警察制度

中央行政地域行政中央強権封建国家法教会その他


 

中央行政型


 行政機構に所属しており、中央行政が全ての警察組織を統括しています。中心となる国家警察は、州警察などの下部の組織に対して監査・粛正を行う権限を持ちます。警察組織は通常の形態で、警察署の中にいくつかの部署があり、刑事や警察官が業務を担当します。なお、これらの警察組織に務める場合は、警察学校で訓練を受けなければなりません。
 このタイプの警察機構は、以下の国家で採用されています。


・存在国家
 カルネア/ルクレイド/ロンデニア/セルセティア(南島)


○機構

 国家警察、州警察、県警察といった形で所轄を分割しています。
 
・国家警察
 全警察組織に対して指揮監督を行う部署です。基本的には、捜査などの実際の業務を行うわけではありません。ただし、国際部や秘密警察などは国家警察に所属する場合は、政治犯などを対象とした捜査を専門に行います。

・州警察
 各州の警察業務を監督します。また、広域の犯罪を取り扱ったり、応援要請があった場合は地域に出向いて業務を手伝います。これには1つの県(小州)を統括する県警察や地方警察といった下部組織があります。
 県警察は幾つかの市警察を統括しており、市警察はさらに地域警察や街区警察といった小さな部署を管理しています。
 地方警察は県に含まれない地域(群や島など)を管理する部署となります。形式的には県警察と同等の立場にありますが、実際には地方警察の方が立場は低いようです。

・首都警察
 州警にあたる大きな組織で、首都周辺の警察業務を取り扱います。首都に存在する重要施設などの警護も首都警察の担当です。


◆組織/中央行政型

国家警察 州警察 県警察 市警察 地域警察
街区警察
地方警察(群警察など) 地域警察
街区警察
首都警察 地域警察
街区警察


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地域行政型


 完全に地方自治体が管理しており、中央行政はこれに介入することはできません。そのため、為政者による汚職が起こりやすくなります。警察組織そのものは通常の形態で、警察署の中にいくつかの部署があり、刑事や警察官が業務を担当します。これらの警察組織に務める場合は、警察学校で訓練を受けなければなりません。
 このタイプの警察機構は、以下の国家や地域で採用されています。


・存在国家
 エリスファリア/都市国家半島/カーカバート/エストルーク/ソファイア


○機構

 国家警察、自治体警察といった形で所轄を分割しています。
 
・国家警察
 エリスファリア、エストルーク、ソファイアに存在します。他の警察組織で遂行できない国家的任務や広域犯罪の捜査を担当します。国王の警護を行う護衛警察や、秘密警察、国外へ逃亡した犯人の引渡しといった業務などもこれに含まれます。ただし、それぞれの自治体警察の業務に干渉する権限はありません。

・自治体警察
 個々の自治体が統括しています。警察本部が州庁や県庁の所在都市に存在し、一帯の警察業務を担当します。それと同時に、個別の市警察や郡警察の監督を行います。県警察や市警察というのは規模が異なるだけで、組織の構造は同一のものとなります。


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中央強権型


 基本的な機構は中央行政型と同じですが、ユノスを除いて為政者や権力者の影響が非常に大きいことが特徴です。これらの警察組織に務める場合は、警察学校で訓練を受けなければなりません。
 全てに共通するのは、軍の一部が治安維持などの名目で警察業務を請け負っていることで、これは一般に軍警察と呼ばれています。これには治安警察隊や戦闘警察隊といった特別な組織が存在します。軍警察の出動や権限はすべて国家が決定し、ほとんどの場合は一般の警察よりも上の権限を持ちます。そのため、警察組織と反目することも多いようです。
 このタイプの警察機構は、以下の国家で採用されています。


・存在国家
 カイテイン帝国/ライヒスデール/フレイディオン/ユノス/セルセティア(北)


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封建国家型


 封建国家では領主が1つの地域を支配しており、警察組織も領地単位で運営されることになります。権限については国家ごとに異なりますが、治安判事という役職を中心とした機構であることは共通しております。
 治安判事は1つの地域や街の警察組織を統括する刑事で、部下の警吏を率いて事件捜査を行います。それと同時に、軽犯罪に関する裁判権を有する裁判官でもあるのです。スリや少ない金額の盗難などに関しては、詰め所で簡易裁判を行って刑罰を即決することができます。また、治安判事は民事事件にも介入することが許されています。つまり、大きな犯罪に対する裁判以外は、その地域における全てのもめ事を解決する重大な役目を負っているのです。
 このタイプの警察機構は以下の国家で採用されています。これらの国家の場合は、自警組織が警備を行い、警察を補佐する場合も多いようです。


・存在国家
 アルメア/ジグラット/ルワール大公国/メルリィナ


○機構

 1つの自治体(領主)ごとに警察本部が存在します。しかし、本部は事務を行う機構でしかなく、実際の業務を行うのは支部となります。支部は地域や街区ごとに設置されますが、支部数は自治体を治める為政者が決定する権限を持ちます。


・州自治体
 領主は中央裁判所と州警察本部を統括します。捜査など実際の業務についての命令・指揮を行うことはできませんが、州内にある警察組織を監督する権限を持ちます。州の領主が直接治める地域は、他の地域とは別の地方警察本部や支部が置かれ、実際の業務を行うことになります。

