職業術法師

概略呪医夢使い人形使い獣使い香水師鏡界士協会術法師


 

概略


タイプ 説明
呪医  術法によって傷病を癒す職業です。医師として科学的な知識を身につけている者もいますが、どちらかといえば民間医療的な色が濃いようです。
夢使い  ルクレイドで起こる夢魔現象の被害者を救うために生まれたのが、この夢使いという職業です。精神治療のエキスパートとして尊敬を受けています。
人形使い  人形系の術法を行使し、人と見紛うばかりの人形をつくり出すのが、この人形使いと呼ばれる術法師です。人形職人としても高い評価を受けている者が多いようです。
獣使い  生物系の術法を駆使し、他生物を制御したり調教したりする職業です。獣狩りとして働く者もいるようです。
香水師  調香師の間に伝わる香水系術法を使う者たちです。主に香りを用いた精神治療に携わる者が多いようです。
鏡界士  ルワール大公国で起こる鏡の檻現象に関するエキスパートです。ルワールでは、政府が鏡界士の生活を保障しています。
協会術法師  術法協会に登録している術法師です。人々に術法を教授したり、依頼に応じて術法を行使することで生計を立てています。


○解説

 術法師の中でも、特定の現象に対する専門家だったり、あるいは芸術家として認知されているのが、これら職業術法師と呼ばれる者たちです。社会的な信用があり、一般の人々から非常に頼りにされる存在です。多くは知識人階級として尊敬を受けています。共通するのは、これらは宗教組織によって認められている存在だということです。黙認されていたり言及を避けているような場合もありますが、法や倫理に反するようなことさえしなければ排斥されることはありません。
 職業術法師は術法協会に属する協会術法師と、一部地域や特定分野のスペシャリストとして活躍する術法師の大きく2つに分けることができます。協会術法師には様々なタイプの術法師が存在します。


○注意点

 術法師は非常に強い力を持つ人々でありますが、シナリオの内容によってはまったくその能力が活かせないことがあります。また、その有能さゆえにシナリオがつくりにくくなったり、特定の術法がシナリオ進行の邪魔になることもあるでしょう。もしGMが不都合だと感じるならば、プレイヤーに術法師をやめてもらうよう働きかけるべきでしょう。


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呪医


職業術法師
タイプ:呪医
身分:知識人階級(中層)
最低年齢:なし
財産レベル:自由
収入タイプ:固定/不定
標準収入:10〜30万エラン
推奨技能
 記憶技能:職業知識【医師】/医療知識/教育知識/博物知識/術法知識
 判断技能:管理統制/観察力
 感応技能:回復系術法/知覚力
必須専門分野
 回復系術法(心)
説明:術法によって傷病を癒す職業です。医師として科学的な知識を身につけている者もいますが、どちらかといえば民間医療的な色が濃いようです。
所持品:医療用具一式


○解説

 回復系の術法によって傷病を癒す職業で、職業術法師の中でも最大の尊敬を受けています。術法だけでなく医療知識にも長じているのが普通で、薬師としても活躍しています。非常に広範な知識や技術が要求され、誰にでもなれるという職業ではないため、部族や親子の間で細々と受け継がれることが多いようです。しかし、最近では科学的な治療法を学ぶために都市部に移り住んだりする者もいます。
 呪医の中には放浪しながら生活する者もおりますし、中には都市で生活している者もおります。そういう意味では、どのような場所が舞台でも参加できる職業です。また、彼らは困っている人間がいればそれを助けるのが当たり前と考えていますので、シナリオに関わるのは比較的容易です。


○条件

 呪医になるには、誰か師匠のもとについて修行しなければなりません。高度な学校教育を受けている必要はありませんが、それなりに素養は要求されるでしょう。しかし、呪医というのは数の少ない職業ですから、何よりもまず呪医に出会えるかどうかが問題となります。


○注意点

 呪医は特に宗教機関と敵対するわけではなく、その存在も黙認されています。疫病が起こった場合などは、協力して治療にあたることもあるでしょう。問題は他の医師との関係です。科学的な治療を行う医師にはそれなりの誇りもありますし、商売敵ということもあって、簡単に分かり合うというわけにはなかなかゆかないようです。もっとも、呪医が近代医学を身につけている場合もありますので、普通の医師と連絡を取り合うことも皆無ではないでしょう。


