経験点
○プレイの評価
ゲームが終了した後、GMはその結果に対する評価を行います。評価されるのは、いかにうまく問題を解決したかについての課題評価と、どれだけ多くの人を幸せに導くことができたかという感情評価の2つになります。
注意すべきは、ゲームの目的はこの双方を満たすことであり、どちらか一方だけでは駄目だということです。この2つの要素というのは、前者が物理面での条件であり、後者は精神面での条件と考えてもらって構いません。
○経験点
ゲームの評価は経験点という数値であらわされます。経験点はCPおよび感情ポイントとして換算され、これを消費して能力値などを上昇させることが可能となります。
・評価のポイント
プレイの評価はプレイヤーの判断に対して行われるものです。ダイス目の善し悪しは問題ではなく、あくまでも判断内容とその結果について評価を行って下さい。また、キャラクターがどの程度の苦労したかや、作業をどれだけ繰り返したかも経験点には全く関係ないことで、それらは予め渡されているCPに含まれていることになります。・NPC
NPCはGMが操るもので、実際にゲーム内で課題をクリアするための判断を行っていないわけですから、プレイの結果としての経験点を受け取ることは出来ません。
ただし、ゲームバランスを取るために、GMが独断で数値を上昇させることは許されます。しかし、それはシナリオとは関係ない場所での経験によるものであり、プレイに対する評価としての上昇ではありません。そのため、PCが経験点として得られる以上のポイントを獲得しても問題ありませんし、全く変化させなくても構いません。
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課題評価
シナリオで与えられた課題をうまく解決できた場合は、経験点としてCPを貰うことが出来ます。
○評価基準
・評価
評価はキャラクターごとに行うことになります。もし、シナリオの本筋に全く関係せずに終わってしまった場合は、シナリオ失敗として扱われることもあります。また、いくら積極的に関わったとしても、それが裏目に出ればシナリオ大失敗となることもあるでしょう。・計算
CPはGMがあらかじめ設定した基準ポイントに、シナリオの結果に対する評価ポイントを加えて決定します。ただし、与えられるCPはマイナスとなることはありません。計算の結果がマイナスとなる場合は、それは0として扱って下さい。
◆基準ポイント
CP 基準 内容 0 日常レベルの事件 日常のちょっとした騒動やもめごとを解決するシナリオです。 1 犯罪レベルの事件 犯罪に関わるシナリオで、非常に危険な目に遭う可能性があります。 2 地域レベルの事件 1つの地域を巻き込む大きな事件や騒動を取り扱うシナリオです。結果によっては自治体の運営にも影響を与える可能性があります。 3 政治レベルの事件 政府機関や国家そのものにも影響を及ぼしかねない、非常に大きな事件を取り扱うシナリオです。 4 世界レベルの事件 裏設定が絡んだり、複数の国家に影響を及ぼす事件です。結果によっては、国家や世界の在り方にも影響を与えます。
◆評価ポイント
評価 結果 内容 −2 シナリオ大失敗 罪のない人に迷惑をかけた、あるいは事態をますます混乱させた場合など。 −1 シナリオ失敗 努力はしたが結果的に事態を収拾することができなかった、あるいは使命を達成できなかった場合など。 ±0 使命を部分的に達成 シナリオの目的を全てではないにしろ、部分的に達成することができた場合など。 +1 使命を完全に達成 首尾よく事をおさめて、シナリオの目的を完全に達成した場合など。 +2 特にすばらしい業績 シナリオの目的を、きわめて優れた手段で成し遂げた場合など。
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CPと成長
○成長
経験点として貰ったCPを使って、技能や能力値を成長させることができます。成長するために必要なCPは、それぞれ以下に記す通りになります。なお、もともと余しておいたCPを使用して成長を行っても構いません。
・制限
基本的にキャラクターの成長は、1度に1点ずつしか値を変えることができません。ただし、社会レベルのように急に変更する可能性があるものは、1度に何点か変化させても構いません。・経験点の残り
CPを成長に使用せず、余剰CPとして残しておくことも出来ます。
○主能力値
これを1点上昇させるためには、目標とする値の3倍のCPが必要となります。たとえば心を2から3に上昇させたいというような場合には、3×3=9CPを消費します。
・上限
主能力値は最大で4までしか上昇させることが出来ません。・副能力値
主能力値が上昇すれば副能力値も自動的に上昇します。・注意
これによって主能力値が変化しても、耐久値を改めて計算するわけではありません。
○抵抗力
キャラクター作製時と同じく、次に目標とする数値の分だけCPが必要となります。もともと+2にしている場合、+3にするためには3CP消費しなければなりません。
○耐久値
