怪異


 


 エルモア地方で起こる怪異というのは、魔神の呪いによって引き起こされる変異現象の影響として処理されています。ただし、これらは原因を調べて分類したものではなく、結果が人間に悪影響を与えるものであったり、あるいは理解できないものに対して与えられる認識です。逆に、人間社会に対してよい結果をもたらすものであれば、変異現象の産物であったとしても、神の奇跡として讃えられます。こういったものは一般に、宗教組織の奇跡認定機関や異端審問裁判などで分類されるのです。


・実体
 しかし、実際には人間やその他の生物の意思が、これらの変化を引き起こすこともあるのです。願いと奇跡ルールもそうですし、霊体のようなものは恨みや強い願いによって生まれ出た存在なのです。
 意思が引き起こす奇跡/破滅のメカニズムは解明されておりませんが、精神的なものが引き金となって起こる現象は、精神的問題が解決されれば解消されることが多いようです。これらの問題を解決することも、シナリオの課題の1つとして設定できるものです。以下のような内容がその顕著な例として挙げることができます。
 これらをシナリオに用いる場合は、原因を特定するための調査が重要となるでしょう。しかし、調査そのものは複雑にしても構いませんが、原因自体は曖昧にするべきではありません。また、キャラクターの行動によって変化が起これば、より対処法について推理しやすくなるでしょう。


・憑依/精神融合
 生物に他者の精神が憑依したり、あるいは人間の精神同士が融合することがあります。これは、いわゆる魂といった精神の本体ではなく、単なる思考方法であったり、憎しみや悲しみといった一時的な感情である場合もあります。こういった現象を、霊や悪魔の憑依と混同してしまうことも多いようです。逆に、そもそも霊とはこういった存在ではないかという説もあります。
 なお、これらは実際に霊体や悪魔が取り憑いているわけではありませんので、術法で感知を行っても何者も憑いていないと判断されるでしょう。その結果、変異現象によって悪魔化する手前であるとか、あるいは精神的な病として処理されてしまうことになります。どのように判断されるかは、診断を行った側の職業や宗教的観念、あるいはその技術に左右されるでしょう。

・怪物化
 人間が怪物に変化してしまうことがあります。怪物といっても単なる獣になる場合もあれば、魔族などに変化してしまうこともあるようです。
 単なる奇形がこれと混同されてしまうことがありますが、多くは変異現象が原因となります。しかし、何か精神のゆがみが破滅を引き起こし、このような結果となる場合もあるので、決して治らないわけではないようです。ただし、こうなってしまった人間は変化を隠し通そうとしますし、また精神的にも追いつめられた状態にあるので、解決への道のりは非常に困難なものとなるでしょう。

・思念の具現化
 人間の思いこみや強い願い、あるいは漠然とした予感といったものが、物質的な存在や現象を生み出すこともあるようです。もちろん、それが人間社会に対して利益をもたらすものであればよいでしょうが、恐怖や憎しみによって生み出されたものであれば、確実に人々に対して害を与えるでしょう。


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