術法判定

判定の基本精神耐久値術法変化技能


 

判定の基本


 術法を使用する時も通常の行為判定と同様の作業を行います。副技能(術法系統)の判定値を基準として判定を行い、サイコロをいくつか振ってこの値以下を出せば、術法は発動したことになります。術法を使用する時に用いる主能力値は必ずとなります。


○対象の認識

 基本的に、術法は認識している対象に必ずかかります。認識が正確でさえあれば、どれだけ小さいものであっても照準を外すことはありません。逆にいえば、認識を攪乱されてしまった場合は、正確に目標をとらえられない可能性があります。ただし、これは術の種類によっても異なりますので、詳しくは要素やタイプなどの項目や、個々の術のデータを見て判断して下さい。


○スタイル

 術法を使用するためには、精神を集中する過程が非常に重要となります。術法師たちはこの集中法を、術法を使用する時のスタイルとして選択しなければなりません。
 術法のスタイルは、術法系統や教える組織などによって異なります。呪文を詠唱する者もいれば、単に念をこらす者もいます。複雑な身ぶりをする場合もあれば、手で印を結ぶということもあります。様々な型を複合する人もいますし、宗教組織の聖印のように何かの物品を用いる場合もあります。ただし、最低でも精神を集中させる必要がありますので、それを妨害されると術法は発動できません。

・選択
 これらの型は術法データの習得条件、および個々の術法系統の説明に詳しく書いてありますので、そちらの方を参照して下さい。説明に何も書かれていなかったり自由となっている場合は、スタイルや道具は自由に設定してもらって構いません。また、教えられた時に決まったスタイルがあった場合でも、長い間に少しずつアレンジして、独自の方法を身につけることもあります。このように、自分のキャラクターに合わせたスタイルを追求してみるのもよいでしょう。

・妨害
 特定のスタイルを封じられた場合には、術法を使用することができなくなります。たとえば呪文を詠唱するというスタイルの場合、声が出なくなったり静寂をもたらす術をかけられた時には、術法を発動させることができません。このように術法のスタイルというものは、相手に知られた時には弱点となることもあります。

・準備時間の増加
 念を凝らすなど精神集中を主体とするスタイルを選択した場合、通常よりも1ラウンド余分に準備時間を要します。身振りや呪文など明確な連続動作を交えたスタイルの場合は、術の発動が遅延されることはありません。


○準備時間

 術法を発動するためには、術レベル×1ラウンド(5秒)の時間が必要となります。スタイルの選択によっては、さらに1ラウンドの時間がかかります。この間、術者は発動のために精神集中を行わなければなりません。

・判定
 術の判定は、発動準備を宣言してから準備時間が過ぎた時点で行います。

・その他の行動
 精神集中は能動行動扱いとなりますので、発動時間中に何か他の行動を行った場合は、集中が途切れて発動が出来なくなってしまいます。周囲から何か働きかけられたり、ダメージを受けたりした場合でも、回避や抵抗を行った時点で効果は途切れます。ただし、非常にゆっくりとした移動など、判定を必要としない行為を試みることは可能です。

・妨害
 精神集中を妨害された場合は、術のレベルを基準とした術法判定を行わなければなりません。この判定に成功すれば集中状態を維持することができます。
 妨害の程度によっては、判定値にマイナスの修正値が加算されます。話しかけられたり触れらたりした場合は−4、ダメージを受けたりした場合は、受けたダメージの分だけマイナスの修正を受けることになります。

・発動時間の短縮
 術法技能に個人修正値が割り振ってある場合は、その分だけ自動的に発動時間が短縮されます。また、1CPを消費することで、準備時間を1ラウンドずつ短縮することが出来ます。これは個別の術ごとに消費を行う必要があります。

・短縮発動
 術法変化技能の短縮発動を習得している場合は、精神耐久値を1ポイント消費するごとに、発動時間を1ラウンドずつ短縮することが可能となります。
 どれだけ時間を短縮するかの選択は、集中に入る前に行わなければなりません。集中状態に移行してからこれを変化させることは出来ません。


○術法の抵抗

 誰かに術法をかける場合、相手はそれに抵抗することができます。抵抗したい場合は、精神抵抗を用いた対抗判定に勝利しなければなりません。
 精神抵抗との対抗判定に勝利すれば、術者は相手に何らかの影響を与えることができます。この時、効果が固定されているようなものは完全に効果をあらわします。しかし、ダメージを与える術の場合は、武器を用いて攻撃する時と同様に、抵抗判定に成功すれば達成値の分だけダメージを減少させることができます。相手が抵抗しない場合には、術法の判定に成功しさえすれば効果は完全にあらわれます。