これを1点上昇させるためには、もとの能力値に関係なく2CP必要になります。
・上限
上昇させることが出来るのは15ポイントまでに限られます。
○主技能値
これを1点上昇させるためには、目標とする値の2倍のCPを消費してください。たとえば運動技能が7のキャラクターを8に上昇させたい場合は、16CPが必要となります。
・上限
主技能値は人種にかかわらず10ポイントが上限となります。
○個人修正値
キャラクター作製時と同じく、次に上昇させようとする数値の分だけ消費します。たとえば+3に上昇させようとする場合は、3CPが必要となります。
○専門分野
キャラクター作製時と同じく、1CPを消費することで基礎習得、さらに1CP消費することで完全習得することが出来ます。
・制限
専門技能を身につけるには多大な時間がかかるため、プレイの合間に十分な時間がなければ、これを獲得することは出来ません。また、最初は基礎習得までしか出来ないことになり、完全習得するためにはさらに時間が必要となります。
○補助技能
補助技能は慣れによって身に付くものです。そのため、1種類につき1CPを消費すればすぐに身につけることが出来ます。
○社会レベル
これを1点上昇させるためには、目標とする値のCPが必要となります。たとえば2レベルから3レベルに上昇させたい場合は、3CPを消費します。
・条件
社会からの評価がともなわなければ、社会レベルの上昇は起こりません。ですから、シナリオの中で何らかの環境の変化がなければ、これを上昇させることは出来ません。・上限
キャラクターの場合、4レベルが上限として設定されています。しかし、GMが認める限りにおいては、5レベルにしても構いません。
○感情レベル
これを1点上昇させるためには、目標とする値のCPが必要となります。たとえば2レベルから3レベルに上昇させたい場合は、3CPを消費します。
・上限
3レベルが上限となります。・感情特性の破棄
1CPを消費することによって、感情特性を1つ破棄することが出来ます。・判定回数の変化
レベルを上昇させた場合は判定回数も変化します。レベルが1増加するごとに、判定回数を1減少させて下さい。・判定回数の増加
感情レベルと同じだけのCPを消費すれば、その分だけ判定回数を増やすことが出来ます。たとえば、感情レベルが3の場合は、3CP消費するごとに判定回数が1回増えることになります。ただし、0レベルの場合は回数を増やすことは出来ません。
○術法
・習得
新たに術法を獲得するためには、キャラクター作製時と同様に[術レベル+3]を難易度とした習得判定に成功しなければなりません。習得判定に挑戦するには1CPが必要となり、判定を1回やり直すたびに1CP消費する必要があります。また、判定に成功しても術レベルと同じだけのCPを消費しなければ、正式に身につけたことにはなりません。3レベルの術であれば、習得判定の他にさらに3CP消費するということになります。・準備時間
準備時間については、キャラクター作製時と同じように処理を行います。個人修正値が上昇すれば自動的に準備時間が短縮されますし、1CPを消費するごとに準備時間を1ラウンド短縮することが可能となります。
なお、後で個人修正値が上昇して準備時間に費やしたCPが無駄になったとしても、この分が戻ってくることはなく、永久に消費されたままとなります。
○レベルの低下
社会レベルや財産レベルは、場合によっては数値を低下させることが可能となります。これはゲームの中でそのような変化が起こった場合にのみ可能であり、キーパーの指示によって行われる必要があります。
・CP
レベルが低下した場合、それに消費したCPは余剰CPの方へと戻ってきます。ただし、これはその時点での成長に利用することは出来ません。次のシナリオをこなした後に、初めて成長のために消費することが可能となります。
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感情評価
シナリオに関わった者が、どのような感情を抱いたかによって評価されます。これによって、奇跡/破滅ポイントが変動します。
○評価基準
・評価
評価はシナリオに関わった者が結果的にどのような感情を抱いたかによって決まります。対象となる存在というのは、GMが予め設定していた相手となります。これも課題評価と同様、キャラクターごとに評価を行います。
対象は必ずしも人間に限られるものではなく、霊魂などの意志を持つ存在を含めても構いません。どこまでを範囲とするかは、GMの判断にお任せします。・感情ポイント
基準はシナリオに関わった者が幸せになったかどうかで、その数によってポイントが変化します。この数値のことを感情ポイントと呼びます。
感情評価はキャラクターが直接感謝されたかどうかには関係ありません。キャラクターが原因で何か悪いことが起こり、相手がそのことを全く知らなかったとしても、マイナスの感情ポイントとして換算されるのです。キャラクターの不幸や死によって幸福になった人がいたとしたら、それはプラスとして考えることになります。あくまでも純粋な結果のみで判断して下さい。・計算
