怪物/戦闘行動

行動制限特殊戦闘/選択特殊戦闘/指定


 

行動制限


○手段

▼武器
 手で物が掴めるのであれば、武器を用いて攻撃を行なう可能性があります。この場合、近接武器のデータに具体的な武器名が示されていたり、「各種武器」(GMが選択)と書かれています。また、格闘攻撃の項目に「その他」と記されている場合も、道具を使用することが可能です。

▼組打ち
 格闘攻撃のデータに組打ちの数値が設定されている場合は、通常のキャラクターと全く同じように「捕縛行動」を取ることが出来ます。

▼特殊な行動
 GMが可能であると判断した場合は、「特殊な行動」を取らせても構いません。


○影響

▼サイズ
 キャラクターとあまりにサイズが違う場合、体が大きい側に対する投げや組打ちの効果を、GMの判断で一部制限もしくは無効としても構いません。

▼姿勢
 怪物の場合は人間とは体の構造が異なるため、キャラクターと同じように姿勢による影響が適用されるとは限りません。たとえば、四足以上で伏せて歩くものや、足のない不定型の怪物の場合は、膝付きの姿勢などによる行動影響はありません。どのような影響を無効と出来るかについては、GMの判断に任されます。

▼転倒
 不定形の怪物や低い姿勢で這って移動する怪物の場合、転倒攻撃は自動的に無効となります。


○反射回避

▼認識
 投擲武器による攻撃や、非常に離れた場所からの弓や砲弾による攻撃は認識できる可能性があるので、動物でも反射回避による回避を行うことが出来ます。

▼制限
 知能が動物なみ以下の怪物は、銃弾などの視認できない射撃とダメージを関連づけることが出来ないため、意図して反射回避による回避を行うことはありません。
 ただし、攻撃側が動いたことに反応したり、無意識のうちに常に細かく動いていることで、自動的に反射回避を行なうこともあります。また、幾度も射撃によるダメージを受けた場合は、武器の形や匂い、あるいは人間の姿に対して怯える可能性もあるでしょう。それから、もともと臆病な生き物の場合は、人間を認識した瞬間に物陰に身を隠すかもしれません。
 このような状況が考えられるため、ルール的に反射回避を制限することはありません。ただし、彼らは人間のように意識して回避しているわけではないということを、GMは認識しておく必要があります。このような理由から、状況によっては反射回避の判定を放棄しても構いませんし、GMの判断で振るサイコロの数を制限するなどしてもよいでしょう。


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特殊戦闘/選択


○基本

 怪物は以下のような特殊な戦闘手段を試みることが出来ます。これらはデータに攻撃手段が示されていなくても選択できる行為ですが、幾つか条件が設けられています。

・種類絞め武器落とし防具剥がし
・関連捕縛行動特殊攻撃窒息


▼制限
 これらの特殊攻撃は、基本的に人型ではない怪物に適用されるものです。ただし、データに記載されているものであれば、人型でも問題なく試みることが出来ます。


○絞め

 怪物の中にも、PCと同様に絞めによる攻撃が可能なものも存在します。

・対抗判定:格闘(組打ち)
・関連捕縛行動窒息


▼組み付き
 相手を押え込んで、体の自由を奪うための準備行動で、フルアクションとして扱われます。これに成功して相手を捕縛状態に置けば、次のラウンドから絞めによる攻撃が可能となります。
 
◇判定
 組打ちによる攻撃で、戦闘防御(一般:敏捷+回避力)との対抗判定に勝利すれば、相手を捕縛状態に置くことが出来ます。なお、相手が攻撃側の接近に気付いていない場合、あるいは完全に背中を向けている場合などは、判定なしで自動的に組み付きに成功したことになります。
 捕縛状態に置かれた者は、組み付きの解除と回避判定を除いて、移動も含めた全ての運動を試みることが出来なくなります。また、運動や作業に関する全ての判定には−2修正を受けます。

・対抗判定:戦闘防御(一般:敏捷+回避力)
・関連組み付き


▼効果
 通常のキャラクターの場合は、絞め(格闘攻撃)によって相手を窒息させるだけとなりますが、怪物の場合は以下の効果を選択することが出来ます。これらの行動は全てフルアクションとして扱われます。
 
◇窒息絞め
 相手の首を絞めたり口を覆うことによって、相手に窒息攻撃を仕掛けることが出来ます。

◇ダメージ
 絞めのデータに0以上の打撃値が記されている怪物は、強く絞め付けることによって相手にダメージを与えることが出来ます。この場合、防御側は組打ち(一般:体力+格闘)で対抗判定を行ないます。ダメージ処理は通常の打撃攻撃と同じように計算して下さい。

