概要
ログリア内海に面する国家で、古くから海洋貿易で発展を遂げてきました。呪震と呼ばれる変異現象が起こる地域で、地震が頻繁に発生することで知られています。領主貴族や富裕農民階扱の権力が強い国家で、貴族は支配階級として君臨しています。宗教的には特殊な位置づけにあり、法教会から分派したエリスファリア国教会という宗教を信仰しています。王は教主である教皇を兼任しています。
現在の君主は国王ラヴィアン1世で、女王シーリアネスの名とともに国内を統治しています。中央の結束はきわめて強固で、今のところはうまく地方の力を抑えています。特に女王が傑出した人物で、彼女の発言により昨年には新大陸エスティリオに向けて船を送り出しています。しかし、その利権問題に絡んで、ロンデニアを相手に小競り合い程度ですが戦闘を行なうことが多くなっています。
政治:全体/貴族主導の政治/身分制議会/民意は反映されにくい
:地方/自治体/方式は全国で統一
代表:国王
貴族:支配階級/地方自治体の最高責任者
騎士:存在/軍人(近衛騎士団に所属)
軍隊:国家が統括/常備軍
警察:国家が統括/通常形態
司法:国家が統括
宗教:エリスファリア国教会/高
教育:中
科学:中〜高
術法:低〜中
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基本情報
ログリア内海に面する国家で、古くから海洋貿易で発展を遂げてきました。呪震と呼ばれる変異現象が起こる地域で、地震が頻繁に発生することで知られています。
領主貴族や富裕農民階扱の権力が強い国家で、貴族は支配階級として君臨しています。宗教的には特殊な位置づけにあり、法教会から分派したエリスファリア国教会という宗教を信仰しています。
▼国号
正式名称はエリスファリア王国となり、国王を頂点とする国家です。▼国旗
コバルトブルー、白、コバルトブルーで三分割された横縞の地の中央に、王家の紋章が描かれています。紋章は国教会の象徴である十字架型の剣が中央に配置された白い楯と、その両側に立った黄金の獅子が向かい合うように描かれたものです。▼統治
国王ラヴィアン1世と女王シーリアネスの名のもとに統治されています。中央の結束はきわめて強固で、今のところはうまく地方の力を抑えています。▼貴族
支配階級であり、強い権限を持っています。領主貴族は1つの自治体を統括する存在であり、無領地貴族は官僚として働いています。なお、この国では近衛騎士団に所属する者だけが騎士と呼ばれています。▼首都
ペドナー地方にあるフィアンリー市です。この国では例外的に呪震が一度も起こったことがなく、中心部には高い建物もつくられています。
○現況
国王ラヴィアン1世と女王シーリアネスの名のもとに統治されています。中央の結束はきわめて強固で、今のところはうまく地方の力を抑えています。特に女王が傑出した人物で、彼女の発言により昨年には新大陸エスティリオに向けて船を送り出しています。しかし、その利権問題に絡んで、ロンデニアを相手に小競り合い程度ですが戦闘を行なうことが多くなっています。
○民族
▼マイリール人(白人)
金髪碧眼の白人で、古くにこの地方に移住してきた民族です。全人口の80%以上を占めています。▼アデン人/レグラム人(黒人〉
黒髪に黒い瞳の黒人で、奴隷としてこの地に連れて来られた者たちです。全人口の10%ほどの割合を占めます。▼その他
ルワール由来のカリスト人やジグラット由来のカイン人、また黄人の少数民族など幾つかの民族が存在しますが、全人口に占める割合は10%以下となります。
○宗教
エリスファリア国王を教皇とする、エリスファリア国教会を信奉しています。エリスファリア国教会は聖歴679年に法教会から分裂した宗教機関で、エリスファリアでのみ信奉されています。国民はすべて国教会の信者とされ、それ以外の信仰を認めておりません。信者のことは国教徒と呼び、国教徒以外の者は公職につくことが許されません。
○科学・教育
高い教育水準を誇る国家で、エルモア地方では先進国の1つに数えられます。しかし、高度な教育を受けられるのは貴族や資産家の子弟に限られ、農村では初等学校が存在しない地域も多く、識字率も低いのが現状です。
○産物
▼農産物
小麦、とうもろこし、豆類、ブドウ、柑橘類▼鉱産物
石炭、鉄、マンガン、銅、鉛、ボーキサイト、雲母、石灰石▼その他
牛、羊毛、酪農産品、造船、塩、ブロン染め
○交易
ログリア内海を通じた海上交易を主体としており、東部の沿岸域では造船業が盛んでした。古くからペルソニア大陸との交易も行われており、現在では新大陸エスティリオへの長距離航海を目的とした大型霊子船も開発されています。
○交通