○術法

術法系統  回復
習得条件  誰かのもとに弟子入りして、看護の経験をつみながら習得する。
スタイル  患者に手をかざして念じる。


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夢使い


職業術法師
タイプ:夢使い
身分:知識人階級(中層)
最低年齢:15歳
財産レベル:3〜
収入タイプ:固定/不定
標準収入:10〜30万エラン
推奨技能
 記憶技能:職業知識【夢使い】/術法知識/医療知識
 判断技能:会話技術/観察力
 感応技能:夢系術法/精神操作系術法/感情操作系術法
必須専門分野
 職業知識【夢使い】:業務内容(知)/専門知識【夢魔現象】(知)
 術法知識:魔術学(知)
 医療知識:精神医学(知)
 夢系術法(心)
説明:主にルクレイドで起こる夢魔現象の被害者を救うために生まれたのが、この夢使いという職業です。精神治療のエキスパートとして尊敬を受けています。
所持品:なし


○解説

 ルクレイドで起こる夢魔現象の被害者を救うために生まれたのが、この夢使いという職業です。精神治療のエキスパートとして尊敬を受けており、精神医学に通じている者や、あるいは精神操作系や感情操作系の術法を行使できる者もいます。心の守り手(マインドキーパー)と呼ばれることもあります。
 夢使いの多くはルクレイドにいます。この国で起こる夢魔現象という変異は国家的な問題であり、彼らは準公務員という立場で国家の保護を受けて活動しています。夢使いたちは独自の組織をつくっており、仕事の分担や人材育成などを行います。地域ごとに中枢となる協会が存在し、所属している夢使いたちを統括しているのです。協会は夢使いの教育の場でもあり、授業のような形態で生徒に基礎を教え、それから各師匠のもとで修行をつむことになります。大学と研究室のような関係と思って構いません。
 夢使いの仕事は複数人で行うのが基本で、各教室でチームをつくって夢魔現象の解決に取り組みます。もっとも、仕事の内容がそれほど大したものでなければ、少人数で仕事をします。ただし、最低でも2人以上で活動しなければなりません。いざという時のフォローは必ず残しておくのが鉄則です。


○条件

 夢使いは徒弟制度によく似た形態の組織をつくっていますが、職人のように個人的に弟子をとるわけではありません。ですから、夢使いになるためにはまず夢魔狩り協会に所属し、その後に養成所で3年間の訓練を受けなければなりません。試験を受けるためには初等学校を卒業している必要があります。

・経歴
 初等学校(6年)→養成所(3年):15歳


○注意点

 夢使いはどこにでもいるというものではなく、活躍できるシナリオも限られるでしょう。しかし、夢使いでなければ解決できない事件もありますので、GMと相談の上でこれを使うかどうか決めるとよいでしょう。
 なお、夢使いはロンデニアなどの変異現象による精神異常者が多い地域にいることもあります。これは、かつてルクレイドで革命が起こった時に国外へ流出したのが原因です。ですから、周辺の国家にも存在しないわけでもありません。


○コネクション

 夢使いは自身の協会ばかりではなく、術法協会や聖母教会にもつながりがあります。国家機関とも協力することが多く、夢使いの要請で軍や警察などを動かすことも可能でしょう。ただし、それは上層部を通じて行うのが通例です。もっとも緊急事態の場合は、夢使いにその場の判断を任されることもあります。


○術法

術法系統  精神操作感情操作
習得条件  夢使いの協会に所属し、各教室で術やその他の知識を身につける。登録料と授業料で年間30万エランが必要となる。ただし、奨学生ならば無料。
スタイル  対象に手をかざして念じたり、術者自身が催眠状態に移行することで術法を行使する。


