装備品

タイプ装備制限武器データ防具データ銃器の機構


 

装備品のタイプ


 装備品は一般装備、旧式装備、軍用装備の3つのタイプに分かれています。


・一般装備
 一般装備は普通の町中でも比較的手に入りやすいもので、都市であれば大抵の品を揃えることができるでしょう。

・旧式装備
 旧式装備は前近代的な国家での戦争や、怪物相手の戦闘などに使用されている、比較的古い時代の装備品です。近代国家ではなかなか手に入りにくく、中古品として売買されることが多いようです。新たに作製してもらうのも難しく、その場合は3〜5倍程度の価格となってしまいます。手間や設備の問題から、製造を断られることも少なくないでしょう。

・軍用装備
 軍用装備は文字通り軍隊で使用される装備品で、主に近代的な軍隊で支給される品々がリストアップされています。中には一般でも手に入るものもありますが、軍隊でしか使用されないような品もあります。
 ここにある装備はプレイヤーの独断で所持することはできません。GMの許可を得て、初めて使用することが可能となります。仮に許可されたとしても、それは職務を遂行する際に使用できるというだけであり、個人が自由に持ち歩けるようなものではありません。個人が所持している場合は、それは闇ルートなどから手に入れたものでしょう。それは犯罪か犯罪に類する行為ですので、見つかれば逮捕されることもありえます。

(注:冒険者や軍人といった職につかない限り、一般装備表の中にある品だけで十分足りるはずです)


○装備の規制

 これらの装備品の所持は、軍用装備を除けば特に法律で規制されているわけではありません。というのは、エルモア地方には変異現象によって強力な怪物が存在しており、そのための自衛力として武器を使うことが認められているからです。
 ただし、町中で刀剣を帯びていたり、鎧を身につけていたりすることは殆どありません。懐に銃を忍ばせたり、あるいは杖の中に刀を仕込んでいることはあっても、それを積極的に人目にさらすことは避けるべき行為なのです。警察官や軍人でもなければ、変人扱いされかねないということを覚えておいて下さい。
 一方、田舎では自分の力で身を守らねばなりませんので、森に入るのに銃を携帯したり、ナタや手斧を腰にぶらさげていてもまったく問題はありません。それから、街道を歩いて移動する旅人が武器を所持することは、むしろ常識的なことだと考えられています。変異体が出没する他にも、犯罪者が路銀を狙うこともよくあるからです。とはいえ、日頃から常にそれらを手放さずにいるというのは、常識的な態度ではありません。この点においては注意するようにして下さい。


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装備制限


 武器や防具の装備には制限があり、これは主能力値のの値によって変わります。装備できる物品は重量によって制限されます。装備品には特に重量という数値は設けられてはいませんが、武器の場合は打撃値、防具の場合は防御値を便宜上の重量とします。


○区分

 装備は大きく分けて、手に持つものと身につけるものとに区分されます。具体的には、手に持つものは武器と楯であり、身につけるものは楯以外の防具です。


・手に持つ装備
 手にもつもの(武器と楯)は、重量の合計が体×3の値以下でなければなりません。これは利き腕で体×2、逆腕で体×1を支えられることを意味します。重量がこの値を上回った場合は、打撃値が1上回るごとに攻撃の判定値に−1の修正を受けます。

・身に付ける装備
 武器や楯は個々の値が基準となりますが、身に付ける防具に関しては合計した防御値が基準となります。こちらも手にもつ装備と同様に、体×3までの重量を支えることができます。体×3の値が重量の合計に充たない場合は、それが1点足りないごとに回避判定に−1の修正を受けることになります。

・飛び道具
 飛び道具には2つの系統があり、整備制限の基準が異なります。
 1つは弓矢や投擲武器といった火薬類を使用しない種類のもので、武器そのものに打撃値が書かれています。こういった武器の場合は、その武器の打撃値が装備制限の基準となります。追加武器の打撃値は制限に一切関係しません。
 もう1つは銃器であり、武器そのものには打撃値が書かれておりません。銃器の場合は追加武器の打撃値が装備制限の基準となり、[追加武器÷2]を武器の打撃値として判断して下さい。それから、大砲などの砲銃は使用者の筋力に直接関係しませんので、特に重量による制限を考える必要はありません。


