技術職

概略加工職人機械職人写真技師料理人


 

概略


タイプ 説明
加工職人  何かの素材を加工して製品にする職業です。
機械職人  時計工やオルゴール工など、昔からある機械を取り扱う職人です。
写真技師  写真を撮影、現像するのが主な仕事です。この時代はすべて白黒写真ですので、絵の具で色をつけて売り出すものもいます。
料理人  レストランや酒場で料理をつくります。給仕を兼ねる場合もあります。


○解説

 身に付けた技術で品物を作製する職業で、ほとんどが古くから存在する専門職です。さまざまな職種がありますが、共通するのは経験によって技術を身につけることで、多くの職業では親方について仕事を習う徒弟制度をとっています。
 職人たちは、これまで自分たちの生活が脅かされる事態に出会ったことはありませんでした。同業者たちが集まって職業団体をつくりあげ、製品の数量調整や価格調整などを行って、自らの生活を守ってきたからです。しかし、科学の発達によって工業機械の出現するようになり、少しずつ職人たちの社会にも変化が訪れています。彼らが行ってきた作業が機械で行えるようになれば、安価で大量に製品をつくることができるようになります。地道な努力によって身につけた専門的な技術が、機械の操作さえ覚えれば誰でもこなせるようになるのです。そうなれば、仕事は全て工場に奪われてしまうことでしょう。職人たちはそれを危惧し、工場経営者たちとの対立を深めています。もちろん、現在のエルモア地方の科学技術では、それほど複雑な作業機械を作製することはできません。まだまだ職人の技術は必要とされるでしょう。かといって、ライバルの台頭を安穏と見過ごすわけにはゆかないのです。
 しかし、社会は科学の発達を望み、国家や自治体も工場の誘致を手放しで喜ぶことが多いのです。職人たちはこれからも工場経営者とは反目し続けるでしょうし、工場製品に対抗するために自らの技術を高めることにも力を注がなければならないでしょう。その一方で機械の導入を検討し、作業の効率化を図ろうとする職人も存在します。職人の社会はこれからますます混迷の一途をきわめることになりそうです。


○条件

 職人になるために特に条件はありません。小さい頃から親のもとで仕事を覚えたり、親方のもとへと弟子入りし、徒弟として働きながら技術を身につけます。職業団体の中には、技術のランクを決めるための試験制度を設けたり、親方になるための試験がある場合があります。親方として認められなければ店を構えることはできませんし、弟子をとることもできないのが普通です。これらの制度は各職業団体によって異なります。
 最近では職業団体が専門学校を開設し、そこで徒弟の教育を行うというシステムが出現し始めました。これは職人の技術を一定水準に保つためと、最新の技術教育を行う目的があってのことです。そのような場合には、初等学校を卒業した後に専門学校に入学し、そこから各店舗や工房に就職するといった形になります。


○注意点

 職人がプレイ中に習得した技能を有効に使うことはまれでしょう。だからといって、シナリオに参加しにくい職業だというわけではありません。職人はおそらくどのような小さな町にも必ず存在します。ですから町中を舞台としたシナリオでは、彼らはいかなる場所に存在していてもおかしくはないのです。この点において、職人は他の職業よりも有利な立場にあるといえます。


○コネクション

 職人は同業者同士で結成する職業団体(職能)に属しているのが普通です。この団体は様々な面で同業者の保護を行っており、そこから情報を集めることができるでしょう。また、それぞれの職業団体は地元の商工組合や経済団体ともつきあいがあります。それから、他の町の同業者組合ともいろいろと連絡を取り合っています。かつてはなかったことですが、工場製品に対抗するために、国内であれば技術交換も推奨されるようになってきました。
 それから職人たちは、なんといっても地元住民とのつき合いが古く、あまり無茶なことでなければ、ちょっとした頼み事をきいてくれることもあるでしょう。その他に、仕入れ業者や取り引き業者とのコネもあります。


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加工職人


職人
タイプ:加工職人
身分:市民階級(中層)
最低年齢:なし
財産レベル:自由
収入タイプ:固定
標準収入:5〜20万エラン
推奨技能
 作業技能:工作作業
 記憶技能:職業知識【各種】
 判断技能:管理統制
必須専門分野
 職業知識【各種】:業務内容(知)
 工作作業:工作技術【各種】(知/技)
説明:何かの素材を加工して製品にする職業です。
所持品:専門工具一式、作業着


○解説

 何かの素材を加工して製品にする職業です。さまざまな職種があり、鍛冶屋、石工、パン職人、それから細工師、宝石加工業者、仕立て屋など、昔ながらの職人はだいたいがこれに含まれます。特別な教育を受けていないことから高い身分ではありませんが、単純作業を行う肉体労働者とは異なり専門的な技術を身につけていることから、市民階級として扱われています。頭脳労働者よりは低く見られるのが常ですが、特別に蔑まれたりすることはありません。


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機械職人


職人
タイプ:機械職人
身分:市民階級(中層)
最低年齢:なし
財産レベル:自由
収入タイプ:固定
標準収入:8〜20万エラン
推奨技能
 作業技能:工作作業/機械作業
 記憶技能:職業知識【各種】/機械知識
必須専門分野
 職業知識【各種】:業務内容(知)
 機械作業:機械整備【各種】(知/技)
説明:時計工やオルゴール工など、昔からある機械を取り扱う職人です。
所持品:専門工具、ルーペ(虫眼鏡)