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人形使い


職業術法師
タイプ:人形使い
身分:市民/名誉階級(中層/上流)
最低年齢:なし
財産レベル:自由
収入タイプ:固定/不定
標準収入:10〜100万エラン
推奨技能
 作業技能:美術作業/職工
 記憶技能:職業知識【人形使い】/術法知識/文芸知識/上流知識/機械知識
 感応技能:人形系術法/変化系術法
必須専門分野
 職業知識【人形使い】:業務内容(知)/専門知識【人形】(知)
 職工
 人形系術法(心)
説明:人形系の術法を行使し、人と見紛うばかりの人形をつくり出すのが、この人形使いと呼ばれる術法師です。人形職人としても高い評価を受けている者が多いようです。
所持品:細工用具一式


○解説

 人形系の術法を行使し、人と見紛うばかりの人形をつくり出すのが、この人形使いと呼ばれる術法師です。彼らは術法を使わなくても、一流の人形職人として認められるだけの実力を持っています。しかし、人形使いは職人というよりは芸術家であり、その呼び名は一種の称号でもあります。特に最高位の人形匠(ドールマスター)の称号を持つものは、一流の芸術家と同じように尊敬を受け、社交界にも広くその名が知られています。実際、貴族の出資で工房を持ったり、特定の貴族に仕えている人も存在するのです。
 人形使いはそれぞれ得意な分野があり、歯車を中に仕込んだ機巧人形や、演劇人形と呼ばれる舞台劇に使うものなど、さまざまな種類の人形が作製されています。しかし、それらとは一線を画しているのが術法でつくられた人形たちであり、中でも自動人形と呼ばれる人形匠にしかつくれない品は、完全に人間と区別することができない実に見事なものです。各国の王や有力貴族たちはこぞってこれを買い求めようとするのですが、自動人形は作製できる者が少ない上に、一般知識はもとより立ち居振る舞いなどの教育をほどこすのに時間がかかるため、そう簡単には手に入れることはできません。


・人形使いの称号
 人形匠:自動人形の作製者で、最高位の称号です。名誉階級として扱われます。
 人形師:高位の人形使いで、弟子をとることを許されます。
 人形繰り:人形系の術法を使うことができる弟子のことです。
 人形職人:一般の人形職人のことで、術法は使うことができません。


○条件

 人形使いになるためには、まず誰かのもとに弟子入りして、人形職人としての腕前を磨かなければなりません。人形使いたちは徒弟制度をとっており、その技は特別に才能を見出された弟子にしか伝えられないのです。人形使いとして一人前と認められたら、師匠から人形師としての称号をもらうことができます。そうすれば独立して仕事をすることができ、弟子を取ったり自分の工房を開いたりすることが許されます。


○注意点

 人形使いは基本的に裕福です。しかし、実力に比例して依頼も多く、それなりに忙しい職業ともいえます。師匠は自分の仕事をするとともに弟子の面倒を見なければなりませんし、弟子はできるだけ早く一人前になろうと修行に励んでいます。とはいえ、休みを取ることもできますし、社交界との繋がりも深いということから、シナリオに登場する機会はそれなりにあるでしょう。また、人形使いはカスティルーンが有名ですが、その他の地域にいないわけではありません。見聞を広げるために旅に出たりすることもあるので、それほど場所にこだわる必要もないでしょう。ただし、一流の人形使いは有名人であり、行動次第では師匠や仕事仲間に恥をかかせることにもなりかねませんので、行動には注意しなければなりません。


○コネクション

 人形使いは同業者の他、一般の人形職人や芸術家などとも親交があります。また、オルゴール職人や時計工といった精密機械を扱う職人たちと技術交流を行ったり、弟子を一時的に預けたりすることもあるようです。高位の人形使いは貴族や名士など、上流階級の人間とも顔見知りであるのが普通です。


○術法

術法系統  人形変化
習得条件  誰かのもとに弟子入りし、その技を見て盗む。
スタイル  人形に指で、文字のような特殊な紋様を描くことで術を発動させる。素体人形が必要な術の場合は、あらかじめ人形に紋様を彫り込んでおき、それを指でなぞることで術をかける。通常は念を込めて細工道具を用い、素体人形を作製する。


