影響の回避
キャラクターは外部から何か作用が与えられた場合、肉体や精神に影響を受けることになります。
○影響度
影響度というのは、外部から受ける影響の大きさを表わす数値で、抵抗判定などを行なう場合の難易度として扱われます。影響度が設定されるような作用には、毒物や精神的ショックといったものがあります。
・種類:薬物、病気、精神的ショック、怪物の特殊能力、霊的作用...etc.
▼表記
影響度はそれぞれ、薬物影響度や心理影響度といった具合に表記されます。データ上では単に影響度と書かれることもあります。
▼判定
影響度を難易度とした判定を行ないます。その結果、達成値が影響度以上となった時は何も影響を受けず、達成値が影響度を下回った場合は何らかの効果が表われることになります。
▼減少効果
病気に対する特効薬のように、特定の影響を抑制する作用を持つものもあります。この抑制作用の大きさもまた、影響度で示されます。このような影響度は、その数値の分だけ対象となる影響度を減少させる効果を持ちます。相互に影響を与える場合は、それぞれの影響度が減少することになります。
○対抗判定
何ものかの行動によって影響を受ける場合は、対抗判定を行なって結果を決めます。たとえば、何者かが武器による攻撃を行なった場合は、攻撃判定と回避判定で対抗判定を行ないます。そして、攻撃側が勝利すればダメージを受けることになり、回避に成功すれば傷を負わずに済むことになります。つまり、この場合は能動側の達成値が、影響度として作用するということです。
・種類:攻撃、術法、怪物の特殊能力...etc.
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ダメージ処理
耐久値に受けるダメージも、キャラクターが受ける影響の一種となります。ダメージの基本的な処理方法は、以下のように行なって下さい。
○耐久値
耐久値には【精神値】【自我値】【生命値】の3種類があり、以下のような影響によって減少が起こる可能性があります。
◆耐久値
種類 影響 精神値 術法など霊的な力を用いた場合に、規定のポイントだけ減少することになります。また、霊的な影響が外部から与えられることで、ダメージとして数値の減少が起こる場合もあります。 自我値 自我を危うくするような影響によって変動するもので、主に恐怖によるダメージを受けた場合に減少が起こります。減少の度合いによっては、キャラクターが発狂してしまう場合もあります。 生命値 キャラクターの生命力を表わす数値で、傷を負ったり毒の影響を受けるなどした場合に減少が起こります。
○ダメージの種類
ダメージの大きさに関わる要素には、威力と強度の2種類が存在します。
▼威力ダメージ
武器を振り回す力や落下の勢いなど、回避や抵抗などの判定によって減少できる要素は、全て威力ダメージとして設定されます。たとえば、攻撃判定の達成値や毒性の強さといったものが、これに分類されるダメージとなります。
◇ダメージ減少
威力ダメージは影響の強さを示す数値であり、回避や抵抗の判定を行なう際の難易度としても扱われます。つまり、防衛手段として行なわれる判定で、威力ダメージ以上の達成値が出た場合は、その影響を完全に防いだことになるわけです。また、回避や抵抗に失敗した場合でも、防衛側の達成値の分だけ威力ダメージを減少させることが可能となります。なお、減少後のダメージのことを、ルールでは差分ダメージと表記することもあります。
▼強度ダメージ
酸による影響や武器固有のダメージ量など、判定によって減少できないダメージは、強度ダメージとして設定されます。
◇ダメージ減少
強度ダメージを防ぐためには、回避/抵抗に成功して対象との接触自体を回避するか、防具などに設定される防御力で防ぐしかありません。
○判定方法
ダメージ決定の基本処理は以下のようになります。
▼影響手段の選択
特定の対象にダメージを与えるためには、毒や武器などの影響を与える存在を、どのような手段で相手に接触させるのかを指定しなければなりません。
これには様々な手段があり、たとえば自我値の減少を引き起こす恐怖であれば、相手に姿を見せることでダメージを与えることが出来ますし、誰かを殴る場合であれば攻撃判定を行なって、相手に威力をともなった打撃を加える必要があります。この他、罠として弓矢などの仕掛けを設置したり、ダイナマイトや手榴弾を相手に投げつけるなど、色々な方法が考えられるでしょう。
当然のことですが、接触手段が適切でなければ、その影響によってダメージを受けることはありせん。たとえば、酸や炎であれば触れるだけでダメージを負うことになりますが、自ら武器に軽く触れるだけで有効なダメージが与えられることはないのです。
▼防衛手段
被害を避けるために行なう判定は2種類あります。通常、これは攻撃手段によって自動的に選択されます。
◇接触の回避
ダメージを与える対象との接触を回避することで、その影響から完全に逃れたり被害を軽減することが可能となります。回避によってダメージを防ぐためには、影響度を目標とした判定に成功するか、相手との対抗判定に勝利する必要があります。◇影響への抵抗
