恐怖判定
恐怖による影響を免れるためには、恐怖判定に成功しなければなりません。
○条件
不死者などの恐ろしい怪物に遭遇したり、大きな災害に巻き込まれるなどした場合は、恐怖や混乱によって心理的ダメージを被る可能性があります。
▼抵抗判定
このような心理的影響を回避するためには、【自我抵抗】を基準とした恐怖判定を行わなければなりません。この判定に失敗した場合は、【自我値】にダメージを受けて精神に何らかの異常をきたす可能性があります。▼馴化
同じ種類の刺激を繰り返し受けた場合は、何度も状況判断を行う必要はありません。GMがその刺激に十分に馴れたと判断した時点で、以降の判定を取り止めて構いません。また、短時間に同種の刺激を受ける場合も、最初の1度のみ判定すれば十分でしょう。▼複数対象
複数の恐怖対象が同時に出現した場合、それが同種の恐怖を与える存在であれば、最も大きい恐怖度を基準に1度だけ恐怖判定を行って下さい。▼選択ルール
以下のルールは必ず使用しなければならないものではなく、選択ルールとして扱われます。シナリオの傾向に合わせてGMが判断して下さい。
○判定方法
恐怖に抵抗するためには、【自我抵抗】の判定に成功する必要があります。この時に行う抵抗判定のことを、恐怖判定と呼びます。
▼恐怖度
恐怖度とは恐怖の度合いを示す数値で、これが大きいほど強い精神影響を与える存在だということを意味します。
◇難易度
恐怖度は恐怖判定の難易度として扱われます。◇恐怖ダメージ
恐怖度は効果値の威力ダメージとしても扱われる数値であり、【自我値】に対してダメージを与える効果を持ちます。【自我抵抗】に失敗した場合は、恐怖度から達成値を引いた分の恐怖ダメージを、【自我値】から減少させなければなりません。・恐怖ダメージ=[恐怖度−自我抵抗の達成値]
◇衝撃度
恐怖度は自動的に衝撃度としても扱われます。ただし、恐怖度に対する抵抗判定(恐怖判定)は、同時に衝撃判定としても扱いますので、繰り返し判定を行う必要はありません。1回の抵抗判定で全ての結果を出して下さい。詳しい判定方法については、「心理衝撃」の項目をご覧下さい。
▼結果と影響
◇抵抗成功
判定に成功した場合は特に何の影響を受けることもなく、通常と同じように行動することが出来ます。◇抵抗失敗
恐怖に抵抗しきれなかった場合には、恐怖度から達成値を引いた値を、【自我値】に恐怖ダメージとして受けてしまいます。
また、この場合は衝撃判定にも失敗していることになるので、1ラウンドのあいだ恐慌状態に陥ります。恐慌状態にある間は、回避判定や抵抗判定などの受動的な行動を試みることは可能ですが、能動行動を取ることは出来ません。まともな会話をしたり正常な判断を下せないまま、ただ慌てて立ち尽くしたり、状況に対応するだけで精一杯となります。
○恐怖度の基準
▼目安
恐怖度の簡単な目安としては、軽い恐怖では1〜2、激しい恐怖では3〜5、重度の恐怖で6以上となります。▼怪物
見た目が恐ろしい怪物は、キャラクターに恐怖ダメージを与える場合があります。このような怪物の場合は、データに恐怖度という数値が示されています。▼パニック
集団パニックを引き起こすような大きな混乱も、恐怖判定の対象となるものです。恐怖度の目安は以下の通りです。GMは周辺状況によって微調整を行って下さい。
◆難易度の基準
難易度 状況 1〜2 滅多に出会わない驚異 3〜5 普通は日常的に出会うことがない大きな事態。自らの命の危険が迫っている時など 6〜 生涯でも滅多に出会うことのない大規模な事故、災害など
◆難易度の修正
修正 状況 +1 周囲の状況が半ば以上把握できない状態 +2 周囲の状況が完全に把握できない状態
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自我値の減少
○判断力の低下
【現在自我値】がマイナスの値まで下がった時は、正常な判断力を失っている可能性があります。
▼影響
この間、GMは必要があれば、判断力を要する判定に【現在自我値】の分だけ不利な修正を与えても構いません。また、精神的に何か影響を与える状況が生じた場合、平静さを保てるかどうかを判断するために、【自我抵抗】の判定を行なわせることが出来ます。これらの判定に失敗した時は、状況判断がうまくできなかったり、通常とは異なるおかしな判断を下したりすることになります。
○放心判定
多くの自我値が失われてしまった場合、そのキャラクターは放心状態に陥り、周囲の状況に対処できなくなってしまう可能性があります。
▼条件
【現在自我値】が1以上の時はまだ大丈夫ですが、0以下になるような事態に陥った時は、精神をひどく消耗していることになります。このような時は、放心判定を行わなければなりません。また、この状態からさらに自我値が減少することになれば、再び放心判定を試みる必要があります。
▼判定方法
放心状態に陥らないためには、【自我抵抗】を基準とした難易度1の判定に成功する必要があります。
◇修正値
この判定を行う時は、【現在自我値】を修正値として扱って下さい。たとえば、その時点の【自我値】が−5になっていた場合、【自我抵抗】に−5を加えた値を基準として抵抗判定を行います。