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獣使い


職業術法師
タイプ:獣使い
身分:市民階級(中層)
最低年齢:なし
財産レベル:自由
収入タイプ:固定/不定
標準収入:5〜25万エラン
推奨技能
 作業技能:野外作業
 記憶技能:職業知識【獣使い】/博物知識/野外知識/術法知識
 判断技能:指導力
 感応技能:生物系術法/獣化系術法
必須専門分野
 職業知識【獣使い】:業務内容(知)
 生物系術法(心)
説明:生物系の術法を駆使し、他生物を制御したり調教したりする職業です。獣狩りとして働く者もいるようです。
所持品:なし


○解説

 生物系の術法を駆使し、動物を制御したり調教したりする職業です。この世界には人々の害悪となる獣が多数生息しているため、獣使いはどんな土地に行っても歓迎されます。
 獣使いには様々な仕事があり、活動形態もそれぞれ違います。1つには動物の調教があり、狩猟用の動物や軍馬に命令を覚えさせたり、見せ物に使う動物に芸を仕込んだりします。自ら猛獣使いとして一流サーカスの舞台に立つ者もおりますし、一部には軍に力を貸す者さえいるようです。もう1つには人々の守り手としての仕事があり、森林警備や変異体の掃討といった活動を行っています。獣狩り部隊の一員だったり、どこかの組織に雇われていたりすることが多く、単独で行動したり獣使いだけで組んで仕事をすることは少ないようです。森の中で隠遁生活をしていたり、各地を放浪する者もごくまれにいるようですが、獣使いの中でもそれは一握りの存在ということを覚えておいて下さい。


○条件

 獣使いになるためには、誰かのもとに弟子入りしなければなりません。多くは家族や特定の部族でその技を継承してゆくもので、ほとんどは生まれで決定すると考えてよいでしょう。余所者に教えることを嫌う傾向もあります。
 それから、獣化系の術法を使う者は、現在ではほとんど確認されておりません。これを習得する場合は、GMと相談するようにして下さい。


○術法

術法系統  生物獣化
習得条件  幼い頃より生物や自然と接することで基礎を身につける。多くの場合、親や師の真似をすることで覚える。
スタイル  多くは何らかの身ぶりを必要とする。言葉を発することはほとんどない。


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香水師


職業術法師
タイプ:香水師
身分:知識人階級(中層)
最低年齢:なし
財産レベル:自由
収入タイプ:固定/不定
標準収入:20〜50万エラン
推奨技能
 記憶技能:職業知識【調香師】/博物知識/術法知識/文芸知識/上流知識
      教育知識
 感応技能:香水系術法/知覚力
必須専門分野
 職業知識【調香師】:業務内容(知)/専門知識【香水】(知)
 香水系術法(心)
説明:調香師の間に伝わる香水系術法を使う者たちです。主に香りを用いた精神治療に携わる者が多いようです。
所持品:調香用具


○解説

 調香師の間に伝わる香水系術法を使う者たちです。もともとソファイアで成立したもので、今でもソファイアとその周辺国家に多い職業です。
 香水師には2つの能力があります。1つは純粋に良い香りをつくりだす一流調香師としての力です。工業的製法も確立しつつある香水業界ですが、彼らは未だ古くからの方法で香水を作製します。大量にはつくれませんが、逆に希少価値ということで貴族など上流階級の人間に人気があります。香水師は芸術家でもあり、名前そのものがブランドとなるのです。そしてもう1つは、香りを用いた精神治療に関する力です。不安定な精神状態を整えるのはもちろんのこと、変異で精神に異常をきたした者を治すことさえできるのです。この能力があるからこそ、人々は香水師に尊敬の目を向けるのです。


○条件

 香水師になるためには、誰か師匠のもとで修行をする必要があります。最初から香水師のもとで働くこともあるでしょうが、多くは普通の調香師として技術と知識を身につけ、その上で弟子入りをします。


