基本情報
○解説
鳩の時計塔の愛称で知られる時計台が見下ろすこの地域は、市役所などの公共の建築物が集中する、サリュンティル市の政治の中心地です。オフィス街も近いことから、朝夕はスーツ姿の通行人でごった返しています。
▼分類
・大時計通り:
商業地
観光地
住宅地(中上層〜中層)
・中央通り:
商業地
住宅地(中上層〜中層)
・雲間通り:
主に住宅地(中上層〜中層)
・小鳩通り:
公共施設(官庁街、広場)
商業地
住宅地(中上層〜中層)
・守人通り:
住宅地(中上層〜中層)
商業地
公共施設
▼大時計通り
時計塔へと続く大通りで、道幅はかなり広いのですが、背の高い建物が並んでいるためか、少し狭苦しい印象を受けます。通りの西側には時計、ミシン、機巧人形、計算機械など、機械を取り扱う店が多く並んでおり、近くには技師や職人たちが住んでいます。
▼中央通り
中央公園の北側を走る大通りで、飲食店、書店、楽器店、雑貨屋など、様々な店が並ぶ商店街となっています。裏通りの方には住宅街が広がっており、役所や新聞社で働く知識人や学生などが多く住んでいます。
この周辺はウィレット伯爵家による統治時代に、市の中心地として栄えた地域です。しかし、時代の変遷とともに繁華街は少しずつ街灯通りの方へと移ってゆき、聖歴770年に鉄道駅が出来てからは、商業の中心地からは完全に外れてしまいました。とはいえ、老舗の専門店も数多く残っておりますし、繁華街ほど道が混雑することもないため、のんびりと散歩をするにはちょうど良いコースとなります。
▼雲間通り
大時計通りと中央通りの間にある、やや裕福な中層市民の家が立ち並ぶ住宅街です。この一帯には役所や新聞社、あるいは学問院で働く者など、知識人層に属する人々が多く住んでいます。勤め人の家庭が多いため、朝夕は狭い道が非常に混雑します。しかし、昼間は全体に静かで、買い物に出かけたり立ち話をする主婦の姿が、ちらほらと見られる程度となります。
▼小鳩通り
鳩の時計塔と市役所の間にある道です。この周辺には市警察署、郵便局、裁判所などの建物が集中しているため、非常に治安のよい地域となります。
▼守人通り
警察署と消防署を繋ぐ通りであることから、このように呼ばれるようになりました。周辺は中上層市民の住む住宅街で、やや広い敷地を持つ一軒家が多く建っています。
先頭へ
施設・名所
○種類
▼公共
鳩の時計塔、術法協会/サリュンティル小支部、サリュンティル市役所▼一般
時計店「ホワイト・ピジョン」、輸入雑貨店「割れ鐘屋」、楽器店「音楽箱」、喫茶店「木琴亭」、ぬいぐるみ屋「ポワデル」、渡り鳩伝令所▼個人
花屋敷
▼鳩の時計塔
新しい市のシンボルの1つとして聖歴697年に建設されたもので、当初は単に大時計塔と呼ばれていました。後に、この塔に鳩が集まることから、鳩の時計塔の愛称で市民に親しまれるようになります。カタリナ正教会に次ぐ高さの建築物で、遠くからでも眺めることが出来ます。
時計塔の前には、彫刻家「エリヌーク=シアノ」の手による「平和の娘ルリューレ」像が置かれています。ルリューレの伸ばした手の上には、今にも飛び立とうと翼を広げた鳩が乗っており、彼女はその先の青空に向かって、希望と慈愛に満ちた眩しい笑みを投げかけています。・関連:マクマリエル=リパートン
▼時計店「ホワイト・ピジョン」
懐中時計サイズの可愛らしい鳩時計を、土産物用として販売している店です。しかし、中の機構は非常に細かく精密なものであり、お値段の方はとても可愛らしいとは言えない高級品となります。なお、こういった品の注文生産も行なっているため、高級住宅街の金持ちがオリジナルの仕掛け時計を注文しに訪れることもあります。
▼輸入雑貨店「割れ鐘屋」
時計塔のすぐ隣にある輸入雑貨店で、花瓶や置物といった室内装飾品を主に取り扱っています。昔は塔の鐘の振動で、よくガラスの置物などが床に落ちたりしていたそうですが、最近は万全の予防策を講じているそうです。
▼術法協会/サリュンティル小支部
魔法坂にある地方支部とは別に置かれている、サリュンティル市の小支部です。地方支部はティルノーブリア地方全体を担当しており、基本的には術法に関する情報の管理や、本部との連絡などを行なうだけの施設です。こちらは実際にサリュンティル市の術法師を管理したり、術法に関連する業務を手配する実務のための部署となります。
▼楽器店「音楽箱」
