下層労働者

概略掃除夫小作人運搬人土木作業者自由労働者御者娼婦/男娼


概略


タイプ 説明
掃除夫  人々が汚したものを片付ける職業です。
小作人  農業を行う者の中でも、いわゆる小作人と呼ばれる農作業従事者のことです。
運搬人  馬車の荷役夫やホテルや駅の荷物運びなど、荷物を運搬するのが仕事です。
土木作業者  鉱山夫や石切職人、あるいは建築現場の作業者など、土木作業に携わる人々です。
自由労働者  特に決まった職についてはおらず、日雇いの職場を転々として暮らしている労働者です。
御者  辻馬車や乗合馬車の御者です。観光案内を兼ねる場合があります。
娼婦/男娼  売春宿や路上で客を取り、一夜限りの愛人として相手を楽しませます。


○解説

 特別な技術や知識をほとんど必要とせず、ただひたすら体を動かすことを仕事とする者たちです。これらの職業に就く者は下層階級とされます。彼らの多くは幼い頃から働いているため、字が読めなかったり計算ができなかったりすることもあります。
 職につくために特別な資格を必要とはしないため、農村からの流れ者や不定居住者、あるいは都市浮浪児や戦災孤児といった人間がこの職につきます。また、犯罪者あがりが雇ってもらえるといったら、肉体労働か犯罪組織くらいのものです。
 彼らの労働条件は最悪で、長い時間、劣悪な環境で酷使されるのは当たり前のことなのです。そのわりには賃金が安く、代わりはすぐに見つかるため雇用者に逆らうこともできません。不衛生さがたたって病気で死んだり、危険な作業で事故にあったりしても、なんの補償もありません。雇用者は労働設備を整える気などまったくなく、彼らを使い捨ての道具のように考えているのです。
 なお、居住地を決めずに放浪しながらこれらの仕事を探す者は、自由労働者や不定労働者などと呼ばれます。特に土木・建築現場で働く者たちに多く、新しい現場を探して各地をふらふらとさまよいます。


○条件

 これらの職につくために必須とされる条件は特にありません。体が丈夫であることと、作業員を募集しているかどうかということだけです。


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掃除夫


下層労働者
タイプ:掃除夫
身分:労働者階級(下層)
最低年齢:なし 
財産レベル:自由
収入タイプ:固定/不定
標準収入:5000エラン〜3万エラン
推奨技能:なし
必須専門分野:なし
説明:人々が汚したものを片付ける職業です。
所持品:掃除用具


サブタイプ:煙突掃除夫
推奨技能
 運動技能:軽業
 作業技能:家事
 記憶技能:職業知識【煙突掃除夫】
必須専門分野
 職業知識【煙突掃除夫】:業務内容(知)/地域知識【各種】(知)
説明:煙突にたまった煤をはらう仕事で、狭い場所で動く必要があるため主に子供がなります。
所持品:掃除用具


サブタイプ:ネズミ捕り
推奨技能
 作業技能:野外作業
 記憶技能:職業知識【ネズミ捕り】/博物知識
 判断技能:観察力/捜索技術
必須専門分野
 野外作業:屋外罠(知/技)
 職業知識【ネズミ捕り】:地域知識【各種】(知)
説明:非衛生的な小動物を捕獲することを仕事としており、疫病が流行した時などには重宝されます。どぶさらいと同様に、身分の低い者がつく仕事とされています。
所持品:ネズミ用罠、カゴ、網


○解説

 どぶさらいや洗濯屋など、人々が汚したものを片付けたりする職業です。衛生職などという言い方もありますが、実際は誰からも蔑まれる階層であり、賃金も労働の厳しさに見合ったものではありません。一日中働いて、ようやくその日の食事にありつけるといった程度でしょう。そういった生活の厳しさから、身を持ち崩して犯罪に走る人間も少なくありません。
 掃除人たちにはあまり時間的な余裕がありません。金銭的にも恵まれず、人々に接するにしてもあまりいい顔をされないのが普通です。ですから、シナリオには非常に参加しにくい職業といえます。しかし、彼らだけに見えるものや出会う騒動というもの、少なからず存在します。たとえば、どぶさらいやネズミ捕りが下水道で事件に巻き込まれることもありますし、煙突掃除夫が屋根の上から何かを目撃することもあるでしょう。肥料屋は宮廷に入って仕事をすることもありますし、洗濯夫が洗濯物のポケットから何かを見つけるかもしれないのです。