○コネクション

 香水業界や化粧品メーカーなどはもちろんのこと、貴族や芸術家などにも知り合いがいる職業です。また、精神治療という側面から、精神科医と繋がりがある場合もあります。


○術法

術法系統  香水
習得条件  誰かのもとにつき、調香師として経験を積んだのちに教えて貰える。
スタイル  容器に香水をつめ、それを開放することで術をかける。


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鏡界士


職業術法師
タイプ:鏡界士
身分:知識人階級(中層)
最低年齢:15歳
財産レベル:3〜
収入タイプ:固定/不定
標準収入:10〜30万エラン
推奨技能
 記憶技能:職業知識【鏡界士】/術法知識
 感応技能:魔鏡系術法
必須専門分野
 職業知識【鏡界士】:業務内容(知)/専門知識【鏡界】(知)
 術法知識:魔術学(知)
 異端知識:怪物知識【異形】(知)
 魔鏡系術法(心)
説明:ルワール大公国で起こる鏡の檻現象に関するエキスパートです。ルワールでは、政府が鏡界士の生活を保障しています。
所持品:なし


○解説

 ルワール大公国で起こる鏡の檻現象に関するエキスパートです。鏡の檻現象とは、人や物品が鏡や水など姿がうつるものの中に閉じこめられるというもので、いつどこで起こるのかは全くわかりません。これによる行方不明者を救うために、魔鏡系の術法を使う鏡界士が存在するのです。
 準公務員という立場で国家に雇われている術法師であり、ルワール大公国では政府が鏡界士の生活を保障しています。鏡界士はどんな小さな村にも必ず1人は派遺されますし、もちろん国民からは非常に尊敬されています。そもそも鏡界士という名前からして称号のようなものなのです。魔鏡系の使い手は他国に絶対にいないとは限りませんが、それだけでは鏡界士とは呼ばれることはありません。
 鏡界士は鏡の檻現象を解決するだけではなく、エルモア南部に出没する鏡魔と呼ばれる怪物を退治することもあります。鏡魔は非常に強力な存在ですので、その場合に限り鏡界士は複数人でチームを組んで仕事をします。通常はそれほど大人数で仕事をすることはありません。


・鏡の檻現象
 ルワール大公国で起こる特有の変異現象で、鏡や水など姿がうつるものの中に閉じこめられるというものです。鏡の檻現象は鏡に最も近い物体に起こることがわかっていますが、いつどこで発生するのかは全くわからず、現在でもこの国では鏡の檻現象による行方不明者が多数出ています。

・鏡魔
 鏡の中にいる明確な形を持たない化け物で、非常に悪意に満ちた存在です。多くは特定個人や1つの家に取り憑いて、さまざまなイタズラを試みます。通常はそれほど大きな被害をもたらすことはありませんが、強力なものになると人を鏡の世界に引き込んだり、時には死亡させることもあるようです。


○条件

 鏡界士になるためには誰かのもとに弟子入りしなければなりません。修行を積んだ後に師匠から認められれば、鏡界士として働くことができるのです。師匠の推薦がなければ鏡界士として国家に登録されることはありません。ただし、国家とは無関係に独自で活動していても、それが咎められるということはないでしょう。もっとも生活の保障は一切なく、国家や同業者の協力もほとんど得られない可能性があります。ですから、通常は鏡界士協会に所属し、その庇護のもとで活動します。


○注意点

 基本的に鏡界士はルワール大公国にしか存在しないので、舞台は限定されることになります。ただし依頼を断ることはないので、シナリオに参加する理由に困ることはないでしょう。報酬は国家から給料としてあらかじめ貰っていますし、仕事の内容によっては危険手当がつくこともあります。


○コネクション

 鏡界士は自身の協会ばかりではなく、術法協会や聖母教会にもつながりがあります。もちろん、国家機関でもいろいろと便宜を図ってくれるでしょう。


○術法

術法系統  魔鏡
習得条件  鏡界士の協会に所属し、誰かのもとに弟子入りしなければならない。弟子として働くことを代価として術法を教授して貰う。
スタイル  細部は術者によって異なるが、ほとんどの術で鏡をかざす必要がある。


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協会術法師


職業術法師
タイプ:協会術法師
身分:市民階級(中層)
最低年齢:15歳
財産レベル:自由(3〜)
収入タイプ:固定/不定
標準収入:職業によってさまざま
推奨技能
 記憶技能:術法知識
 感応技能:術法系統【各種】
必須専門分野
 術法知識:術法協会知識(知)
 術法系統【各種】(心)
説明:術法協会に登録している一般の術法師です。人々に術法を教授したり、依頼に応じて術法を行使することで生計を立てています。
所持品:なし