他国と同様に主な交通手段は馬車であり、道路事情が悪いために自動車は殆ど普及しておりません。また、鉄道はわずかに一部地域で利用されるだけで、その殆どが資材運搬用です。これは貴族の反発ばかりではなく呪震によるところが大きく、今後も普及は殆ど見込めないでしょう。なお、海上のみならず国内の輸送には船が頻繁に利用されており、そのための運河も幾つか建設されています。
○亜人
南西部にある亜人地帯と呼ばれる地域周辺では、まれに亜人の姿が目撃されることがあります。しかし、殆ど人が近づくことはないため、どのような種類の亜人が存在するのかは詳しく確認されていないようです。
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国土
○概要
エルモア地方の南東部に位置する国で、隣国にはルワール、カイテイン、ジグラットの3国があります。ただし、北の国境にはレッドグレイブ山脈があり、カイテインとの交通を阻んでいます。また、ジグラットとの国境にはサイルハッド山脈がそびえています。国土東部は全面がログリア内海に接しており、漁業や養殖、海上交易などが盛んです。北東部の沿岸線は複雑に入り組んでいる場所が多く、南へ行くに従ってゆるやかになってゆきます。
国土全体は温帯に属しており、平野部も山岳部も広葉樹が多く見られます。一般に夏期は高温で冬期は寒冷な大陸性の気候となります。夏の平均気温は20度ほどですが、晴れの日と曇天・雨天の日との気温差が極端で、晴れの日の最高気温は30度近くにのぼります。昼間と夜間、日なたと日陰の気温差もかなりあります。紅葉は9月中旬ぐらいにはじまり、ブドウの収穫もこの頃に行われます。冬は0度近くに下がりますが、低地ではあまり積雪は見られません。
海岸地方は暖かい湿潤な冬と乾燥した夏を特徴とする、ログリア内海型気候となります。これは一般にアリアナ海型気候と呼ばれているものと同じで、年間を通じて非常に過ごしやすい条件が整っています。夏の暑い時は20度後半ぐらいまで気温が上がりますが、乾燥しているので暑さはそれほど感じませんし、晩秋までは穏やかな気候が続きます。冬は平均気温が5度ぐらいで、少し肌寒いぐらいの気温となります。
▼北部
北端にはレッドグレイブ山脈があり、カイテインとの交通を阻んでいます。この付近は石灰質の土地で、カルスト地形になっています。海側は複雑に入り組んだ海岸線が南にのびており、そこからの見事な景観は有力な観光資源となっています。
▼南部
ジグラットとの国境にはサイルハッド山脈があり、そこから北に向けてゆるやかに傾斜しています。山あいに盆地が点在し、地勢を生かした酪農、畜産、林業が盛んに行われています。
そこから北に行くとミースカント川流域となる平野が広がっており、古くから穀倉地帯が開けてきました。海側では漁業、養殖などが盛んに行われており、大きな港が多数存在します。
○地図
○要所
▼レッドグレイブ山脈
北部の国境全域を覆う大山脈です。高い山々が隙間なく並んでおり、カイテインとの交通を完全に阻んでいます。
▼サイルハッド山脈
ジグラットとの国境付近にそびえる山脈で、中央部には4000m近い山々が立ち並んでいます。山々の間には網の目のような水脈が形成されています。一般にエリスファリア側にある山を北サイルハッド、ジグラット側に含まれる場所を南サイルハッドと呼んでいます。
▼ミースカント川
ヴァンペルト山脈から発し、ログリア内海まで続く長河川です。主に国内南部に広がる平野を潤しております。
▼「蜘蛛の巣」森
オーランド市の南西部に広がる森林で、複雑に絡み合った木々の梢が森の上空を覆っていることから、このように呼ばれています。この森には有用な薬草がたくさん生えています。
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変異現象
特に呪震と呼ばれる変異現象が有名で、古来より人々に大きな被害を与えてきました。
○呪震
呪震と呼ばれる地震現象が起こります。この呪震が一般的な地震と異なるのは、非常に局地的なものであって、その範囲は地割れでくっきりと切り取られ、そこから1歩外に出ただけでも何の影響も受けないということです。都市は比較的、呪震の起こらない地域につくられていますが、過去に二度起こった大呪震は死傷者合わせて2万人を超えるほどの大規模なものでした。この経験から、エリスファリアの建物はほとんど階が低くつくられています。また、呪震の影響で道路状況も悪く、自動車などの新しい交通機関は普及しにくくなっており、大規模な輪送は主に海や河川を利用することになります。同様に、軍も戦車を利用することができず、いまだに中心戦力となるのは騎兵や歩兵隊となります。
○立ち枯れの庭
これは植物が原因もな く急速に枯死するという現象です。かつてこれが広範囲で起こった時には、たくさん餓死者が出ることとなりました。国内の全域で起こるものですが、多くは数m四方の小さな範囲に限られます。
