○自然
小国に匹敵する面積をもつ森林地帯で、非常に特殊な生態系をつくりあげています。気候的には冷帯に属するはずですが、気温はそれほど低くなく、紅葉樹も何種類か生えています。
○変異
この森そのものが変異現象の産物だと言われています。ここにある木の中には幹が螺旋状のものや、葉が動物の爪状になったもの、あるいは自己移動の能力を持ち、動物を捕獲する食肉植物もいます。東南に進むほど変化が大きくなる傾向がみられます。
変異によるものなのか、それともエルフが持つ能力なのかは定かではありませんが、『森の心』という現象が知られています。この森の中では、記憶や感覚の共有が可能になるというもので、比較的近しい者の間で起こります。これによって遠くにいる仲間の危険を知ったり、誤解のない意志の伝達が可能になります。これはいつでも起こるというわけではなく、相手のことを頭に思い浮かべて、強く念じる必要があります。
○民族
・エルフ(エルフィン)
細身で小柄な美しい亜人種です。
寿命は200年ほどになりますが繁殖力は弱く、人口はそれほどではありません。
○制度
エルフは氏族という集団に分かれて生活しており、氏族ごとに役割が決まっています。たとえば守りの氏族や採取の氏族といった具合に仕事を分担しています。氏族は1人の長とその他で構成されていますが、長だから偉いというわけではなく、純粋に役割を示すものでしかありません。この長同士が集まって会合を開き、全体の方針を決定します。会合の議長を務めるものは大長と呼ばれ、1年ごとに交代でこの任につきます。なお、氏族同士も完全に対等であり、地位というものは全く存在しません。
○宗教
いわゆる原始宗教の信仰者であり、特に樹木を大事にしています。
○文化・生活
採取生活が中心で、木の実を拾ったり山菜を採ったりして生活の糧としています。火を使うことはあまりなく、ほとんどのものは生で食べています。生活に関する品々も植物を加工したものが多く、武器は弓矢や木の槍を使い、住居も藁で編んだテントを使っています。
○要所
・世界の真ん中の木
信仰の中心となる大樹で、世界に1本しかないといわれています。常緑で樹皮は樫に似ており、実をつけることはありません。このことから、永遠を象徴するものとして崇められています。
○組織・集団
・薬木の氏族
医師としての役割を担う一族です。この地に生えている植物のほとんどを把握しています。・螺旋の先を目指す者
この氏族はアルビノの者ばかりで構成されており、氏族外の者と婚姻を結ぶことはありません。祭祀を司っており、術法を使うものが多いのが特徴です。
○人物
・ユーセルファート ?歳 女
最長老として尊敬されている老婆で、森が生まれた頃から生きているといわれています。知識や経験は非常に豊富で、長以外で会合に出席できる唯一の人物です。自ら意見を述べることはありませんが、的確なアドバイスをしてくれます。・オネスフェリア 41歳 女
守りの氏族の若い女性ですが、近頃は森の外に出ることを夢見ています。というのは、森の周囲をパトロールしていた時に出会った少年のことが気になって仕方がなく、もう一度だけ会いたいと願っているからです。・ローランジェリ 45歳 男
オネスフェリアの幼なじみで、彼女に恋をしています。それゆえ、外へゆきたいと言うようになった彼女のことを心配しており、懸命にその気持ちを忘れさせようとしています。・シュレンズベク 105歳 男
螺旋の先を目指す者の長で、祭儀の一切を取り仕切る大事な役割を担っています。術法師としても最高クラスの実力を誇り、植物系の術法を得意としています。非常に慎重な性格で、目に見える事態だけにとらわれず、常にその裏にある真実を見据えようとします。
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