・洗濯夫
 町中で店を構える洗濯屋ではなく、川で汚れものを洗う職業です。洗濯屋から毎日大量の洗濯物が渡され、決められた時間のうちに洗ってまた洗濯屋に渡さなければなりません。大きな河川のある街では必ずほったて小屋のような形の船を見ることができ、そこでは必ず洗濯夫が仕事をしています。

・肥料屋
 排泄物を買い上げ、それを肥料として農村に売り歩く仕事です。下水などが整備されていない地区には必ず存在する職業で、貴族の屋敷や宮廷ですら彼らの世話にならないわけにはゆきません。

・煙突掃除夫
 この時代では暖房器具といえば暖炉ですし、料理もかまどを使って行われます。そして煙突に煤がたまって煙が抜けなくなれば、当然のことながら生活に支障をきたします。これを解消するのが煙突掃除夫という職業で、小さな子供たちがなるものと決まっていました。狭い煙突が作業場なのですから、小柄で身軽でなければならないのです。普通は農村から売られてくる子供や、都市浮浪児などを拾ってきて煙突掃除夫に仕立てます。狭い場所での煤払いは本当に辛い仕事で、火傷や炎症は当たり前ですし、ちょっと気を抜くと煙突から落ちて大怪我をしてしまうこともあります。また、煤のために肺病になることも多いのです。

・煤払い
 工場機械や乗り物の蒸気機関についた煤を掃除する者です。特に狭い場所で働くわけではありませんので、大人でもなることができます。蒸気機関の火夫として石炭をくべたり、その他の掃除夫を兼ねたりもします。なお、蒸気機関の内部を掃除する場合は、機関掃除工という専門の知識を持った人間が行わなければなりません。ただし、機関掃除工の手伝いを行うことはよくあり、その作業を効率的に行うために煤払いが存在するのだともいえます。煙突掃除夫同様、肺病を患うことの多い職業です。

・どぶさらい
 下水道や側溝などの清掃を専門に行う職業で、基本的に大きな街や都市にしか存在しません。下水に住み着く浮浪者と顔見知りであることも多く、そういった筋(乞食組合など)から情報を集めることもできるでしょう。

・ネズミ捕り
 ネズミに代表される非衛生的な小動物を捕獲することを仕事とします。罠を仕掛けたり、薬を散布して駆除を行います。疫病が流行した時などには重宝されますが、それで感謝されるということはありません。

・靴磨き
 人々の靴を磨いて小銭を稼ぎます。この時代は馬糞や泥で靴が汚れることが多いことや、仕事をはじめるのに元手がほとんどいらないことなどから、靴磨きが大勢あらわれるには十分な条件が揃っています。ちょっとした町なら、往来で必ず見かける職業の1つでしょう。なお、密偵などが靴磨きに変装して情報を集めることもあるようです。


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小作人


農夫
タイプ:小作人
身分:労働者階級(下層)
最低年齢:なし
財産レベル:自由
収入タイプ:固定/不定
標準収入:1〜3万エラン
推奨技能
 記憶技能:職業知識【農夫】/博物知識
必須専門分野
 職業知識【農夫】:業務内容(知)
説明:農業を行う者の中でも、いわゆる小作人と呼ばれる農作業従事者のことです。
所持品:農具一式


○解説

 農業を行う者の中でも、いわゆる小作人と呼ばれる農作業従事者のことです。あらゆる職業の中で最も人口が多く、社会の根幹にある職種といっていいでしょう。どんな国家でも農業なしには成立しえないのです。しかし、そのように大事な立場であるにもかかわらず、多くの国家でhはその地位は低いものとされています。作業量のわりには実入りも少なく、冬場には工場労働者として都市へ出稼ぎに出る人も少なくありません。
 彼らの多くは自らの土地を持たず、貴族や富裕農民の土地を耕して土地代を払います。しかし、同じ小作人でも国家によって立場は違います。1つには領主貴族や地主の小作人として働く場合で、農作物は税として徴収されます。そしてもう1つには、大農場の働き手として資本家の経営の下で働く場合があり、これは契約によって成り立つ雇用関係です。大農場というのは都市人口の増大によって農作物の需要が増し、生産力を向上させるために為された方策でした。しかし一方では、農地の買い上げによって土地を失う農民が増え、都市への人口の流出という事態を招いています。