◇引き摺り
 長い触手を持っている怪物などは、捕縛対象を高い場所まで吊り上げたり、自分のいる場所に引き摺って来るといったことが出来ます。


○武器落とし

 相手の武器に噛み付いたり腕を攻撃することで、相手が持っている武器や手を攻撃して、武器を落とさせることができます。この行動はフルアクションとして扱われます。なお、通常の動物は狙ってこれを試みることはないので、あまり頻繁に行なわない方がよいでしょう。


▼命中
 通常の打撃あるいは射撃による攻撃判定を行ない、相手の戦闘防御(一般:敏捷+回避力)との対抗判定を行ないます。なお、この攻撃が命中しても、相手にダメージを与えることは出来ません。

▼抵抗
 実際に武器を落とすかどうかは、攻撃側の成功値を難易度とした《剛力》の判定によって決まります。相手がこの判定に失敗した時は、武器を取り落としたことになります。なお、相手の攻撃を認識していない場合でも、《剛力》による判定は試みることが出来ます。

▼落下
 武器落しに成功した場合、武器は[成功値×0.5]mだけ離れた場所に落ちます。この場合の成功値は、[難易度(攻撃の成功値)−剛力の達成値]となります。武器を拾い上げて再び構えるための行動は、小行動の準備作業として扱われます。
 
・対抗判定:回避力(戦闘防御)


○防具剥がし

 相手の身につけている防具を剥ぎ取ることが出来ます。この行動は組伏打撃の一種で、フルアクションとして扱われます。


▼条件
 これを試みることが出来るのは、基本的に人間よりも大型で、【体力】が13以上ある怪物に限られます。また、当然のことながら、防具を引っ掛けることが可能な攻撃手段を持っていなければなりません。

▼判定
 格闘攻撃によって組伏打撃を試みる際に、防具剥がしを選択することが出来ます。これは組伏打撃の1種なので、格闘攻撃の数値を基準に判定を行なって下さい。また、組伏打撃の数値が別個に書かれていない場合、攻撃判定には−2修正を受けることになります。
 攻撃が成功した場合、相手の防具を引き剥がすことによって、成功値の分だけ防御値を減少させることが出来ます。引き剥がされた防具は、留め具の部分などが破損してしまうため、すぐに直して使うことは不可能となります。これを修復するためには、《職工作業》に含まれる〈防具加工〉の専門分野を習得している必要があります。

・攻撃判定:格闘攻撃(組伏打撃)
・対抗判定:回避力(戦闘防御)


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特殊戦闘/指定


○基本

 怪物は以下のような特殊な戦闘手段を試みることが出来ます。これらはデータに攻撃手段が示されている怪物だけが選択できる行動となります。なお、キャラクターが行なう特殊攻撃と同じ名称の行動は、全く同じルール処理を行なうものとなります。

・種類転倒攻撃押し倒し振り回し突進攻撃通過攻撃張り付き
・関連捕縛行動特殊攻撃


▼制限
 これらの特殊攻撃は、基本的に人型ではない怪物に適用されるものです。ただし、データに記載されているものであれば、人型でも問題なく試みることが出来ます。


○転倒攻撃

 転倒攻撃を試みた場合、相手にダメージを与えることは出来ませんが、体勢を崩して転ばせることが可能となります。この行動はフルアクションとして扱われます。
 攻撃判定は通常と同じように行ない、回避側は戦闘防御(一般:敏捷+回避力)で対抗判定を行ないます。この攻撃が成功した場合、相手はその場で転倒することになります。転倒した者は次の自分の行動順番で起き上がることができますが、転倒状態では運動に関係する全ての判定に−4の修正を受けます。

・行動分類:フルアクション
・対抗判定:回避力(戦闘防御)


○押し倒し

 データに押し倒しと書かれている場合は、相手を転倒させると同時に捕縛状態に置くことが出来ます。捕縛行動に関する基本的な判定処理については、「捕縛行動」のページをご覧下さい。

・行動分類:フルアクション
・対抗判定:回避力(戦闘防御)
・関連捕縛行動


▼効果
 押し倒しによる攻撃が成功した場合、相手は捕縛状態が解除されるまで、運動や作業に関する判定に−4修正がかかります。

▼組伏打撃
 この状態から組伏打撃を行なう場合は、通常と同じように−2修正を加えて攻撃判定を行ないます。判定値は格闘攻撃の数値を基準として下さい。ただし、その他の格闘攻撃と別個に組伏打撃が記載されている場合は、データにある数値を基準として判定を行ないます。


