会話判定

判定の基本\状況修正\交渉\詐欺


 

判定の基本


 キャラクターは情報収集のために会話を行ったり、対話の中で自分の要求を通したりする機会もあるでしょう。そのような場合は、以下の手順で判定を行うことになります。


○人物

 ゲームの中の会話は、ほとんどの場合は何らかの目的があって行うものです。しかし、まったく知らない人と目的のある会話を行うことはありませんので、まずは何らかのきっかけが必要となります。知り合ったNPCからの紹介という手段もあるでしょうし、自分の所属している組織を頼るという選択もあります。

・ルート
 地域情報:地域知識(専門:知+記憶)や職業知識:業界情報(専門:知+記憶)などの技能を用いて、目的の人物に対する知識を得ることが可能です。

・交友関係
 判断技能の交友人物の判定に成功すれば、知り合いを頼ることが出来ます。


○判定の適用

 会話そのものに関する判定は、それが結果を左右する場合に限られます。いくら口がうまくても法律を覆すことはできませんし、人の心を簡単に鞍替えさせるというわけにもゆきません。
 会話に関する判定は他のものと同様に、GMが指示した場合のみ試みることができます。何を言っても結果が変わらないと設定されている場合は、いちいち判定を行う必要はありません。逆に予めこの台詞を言ったら成功と決められている時は、それに類することを口にすれば良いことになります。この場合はどのように言ったかはさほど問題ではありません。なぜならば、それは判定する必要もなく成功する、難易度0の判定と同じだからです。


○判定の基本

 会話に関する技能は、基本的に判断技能に属しています。これらの技能による判定は、その殆どが対抗判定となります。何か意図があって会話を持ちかける側が、その目的に合った技能で判定し、相手の判断抵抗の達成値を上回った場合、何らかの利益や情報を得ることが可能となります。
 対抗判定を行う技能は、判断抵抗ばかりとは限りません。たとえば、商談を行う場合などは交渉同士の対抗判定となりますし、相手の演技を精神判断で見抜くことも可能です。GMは適切な技能を指定して、それで対抗判定を行わせるようにして下さい。

・会話の内容
 判定を行う際には、どのような口調でどういう内容を言ったかをプレイヤーに告げてもらう必要があります。その内容によっては、相手が動揺して抵抗判定が不利になることもあり得るからです。逆に、言い方によっては相手の心象を悪くすることもあり、その場合はプレイヤーの方にマイナス修正が与えられることになるでしょう。これは状況修正の一種となります。
 評価の対象となるのは態度と内容についてのみです。いくら芝居がかった大仰な台詞でも、内容が的外れであれば何の効果も持ちません。逆にいくら的確な内容の発言でも、言い方によっては逆効果になる場合もあります。GMは冷静に判断を行うようにして下さい。


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状況修正


○身分による修正

 相手に何かを働きかけるような状況では、判定には身分による修正が加わる場合があります。この場合、身分レベルが1上回るごとに+1の修正を得ることが出来ます。
 ただし、これは個々のキャラクターの身分制度に対する考え方や、キャラクター間の立場にも左右されます。普通であれば、それぞれの身分間には何らかの階級意識がつきまといます。しかし、現在のエルモア地方は変革の時期を迎えており、身分制度が崩壊しつつあるのも事実です。革命によって王制から民主主義へと移行した国家もありますし、奴隷解放に積極的な貴族というものも存在します。
 ですから、身分差による修正というのは、キャラクターたちが身分という枠組みを意識している場合にのみ適用されるものです。つまり、身分に拠らない一個人として相対している場合には、このルールを用いる必要はありません。プレイヤーが努力してその枠組みを取り払おうとしている場合にも、GMはその意図を汲んで修正値を微調整したり、あるいは修正を与えずに判定させて下さい。


○礼儀と身なり

 上流階級の人間に交渉を持ちかける場合には、上流知識礼儀作法(専門:知+記憶)の技能が必要となります。この場合は、会話に関する技能と同時判定を行わなければなりません。礼儀作法なしでも交渉を行うことは可能ですが、相手がそれで悪印象を持つ可能性があります。相手が不快に思うような行動を取った時は、GMは以降の判定に−4の修正を与えて下さい。
 また、服装がきちんとしていない場合も同様です。正装とまではゆかなくとも、適度に清潔な身なりをしていなければ、−2の修正を受けることになります。ボロボロの身なりであれば−6以下となり、場合によっては話を聞いてもらうことさえできなくなるでしょう。