○注意点

 農夫は都市の周辺部にも住んでいるので、まったく不可能というわけではありませんが、シナリオには参加しにくい立場でしょう。どちらかといえば助けを請う側であり、NPC向きの職業となります。しかし、農夫が冬に出稼ぎに行くことは珍しくありませんし、農地を失って都市へ職を探しに出るというのもよくあることです。そこで事件に巻き込まれないとも限りません。また、革命などが起こった場合に、農具を武器にかえて戦わなければならないこともあります。工夫次第では十分に使用に耐えるキャラクターとなるでしょう。


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運搬人


下層労働者
タイプ:運搬夫
身分:労働者階級(下層)
最低年齢:なし
財産レベル:自由
収入タイプ:固定/不定
標準収入:5000〜5万エラン
推奨技能:なし
必須専門分野:なし
説明:馬車の荷役夫やホテルや駅の荷物運びなど、荷物を運搬するのが仕事です。
所持品:なし


○解説

 荷物を運搬するのが運搬夫の仕事です。現在のエルモア地方では、交通事情の変化や都市人口の増加とともに物資の流入が増大しています。このことにより、彼らのような運搬人の仕事も需要が増しているのです。
 運搬夫の職場は多岐に渡ります。馬車の荷役夫として働くこともあれば、ホテルで客の荷物を運搬することもあります。それから駅の荷物運びや港での貨物の積みおろし、商店の配達夫などを務めるのも運搬夫の仕事です。どこか顔馴染みの店に出入りして、日雇いで賃金を受け取るのが普通のようです。


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土木作業者


下層労働者
タイプ:土木作業者
身分:労働者階級(下層)
最低年齢:なし
財産レベル:自由
収入タイプ:固定/不定
標準収入:5000〜5万エラン
推奨技能
 記憶技能:職業知識【各種】
必須専門分野:なし
説明:鉱山夫や石切職人、あるいは建築現場の作業者など、土木作業に携わる人々です。
所持品:なし


○解説

 鉱山夫や石切職人、あるいは建築現場の作業者など、土木作業に携わる人々です。ツルハシやスコップで穴を掘ったり、出てきた土砂を運搬したりという作業を行います。
 近年のエルモア地方では工業化が進み、鉄や石炭といった鉱山資源の需要が急激に伸びております。また、鉄道の敷設や新しい建物の建築といった事業は、彼ら土木作業者にたくさんの仕事を与えてくれます。一方で機械技術の進歩が、建築機械が彼らの仕事を少しずつ奪おうとしている部分もありますが、それで彼らのような労働者が職にあぶれるということはありません。むしろ、土地を失った農夫などが彼らと職を争う相手となるでしょう。
 過酷な上に長時間労働であり、職場は不衛生で事故も少なくありません。建築技術の向上によって建物の高さも少しずつ高くなってゆき、高所で作業をすることもあります。このような危険な仕事を引き受ける彼らのお陰で、人々は橋を渡ることができ、列車や船を運行することができるのです。しかし、彼らに感謝する人はいません。人々は科学時代の到来に目を輝かせ、技術者や科学者に賞賛を与えるのです。彼らが胸を張って自分の仕事を誇れるようになるには、まだまだ時間がかかりそうです。


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自由労働者


下層労働者
タイプ:自由労働者
身分:浮浪/労働者階級(下層)
最低年齢:なし
財産レベル:自由
収入タイプ:不定
標準収入:不定(5000〜3万エラン)
推奨技能:なし
必須専門分野:なし
説明:特に決まった職についてはおらず、日雇いの職場を転々として暮らしている労働者です。
所持品:なし