回避できない類いのダメージを防ぐためには、肉体の抵抗力などによって影響に耐える必要があります。たとえば、生命力によって毒物の影響を免れたり、心を強くもって恐怖に打ち勝つといった具合です。この場合も接触の回避を試みる時と同じく、ダメージを防ぐためには影響度を目標とした判定に成功するか、相手との対抗判定に勝利しなければなりません。
▼判定結果
◇成功
回避や抵抗の判定を行なった結果、達成値が影響度以上となったり、相手との対抗判定で勝利していれば、影響そのものを防いだことになります。この場合は一切のダメージを受けることはありません。◇失敗
回避や抵抗の判定に失敗した場合は、定められた分だけのダメージを受けることになります。
▼ダメージの計算
◇威力ダメージ
その影響が威力ダメージを与えるものであれば、回避や抵抗の判定結果によってダメージが変動します。この場合は、影響度あるいは攻撃側の判定達成値から防衛側の達成値を引いた値が、差分ダメージ(実際に受ける威力ダメージ)として扱われます。判定の結果、差分ダメージが0以下となった時は、その影響を完全に防いだことになります。◇強度ダメージ
強度ダメージは固定値として扱われるもので、防衛側の判定結果によって減少することはありません。回避や抵抗に失敗した時点で全ダメージを受けることになります。◇合計ダメージ
武器による攻撃などは、威力と強度の2種類のダメージを与える影響です。この場合は、差分ダメージに強度ダメージを加えた値が、耐久値から減少させるダメージということになります。
このようなダメージを防ぐ場合は、まず威力ダメージを難易度とした判定を行ないます。この結果、回避や抵抗に完全に成功していれば、影響そのものを防いだことになりますので、強度ダメージを受けることはありません。・耐久値の減少=[差分ダメージ+強度ダメージ]
◇ダメージ防御
防具などの適切な防御手段があれば、指定されたポイントだけダメージを軽減させることが可能となります。これは威力ダメージにも強度ダメージにも有効となるもので、固定されたポイント分だけダメージを確実に減少させることが出来ます。
○効果値
影響を与える側が判定を行なわないような類いのダメージは、ルールでは効果値として表現されます。たとえば、爆発物や落下によるダメージなどが、効果値として表わされる影響となります。また、術法や怪物の特殊能力の中にも、効果値でダメージが示されているものがあります。基本的なルールな処理は、相手がいる場合の判定と全く同じとなります。
▼表記方法
効果値は[威力ダメージ±追加ダメージ]の形で表記されます。たとえば威力ダメージが8で追加ダメージが+4の場合は、効果値8+4となります。威力ダメージだけの場合は、効果値8±0と書かれます。データ上で記述される場合も、常にこの形式で示されることになります。▼威力ダメージ
相手がいる場合と同様に、威力ダメージは回避や抵抗によって減少できる要素であり、影響を防ぐための判定の難易度として扱われます。これ以上の達成値が出れば完全に影響を防いだことになり、一切のダメージを受けることはありません。達成値がこれに充たない場合は、[威力ダメージ−達成値]分のダメージを受けることになります。▼追加ダメージ
回避や抵抗に失敗した場合に、追加で与えられるダメージとなります。主に追加ダメージとして扱われるのは強度で、たとえば落下時であれば地面の固さが追加ダメージとして扱われます。これがマイナスで示されるものは、基準よりも影響が少ないことを意味し、威力ダメージを減少させる効果を持つことになります。▼ダメージ減少
通常と同様に、防具などの適切な防御手段があれば、その分だけ耐久値に与えられるダメージを減少させることが可能となります。
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行動不能
○影響
▼一時的
キャラクターの耐久値が減少して0以下になった場合は、気絶など一時的に行動不能の状態に陥る可能性があります。▼半永久/永久的
キャラクターの耐久値が減少して、−耐久値(最大耐久値にマイナスの符号をつけた値)以下になった場合は、死亡や発狂などの状態に陥る可能性があります。
○影響の回避
行動不能の状態に陥る可能性がある場合は、各耐久値に関連する抵抗力を基準とした判定を行なって、状態が変化するかどうかを決定します。判定方法については、以降のページで詳しく解説します。
○判定の保留/破棄
以下の内容は選択ルールとなりますので、シナリオの内容や展開を考えた上で利用するかどうかを決めて下さい。
▼保留
アクションシーンなどで進行のテンポを落としたくない時や、すぐにキャラクターが死亡するような事態を避けたい場合は、そのシーンやイベントが終了するまで抵抗判定を延期しても構いません。状況に一段落ついた時点で、GMの指示に従って判定を行なって下さい。▼破棄
コミカルなシナリオを遊ぶ時などのように、重い雰囲気になるような結果を望まない場合は、死亡や発狂といった結果を無視して、抵抗判定を自動的に成功したことにして構いません。 死亡効果を持つ毒物や術法の影響を受けた場合でも、昏睡や行動不能という結果を適用することになります。
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