基本処理
乗り物や徒歩といった手段にかかわらず、競走場面の行動を処理する場合は、競走ラウンドという単位で行動を管理します。競走ラウンドは戦闘ラウンドと同じく、1ラウンド=5秒として扱われます。競走ラウンドの中で戦闘が行われる場合もありますが、この場合は競走ラウンドの処理方法を加えて行動を管理して下さい。
○移動距離の取り扱い
・疾走
運動技術(一般:技+運動)の技能を用いて判定する場合は、[移動力×5+達成値]mが1ラウンドにおける移動距離となります。なお、競走ラウンドでは主能力値は技を用います。・操縦
判定は操縦に関する技能を用い、1ラウンドの移動距離は[移動力×5+達成値]mとなります。
乗り物に乗っている場合、最高速度以下であれば(状況が許す限り)任意の速度で移動することができます。最高速度は巡航速度の倍までで、移動力は任意の速度(時速)を4で割った数値になります。唯一の例外は走り出した最初のラウンドで、この時に限って最高速度は巡航速度までとなります。
○処理方法
・ラウンドの管理
移動距離は1ラウンド単位で管理することになります。距離の単位はmとなります。・開始
競走ラウンドは、誰かが競走を選択した次のラウンドから始まります。距離の基準となる点は、ラウンドが開始した時点で最も後方にいた者の位置となり、これを0として扱います。・順番と位置
戦闘ラウンドと同じく、行動は判定値が高い順からとなります。ただし、競走ラウンドの場合は、行動宣言を行う時点で既に移動力の分だけ移動したものとして考えます。行動は移動の処理を終えてからとなり、判定値の高い順に処理を終えてゆきます。
なお、達成値による移動距離は、行為判定を行った後に追加されることになります。もし誰かが攻撃などを先に仕掛けた場合は、そちらの処理を終えてから疾走や操縦の判定を行います。・ラウンドの移行
全員が行動を終えたら、GMが最終的な状況を告げ、次の競走ラウンドの処理へと進むことになります。競走ラウンドにおける処理はこの繰り返しとなります。・終了
十分な距離が引き離された場合や、相手を見失ってしまった場合は、競走ラウンドは終了することになります。引き続き相手を追跡する場合は、痕跡を探したり進路を予測して追いかけることになります。
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疾走中の行動
人間もしくは動物が走りながら通常の行動を取る場合は、[基本移動力×5]mの距離しか進むことはできません。また、外から何らかの影響を受けた次の5秒間は体勢が崩れるため、以下に記す状況の変化と同じ処理を行うことになります。
○競走中の回避判定
競走中に攻撃を避ける場合は、回避判定に運動技術を用いることになります。この時の移動距離には達成値を加えることができず、[移動力×5]mしか進めないことになります。
背後からの攻撃については、あらかじめ後ろを警戒していなければ、攻撃そのものを察知することはできません。警戒していると宣言した場合は、運動技術の判定に−4の修正を受けることになります。この場合、攻撃を受けなかったラウンドにも、−4の修正値は適用されます。
なお、防御や反応抵抗による回避を選択することも可能ですが、その場合は[基本移動力×5]mの移動しかできなくなります。それから改めて逃げ出そうとする場合には、運動技術の判定を行う必要があります。
○状況の変化
急激に走り出した最初の5秒間や方向を転換をした場合などは、キャラクターは足を滑らせてしまう可能性があります。こういった場面では運動技術の判定を行い、失敗すればうまく移動できなかったことになります。たとえば急な曲がり角を曲がる場合などは、GMはこの判定を行わせて下さい。
この時の移動距離は[基本移動力×5+達成値]mとなります。達成値が0の時は転倒する可能性が生じるので、難易度1の反応抵抗の判定に成功しなければなりません。失敗した場合は転倒してしまったことになります。
競走中にダメージを受けた場合にも、状況の変化が適用されます。ただし、この時に限っては、反応抵抗の難易度は前の5秒間に受けたダメージの合計となります。
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操縦中の行動
乗り物を操縦しながら他の行動を取る場合、操縦との同時判定に成功しなければなりません。また、移動距離に達成値を加えることはできなくなり、[移動力×5]mの距離しか進むことはできません。これは能動行動でも受動行動でも同様です。