○解説

 特に決まった職についてはおらず、日雇いの職場を転々としている労働者です。1つの町にいつく者もいれば、1週間から1ヶ月くらいの間隔で町を渡り歩く場合もあります。彼らは工場での労働や蒸気機関の火夫、それから収穫時期の農作業の手伝いやちょっとしたゴミの片づけなどを行って、日銭を稼いで暮らしています。
 仕事がない時は浮浪階級として嫌悪され、仕事についても労働者階級として蔑まれます。実際に乞食のような生活をする時もあり、犯罪に手を染める者も少なくありません。人口の増加によってこのような自由労働者も多くあらわれ、都市の治安が悪化する原因となっています。自由労働者が何か問題を起こした時、社会は彼らを悪者として扱いますが、現在の社会体制こそが彼らのような存在を生み出していることを忘れてはなりません。


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御者


運搬人
タイプ:御者
身分:労働者階級(下層)
最低年齢:なし
財産レベル:自由
収入タイプ:固定
標準収入:3〜10万エラン
推奨技能
 作業技能:運転技術
 記憶技能:職業知識【御者】
 判断技能:会話技術/駆け引き
必須専門分野
 職業知識【御者】:業務内容(知)/地域知識【各種】(知)
説明:辻馬車や乗合馬車の御者です。観光案内を兼ねる場合があります。
所持品:地図、(馬車一台)


○解説

 現在のエルモア地方では、馬車は主要な交通機関の1つです。馬車には様々な種類があり、御者のタイプもそれぞれ異なります。


・御者(辻馬車)
 辻馬車は現在のタクシーに相当する交通手段です。都市の大通りでは、何台もの馬車が歩道脇に止まっている姿を見ることができます。客は空いている御者に行きたい場所を告げて目的地まで連れていってもらい、移動距離の分だけ料金を支払うことになります。
 個人経営ですが、組合や自治体に登録しなければ営業できません。通常は夜も運営しており、ランプを吊して走ります。観光客を乗せる場合は、ガイドを兼ねることもあります。ちょっとしたメッセンジャーを頼まれることもあります。

・御者(乗合馬車)
 乗合馬車は街中を定期的に運行するもので、現在でいえば路線バスにあたります。運賃が安く大量の人員を運ぶことができるため、中産階級市民の通勤手段としてよく利用されています。個人ではなく会社が経営するのが普通で、御者は会社に雇われる形になります。

・御者(駅馬車)
 都市間をゆく馬車は駅馬車と呼ばれます。これは街や村を単位として各区間に駅を設置し、そこで乗り降りできるというものです。大規模な会社が経営することが多く、御者も会社に雇われていることになります。


○条件

 御者になるために特に必要な条件はありません。ただし、その地域にある馬車組合や会社に属する必要があります。


○注意点

 辻馬車は個人経営ですから、客がこなければ自由に時間を使うことができるでしょう。大きい町であればどこにいてもおかしくない職業なので、周囲を気にする必要もありません。逆に乗合馬車や駅馬車は運営時間が決まっているので、あまりシナリオに参加するには適していない職業です。そのかわり、定期的に休みを取ることができます。


○コネクション

 御者の仲間からさまざまな情報を集めることができるでしょう。組合や会社から何か教えてもらえることもあります。他にも上得意の客がいれば、ちょっとした相談事を持ちかけることができるかもしれません。


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娼婦/男娼


売春婦
タイプ:娼婦/男娼
身分:労働者階級(下層)
最低年齢:なし
財産レベル:自由
収入タイプ:固定/不定
標準収入:10〜50万エラン
推奨技能
 記憶技能:職業知識【売春】
 判断技能:会話技術/演技力/駆け引き/観察力
必須専門分野
 職業知識【売春】:業務内容(知)/地域知識【各種】(知)
説明:売春宿や路上で客を取り、一夜限りの愛人として相手を楽しませます。
所持品:衣装、化粧品


サブタイプ:芸子売春婦
推奨技能
 運動技能:舞踏技術
 記憶技能:職業知識【売春】
 判断技能:会話技術/演技力/駆け引き/観察力
 感応技能:音楽感覚
必須専門分野
 職業知識【売春】:業務内容(知)/地域知識【各種】(知)
 音楽感覚:楽器演奏【各種】(技)
説明:売春婦であるだけでなく、歌や踊りを披露して宴を盛り上げる芸人でもあります。
所持品:衣装、化粧品、楽器1つ