○その他
▼魔風
リーベルバーム地方の南部にあるマルボルグ山の近くで起こる現象で、悪魔の風、魔女の風、疫風などと呼ばれることもあります。マルボルグ山から吹く黒煙のような粉が混じった風に触れると、少しずつ獣や悪魔のような姿に変異してゆくというもので、古くからこの付近には人はあまり住んでおりません。この現象の恐ろしいところは接触によって感染することで、伝染病の一種ではないかと考える医師も稀にいます。
▼黒肌病
北方で起こる風土病とされていますが、実際には変異現象によるもので、治療法は全く確立されておりません。その名の通りに肌が黒ずむ病で、やがて皮膚がカサカサになって剥がれ落ちてゆきます。強い痒みに襲われるだけですが、触れると皮膚が落ちるので掻くことも出来ません。
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文化・生活
エリスファリア人は東西で性格が異なっており、東部がわりと開放的で自立心や探求心に溢れる人々が多いのに対して、西部は保守的で排他的な傾向があると言われています。
○呪震
▼建物
呪震が頻繁に起こる土地柄であることから、建築に関する技術は非常に優れており、建築家のステータスも高いものとなっています。なお、揺れに耐えるため建物は堅固で、階数は低くつくられています。▼ルーフランナー
エリスファリアの都市のほとんどでは建物が低くつくられているため、つながった屋根の上を通路として使う者が現れました。これが通称ルーフランナーズと呼ばれる少年ギャングたちで、彼らはその身の軽さをいかして屋根を逃走経路に利用しています。中でもオークハイムのハウィン兄弟がひきいるハヤブサの尾が有名で、彼らは屋根の上で盗品を投げ合って、大人たちの追跡を巧みにくらまします。▼復興基金
呪震のために人々の間には助け合いの意識が強く、共同して地域を復興するというのが当たり前の感覚となります。そのため、古くから復興資金としてお金や物資を出し合い、相互に助け合うということが行なわれています。
○食べ物
酪農が盛んな国であり、料理にも牛乳やバターがふんだんに使用されます。主食は乳と小麦を混ぜてつくるミルクパンで、それにたっぷりのバターをつけたりチーズをはさんで食べます。家庭料理としてホワイトシチューやグラタンがよくつくられますし、堅くなったパンはミルクスープにつけて食べたりします。また、お茶にもバターと塩を入れる習慣があり、ティーケーキといわれる一口大のケーキが添えられます。もちろんこのケーキにもふんだんにバターや牛乳が使われています。
▼酒類
酒にも乳練酒というミルクを混ぜて発酵させたものがあります。これはやや粘性のある甘い酒で、疲労回復に効果があるといわれています。
▼ヨーグルト
高原地方ではヨーグルトが毎朝のように食べられています。また、食べるだけではなく化粧品(パック用)として用いる場合もあります。
○異端審問
国教会の聖職者が行うもので、変異現象の影響にさらされた人間も異端狩りの対象となります。国教会では抵抗すれば殺害もやむを得ないものとされており、妨害した場合にも罰金が科されることがあります。異端狩りは聖職者が懐を潤すために利用される場合が多く、一般市民を異端扱いして没収した財産を懐に入れたり、脅して賄賂を要求するといったことが頻繁に行われています。
▼異端審問所
各地にある異端審問官たちの詰め所ですが、隠し部屋の中では拷問が行われたりしています。別名を魔女の館とも呼ばれており、昔から人々に恐れられています。
▼証明書
異端審問所では異端ではないという証明書を発行しておりますが、これによって得られた収益も聖職者の懐に入っています。
○その他
▼庭園文化
この国では、貴族や富豪の間でツリーアートという芸術が長く流行しています。これは庭木をドラゴンや建物などの形に刈り取って、中にランプをつるす贅沢なもので、高価な家具や洋服のような一種のステータスシンボルです。というのは、この国では立ち枯れの庭現象が起こるため、こういったいつ無駄になるかわからないことに多額の金銭をかけられるのは、逆に裕福であることの証明になるのです。
▼愛玩犬
エリスファリアには犬好きの人が多く、品種改良によって様々な種類のものが生み出されています。これには庭園文化の発達も関係しておりますが、もともとは貴族が狩りに連れてゆく犬の見栄えを競ったことから、このような文化が発展したと考えられています。
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人物・集団
○組織・集団
▼ルーフランナーズ
屋根の上を逃走経路として使う少年ギャングの総称です。▼ハイランダー
サイルハッド山脈に住む人々で、縄張り意識が強い閉鎖的な社会を形成しています。狩猟を主として生活を送っています。▼「破滅の紫」大隊
