奇跡の発動
願いと奇跡ルールには、感情判定とは別の使い方があります。それは、奇跡の発動です。アンバランスド・ワールドでは、ごくまれに奇跡を目の当たりにすることがあります。これは誰かの強い願いが叶えられた結果として起こるためです。
なお、キャラクターは奇跡の発動を認識していません。普通は運が良かったと考えたり、神の救いだと思うことでしょう。
○発動条件
強い願いがあれば、奇跡として術法を発動することができます。これは自分や仲間を救うために用いるもので、意味もなく他人を陥れたり傷つけたりする目的で使用することはできません。
・内容定義
奇跡の発動に際しては、感情特性として内容を定義する必要があります。この時に定義された感情特性も、感情判定の際に獲得したものと同様の働きをします。なお、この場合は感情ベースを指定する必要はなく、自由に決めることが可能です。
定義した感情特性は、奇跡ポイントの横の欄に記入して下さい。これは直後の判定に用いる場合もありますので、発動した時点で書き込む必要があります。・認識
キャラクターは奇跡の発動を認識してはいません。普通は神が起こした奇跡だと考えるでしょう。・制限
状況から考えて極端に不自然な奇跡を起こすことはできません。周囲の誰かが不自然と感じた場合は、奇跡は発動しないことになります。ただし、皆が神の奇跡だと信じた場合は、この制限は適用されません。・術法の選択
術法はどの系統のものでも使用可能です。習得に制限項目があるものでも、それらは一切無視して構いません。しかし、術法の数は非常に多く、その全てを把握して場面に的確なものを選択するのは大変なので、通常の場合は祈願系の術法を用いるとよいでしょう。
○奇跡ポイントの消費
奇跡を一度使うためには、奇跡ポイントを消費しなければなりません。消費したポイントに応じて使用できる術のレベルが上下します。
・術レベル
術レベルは消費した奇跡ポイント以下のものに限られます。・獲得
奇跡ポイントはキャラクター作製時に1点貰うことが出来ます。また、CPを1点消費することで1点得ることができます。それから奇跡的成功が起こった場合にも、奇跡ポイントを1点獲得することができます。・特性レベル
奇跡の発動で決定した定義内容は、感情特性の1つとして保持されることになります。この場合は、消費した奇跡ポイントがそのまま特性レベルとして設定されます。GMは以降の判定時に、これを用いて強制判定を行わせることが可能です。
○効果
奇跡はその結果のみが直接あらわれます。行為判定を行わなければならない通常の術法とは異なり、発動に失敗することはありません。
・達成値
達成値は消費した奇跡ポイントと同じレベル、つまり術レベルと同じということになります。ただし、これは奇跡的成功の一種として扱うので、抵抗するような力が働いている場合は、[難易度(あるいは相手の達成値)+術レベル]として下さい。・要素による制限
奇跡として術法を用いた場合は、時間的あるいは空間的な制限を無視することも可能です。つまり、距離、持続時間、効果範囲といった要素を完全に無視して構わないということです。ですから、本来なら死亡するほどのダメージを受けていた場合でも気づかないうちに治癒していたり、遠くにいる人の不幸がなんとなくわかったりということが起こり得ます。ある人の願いが、数百キロも離れた恋人の命を救うこともあるのです。・GMの判断
効果はGMが描写することになります。奇跡の発動はキャラクターの意思を世界に反映させるものですが、世界を思い通りに変更するためのものではありません。あまりにも過剰な効果を適用しないよう注意して下さい。
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破滅の発動
奇跡の発動と対局に位置するのが破滅の発動です。基本的な処理は奇跡の発動と同じですが、これは自分を不利な状況にする方向でしか使用することができません。
○発動条件
激しい後悔などのネガティブな感情は破滅を引き起こします。奇跡と同じく破滅も術法として発動します。
・内容定義
破滅の発動に際しては、感情特性として内容を定義する必要があります。この時に定義された感情特性も、感情判定の際に獲得したものと同様の働きをします。なお、この場合は感情ベースを指定する必要はなく、自由に決めることが可能です。