サブタイプ:高級娼婦
推奨技能
 運動技能:舞踏技術
 記憶技能:上流知識/社会情報/文芸知識
 判断技能:会話技術/演技力/観察力
 感応技能:音楽感覚
必須専門分野
 社交界:社交界知識(知)/礼儀作法(知)
説明:特定の政治家や貴族などに囲われている、特殊な売春婦です。身分はパトロンのものに準じます。
所持品:衣装、化粧品


○解説

 一夜限りの恋人として客を取り、相手を楽しませることを商売とする人々です。一般には娼婦(男娼)と呼ばれますが、路上に立って客を取る街娼や、芸を見せる芸子売春婦、あるいは貴族や資産家の囲われ者である高級娼婦などがいます。個人で商売をする者もいれば、娼館や酒場と契約して働いている者など、さまざまなタイプが存在します。このような商売は裏社会と深く関わっており、娼館の中には裏組合やギャングが経営している店も多くあります。このようなことから、娼婦の世界では縄張りに関する意識が強く、余所者がいきなり商売を始めようとしても妨害されてしまうのが普通です。特定の人間と契約をかわしたり、あるいは裏社会に話を通してからでなければ、営業を認められないのです。
 一般に娼婦の身分は低いものとされ、一般市民からはあからさまな蔑視を受けるのが普通です。娼婦から他の職業に転職したとしても、過去がばれてしまえば待遇が悪くなったり、あるいは解雇されてしまうこともあります。
 彼女たちは好きでこのような職業に就いているわけではありません。多くは貧しい家に生まれて満足な教育を受けられず、他に就ける職がなかったためにこの道を選んだり、借金のかたに身売りされたなどという理由からです。借金によって働かされている場合は、働いた収入の殆どが返済のためにあてられます。ですから、自分の持ち物を買うこともできず、逃げ出すための資金を貯めることもできません。借金を全額返してしまえば自由になれるのですが、たいていは高額の利子を払うのが精一杯で、一生を娼館で過ごすことになります。また、中には騙されて売られてきた者もおり、そういった娼婦には元貴族の娘なども存在するようです。

 なお、娼婦の前ではどんな客でも無防備だったり、あるいは口が軽くなる傾向があることから、密偵や暗殺者がこれに扮することもあるようです。娼婦が諜報員からお金をもらって、客から情報を盗み出すこともあります。


・娼婦/男娼
 売春宿や路上で客を取り、一夜限りの愛人として相手を楽しませます。特定の宿や酒場と契約している者は、店で商売しなければなりません。街娼と呼ばれるタイプは、連れ込み宿や自分のアパートで仕事をします。

・芸子売春婦
 
売春婦であるだけでなく、歌や踊りを披露して宴を盛り上げる芸人でもあります。多くは特定の酒場と契約し、そこに訪れる客を楽しませます。

・高級娼婦
 政治家や貴族などの上流階級の人間に囲われている、特別な立場にある娼婦です。非常に美しい女性しかなることができず、また様々な知識にも優れている必要があります。主に恥をかかせるわけにはゆきませんし、相手を退屈させるようでは高級娼婦として失格なのです。
 身分はパトロンのものに準じ、貴婦人としての扱いを受けます。パトロンと一緒にパーティや狩りに出席こともあるので、社交界の知識にも通じ、上品な立ち居振る舞いやダンスなども身につけていなければなりません。一般市民からは羨望の眼差しや嫉妬と同時に、密かな軽蔑の目を向けられることもあります。


○条件

 娼婦(男娼)になるために特に必要な条件はありません。ただし、若く美しい方が、そしてなるべく愛想がいい方が客に長く可愛がってもらえるでしょう。


○注意点

 どこか特定の宿や人物に買われている場合は、あまり自由に活動することはできません。売春宿で働く場合、昼は比較的自由なのですが、夜はほとんど休みなしで働くことになります。もちろん、遠出も許されないでしょう。


○コネクション

 娼婦は何よりもまず客との繋がりが大事となります。お得意さんであれば多少の我侭は聞いてくれるでしょうし、金銭的にも助けを求めることができるかもしれません。高級娼婦は上流階級の人間と知り合っている可能性がありますが、何か頼み事をする場合はパトロンを介して話を通してもらう必要があるでしょう。


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掃除夫小作人運搬人土木作業者自由労働者御者娼婦/男娼