・地域自治体
 個々の領主が治める自治体には地方裁判所が置かれ、ここで裁判や報告書の整理等が行われます。それぞれの地域には州の本部とは別に地域警察本部が置かれ、その下に地域警察支部が設置されます。


・本部
 裁判所への連絡や報告書の整理、資料の保存などが行われます。事務仕事を行うだけであり、実際の警備や捜査を行う権限はありません。
 支部や各治安判事への命令・指揮を行うことはできませんが、各支部の動向を自治体(領主)の代理で監査し、領主に報告する権限を持ちます。自治体からの通達や治安判事試験を行うのも本部の役目です。

・支部
 支部は実際の警察業務を行う組織となります。これは街区や地域などで区分されます。


○所轄

 市の街区、県の地域区分という具合に所轄を分けるのが通常です。これは地域住民の人口数が基準となります。比較的広い地域を取り扱い、治安判事はそこでの警備や捜査方針などの全てを任されます。地域警察支部というのが正式な名称ですが、担当する区域によって郡警察、村警察、街区警察などと呼ばれることがあります。治安判事や警吏は管轄が完全に決まっているため、通常は所轄外の事件を担当することはありません。
 地区の人口密度があまりに低い場所では、警察支部を置かずに詰め所だけを設置することもあります。このような場所は、巡回判事が出向いて捜査を行います。


○支部の構成

 地域警察支部は10〜数10名ほどが所属する独立した署としての性格をもち、そこには簡易裁判所と留置所も設置されています。担当区域が広域である場合には詰め所を設置することができ、警吏や保安官を1〜2名置いて、その地域での警備を担当させます。民間人の協力をあおぐこともあり、地域住民が持ち回りで詰め所に待機することもあるようです。

・階級
 階級は治安判事、準判事(巡回判事)、警吏、保安官の順となります。
 治安判事になるためには資格が必要ですが、資格があっても席に空きがなければ、治安判事という階級に就くことはできません。空きがない場合は、準判事や巡回判事として働くことになります。準判事は支部によっては存在しない場合もあります。これらは治安判事よりは下の階級として扱われます。
 警吏は一般の警察官のようなものであり、治安判事の下について働きます。警吏は一般職と係長職(警吏長)の2段階に分かれています。支部の担当区域が広い場合は、警吏長が小さな詰め所を預かる場合もあります。


○業務

 業務内容については、一般的な警察と何も変わるところはありません。所轄の警備、捜査、交通整理といった一般業務から、重犯罪者の警察本部への護送も担当します。ただし、すべては治安判事の方針に従って行われることになります。
 業務は班を単位として行い、班は一定期間で捜査や警備、あるいや事務といった業務を交代で担当します。班は治安判事が直接指揮を取ることもあれば、準判事や警吏長が代理で部下を率いることもあります。
 比較的住民の少ない地域では、巡回判事が全ての業務を担当します。巡回判事の権限は治安判事とほぼ同じで、民事への介入や簡易裁判を行うことも可能です。本部への重犯罪者の護送も、職務のうちに含まれます。


○例外

・所轄
 軍管区は憲兵の領域となります。これも領主が直接統括しています。

・護衛警察
 警備隊等は為政者が自ら設置し、それを指揮・監督することができます。実際には警察組織とは別個の存在ですが、一般に護衛警察などと呼ばれています。他にも衛士、衛兵、護衛隊などの呼び方があるようです。
 彼らは領主が直接所有する建物や敷地内での捜査権や逮捕権を持っています。場合によっては領主の判断で権限を拡大し、秘密警察のような立場で極秘捜査を行わせることもあるようです。


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法教会型


 ユークレイ、カスティルーン、ペトラーシャという法教会を信奉する国々では、基本的な機構は中央行政型と同じですが、教会組織が警察や司法組織と深い関わりを持っています。


・存在国家
 ユークレイ/カスティルーン/ペトラーシャ


○聖職者

・出向
 これらの3国では法教会が司法組織を司っており、神聖法官と呼ばれる聖職者が裁判官として働いております。同様に警察の様々な部署には、聖堂騎士と呼ばれる法教会の聖職者が出向してきます。このように警察職に就く聖堂騎士を警務法官といいます。

・立場
 彼らの業務は通常の警察官と同じですが、立場としては独立しています。高い階級の役職につくのが普通で、下位の警察官を率いて捜査を行う立場にあります。それと同時に、彼らは内部の監査役としても機能しているので、法教会を国教とする3国では、他国に比べて警察官が為政者と手を結んで悪事を行う例が少ないという事実があります。聖職者はあらゆる意味で犯罪の抑止力として機能しているのです。

・特殊
 それから、彼らの中には機動隊や特殊救助部隊のような活動を主体とする者もいます。そのために警察内に設立された特殊な部署があり、変異現象による犠牲者を救ったり、あるいは暴動を鎮圧したりといった仕事をこなします。


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その他


○ユナスフィール教国

 警察に当たる民政組織がありますが、これを統括しているのは聖母教会です。街区ごとに所轄を担当する聖職者を置き、捜査や警備の指揮を取ります。警察業務全体の指揮・監督を行うのは、ユナスフィールにいる主教の1人です。


○ヴァンヤン島

 自治体の警備隊が警察業務を行っています。しかし、これらはあくまでも自警団であり、法的に整備された組織ではありません。


○植民地

 植民地警察の機構は、基本的に本国のものと同じです。しかし、中央の目が行き届かないことが多く、統治者が不正を行う率も高いようです。


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