市で最も大きな楽器屋で、楽譜の品揃えも最高の店です。出張修理も受けつけており、サリュンティル市管弦楽団の御用達となっています。
この店の名前の由来は、店の中に大型のディスクオルゴールがあり、いつも美しい音色を奏でているためです。店主の「パベル=ウェラード」に頼めば、リクエストした曲をかけてくれるので、わざわざこれを聞くために訪れる人もいるようです。また、新たな店の呼び物として、動力式のストリートオルガンを発注しており、近々入荷する予定という話です。
◇貸しホール
この店の奥には、倉庫の一部を改装してつくった貸しホールがあります。壁は十分に厚いので、中で楽器を演奏を演奏しても、外には殆ど音は漏れません。・関連:サリュンティル市管弦楽団、思音会
▼喫茶店「木琴亭」
ふわりと広がるお茶の香りと、お菓子の甘さがいっぱいにつまった喫茶店です。シフォンケーキが特に絶品で、紅茶とセットで500エランとなっています。学校帰りの女学生たちが集まり、小鳥のさえずりのような声をさざめかせています。
▼ぬいぐるみ屋「ポワデル」
手作りのぬいぐるみを売っている、とても可愛らしい外見のお店です。ここはぬいぐるみの販売をするだけでなく、クリーニングや修繕も請け負っており、お気に入りのぬいぐるみを抱えた小さなお客さんが大勢やってきます。オリジナルのキャラクター人形「ジミー&ジニー」シリーズが人気で、麦藁帽子をかぶった少年ジミーとエプロンドレスの村娘ジニーのカップルは、童話作家「アジーナ=ドネリー」の絵本に登場することが決定しています。
▼サリュンティル市役所
時計塔の目の前にある黄褐色の壁の建物で、ここは古くはギルドホールとして使われておりました。市庁舎として用いられるようになったのは、聖歴659年に人民革命が終結し、新たな行政区としてサリュンティル市が誕生した時からとなります。平日の業務は朝9時から夕方5時まで行なっておりますが、土曜の受付は午前中のみとなり、日曜日は休みとなっています。
◇生活対策課
サリュンティル市役所に持ち込まれた苦情・相談のうち、他の部署には該当しない問題を解決するために設置された課です。非常に幅広い問題を解決しなければならず、クレームの規模や内容によっては法教会と合同で調査をしたり、術法師や何でも屋などに委託・外注が行われることもあります。
・関連:ウィード=マイヤー、エリアラ=ティアスン▼渡り鳩伝令所
メッセンジャーと届け物の宅配を請け負っている店で、人使いの荒いことで知られる女店主「ネリス=ミラルド」が経営しています。よほど人手が足りないのか、常時アルバイトを募集しているようです。ここは賃金はそれほど高くありませんが、身元がしっかりしていれば日雇いで働くことも出来るため、空いた時間を利用してアルバイトをする学生の姿がよく見かけられます。
▼花屋敷
守人通りの東側にある、「シュレード=ウッドロフ」氏の屋敷です。彼は貿易商人なのですが、仕事先で手に入れた草花を自宅に持ち込んで植えているうちに、いつの間にか庭は花畑になってしまいました。甘い香りを漂わせる色とりどりの花は、四季をとわず人々の目を楽しませてくれます。また、ここには国外から持ち込まれたの珍しい植物も植えられています。・人物:シュレード=ウッドロフ
先頭へ
人物・集団
○集団
▼思音会
熱心な音楽愛好家の集団であると同時に、ライラック歌劇団およびサリュンティル市管弦楽団の支援団体でもあります。その他にも、さまざまな音楽家や楽団との交流を持っており、国外から奏者を招聘して音楽会を主催したり、交流パーティを開いたりしています。
会合は中央通りにある楽器店「音楽箱」の貸しホールで行なわれています。なお、音楽箱の店長もこの会のメンバーであり、副会長を務めています。・関連:ライラック歌劇団、サリュンティル市管弦楽団、楽器店「音楽箱」
○人物
▼時計塔の鐘男 マクマリエル=リパートン
種族:白人 性別:男 年齢:24 職業:管理人/時計塔
居住:大時計通り 出身:サリュンティル市解説:学生街で雑貨屋を営む「エナス=リパートン」の息子で、住み込みで鳩の時計塔の管理人をしています。母親とは正反対で、非常に無口で不器用な性格ですが、若いながらも非常に優秀な時計技士です。サリュンティルの1日は、彼が鳴らす鐘の音で始まります。
一言:「…………時間か」
▼ナリアータ=サリファ
種族:白人 性別:女 年齢:15 職業:学生/クレア女学院
