くにいない時だけは兄妹のように仲良く過ごしています。

▼フィリアン=フェーブル(白人/女/6歳)
 母親譲りの整った顔だちをした、まるで人形のように可愛らしい少女です。庶子である彼女がフェーブル家の継承問題に関与する可能性は低かったのですが、父である前領主のマグナスの強い推しと母ミュゼットの策略によって、現当主のウィリアムとの結婚が決まり、まだ6歳ながら領主夫人という立場に置かれることになります。ウィリアムと同様に、母親に色々と言い含められているようですが、幼い彼女は何もわかっていないようです。現在は離れで暮らしておりますが、時々母親の目を盗んで本館にあらわれ、兄のように慕っているウィリアムと楽しく遊んでいます。館の使用人たちもそんな2人ことを微笑ましく思っており、互いの両親には何も告げずに、この可愛い訪問者を暖かく迎え入れています。


○拡大・開発

▼ルワール
 A-3地域のルワール領(ウェルナー小州)では、数ヶ月前に領主が交代したばかりです。そして、表向きは落ち着いたように見えますが、現在も家督争いに関連して内部で揉め事が起こっており、それにエリスファリアも関与しています。というのは、本国はペルソニア南進のために、他国に先んじてD-2地域を押さえておきたい考えですが、ルワール・ロンデニアの同盟が妨害をするのは明らかで、そのために数々の策謀を張り巡らせているのです。しかし、そのためにはフェーブル家の内紛は大きな問題で、本国でも頭を悩ませているところです。
 
◇ミュゼットの思惑
 ルワール植民地の動向については、ミュゼットも強く関心を抱いております。というのは、ルワールとの争いになるにせよ、D-2地域を侵攻するにせよ、これらの問題でジェラルディンが忙殺されている隙に、領内を掌握したい考えでいるからです。そのため、本国の指示で既に行なわれていることですが、彼女個人でも別のルートからルワール領内に内乱を起こそうと、ドゥーガル人や現地民を支援して反乱を起こさせようと目論んでいます。


▼南侵
 D-2地域にはロゴン=ロゴナという自治区があり、各国はこの地域を制圧するのが第1の目的となっています。しかし、11年前の戦勝記念式典の際に暗殺事件が起こったのは、まさにエリスファリア軍が南侵の準備を整えていた時であり、この事件にはロゴン=ロゴナが関与していると噂されました。このような経緯があったため、領内でも十分に警戒はしているつもりですが、ロゴン=ロゴナの仕業を装って暗殺を実行できる状況でもあることから、ジェラルディン、ミュゼットの双方とも互いを疑って行動しています。


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基本情報自然・要所植民地統治