通貨
この地方の物品売買は共通の通貨で行なわれています。単位も『エラン』という共通単位で、どの国家でも通用します。なおこの単位は、商業都市エラン(都市国家群のうちの1都市)の提案により導入されました。
一般には銀貨が最も多く流通しており、白金貨はあまりみることはありません。通常は10000エラン以上になると各国で発行している紙幣を使用するため、国境を越えるような場合には銀行か両替商に頼んで紙幣を交換する必要があります。ただし、レートは固定されているので、交換する額の数%の手数料を取られる以外は、紙幣のデザインが変化するだけと考えて構いません。ただし、カスティルーン、ペトラーシャ、ユークレイの3国では共通の紙幣を使用しています。なお、これらは信用貨幣であり、実際にそれだけの価値があるわけではありません。
◆貨幣価値
硬貨 価値 白金貨 10000エラン 金貨 1000エラン 銀貨 100エラン 銅貨 10エラン 青銅貨 1エラン
(註:1エラン=1円程度の目安で考えるといいでしょう。ただし、物価は我々の現実界よりも若干低くなります。特に住居や食事にかかる費用は安く、およそ半額程度と考えて下さい)
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生活のレベル
○収入
▼一般市民
一般市民の平均的な年収は250万〜350万エランほどで、これぐらいの収入があれば一家を養ってゆくことが出来ます。中層市民の収入の下限は100万エランほどですが、1人暮らしであれば月に10万エランほどもあれば、それなりの生活を送ることが出来るでしょう。
これらの人々は、そこそこの広さのアパートを借りて、特に食いっぱぐれる日もなく、毎朝ヒゲを剃り(あるいは髪を結い)、歯を磨いて仕事に出かけ、仕事が終わるとほどほどの酒を飲んで気持ちよく寝る、といった暮らしを営むことが可能です。ちょっと無理をすれば、休みの日には見せ物小屋に出かけ、こぎれいな食堂でおいしい食事をとることも出来ます。あまり贅沢をしなければ、それほど生活に困窮することはありません。
▼富裕市民
産業資本家、農場経営者、金融業者といった富裕市民は、最低でも年収500万エラン程度の収入があり、1000万以上を得ている者も稀ではありません。また、医師や弁護士といった知的労働者や、軍の士官、裁判官、高級官僚といった人々も、500万〜1500万エラン程度の年収を得ています。これに準ずるのが建築技師や機械設計者(発明家)といった新しい職業で、実力次第では富裕市民と同等の収入を得ることが出来ます。
▼下層市民
エルモア地方は貧富の差が激しく、全体の1/3ほどが貧民層に属しています。これらの人々の年収は平均すると50万〜80万エランの間におさまり、出費の殆どが食住のためだけに費やされます。熟練の労働者の場合は80万〜100万エランほどの収入がありますが、逆に50万エラン以下の貧困者も数多く存在します。
○田舎の状況
この時代になると田舎の村でも貨幣経済が浸透しつつありますが、あまりに都市から離れると未だに物々交換を行っているような場所も存在します。このような土地では質素な暮らしが営まれており、特に金銭を必要とせず生活することができるでしょう。ただし、どうしても必要な物品があれば、他の村や町に行って仕入れてこなければなりません。
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その他
○銀行
この世界にも銀行は存在しますので、預貯金の出し入れ、銀行による貸し付け、手形・小切手の利用といったことは、現実世界と同様に行なわれています。
○株
この世界でも株式会社が存在し、株券との引き換えによる資金調達が行なわれています。首都などの大都市には株取引所があり、株の売買が行なわれています。
○保険会社
大きな都市では各種の保険を取り扱う保険会社が存在しますが、生命保険などの個人向けのものはあまり普及しておりません。そもそも保険という概念を生み出したのは貿易商人であり、遠方への輸送品や船舶などにかける損害保険が主となります。
○ローン
市場経済が発達している国家では、分割払いによる商品の購入も可能となっています。よくローンを利用するのは、上昇志向を持つ中流家庭か、金銭に苦労していても見栄を張りたい上流階級といったところになります。
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