○振り回し

 データに振り回しと書かれている怪物は、尾や腕を大きく振り回すことによって、影響範囲内にいる全ての相手を攻撃対象とすることが可能となります。この行動はフルアクションとして扱われます。

・行動分類:フルアクション
・対抗判定:回避力(反射回避)


▼判定
 判定そのものは通常の打撃攻撃と同じように行ないますが、サイコロを振る前に攻撃を適用する順番を決める必要があります。攻撃対象は指定された方向から順番に回避判定を行ない、最初に対抗判定で負けた者に攻撃が命中します。それ以降の攻撃対象は回避を行なう必要はなく、最初に回避を失敗した1対象のみがダメージを受けることになります。


○突進攻撃

 データに突進攻撃と書かれている怪物は、角で相手を突いたり体当たりをして攻撃することが出来ます。これらの行動については、一連の処理をフルアクションとして扱います。

・行動分類:フルアクション
・対抗判定:回避力(反射回避)


▼条件
 突進攻撃を行なうためには、相手との間に10m以上の距離が必要となります。

▼攻撃
 [移動力]mまでの距離の移動を行ない、その途中にいる相手に突撃を仕掛けることが出来ます。突撃が成功すれば、移動力5につき打撃値を1ポイント上昇させることが出来ます。データでは(攻撃手段:打撃値+)という具合に表記されていますので、移動力に応じた追加ダメージを加えて計算して下さい。

▼対象
 衝突攻撃の場合は、進路上に存在する全ての者が攻撃対象となります。反射回避は前にいる者から順番に行ない、最初に対抗判定で負けた者に攻撃が命中します。それ以降の攻撃対象は回避を行なう必要はなく、最初に回避を失敗した1対象のみがダメージを受けることになります。

影響
 攻撃を行なってから1ラウンドの間は、運動に関する全ての判定に−2修正を受けることになります。

▼反撃
 待機状態にある者は突撃の成否にかかわらず、すれ違いざまに反撃を行なうことが可能です。この時、突撃側が移動力によって得られる追加ダメージを、武器の打撃値に上乗せすることが出来ます。

最終移動距離
 突撃もしくは反撃が命中した場合、攻撃側はその場所で移動を停止することになります。しかし、どちらも攻撃に失敗している時は移動距離の減少は起こらず、突撃側は最初の地点から[移動力]mを進んだ場所まで移動することが出来ます。


○通過攻撃

 データに通過攻撃と書かれている怪物は、相手とすれ違いながら通常攻撃を仕掛けることが出来ます。この行動については、一連の処理をフルアクションとして扱います。

・行動分類:フルアクション
・対抗判定:回避力(戦闘防御)


▼攻撃
 [移動力]mまでの距離の移動を行ない、その途中にいる相手に通常攻撃を試みることが出来ます。なお、これは突進攻撃と違って、追加ダメージは得られません。

▼反撃
 待機状態にある者は、すれ違いざまに反撃を行なうことが可能です。

▼最終移動距離
 攻撃が命中したかどうかに関係なく、最初の地点から[移動力]mを進んだ場所まで移動することが出来ます。ただし、相手の反撃を受けた場合は、攻撃側は目標がいた場所でストップすることになります。


○張り付き

 データに張り付きと書かれている場合は、格闘打撃が成功すると同時に相手に張り付いたままでいることが出来ます。たとえば、怪物が体にしがみついたり、噛み付いたままでいる状態がこれに相当します。


▼条件
 張り付きというのは、格闘打撃と同時に相手に組み付きを仕掛ける攻撃手段で、これに成功すれば次のラウンドから組伏打撃が可能となります。この一連の攻撃に用いる武器は、全て同一のものでなければなりません。

▼判定
 張り付きを成功させるために改めて判定を行なう必要はなく、最初の打撃攻撃を行なう前に宣言しておけば、対抗判定での勝利と同時に張り付きが成立します。この間、相手は捕縛状態にあるものとして処理されます。

▼組伏打撃
 張り付いている状態で可能となるのは組伏打撃のみです。この間に行なう組伏打撃の攻撃判定は、張り付き攻撃として設定されている数値を用います。

▼解除
 相手は格闘(組打ち)による捕縛状態の解除を試みることが出来ます。これに対する対抗判定も、張り付きの数値を基準として下さい。なお、組伏打撃の判定で失敗しても捕縛状態が解除されるわけではなく、自ら張り付きを解除するか組打ちによる対抗判定で勝利するまで、ずっと張り付きの状態を維持したままとなります。

・対抗判定:回避力(戦闘防御)、格闘(組打ち)


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行動制限特殊戦闘/選択特殊戦闘/指定