修正値を加えて判定値が0以下となった時は、放心判定を試みることが出来ません。このような場合は自動的に放心状態に陥ることになります。
▼結果と状態
判定に成功すればそのまま普通に行動できますが、失敗した場合は放心状態に陥ります。この状態下にあるキャラクターは、周囲の状況にほとんど対応できず、話し掛けてもまともに答えを返すことは出来ません。肉体にダメージを受けたり、自我抵抗を行うほどの強い心理的影響を再び受けるまでは、その場にへたり込むなどして動けなくなってしまいます。この時は受動行動も不可能となります。
○発狂判定
【現在自我値】が−【自我値】(最大自我値にマイナスの符号をつけた値)以下になった場合、そのキャラクターは自動的に気絶状態に陥ります。また、このような場合には発狂判定を行う必要があります。
▼条件
判定は【現在自我値】が−【自我値】以下になった時に行います。この状態でさらに【自我値】が減少することになれば、再び発狂判定を行わなければなりません。
▼判定方法
発狂判定は自我抵抗を基準として行うもので、判定の難易度は1となります。この判定に成功すれば放心状態に陥るだけで済みますが、失敗した場合には発狂状態へと陥ってしまいます。
◇修正値
この判定では[最大自我値+現在自我値]を修正値として加える必要があります。修正値を加えた後の判定値が0以下となった時は、発狂判定を試みることが出来ません。このような場合は自動的に発狂状態へと移行することになります。
▼結果と状態
発狂判定に成功すれば狂気に陥るのを免れますが、放心状態はそのまま続くことになります。
発狂判定に失敗したキャラクターは、狂気に陥ったままとなります。【自我値】が元に戻ってもこの症状は回復せず、時間をかけて療養したり、術法による治療を受けるなどの処置を施す必要があります。こうなったしまったキャラクターは、回復するまではNPC扱いとなります。
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治療と回復
○自然回復
自然治癒によって【自我値】が回復するのは、キャラクターが十分に休息をとった場合です。これには最低でも6時間以上の睡眠が必要です。実際にポイントを回復させるのは、キャラクターが目覚めた時となります。
▼回復の度合い
回復するポイントは、1日につき判断の半分(四捨五入)となります。ただし、【自我値】が0以下になっていた場合は1ポイントしか回復しません。
なお、1日に6時間以上の睡眠をとったとしても、回復する値が倍以上になるわけではありません。1日に回復できる上限は、上記の基準に従って決定された値となります。▼不完全な休息
休息が不十分だった場合、回復の基準は一段階下がることになります。この時は【自我値】が1以上でも1ポイント、【自我値】が0以下の場合は全く回復しないことになります。また、徹夜などをして休息をとらなかった場合は、いかなる状態でも自然回復は起こりません。
○放心状態の回復
▼治療
心理学(専門:記憶/判断+精神知識)による介抱を試みた場合、相手を放心状態から覚醒させることができます。これは難易度1の判定となり、【現在自我値】がマイナスになっていれば、その分の修正を受けます。▼回復判定
放心状態から治療なしで覚醒するためには、【自我抵抗】を基準とした難易度1の回復判定に成功しなければなりません。ただし、この判定では【現在自我値】が修正値として扱われます。ですから、回復判定に挑戦するためには、【自我抵抗】による判定が可能な状態まで、【自我値】が回復している必要があります。
○発狂状態の治療
発狂状態になった場合は、【自我値】が元に戻っても症状は回復しません。この場合は、時間をかけて療養したり、術法による治療を受けるなどの処置を施す必要があります。
▼治療
心理学(専門:記憶/判断+精神知識)の専門分野を身につけていれば、狂気に陥った人の精神治療を試みることは可能です。しかし、心の領域に関する学問分野はまだ知見が浅く、判定に成功しても必ず治るとは限りません。
◇難易度
治療の難易度は、【現在自我値】が−【自我値】を下回った分となります。これは発狂状態に陥った際の【自我値】を基準として下さい。たとえば、【最大自我値】が15のキャラクターが−18まで【自我値】を減少させた場合、治療の難易度は3に設定されます。◇修正値
【現在自我値】がマイナスとなっている場合、治療に関する判定にはその分の修正を受けます。◇治療期間
治療期間はGMが設定して構いませんが、通常は1か月おきに治療判定を行えるものとします。判定に成功した場合は治療の難易度が1減少し、難易度が0まで下がれば発狂状態を脱したことになります。
ただし、治療の期間中に【自我値】が減少し、再び発狂判定を行うような条件が生じた場合は、それまでの治療による効果は全て失われてしまいます。改めて治療を試みる時は、新しく設定された難易度が判定の目標となります。
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