基準はシナリオに関わった者が幸せになったかどうかで、+と−のうち最も感情の程度の激しいものが、それぞれ1つずつ評価として適用されます。たとえば、評価+1と+2の者がいたとすれば、評価は+2として扱われます。マイナスの場合はより低い方が結果として適用されることになります。最終的な感情ポイントは、プラスとマイナス双方の評価を合計したものとなります。・人数
下の基準は人数が1桁の場合に適用されるものです。2桁以上の人数が関与した場合は、桁数が1つ上がるごとに評価の程度が1段階変化します。たとえば30人の命を救えば+3となりますし、逆に死人が200人ほど出た場合の評価は−4となるわけです。・派生効果
シナリオで直接的に関わらなくても、後に周囲の存在にその影響が及んだと考えられる場合は、それも経験点に含めて構いません。
◆感情評価の基準
評価 結果 内容 −2 最悪の不幸 死人が出るなど、最悪の事態に陥った場合です。 −1 非常に不幸 重い怪我を負ったり一家離散となるなど、かなり悲惨な目に遭った場合です。 ±0 変化なし 特に損害もなく、とりたてて良いこともなかった場合です。 +1 非常に幸福 大怪我をせずに済んだりするなど、非常に満足した状態です。 +2 最高の幸福 死の淵から救ってもらったり、人生に関わるほどの大きな利益を受けた場合です。
○ポイントの変動
・プラスの評価
合計した感情ポイントがプラスとなった場合、奇跡ポイントを得ることが出来ます。感情ポイントが+1につき、1点の奇跡ポイントに換算されます。・マイナスの評価
合計した感情ポイントがマイナスとなった場合、破滅ポイントを得ることになります。感情ポイントが−1につき、1点の破滅ポイントに換算されます。
○感情特性による変化
そのシナリオで獲得した感情特性と、シナリオの展開が大きく反するような結果になってしまった場合、シナリオ終了後に特性レベル分の破滅ポイントを得ることになります。これらは感情評価とは別に獲得するものです。
・課題目標
課題目標として推測した内容が本来果たすべき内容と異なっていた場合、破滅ポイントを獲得することになります。・個人要素
個人要素として設定した内容と大きく外れるような行動を選択した場合は、破滅ポイントを獲得することになります。・他者認識
一度助けた相手と敵対するような行為に及んだ場合は、破滅ポイントを獲得することになります。
○奇跡/破滅の発動
奇跡/破滅ポイントは上限が10となります。もしそれ以上のポイントを獲得した場合は、シナリオ終了後のエピソードとして奇跡もしくは破滅の発動が起こります。発動はGMが行うことになります。これらは相殺効果によってうち消すことが可能です。
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その他
○仕事への影響
キャラクターが事件に巻き込まれている間は、本業に何らかの支障をきたす恐れがあります。よほど欠勤が続く場合は減俸されたり、ひどい時には職を解雇されることもあるでしょう。
○転職
キャラクターが転職を考える場合、その職業に就くために必須とされる技能など、それなりの下地が要求されます。資格や専門技術を要する職業ならば、それをあらかじめ習得していなければなりません。技能がなかったり、あっても判定値があまりに低いようならば、見習いとしてある程度の修行を積む必要があります。
また、商売をはじめるならば資金が要りますし、誰かの紹介がなければ雇って貰えないこともあります。日雇いの職場ならともかく、余程のことがなければ転職は難しいものと考えて下さい。
○ペナルティ
事件の解決を試みる途中で、キャラクターたちは過ちを起こす可能性がないわけではありません。そのミスの程度によっては、何らかの罰を受けることになります。
ちょっとした失敗ならば、特に咎められることはありません。しかし、誰かの名誉を傷つけたり、所属する団体に恥をかかせたりした場合は、抗議や厳重な注意を受けるでしょう。時には訴えられることもあるかもしれません。あまりにひどい場合はコネを喪失したり、所属団体を除斥される可能性もあります。
・法的処罰
法的に罪を犯した場合は罰金を徴収されたり、時には逮捕されることになるでしょう。誰かに怪我を負わせたり殺人を犯したりすれば、多額の賠償金を請求されたり、監獄に入れられることになります。人を傷つけるというのは、たとえ理由があっても本来許されることではありません。もし罪に問われなかったとしても相手はそのキャラクターを恨むでしょうし、周囲から冷たい仕打ちを受けることも考えられます。ひどい時には、住んでいる土地から追い出されてしまうでしょう。
ただし、相手が最下層身分であった場合は、それなりに考慮されることがあります。たとえば奴隷は財産としかみなされておりませんので、仮に命を奪ったとしても賠償金を払うだけで済みます。特に異端階級の人間が相手であれば、全くの不問に付されることも珍しくありません。
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