○解説

 時計工やオルゴール職人など、機械を組み立てたり修理する職人です。その作業は何より精密さを要求され、手先の器用さが重要となります。他にも錠前工や人形職人なども機械職人に含まれます。
 職人は概して頭脳労働者よりも低くみられがちですが、緻密な機構によって人間のように滑らかに動く機巧人形や、難度の高い音楽を重奏するオルゴールをつくりだす機械工は、芸術家のように褒め称えられることがあります。身分はあくまでも市民階級ですが、技術さえあれば貴族や名士と付き合うことさえ不可能ではないのです。
 機械工業で特に有名な国はカスティルーンで、中でもティアリッツという町にはたくさんの機械職人が住んでいます。この町に修行に訪れる職人も少なくありません。


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写真技師


技師
タイプ:写真技師
身分:市民階級(中層)
最低年齢:なし
財産レベル:自由
収入タイプ:固定
標準収入:10〜25万エラン
推奨技能
 作業技能:写真技術
 記憶技能:職業知識【写真技師】/上流知識/教育知識
 判断技能:会話技術/観察力
必須専門分野
 職業知識【写真技師】:業務内容(知)
 写真技術:写真撮影(技)/写真現像(知)/写真加工(技)
説明:写真を撮影、現像するのが主な仕事です。この時代はすべて白黒写真ですので、絵の具で色をつけて売り出すものもいます。
所持品:写真機、現像用具一式


○解説

 写真技師は新しい時代の職業であり、その物珍しさからか非常に人気のある商売です。専門的な技術は確かに必要ですが、機械技師のように高度な知識を必要とするものではありません。写真屋で手伝いをしながら技術を身につけるのが一般的で、どちらかといえば職人に近い職業になります。
 この時代の写真は撮影に時間がかかります。焦点を合わせるなどの設定にも手間取りますし、被写体は短くても数秒は静止していなければ、画像がぶれてしまうことになります。少し古い写真機では、数分も黙って動かずにいなければならないのです。このような理由から数をこなせる仕事ではなく、写真一枚の単価もそれなりの金額になってしまいます。ですから顧客はだいたい市民階級以上で裕福な家庭の者に限られるようです。しかし、あまり裕福ではない家庭の者でも、遠方に出かける前に家族に写真を残したり、あるいは軍人が出征前に両親と一緒の写真を撮りに来るということがあります。

 現在の写真はすべてモノクロで、その点では絵画に劣ります。ですから、絵心のある写真屋はモノクロ写真に着色し、カラーにして販売するということも行っています。単価は数倍に跳ね上がりますが、それでも金持ちは気にせず買ってゆくようです。


○条件

 写真技師になるには特に学歴は必要としません。写真技師の助手をしながら、必要な技術を実地で身につけることになります。


○コネクション

 写真技師の顧客は裕福な家庭の者が多く、上流階級の人々と顔見知りであることもあります。とはいえ、よほど世渡りがうまくなければ、それほど親しい間柄になることはないでしょう。


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料理人


料理人
タイプ:料理人
身分:市民階級(中層)
最低年齢:なし
財産レベル:自由
収入タイプ:固定
標準収入:5〜15万エラン
推奨技能
 作業技能:家事
 記憶技能:職業知識【料理人】
 判断技能:管理統制
 感応技能:知覚力
必須専門分野
 職業知識【料理人】:業務内容(知)/専門知識【料理】(知)
説明:レストランや酒場で料理をつくります。給仕を兼ねる場合もあります。
所持品:料理服、コック帽、調理道具一式


○解説

 レストランや酒場で料理をつくります。どこかの店に雇われている者もいれば、自分で料理店を経営する者もいます。店の規模はさまざまで、料理人が給仕を兼ねる場合もあります。
 料理人にも位のようなものがあり、一流の店につとめる者はそれなりの尊敬を受けます。料理人は腕だけが頼りの職業であり、いかに努力したかによって出世の度合いが決まるのです。小さな料理店の見習いから、一流のレストランのシェフになることも夢ではありません。料理人の中には、いろいろな店を渡り歩く者もいます。多くは修行のためで、外国まで勉強に出かける場合もあります。


○条件

 料理人になるのに必要な条件は特にありません。店で見習いをしながら技術を身につけます。なお、一流レストランにつとめる場合は、誰かの紹介を必要とすることもあります。


○注意点

 料理人は店を営業している時間だけ仕事をすればよいわけではなく、仕込みや仕入れにもそれなりの時間をかけます。朝早くに起きて市場へと仕入れに出かけ、夜遅くまで片づけをしたり、翌日のための仕込みをしたりします。雇われている場合は特に自由に動ける時間が決まっておりますので、シナリオに参加しにくい面も多々あります。


○コネクション

 給仕を兼ねたり個人経営の店で働く料理人は、店のお客と顔見知りです。店の客層や料理人の腕前によっては、上流階級の人間と面識があってもおかしくないでしょう。もちろん、仕入先の人間とも顔馴染みですし、どこかで修行した経験があればその店とも繋がりがあります。


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