居住:大時計通り 出身:リムロック市解説:最近この街にやって来たばかりの少女で、クレア女学院に通っています。見栄っ張りの両親にいわれて、良家の出のフリをしていますが、実はまったくの成り上がりの庶民です。学校では懸命に猫をかぶっているのですが、そこかしこに粗雑さがかいま見えます。本人もそろそろお嬢様ごっこに疲弊しているようで、ボロが出るのも時間の問題でしょう。
一言:「いいんだ、ど〜せただの一庶民なんだから」
・関連:クレア女学院
▼アドホック=マイヤー
種族:白人 性別:男 年齢:42 職業:新聞編集者
居住:大時計通り 出身:トランウェリア市解説:ゴシップ紙「ピーピング・ホール」の編集者で、中央通りにあるサリュンティル支社に勤務しています。首都ペトルラーンの本社に勉めていた頃は、虚構作家と呼ばれるほどのでっちあげ記者で、10に1つも真実があれば良い方でした。しかし、編集者となった現在は、一転して記事のソースにこだわるようになっており、過去を知る者はひどく意外そうな顔をします。どうやら、以前に書いた記事によって、取材対象に大きな影響を与えたようなのですが、彼にそのことを尋ねても淋し気に笑って首を振るばかりで、何も話してくれません。
一言:「おい、こっちの記事どうなってんの!? もう、ギリギリなんだからさあ!」
▼夢色の菓子職人 カルロ=ベルナール
種族:白人 性別:男 年齢:28 職業:菓子職人
居住:中央通り 出身:アルティナート解説:チョコレート専門店「スイート・マジック」で働く、若手のチョコレート職人です。伝統的な手法を基本としながらも、新しい技法を取り入れたチョコレート創作にも情熱を注ぎ、数々の美しい芸術的な品をつくりあげています。彼のチョコレートは味はもちろんのこと、その造形も非常に魅力的で、若い女性への贈り物としても人気があります。
一言:「ええ、チョコレートには夢や希望がいっぱいに詰まっているんです」
▼市長 ウィード=マイヤー
種族:白人 性別:男 年齢:50 職業:市長
居住:大時計通り 出身:サリュンティル市解説:新しく市長になったばかりで、毎日とにかく張り切っています。元気が有り余っているのか、やたら新しいことに手を出したがる改革派で、少し派手好きのきらいはありますが、良い意味でサリュンティルに吹く新しい風になってくれることを期待されています。なお、今年の天恵祭(12月24日)には、ランプ通りで行なわれている星ランプ祭りを拡大した、雪ランプ祭なるものを計画しているようで、最近は予算と協賛団体の確保に駆け回っています。
一言:「どうですか、この街は? 素晴らしいところでしょう」
・関連:サリュンティル市役所
▼エリアラ=ティアスン
種族:白人 性別:女 年齢:19 職業:市役所職員
居住:竪琴通り 出身:サリュンティル市解説:サリュンティル市役所の広報課に勤務する、いま市役所で一押しのアイドルです。エリーちゃんと呼ばれて市民に親しまれており、窓口で可愛い笑顔を振りまいています。なんでも、今年の冬に開催される予定の、雪ランプ祭のキャンペーン・ガールに任命される予定らしく、今のうちに市民に広く顔を売っておこうと、市長は色々と画策しているようです。その1つとして、今年のミス・グラスベリー・コンテストに強制参加が決まっており、市長からはグランプリをとるよう直々のお達しがあったようですが、「狙って獲れるわけないじゃない!」と本人はちょっと憤慨している様子です。
一言:「我々は市民のよりよい生活のために、日々惜しまぬ努力を致しております」
・関連:サリュンティル市役所
▼シュレード=ウッドロフ
種族:白人 性別:男 年齢:41 職業:貿易商人
居住:守人通り 出身:サリュンティル市解説:花屋敷のご主人で、貿易品を抱えて国内外を走り回っています。仕事のついでに外国の花などを持ち込んで庭に植えているうちに、いつの間にか庭は花畑になってしまいました。夫人ともども植物好きで、たまの休みにはいつも庭の手入れをしています。ご近所にも庭で摘んだ花を配って歩いているので、この近隣は甘い花の香りで溢れかえっています。
一言:「花はいいですねえ。どうです、一束持っていきませんか?」
・関連:花屋敷
▼その他
・アドホック=マイヤー(白人/男/42歳/新聞編集者)
・セフィス=メイクロア(白人/女/35歳/図書館館長)
・アンソニー=ウィルバート(白人/男/22歳/新聞記者)
・グレーン=ルパード(白人/男/32歳/刑事)
・ダルト=ストール(白人/男/28歳/図書館司書)
先頭へ