特殊警察官
これらは国家や地域によって存在したりしなかったりします。GMがシナリオで必要だと思った場合は、部署や組織形態などについて自由に設定して下さい。
○武装警察官
警察官にもいくつか特殊な部署に所属する人々がいます。暴動を鎮圧したり、あるいは凶悪犯と格闘するために特別に訓練された武装警察官というのがそれです。武装警察官は平時は訓練に従事しており、一般の警察官が解決できない非常事態に遭遇した時に、要請があって初めて任務につきます。
しかし、為政者の影響力が強い地域では、独断で武装警官を動かすこともあるようです。国家や地域によっては、武装警官がその権威をかさに着て、警察官にあるまじき行為に及ぶこともあります。
○広域捜査官
広域犯罪に対応するための捜査官で、さまざまな犯罪事件を取り扱います。しかし、それほど権力があるわけでもなく、警察組織は縄張り意識も非常に強いので、行く先々で苦労することになります。出向した先の警察署で署員の手を借りるよう要請もできるのですが、1〜2人の警察官を貸し出されて終わることも少なくありません。
○騎馬警官
近年広まりつつある乗用機械を利用した犯罪や、街道に出没する強盗などに対応するための警官です。ただし、警察組織はそれほど潤沢な予算があるわけではなく、あくまでも騎馬での移動が主体となります。いかなる国家でも、自動車などを用いることができるのは、秘密警察だけとなります。
先頭へ
秘密警察官
正式には特命警察官といいますが、秘密警察官というのが一般的な呼び方です。その形態は国家によって異なり、一般社会には職務内容を知らされておりません。国家によっては、捜査を第一優先するためのやむを得ない処置として、存在そのものが秘匿されている場合もあります。
主な職務は政治犯相手の捜査ということになりますが、その他にも国益に反する行為、並びにそれに類する行為に対して、強制的な捜査権を与えられています。これには身柄の確保(誘拐)、警告(脅迫)、証拠品の強制押収(窃盗、スリ)、手紙の検閲、住居侵入、尾行、書類の一時差し替え(文書偽造)、潜入捜査(身分詐称)などの、あらゆる手段が含まれます。時には犯罪証拠を捏造するなど、強引な手段で容疑者を連行したりもします。
為政者との結びつきも強く、秘密警察官が何か問題を起こしても、すぐにもみ消されてしまうことも珍しくありません。つまり秘密警察とは、法の側に立った犯罪者集団、あるいは政府の密偵とも言うことができるでしょう。実際、彼らによって集められた情報というのは、毎日のように内閣や官僚たちに報告されているのです。
その任務は他の警察組織に対して優先権をもち、通常の職務に割り込んで警察官の労働力を借り受けることもできます。また警察組織の中では、同じ階級でも一階級上の扱いを受けます。軍部への繋がりもあったりするようです。こういったことも含めて、秘密警察は人民はもとより同じ警察組織の中でも煙たがれています。
秘密警察官はその任務の性格上、非常に特殊で高度な訓練を受けています。活動は警部あるいは警部補をリーダーとする少人数(通常は3〜8人くらい)の班を単位に行い、上層部の命令を忠実にこなします。通常の警察に比べて資金は恵まれているようで、装備も充実しているのが普通です。国家によっては、自動車などの新しい交通機関を利用する場合もあります。
先頭へ
その他
○臨時警察官
臨時警察官というのは、正式な警察組織の一員ではありません。あくまでも人員不足のために臨時に雇われているだけであり、捜査権や逮捕権を一時的に与えられた一般人なのです。通常は保安官と呼ばれています。臨時警察官の身元は警察が貸与するバッジや手帳などで証明します。これ以外に物品が支給されることはまれで、武器なども自前で準備しなければなりません。
○準警察官
準警察官というのは教育途中にある警察官を指す言葉です。先進国家では警察学校を整備していますが、どうしても人手が足りない場合は、教育期間にある警察官を臨時警官として登録して対応します。
○行政査察官
犯罪以外の対象にも捜査が行われることがあります。行政査察がこれに当たり、行政関係の法令に従って立ち入り調査や規制を行うことができます。この際、査察官には警察権が与えられており、行政警察として捜査を行う権限を持ちます。たとえば、税務局員が疑いのある企業などに対して強制調査を行ったり、関税局員が密輸入などを取り締まるといった具合です。ただし、これは司法警察権限とは異なるものであり、その権限を越えてまで調査を行うことはできません。職務質問などは司法分野の警察権になるので、査察官がこれを行っても強制力は持たないのです。
○自警団
地方や政情が不安定なところでは、自警団が巡回警備を行っている場合があります。自警団の団員は一般市民ですので、捜査権や逮捕権があるわけではありませんが、現行犯での逮捕は認められています。大きな村では5人1組くらいが交代で詰め所に待機しますが、小さな村では1〜2人くらいがせいぜいで、有事でなければ全く待機していないこともあります。
実際の自警団の仕事というのは殆どが雑務であり、よほどのことがなければ犯罪に関わることはありません。酔っぱらいや行き倒れの保護、防火のための見回り、あるいは落とし物の預かりといった仕事がせいぜいとなります。しかし、何か事が起こった場合は地域の男手を集めて、警備や山狩りなどに出向くことになります。強盗事件などが発生したり、クマやオオカミといった動物が町中に出没した場合は、悠長に警察官の到着を待っていられませんから、彼らが武器を持って戦うこととなるのです。
こういった状況で過剰防衛などの問題が起こった場合でも、司法当局の側でも事情を把握しているので、大抵の場合は法に抵触しない自衛行動として無罪になったり、わずかな罰金で見逃してもらえるのが一般的です。
先頭へ