定義した感情特性は、破滅ポイントの横の欄に記入して下さい。これは直後の判定に用いる場合もありますので、発動した時点で書き込む必要があります。・認識
キャラクターは破滅の発動を認識していません。普通は運が悪いと考えることでしょう。あるいは、悪魔の仕業や変異現象だと思うこともあります。・制限
状況から考えて極端に不自然な破滅を起こすことはできません。周囲の誰かが不自然と感じた場合は、破滅は発動しないことになります。・術法の選択
術法はどの系統のものでも使用可能です。習得に制限項目があるものでも、それらは一切無視して構いません。
○消費
破滅を1回発動するためには、破滅ポイントを消費する必要があります。消費したポイントに応じて使用できる術のレベルが上下します。
・術レベル
術レベルは消費した破滅ポイント以下のものに限られます。・獲得
破滅ポイントはキャラクター作製時に1点貰うことが出来ます。また、CPを1点消費することで1点得ることができます。それから致命的失敗が起こった場合にも、破滅ポイントを1点獲得します。・特性レベル
破滅の発動で決定した定義内容は、感情特性の1つとして保持されることになります。この場合は、消費した破滅ポイントがそのまま特性レベルとして設定されます。GMは以降の判定時に、これを用いて強制判定を行わせることが可能です。
○効果
破滅の効果は奇跡と同じ扱いとなります。注意しなければならないのは、破滅の効果は対象となるキャラクターのみに適用するということです。広範囲に効果を及ぼす術でも、なるべく最小限に押さえて発動させることになります。
ただし、GMがシナリオのコントロールや演出のためにどうしても必要と考えた場合は、周囲に何らかの被害が及んでも構いません。しかし、対象となるキャラクター以外には回避や抵抗の判定を行うなど、被害を逃れるための何らかのチャンスがあって然るべきです。
○GMによる発動
破滅の発動が奇跡と大きく異なる点は、ゲームマスターも好きな時にこれを発動できる、ということです。
GMはシナリオのコントロールや演出を行うための他に、言動があまりにも非常識な相手への制裁措置として、このルールを適用する権利を持っています。ただし、むやみにこれを利用するのはつつしむべきでしょう。どうしても必要だと判断した時以外は、破滅は発動させないようにして下さい。・条件
基本的な条件は、全てプレイヤーが発動させる場合と同じになります。ただし、GMが新たに内容定義を行うことは出来ませんので、感情特性として記録に残ることはありません。・消費
消費するのは破滅を適用するキャラクターの破滅ポイントです。GM個人がポイントを保持しているわけではないので、この点には注意して下さい。
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相殺効果
奇跡と破滅はお互いを打ち消し合う効果を持ちます。自分、もしくは誰かに起こる奇跡や破滅は、その反対のもので無効化することができるのです。これは、奇跡ポイントと破滅ポイントの消費によって行われます。
たとえば、自分に対して破滅が発動した時には、奇跡ポイントを消費することで、これをなかったものとすることができます。多くはGMが発動させた破滅を相殺する目的で使うことになるでしょう。もちろん、自分が発動させてしまった破滅を、あとで撤回したい時にも使用することが可能です。
・消費
この場合、奇跡ポイントと破滅ポイントは同じ分だけ消費しなければなりません。ポイントが不足していた場合は、相殺効果を得ることは出来ません。・適用範囲
この打ち消し行動は他人に対しても行うことができます。他のキャラクターの破滅が発動した時に、自分の奇跡ポイントを消費してこれを救うことができます。複数のキャラクターがポイントを出し合うことも可能です。
それから、もし必要があるのであれば、誰かが自分に対して使用した奇跡を、破滅ポイントで打ち消すことも可能となります。・GMによる相殺
GMがキャラクターのポイントを消費して、それぞれの発動を無効化することが出来ます。
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