ロンデニア海軍と並ぶ屈強な海兵隊で、紫の騎士が統括しています。▼国教崇敬氏族団
エリスファリア国教会の教会親衛隊(信者による教会支援組織)の1つで、北部のテンダーウィル地方で活動しています。これは幾つかの教会の信者によって形成される団体で、教会親衛隊の中でも大きな規模の集団となります。有力な5つの富豪一族とその分家を中心としているため、領主貴族でさえ無視できない勢力となっており、一般の人々にも煙たがられています。▼マール流星船団
マール海運会社が保有する一部門で、霊子機関を搭載した高速船による特別輸送を請け負っています。彼らが保有する船は、「海賊であろうが変異体であろうが、追いつけなければ全くの無力」というコンセプトのもとに開発されたものであり、実際にエルモア地方最速を誇ります。その分、コストパフォーマンスは最悪となり、通常の3倍以上の輸送費を請求されますが、損失があった場合は全面的に保証するという契約を結んでおり、実際に被害に遭った経験もありません。そのため、速度と安全を求める客たちに好評で、現在も予約は一杯になっています。しかし、このせいで海賊たちも意地になってこれを追い回すという事実があり、船を大型化して武装を強化する計画もあるようです。▼ログリア高速船艇団
マール流星船団に対抗意識を燃やす道楽者たちが結成した海上暴走集団です。そのメンバーは地方の富裕層や趣味人たちが大半で、彼らは優秀な科学者たちを国内外から集めて高速船をつくらせ、マール流星船団を追い抜くことを目的に海を突っ走っています。結果は今のところ全敗ですが、そのことがまた彼らの魂に火をつけるらしく、現在も賑やかに工房での改造作業にいそしんでいます。▼ログリア周遊汽船
海賊になりきってログリア内海のクルージングを楽しもうという、独自の企画で観光業界に売り出そうとしている海運会社です。実際の海賊と間違われないよう、由緒正しい古典スタイルの海賊船を装っており、運航速度も非常にゆっくりとしたものとなっています。しかし、本物の海賊に襲われる可能性もあるため、武装は充実しているようです。▼ログリア海洋交易団
カーカバートに存在する架空の交易会社で、その実体は他国の貿易船を狙う海賊組織です。これは海賊に扮して競争相手を潰そうという、カーカバートにある貿易会社の共同出資による計画で、ログリア周遊汽船はその隠れ蓑として使われています。また、この存在を知るカーカバート市が、市の権益を損なう恐れのある相手を襲うために、これを利用する場合があります。
実際に観光船として登録されている船舶の中には、最新鋭の高速船と兵器を偽装したものが紛れています。これらは定期整備と偽って出航し、洞穴に隠して設置したドックでカモフラージュを取り去り、海賊として仕事を行うのです。時には疑いの目を向けさせないため、ログリア周遊汽船の観光船を相手に小規模な争いを演じてみせることもあります。
○人物
▼国王ラヴィアン1世(男/35歳)
話術に優れた国王で、立ち回りのうまさは天才的といえるでしょう。進歩的な母セリーナの思想を受け継いでおり、新しいものを積極的に取り入れる柔軟さを持ちます。▼女王シーリアネス(女/30歳)
先見性のある聡明な女性で、うまく国王を補佐しています。周囲の反対意見を押し切ってエスティリオへの入植を決定したのもこの女王です。▼ジェレミナ(女/27歳)
もとは国王の鑑賞奴隷でしたが、現在はオーランドの郊外の別荘で暮らしています。国王との間に子供が1人います。▼混血王子ヘンドリック(男/9歳)
国王の隠し子で、赤人の鑑賞奴隷ジェレミナと間にできた子供です。国内で乱れが起こるとすればこの子が唯一の原因となるでしょうが、彼の存在を知る者は国王とジェレミナ、そしてその世話係の者たちに限られています。▼ルーカス=ハウィン(男/14歳)
ルーフランナーズの中でも最大のグループ、ハヤブサの尾のリーダーです。勝ち気でひねくれた考え方をします。▼リュード=ハウィン(男/12歳)
ルーカスの弟で、非常に知恵のまわる少年です。人を欺くことが大好きで、特に警察官を引っかけては笑いものにしています。▼屋根の上のリュナン(男/12歳)
ハヤブサの尾と対立している煙突掃除の少年です。明るくて前向きな性格をしており、それがハウィン兄弟の気に障るようです。音楽が好きで、よく屋根の上にのぼってハーモニカを吹いている姿を見ることができます。▼ルン=ルクス(男/32歳)
ころころした小男で愛嬌のある顔立ちで、おしゃべり狸というあだ名があります。その小柄さを活かして、普通は子供しかできない煙突掃除夫をしています。キャリアから非常に信頼はあるのですが、煙突掃除夫の例にもれず肺を患っています。
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