サブタイプ:術法教師
推奨技能
 記憶技能:職業知識【術法協会】/教育知識/術法知識/社会情報
 判断技能:指導力/管理統制
必須専門分野
 職業知識【術法協会】:業務内容(知)
 術法知識:魔術学(知)/術法協会知識(知)
 管理統制:管理【教室】(知)
説明:術法協会や魔術学校で教室を受け持ち、後進の育成につとめるものです。
所持品:なし


サブタイプ:魔法屋
推奨技能
 記憶技能:職業知識【魔法屋】/術法知識
 判断技能:駆け引き
必須専門分野
 職業知識【魔法屋】:業務内容(知)
 術法知識:魔術学(知)/術法協会知識(知)
説明:個人で活動する術法師のうち、術法を教授する許可を持つものの俗称です。
所持品:なし


サブタイプ:術法警官(協会調査官)
推奨技能
 運動技能:格闘/近接武器/防御/軽業/隠身行動
 記憶技能:職業知識【術法協会】/術法知識/社会情報/裏社会/地域情報【各種】
 判断技能:会話技術/観察力/駆け引き/捜索技術
必須専門分野
 職業知識【術法協会】:業務内容(知)/地域知識【各種】(知)
 裏社会:犯罪知識(知)/裏社会知識【各種】(知)
 術法知識:魔術学(知)/術法協会知識(知)
説明:術法師たちの監視役として働き、術法による違法行為を独自に取り締まります。正式には協会調査官といいます。
所持品:なし


○解説

 術法協会に属する術法師を協会術法師といい、様々な系統の術法師の総称となります。ごく普通の術法師たちは、ほとんどが協会に所属していると考えてよいでしょう。術法協会は術法師たちの互助会であり、術法を用いて困っている人々を助けたり、あるいは教授してもよいと認可されている術法を一般の人々に教えることで、金銭を得て活動している組織です。協会組織は国家や地域によって規模は様々ですが、ほぼエルモア全土に広がっています。ただし、術法師は社会全体から見れば稀少な存在なので、組織自体の規模もさほど大きくはありません。
 術法協会は国家や宗教機関に多額の寄進を行ったり、術法師に規律を守らせるなどして、社会に認められるための努力を行っています。ですから、協会術法師は術法を用いて悪事を働くことはありませんし、もしそのような真似をすれば社会だけでなく、協会からも厳しい処分が下されます。信頼できそうにない人々に術を教えることもしませんし、また協会に属してない術法師でも社会に対して悪影響を及ぼすことがあれば、逮捕に協力したり独自に処罰したりすることもあります。つまり協会は、術法師たちの看視組織という役目を担っているのです。これらのものは法的な強制力は一切ありませんが、国家や自治体は治安のために黙認しているというのが現状です。

 協会術法師には協会組織の内部で働く者(協会職員)もいれば、個人営業を行う者もいます。協会職員は事務職をこなしたり、あるいは後進の指導や違法行為の処罰などを受け持ちます。個人で活動する者は協会に登録しているだけの存在で、法律や協会の規則に反することさえしなければ、どのような活動をしていても文句を言われることはありません。なお、協会からの依頼を断ってもペナルティはありませんが、心象を悪くするのでなるべく止めておいた方がよいでしょう。
 協会術法師は、それぞれが用いる術法の種類によって様々な呼び名があります。自然の秘法を用いる者は水使いや風使いなどと呼ばれますし、治癒系の術法ならば治癒術士、幻術であれば幻術士などと呼ばれています。ただし、これは慣用的なもので、正式な名称ではありません。

 術法協会についての詳しい説明はこちらをご覧下さい。


・術法教師
 協会職員で術法の教授資格を持つもののことをいいます。協会本部で術の教授を行ったり、術法協会が開いている魔術学校で授業を受け持ち、後進の育成につとめる役目となります。授業では魔術学とそれぞれが習得している術法を教授します。魔術学校には国家の許可を得て初等学校の授業内容を合わせて教育しているものもあり、そのような学校では一般教師の役目もつとめることになります。そのため、一般に術法教師は知識人階級として扱われます。

