その他のルール-概要

NPC評価


 

NPC


○NPCデータ形式

 プレイヤー達が演じるキャラクター以外の存在は、そのほとんどがGMの管轄に置かれることになります。これには普通の人間や、あるいは人間以外の怪物なども全て含まれます。このような存在のことを、プレイヤー・キャラクター(PC)に対してノン・プレイヤー・キャラクター(NPC)といいます。NPCの技能に関しては簡易表記法がとられています。下のデータは、普通の人間の能力や技能を簡易表記で示したものです。

  主能力 抵抗値 判定値 耐久値
気力:11
自我:11
活力:11
生命:11

 
 主能力と耐久値に関しては、PCの場合と全く同じ扱いになります。抵抗値はそれぞれ、心-精神抵抗、知-判断抵抗、技-反応抵抗、体-肉体抵抗に対応します。ただし、判定値と書かれている数値に関してだけは、NPCだけの特異な表記法になっています。NPCの技能は主能力を基準として扱います。つまり、同じ主能力に属する技能については、それに関する判定値は全て1つの数値で表現することになります。たとえば、心に属する技能には術法や感覚に関する技能がありますが、これらについては全て同じ値で判定を行うことになるのです。


○怪物データ形式

 アンバランスド・ワールドには、人間の敵となる存在がたくさんいます。こういった存在は全て怪物(モンスター)として扱うことになります。基本的なデータは、NPC用の簡易表記法で書かれています。しかし、怪物にはこれ以外にたくさんのデータがあります。
 
・知識判定
 怪物を判別する場合は、副技能という項目に書かれている技能を用い、不明度を難易度とした判定を行わなければなりません。各項目の後ろに書かれている(一般:+1)といった表記は、技能分類と成功値を示しています。知識判定の成功値が後ろに書かれている数値以上だった場合、そこに記載されている情報をキャラクターの情報として得ることができます。ただし、一般分野による判定は一般と書かれている分の知識しか得ることができません。専門分野による判定では、一般分野でわかる範囲もカバーすることができます。
 
・影響度/恐怖度
 そのモンスターが与える精神的影響の度合いを示す数値で、これを難易度として判断抵抗を行います。影響度は失敗しても一時的に驚くだけで済みますが、恐怖度は自我に対するダメージとなります。もし抵抗しきれなかった場合には、恐怖度から達成値を引いた値を自我にダメージとして受けることになります。このルールは必ず使用しなければならないものではなく、選択ルールとして扱って下さい。
 
・特殊能力
 モンスターの中には特殊な能力を持っているものが多くいます。術法を除いた特殊能力は、特に明記されていなければ、耐久値などを消費することなく自由に使用できます。なお、〜系と書かれているものは全て術法の系統のことです。その後ろに書かれている数字は、そのレベルまでの術法をすべて使用できることを表しています。

関連能力  技能による判定を行わなければならない場合、ここに書かれている能力に属する判定値を用います。
距離  ここに書かれている距離まで、その能力の効果を及ぼすことができます。
持続時間  その能力が効果を及ぼす時間です。
範囲  その能力が影響を与えることができる範囲です。もし、半径5m(90度)などといった書かれ方をしている場合には、効果を及ぼす方向が限定されることになります。
威力  効果値や難易度が設定されている場合には、ここにその数値が書かれています。
抵抗  抵抗判定などを行う場合に、使用する技能の種類が示してあります。


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評価


○プレイの評価

 ゲームが終了した後、GMはその結果に対する評価を行います。評価されるのは、いかにうまく問題を解決したかについての課題評価と、どれだけ多くの人を幸せに導くことができたかという感情評価の2つになります。評価はすべてキャラクターごとに行います。
 注意すべきは、ゲームの目的はこの双方を満たすことであり、どちらか一方だけでは駄目だということです。この2つの要素というのは、前者が物理面での条件であり、後者は精神面での条件と考えてもらって構いません。


・評価のポイント
 プレイの評価はプレイヤーの判断に対して行われるものです。ダイス目の善し悪しは問題ではなく、あくまでも判断内容とその結果について評価を行って下さい。また、キャラクターがどの程度の苦労したかや、作業をどれだけ繰り返したかも経験点には全く関係ないことで、それらは予め渡されているCPに含まれていることになります。


○課題評価

 シナリオで与えられた課題をうまく解決できた場合は、経験点としてCPを貰うことが出来ます。CPはGMがあらかじめ設定した基準ポイントに、シナリオの結果に対する評価ポイントを加えて決定します。ただし、与えられるCPはマイナスとなることはありません。計算の結果がマイナスとなる場合は、それは0として扱って下さい。


◆基準ポイント

CP 基準 内容
日常レベルの事件  日常のちょっとした騒動やもめごとを解決するシナリオです。
犯罪レベルの事件  犯罪に関わるシナリオで、非常に危険な目に遭う可能性があります。
地域レベルの事件  1つの地域を巻き込む大きな事件や騒動を取り扱うシナリオです。結果によっては自治体の運営にも影響を与える可能性があります。
政治レベルの事件  政府機関や国家そのものにも影響を及ぼしかねない、非常に大きな事件を取り扱うシナリオです。
世界レベルの事件  裏設定が絡んだり、複数の国家に影響を及ぼす事件です。結果によっては、国家や世界の在り方にも影響を与えます。