○操縦時の回避判定
乗り物を操縦しながら攻撃を回避する場合は、回避判定に操縦の副技能を用いることになります。この時の移動距離には達成値を加えることができず、[移動力×5]mしか進めないことになります。
背後からの攻撃については、あらかじめ後ろを警戒していなければ、攻撃そのものを察知することはできません。警戒していると宣言したラウンドは、操縦の判定に−4の修正を受けます。ただし、指示者などによって攻撃方向を予測できるのであれば、−2程度の修正にしてあげても構いません。
なお、防御や反応抵抗による回避を選択することも可能ですが、その場合は攻撃の成否にかかわらず事故を引き起こす可能性があります。そういった行動を取った次のラウンドには、以下の状況の変化と同じ処理を行って下さい。
○状況の変化
・事故
急激に方向を転換をしたり進路妨害を受けるなどした場合、あやまって事故を起こしてしまう可能性があります。こういった際には操縦の判定を行わねばならず、失敗すれば一時的に安定を失った状態となってしまいます。
難易度の基準は移動力で、移動力が5(時速20km)上がるごとに難易度が1上昇します。これに各状況における修正を加えたものが、最終的な難易度となります。たとえば、時速80kmで砂利道を走っていた場合は、難易度は[砂利道1+移動力4]=5となります。もちろん、行動宣言を行う際に速度を落としていれば、それに従って難易度は下がります。
・立て直し
不安定な状態に陥ってしまった時は、巡航速度を移動力として先ほどの難易度の計算を行い、それを目標とした操縦の判定を行わなければなりません。判定に成功すれば持ち直すことができますが、失敗すれば事故を引き起こすこととなります。
何かにぶつかってしまった時は、その時点での[移動力−5+障害物の防御値]ポイントを効果値ダメージとして受けることになります。なお、装甲で周りを覆われている場合は、防御値の分だけダメージを減少させることができます。
・速度低下
このような状況の変化が起こった場合は、判定に成功しても一時的に乗り物の速度は低下し、巡航速度までしか速度は出ないことになります。再び直線コースに入るまでは、巡航速度以下の移動力で距離を計算することになります。
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失敗時の影響
○転倒時のダメージ
操縦に失敗して転倒した場合は、何らかのダメージを受けることとなります。このダメージは効果値によってあらわされます。基本的には、その時点での[移動力−5]ポイントが基準となります。たとえば時速60キロで走行している場合、移動力1は時速4キロなので、(15−5)=10ポイントということになります。[移動力−5]で0以下になるような場合は、転倒しても痛みを受けるだけで、基本的にダメージは発生しません。
さらに、これに障害物の固さによる修正を加えたものが、最終的な効果値となります。地面の場合は、以下のような修正を加えて下さい。なお、このダメージは、軽業(一般:技+運動)の技能によって受け身を取ることで、減少させることが可能です。
◆効果値の修正
修正 状況 −4 泥地、砂など −2 草むらなど ±0 土の地面 +2 石畳など固い場所 +4 鉄や尖った障害物への衝突
○衝突
・乗り物へのダメージ
何かに衝突した場合は、乗り物自身にもダメージを受けることになります。ダメージの程度は、上の転倒時のダメージと同じ基準で計算して下さい。この場合は、作動値と耐久値の双方に影響が及びます。これによって作動値が0になった場合は、その機械は動かなくなってしまいます。・搭乗者へのダメージ
衝突によるダメージを受けてしまった場合は、搭乗者も乗り物と同じ分のダメージを受けることになります。ただし、乗り物の防御値は適用されますし、自分が身につけている防具によってダメージを緩和することも出来ます。
なお、受け身を取るほど空間に余裕がある場合は、衝突そのものでダメージを受けることはありません。ただし、乗り物が耐久値に受けたダメージを難易度とした、反応抵抗の判定に成功しなければ、衝撃によって転倒してしまう可能性があります。
注:まだ空気入りタイヤは登場しておりませんので、悪路や事故によってパンクすることはありません。ただし、タイヤそのものが外れてしまう可能性はあります。
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