・魔法屋
 個人営業の術法師のうち、人々の依頼をこなしたり術法を教えたりして生計を立てている者です。一般の協会術法師と異なる点は、術法を人々に教授する許可を得て活動していることでしょう。許可のないものが人に術法を教えるのは規則違反です。これは協会の内部規律であり法的な強制力はありませんが、違反行為が発覚すれば何らかの処罰を受けることになるでしょう。

・術法警官(協会調査官)
 術法協会から任命され、術法師たちの監視役として働く協会職員です。正式には協会調査官といいますが、術法警官と呼ぶのが一般的です。術法による違法行為を独自に調査し、取り締まりを行うのですが、逮捕権を持っているわけではありません。しかし、術法による犯罪は一般人には判別しがたいものであることから、警察に活動が妨げられることはありません。時には臨時警官として雇われることさえあります。一部は粛正機関として活動しているようですが、それが表沙汰になることはなく、秘密裏に処理されてしまっているようです。


○条件

 一般の協会術法師は、協会に登録しさえすればなることができます。ただし、ある程度は身元が明らかである必要があり、国家や地域によっては信用ある人間からの紹介がいる場合もあります。また、社会的な制約から、15歳以上でなければ術を教えてはいけないことになっています。
 術法協会は術法師たちの互助会ですから、諸国を放浪しようが、術法とは違う手段で生計を立てていようが、きちんと登録料をおさめて違反さえおかさなければ、協会組織の保護を受けて活動することができます。初回登録料は10万エランで、それから月に1万エランの更新料が必要となります。1年間連続で更新手続きが行われなかった場合は登録が抹消され、改めて登録しなければならなくなります。

 術法教師になる場合は、まず協会職員として3年程度の実務をこなし、それから資格試験に合格しなければなりません。資格試験は中等学校程度の一般教養も含まれます。
 魔法屋として活動するためには、特に教育課程に制約はありません。ただし、試験を受けて資格を取る必要はあります。試験には適性を問う内容も含まれています。
 術法警官は協会職員のうちでも特に腕の立つ人間しかなることができません。術法教師と同じく資格試験に合格し、犯罪捜査や逮捕術などの訓練を受けてから、はじめて術法警官として働くことができます。


○コネクション

 術法協会では協会術法師に対して様々な援助を行っています。情報交換はもちろんのこと、宿舎を格安で提供してくれたり、身元の保証や仕事を紹介してくれることもあります。それから、術法協会は聖母教会寄りの組織でもありますので、聖職者に協力して仕事をすることもあります。ですから、教会に知り合いがいてもおかしくはないでしょう。また、術法警官は警察の依頼を受けて捜査に協力することもありますので、刑事や警察官に顔馴染みがいたりします。


○術法


◆術法協会(魔術学校)

術法系統  魔力操作魔力探査植物治癒肉体操作感覚精神操作感情操作使役情報知識感知空間変化創造魔力戦闘霊糸幻覚映像音声香味生物
習得条件  料金を支払うことで様々な術法を教授して貰える。登録費が10万エランがかかり、月々の更新料が1万エランかかる。また、術を1つ習得するには、最低でもレベル×3万エラン以上が必要。基本的に身元の保証がある者にしか教えることはない。将来的に協会のために働くことを誓えば、無料で教えてもらうことも可能。
スタイル  その系統や教師によって異なる。
使用条件  基本的には術者の判断に任されるが、社会的な倫理、道徳に触れるような使用法は禁じられる。厳しく処罰されることもある。


◆魔法屋

術法系統  内容は術法協会に準ずるが、大きな魔法屋でもせいぜい5系統、小さなところだと1〜2系統ほどしか習得していない。
習得条件  料金を支払って習得するが、その額は各魔法屋によって異なる。最低でもレベル×3万エラン必要。基本的には身元の保証がある者にしか教えることはないが、基準は魔法屋に一任されている。
スタイル  その系統や教える者によって異なる。
使用条件  魔法屋は一切について関知しない。しかし、何か問題を起こした場合は、魔法屋ともども処罰されることがある。


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概略呪医夢使い人形使い獣使い香水師鏡界士協会術法師