○身元の保証

 身元がしっかりしていない者は、会話以前に相手にしてもらえない可能性があります。しかし、誰かの紹介や身元を証明するものがあれば、初対面の人間にも信用して貰える可能性があります。身元を保証するものとしては、職業組合のバッジなども有効です。

・紹介状
 紹介状の影響力は紹介者の身分によって変わります。まず、紹介状そのものによって、会話技術(一般:知+判断)の判定に+2の修正を得ることができます。それから、紹介者の身分が相手よりも1つ上ならば、さらに+1の修正が追加されます。これは身分が上がるごとに累積されてゆきます。
 それから、特定個人ではなく組織や職業団体からの紹介もこれと同様です。その場合は、組織を構成する人間の身分で判断して下さい。

・社会的信用
 警察や弁護士など社会的信用がある職業であれば、+2の修正を得ることができます。


○賄賂による修正

 賄賂を贈ったり接待を行うことで、相手の口を開かせたり条件を緩和してもらうというのも、立派な交渉手段の1つです。

・基準
 賄賂の基準は相手がどれだけの金額で満足するかによるもので、その人物の収入や財産によって異なります。相手が十分に満足するだけの金品を贈った場合は、以降の会話判定に+4程度の修正を与えて下さい。不足と感じた場合は+2などに修正が下がることになりますし、金額が桁違いに大きければ無条件で交渉を成立させることも出来るかもしれません。

・条件
 予め不正な取り引きが逆効果であると設定されている人物に対しては、賄賂は逆に相手を怒らせる結果となるでしょう。この場合、金額による効果はまったく逆方向へと作用します。賄賂を絶対に受けつけないという人が相手だった場合は、二度と話を聞いてもらえない可能性もあるので注意しましょう。

・影響
 賄賂も種類によっては犯罪となる場合があります。それが明るみになった場合は犯罪者として扱われる可能性もありますので、注意した方がよいでしょう。また、それによって評判を落とす可能性がある場合、強制的に社会判定を行う羽目に陥ることもあります。


○その他の影響

 以上のほかにも、下のような影響によって会話判定に不利な修正を受ける場合があります。なお、一般常識(一般:知+記憶)の判定に成功すれば、以下のような言動が相手に不快感を与える可能性があることがわかります。


◆交渉の修正値

修正 状況
−2  動揺している、好みの異性が交渉相手の場合など

−4
 非常に動揺している場合や、立場や服装などが場違いな存在である場合など

−6
 話の内容が常識で考えて到底ありえないと思われる場合など

◆上流身分との交渉

修正 状況

−2
 きちんとした服を着ていなかったり、言葉遣いが下品な場合など

−4
 礼儀作法の技能を持っていなかったり、言動によって不快感を与えた場合など
−6  ボロボロの服を着ている場合など


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交渉


 自分の話を通したり、相手から持ちかけられた話を自分の望むような形に進めたいなどの場合には、駆け引きの判定を行う必要があります。技能の説明は以下の通りです。主に商談などの場面で用いられる技能となります。


○駆け引き(一般:知+判断)

 商談など、駆け引きを主体とする交渉に使用します。相手を騙す技術ではなく、相手の欲するところを的確にとらえ、双方が納得する条件を判断する能力です。商売人たちはこの技能に卓越しています。交渉を成功させるかどうかだけでなく、相手の発言から妥当なラインを判断するためにこの技能を用いても構いません。

・対抗判定
 対抗判定に用いることができるのは、同じく駆け引きか判断抵抗の技能になります。勝利した側が自分に有利な条件を提示でき、相手に承諾させることができます。結果は成功の度合いによって上下するでしょう。ただし、これは詐術とは異なり、明らかに損害が出るような取引き条件を相手に承伏させることはできません。プレイヤーが持ち出した条件が明らかに不服である場合は、わざわざ技能で判定する必要はありません。その辺りの常識についてプレイヤーが気づいていないようであれば、一般常識(一般:知+記憶)の判定を行って、それを教えてあげても構わないでしょう。


○条件と効果

 交渉を行うのは主に相手がいる判定です。自分の要求を通すには、相手の判断抵抗と対抗判定を行います。双方が条件を持ち出すような場合は、駆け引きの技能同士で対抗判定となります。それから、相手の真意を会話の中からつかもうとする場合には、観察力(一般:知+判断)の判定を行ったりする必要があります。