◆評価ポイント

評価 結果 内容
−2 シナリオ大失敗  罪のない人に迷惑をかけた、あるいは事態をますます混乱させた場合など。
−1 シナリオ失敗  努力はしたが結果的に事態を収拾することができなかった、あるいは使命を達成できなかった場合など。
±0 使命を部分的に達成  シナリオの目的を全てではないにしろ、部分的に達成することができた場合など。
+1 使命を完全に達成  首尾よく事をおさめて、シナリオの目的を完全に達成した場合など。
+2 特にすばらしい業績  シナリオの目的を、きわめて優れた手段で成し遂げた場合など。


・成長
 経験点として貰ったCPを使って、技能や能力値を成長させることができます。もともと余しておいたCPを使用して成長を行っても構いませんし、CPを成長に使用せず余剰CPとして残しておくことも出来ます。
 基本的にキャラクターの成長は、1度に1点ずつしか値を変えることができません。ただし、社会レベルのように急に変更する可能性があるものは、1度に何点か変化させても構いません。


◆成長とCP消費

評価 結果
主能力値  目標とする値の3倍のCPが必要となります。主能力値は最大で4までしか上昇させることが出来ません。主能力値が上昇すれば副能力値も自動的に上昇しますが、耐久値は上昇しません。
抵抗力
(修正値)
 これを1点上昇させるためには、次に上昇させようとする数値の分だけCPを消費します。もともと+2上昇させていた場合は、次は3CPが必要です。
耐久値  これを1点上昇させるためには、もとの能力値に関係なく1点につき2CP必要になります。上限は15ポイントとなります。
主技能値  目標とする値の2倍のCPを消費します。人種にかかわらず10ポイントが上限となります。
個人修正値  次に上昇させようとする数値の分だけCPを消費します。
専門分野  キャラクター作製時と同じく、1CPを消費することで基礎習得、さらに1CP消費することで完全習得することが出来ます。ただし、専門分野を身につけるには時間がかかるため、プレイの合間に十分な時間がなければなりません。
補助技能  1CPを消費すれば1種類を習得することが出来ます。補助技能は副技能の専門分野とは違って、すぐに身につけることが可能です。
社会レベル  目標とするレベルと同じだけのCPが必要となります。基本的に上限は4となります。ただし、シナリオの中で社会からの評価が変わらなければ、これを上昇させることは出来ません。
感情レベル  目標とする値と同じだけのCPが必要となります。上限は3となります。レベルを上昇させた場合は、1増加するごとに判定回数を1減少させて下さい。
感情特性  1CPを消費することによって、感情特性を1つ破棄することが出来ます。
感情判定
(回数)
 感情レベルと同じだけのCPを消費すれば、判定回数を1回増やすことが出来ます。たとえば、感情レベルが3の場合は3CPの消費が必要です。なお、0レベルの場合は回数を増やすことは出来ません。

術法
 [術レベル+3]を難易度とした習得判定に成功し、術レベルと同じだけのCPを消費しなければなりません。習得判定は1回行うごとに、1CP消費します。準備時間は1CP消費するごとに1ラウンド減少します。


○感情評価

 シナリオに関わった者が、どのような感情を抱いたかによって評価されます。これによって、奇跡/破滅ポイントが変動します。
 基準はシナリオに関わった者が幸せになったかどうかで、その数によって感情ポイントが変化します。感情評価はキャラクターが直接感謝されたかどうかには関係なく、純粋に結果だけで考えます。


・感情ポイント
 感情ポイントの基準はシナリオに関わった者が幸せになったかどうかで、+と−のうち最も感情の程度の激しいものが、それぞれ1つずつ評価として適用されます。基準は1桁の人数の場合であり、桁数が上がった場合は評価が1ランクずつ変化します。たとえば30人の命を救えば+3となりますし、逆に死人が200人ほど出た場合の評価は−4となるわけです。最終的な感情ポイントは、プラスとマイナス双方の評価を合計したものとなります。
 

◆感情評価の基準

評価 結果 内容
−2 最悪の不幸  死人が出るなど、最悪の事態に陥った場合です。
−1 非常に不幸  重い怪我を負ったり一家離散となるなど、かなり悲惨な目に遭った場合です。
±0 変化なし  特に損害もなく、とりたてて良いこともなかった場合です。
+1 非常に幸福  大怪我をせずに済んだりするなど、非常に満足した状態です。
+2 最高の幸福  死の淵から救ってもらったり、人生に関わるほどの大きな利益を受けた場合です。


・ポイントの変動
 合計した感情ポイントがプラスとなった場合、奇跡ポイントを得ることが出来ます。感情ポイントが+1につき、1点の奇跡ポイントに換算されます。逆に合計した感情ポイントがマイナスとなった場合は、感情ポイントが−1につき1点の破滅ポイントを得ることになります。


○感情特性による変化

 そのシナリオで獲得した感情特性と、シナリオの展開が大きく反するような結果になってしまった場合、シナリオ終了後に特性レベル分の破滅ポイントを得ることになります。これらは感情評価とは別に獲得するものです。
 課題目標として推測した内容が本来果たすべき内容と異なっていた場合、個人要素として設定した内容と大きく外れるような行動を選択した場合は、また、一度助けた相手と敵対するような行為に及んだ場合は、破滅ポイントを獲得することになります。


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