・範囲
 術法の効果範囲が広い場合は、その範囲内にいる全ての存在に対して効果が適用されます。この時、術者は1度だけ判定を行い、それぞれがこの達成値に対して対抗判定を行うことになります。

・発動の認識
 精神抵抗は術の発動を認識していなくても行うことができます。また、意識の有無にも関係ありませんので、寝ていたり気絶していても抵抗することができます。

・物品
 髪の毛などの生物の体の一部にかける場合でも、それは生物と見なして抵抗判定を行います。ただし、物体には抵抗力はありませんので、術法などで特別に抵抗力を付与されているのでなければ、抵抗されることなく術はかかります。


○魔力

 術を発動した瞬間は、術者の周囲に一瞬だけ魔力が発現します。これは目に見えるものではありませんが、霊感(一般:心+感応)や魔力感知の術などで感知できる可能性があります。

・術の認識
 術をかけられた側が霊感の判定に成功すれば、わずかですが悪寒のようなものを感じます。しかし、それが術法であると明確に判別することはできません。単に寒いだけか体調が悪いのだと思うのが普通でしょう。術法の可能性があるという発想が出るようになるには、何度も術を受けた経験がなければなりません。
 この経験については、プレイの中で実際に術をかけられた過去があるか、もしくは自分にかけるような術を習得していなければなりません。プレイヤーがそういった経験があると主張しても、GMはそれを認める必要はありません。


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精神耐久値


 術法を使用する際には、精神耐久値(気力と自我)を1点消費します。これは術の種類やレベルによらず一律です。消費は精神集中に入った時ではなく、術が発動する瞬間に行って下さい。

・消費の順番
 通常は気力の方から消費してゆきます。気力がマイナスになるような場合は、自我を消費しなければなりません。つまり、気力の最低値は0ということです。

・判定の失敗
 術法の判定に失敗したり発動の途中で精神集中が途切れた場合は、拡大などの程度にかかわらず全部で1ポイントの消費ですみます。

・制限
 キャラクターが自分の意志で消費できるのは、自我が0ポイントになるまでです。自我がマイナスになるまで術法を使用することはできませんので、その点に注意して下さい。


○消費による影響

・気絶
 術者は気力が0以上の時はまだ大丈夫ですが、自我にまでダメージが及んだ場合には気絶する可能性があります。この時は気絶判定となり、判断抵抗を用いた難易度1の判定を行わなければなりません。抵抗に成功すれば普通に行動できますが、失敗すれば即座に気絶することになります。この判定は自我が減少するたびに行ないます。

・発狂判定
 更に自我が減少して0以下になった時には、判断抵抗の値を用いた難易度1の発狂判定をしなければなりません。自我がマイナスになっていた場合は、その値が修正値となります。この判定に成功すれば発狂せずにすみますが、失敗した場合には精神が崩壊して狂人となってしまいます。この判定は、それ以後さらに自我にダメージを被る度に行って下さい。なお、この判定に成功しても、自我が0以下になった場合は必ず気絶します。

・限界
 ¥一度に気力の最大値を越えるダメージを受けた場合、すなわち一度に自我まで及ぶダメージを受けた時には、自我の値に関わらず、即座に発狂判定を行なうことになります。判定方法は通常の発狂判定と同じです。修正値の算出方法も変わりません。この判定に成功しても、気絶判定は行なわなければなりません。


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術法変化技能


 術法変化技能とは、術法の効果を拡大させるための補助技能です。これには空間変化、時間変化、回数変化、短縮発動、条件発動、複合発動、蓄積発動、術法停止の8種類があります。これらはあらゆる系統、あらゆる分類の術法の判定に用いることができます。


○使用方法

 術法変化技能は補助技能であるため、使用時に宣言すればどのように変化させるのかを選択することが出来ます。ただし、多くの場合は通常より余分に精神耐久値を消費しなければなりません。


○精神耐久値の消費

 術法変化技能を用いる場合、一度の判定に複数の技能を使用しても構いません。その際に消費する精神耐久値は、それぞれ余分に消費する分を個別に計算し、それらを最後に合計した値になります。たとえば、距離を2倍、効果範囲を3倍、さらに時間を2倍にしたとすると、2×3×2=12ではなく、2+3+2=7ポイントの消費となるということです。この点を間違えると自分が損することになりますので、忘れないようにして下さい。

・修正
 術法変化技能を使用する場合は、より高度な技術と集中力を必要とされるため、判定にマイナスの修正を受けることになります。耐久値を1点余分に消費するごとに、判定値に−1の修正を加えて下さい。たとえば、全部で6点消費するような使用法であれば、−5の修正となります。
 この修正値はラウンドを単位として計算するもので、1ラウンドの発動のすべてに科されることになります。発動判定を複数回行う場合は、それぞれ同じ分だけの修正を加えて判定を行って下さい。


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