・条件
 交渉は互いに何らかのメリットがある場合にのみ行うことができるもので、達成値でどれほど相手を上回ったとしても、一方的に損害を被るような要求をのむはずがありません。ですから交渉を行う際には、お互いにどれだけまでなら譲歩できるかを予め決めておく必要があります。たとえば、買い物でまけてもらおうと思って交渉を持ちかけた場合でも、店の人間が1割しか値引きしないと決めていたならば、奇跡的成功でもない限りは1割までしかまけてくれないのです。

・効果
 要求をどれだけ通せるかは、駆け引きの成功値によって決まります。金額であれば、成功値が1上がるごとに5%だけ自分の利益を上乗せすることが可能です。そうでない場合は、成功値が2につき1つの頼み事を叶えてもらうことができます。成功値が1であれば、半分くらいしか力を貸してもらえないことになります。

・拒絶
 なお、自分に持ちかけられた交渉について判定を行い、もし対抗判定で抵抗できなかった場合でも、自分が明らかに損害を被るような条件であれば、それを断ることは可能です。ただし、それを無碍に断ることで心象を悪くしたり、相手との関係に亀裂が入る可能性もあります。


○心理的影響

 交渉には心理的な作用や立場が大きな影響を及ぼします。相手の弱みをついて動揺を誘ったり、脅迫するというのも交渉のテクニックの1つなのです。

・弱み
 人質を取るなどの絶対に断れないような場合は別ですが、ちょっとした弱みを突かれるなどの心理的駆け引きを持ち出された場合、判断抵抗との同時判定を行う必要があります。この判定には、動揺の度合いによって適度な修正値を受けることになります。また、動揺を隠そうとするのならば、さらに演技の判定が必要となります。

・威圧
 通常の会話を行うかわりに、相手を威圧して取り引きを行うことも可能です。この場合は知ではなく心の主能力で判定を行います。相手は判断抵抗と駆け引きとの同時判定を行う必要があります。


○規定条件

 規則として決定しているものを覆す必要がある場合には、GMが設定した難易度を上回る必要があります。この判定に成功すると同時に、相手人物との対抗判定にも勝利すれば、話を通してもらえることもあるでしょう。ただし、やはりどれほど口がうまかったとしても、絶対に無理な要求を通すということはできません。


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詐欺


 相手を騙す目的で人に近づくことも決して少なくはありません。それを生業としている詐欺師だけではなく、他の目的を遂げるためにやむなく嘘をつくこともあるでしょう。ここでは、相手を騙すための判定について解説します。


○対抗判定

 相手に騙されないためには、判断抵抗による対抗判定に勝利しなければなりません。それから、積極的に相手の嘘を見抜こうとする場合には、観察力の技能を用いることができます。


○同時判定

 さまざまな技能を組み合わせて相手を騙す場合には、同時判定を行う必要があります。現在のエルモア地方は、社会形態や科学技術など様々な分野において変革の時期にあり、それに絡んだ詐欺も増えてきていますが、このような詐欺の場合は経済や科学に関する知識との同時判定を行うことになります。


○裏社会:詐術(専門:知+記憶)

 うまい話などをもちかけて他人をだまし、思い通りの行動をとらせる技術です。相手がこちらの話に乗り気であるかどうかや、引き際などを判断することもできます。また、計画した手法が相手の心理にどういった影響を与えるのか、つまり犯罪手法の妥当性について予測することも可能です。
 詐術は演技とは異なり、詐欺師のような犯罪者や悪徳商人が得意とするもので、人間心理の隙を突くような手法が主となります。騙されないようにするためには、判断抵抗による対抗判定に勝利しなければなりません。


○会話技術(一般:知+判断)

 初対面の人や警戒している相手に信用させ、心を開かせるために判定を行います。これに対抗するには、判断抵抗による対抗判定に勝利しなければなりません。


○演技力(一般:知+判断)

・演技
 嘘を隠したり、違う人格を演じる時に使用します。変装と組み合わせることによって、実在する他の人物を演じることも可能です。
 演技かどうかを見破るためには、精神判断との対抗判定になります。この判定は演技をしようとする度に行わなければなりません。なお、演じている人物をよく知っている者は、記憶術による対抗判定を行っても構いません。その場合は普段の仕草や癖などから、違いを判断することが可能です。

・誘惑
 自分を魅力的に見せて異性を魅了し、誘惑するために使用します。これに対抗するためには、判断抵抗による対抗判定に勝利しなければなりません。ただし、判定に成功しても、あくまでも相手に自分のことを異性として意識させる程度にとどまります。好みに合うかどうかはまた別の問題ですし、その後の態度次第では見限られてしまうこともあるでしょう。


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判定の基本\状況修正\交渉\詐欺