身分概説


 


 聖暦789年のエルモア地方には、貴族制度や奴隷制度といった身分制度が存在しています。旧態依然とした身分制度はエルモア全域で見れば崩壊しつつありますが、今でも生まれや家柄は無視し得ない要素なのです。大きくは出自によって身分が決定されます。努力したからといって一般市民が貴族になれるわけではないことは、子供でも知っている常識です。そして奴隷として買われてきたものは、そのまま一生奴隷の身分のまま働き続けることになります。職業や経済的格差、あるいは教育の程度によっても差別されたりすることがあり、それらは一般的に当たり前のこととして受けとめられているのです。

 ただし、聖暦789年のエルモア地方では、努力によってそれを改善することができるようになりつつあります。たとえば資本家の台頭がはじまると、雇用者と労働者の関係が階級意識として刷り込まれてゆくようになりますが、このように金銭的なものであれば努力によって覆すことも不可能ではありません。新しい技術が利用されるようになってきた昨今では、知識やアイデアによって新しい企業を興すことも可能ですし、新しい発見や発明によって多大なる金銭と尊敬を勝ち取ることもできるのです。
 そのため、現在のエルモア地方では学校というものが非常に重要視されています。単に知識人というだけでも尊敬される世の中ですから、子供をなるべく上の学校へやろうとして必死で働くのです。それから、一部では奴隷制度を撤廃しようという動きもあります。カルネアという国では、奴隷解放問題を中心とした内戦が行われており、南北が分かれて戦っている最中です。


◆身分と階級

身分 階級 説明
上流 支配階級  封建制度や王制を敷いている国家の貴族です。領地を持ち、そこから得られる税収で生活しています。通常はさまざまな特権を持っています。
名誉階級  一代限りの貴族位を持つものや、政治家、名士などがこの中に含まれます。
神聖 神聖階級  聖母教会、法教会、マイエル教の三大宗教およびエリスファリア国教会の聖職者です。国家によって有する権利などは大きく異なりますが、総じて多大なる尊敬を受けている人々です。扱いとしては富裕階級〜名誉階級となりますが、一般聖職者には権力や財産があるわけではありません。

中層
富裕階級  資本家、農場経営者、富裕農民など、多額の資産を持つ階級がこれになります。

知識人階級
 医師や大学教授、あるいは教師などの知識人のことです。職業術法師の中にもこれに含まれるものがあります。

市民階級
 小売店主や技術職、他にも給料生活者などがこの階級に含まれます。いわゆる一般市民のことです。

下層
労働者階級  農夫や鉱夫といった肉体労働者や日雇労働者、あるいは芸人などが含まれます。
浮浪階級  都市浮浪児や乞食などの職を持たない者、それから遊牧民族などもこの階級です。

最下層

犯罪者階級
 裏組合やギャング、あるいは罪歴のある者がこれに含まれます。

奴隷階級
 ペルソニア大陸から連れてこられた黒人や赤人たちです。基本的な人権を持たず、主人の命令に従って労働しなければなりません。

異端階級
 奴隷以下の存在で、まともな人間とは認められていません。悪魔崇拝などの反社会的な異端信仰者、それから亜人や変異現象の影響を受けた人間などがこれに当たります。


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