○記入

 エルモア地方に存在する武器や防具を記した装備品データはデータパート2で紹介します。この中から装備を選択して、名称や必要な値をキャラクターシート2の装備の欄に記入してください。そして、それぞれに必要事項を書き入れたら、装備という欄が完成します。
 装備の欄は上下に分かれています。これらはスラッシュ(/)の有無で区別されており、二重線の上は個々の装備に関して、下は合計した値を書く欄になっています。
 
・個別の装備
 装備名称という欄には、所持している武器や防具の名称をそれぞれ書き入れます。そして攻撃判定以降の欄には、説明にある通りの数値や用語を記入してゆきます。

・全体の装備
 次に下のスラッシュ(/)のある欄ですが、装備名称というところには使用する武器や防具の組み合わせを、自分が分かりやすいように書いて下さい。攻撃判定、回避判定という欄は、スラッシュ(/)の左側には判定値(副技能値+全ての修正値の合計)、右側には判定に用いる主能力値を書き入れて下さい。打撃値、防御値の欄には、使用する武器や防具に準じて、各々の数値の合計値を記入して下さい。


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武器データ


○基本データ

 全ての武器には、装備箇所攻撃修正打撃値、そして価格という値が設定されています。


・装備箇所
 装備箇所はその武器を片手で持つか、あるいは両手で持つかということを示しています。中には片手でも両手でも持つことができる武器もあります。こういった武器は、両手で持った場合の打撃値は、片手で持った場合よりも1ポイント上昇します。装備表では3/4という具合に表記されており、スラッシュ(/)の左側が片手、右側が両手の時のデータとなります。

・攻撃修正
 
攻撃修正とは攻撃判定にかかる修正値のことです。つまり、これが大きいほど扱いやすい武器であるということです。この値は−1などといった形で書かれています。個人修正値と同様に、副技能値にこれを加えた値を判定値として、攻撃の成否を判定することになります。

・打撃値
 
打撃値は武器が与えるダメージの大きさのことで、この値が大きいほど強力な武器だということになります。この値が横棒線で表わされている武器は、たとえ命中してもダメージは与えられません。

・価格
 武器の価格です。全てエラン単位で書かれています。

・効果分類
 武器には与えるダメージのタイプが記されています。それぞれの詳しい効果についてはこちらをご覧下さい。

・用途
 武器によっては特殊な攻撃方法を選択することが可能となります。それぞれの詳しい効果についてはこちらをご覧下さい。


○飛び道具

・射程距離
 飛び道具には射程距離が示されており、それを超える範囲には攻撃できません。表では距離と書かれている項目がそれにあたり、単位はmとなります。なお、これは有効射程距離であり、実際にはここに書かれているよりも遠くまで飛びます。

・準備
 弓や銃などの矢や弾を撃ち出す武器には、数/準備という数値が設定されています。これは1度に装填できる矢や弾丸の数とその準備に要する時間のことです。準備に必要な時間は1ラウンド(5秒)単位で示されています。


○追加武器

 追加武器はそれ単体では武器として使用できるものではありません。主に矢や弾丸などが追加武器に当たり、使用する武器の数値に修正値や打撃値を合計して、攻撃の判定をすることになります。そのため、追加武器の表には使用武器という欄があり、ここに書かれている武器でしか、それぞれの追加武器を使用することはできません。
 
・数値
 これらは攻撃修正と打撃値の数値を持ちます。この値は使用する武器のそれぞれの数値にそのまま加えて下さい。そのため、打撃値+1などという具合に表記してあります。これには矢や弾丸などの他に、スコープのように狙撃の精度を上げるものなどもあります。

・装備制限
 追加武器によって打撃値が上昇した場合でも、武器の重量には一切関係しません。装備品の制限は、あくまでも基本となる武器の数値で計算して下さい。
 唯一の例外は銃器で、これは元の武器に打撃値が存在しません。この場合のみ[追加武器÷2]を装備制限の基準として考えます。


○銃器と弾丸

・弾薬
 銃器にはタイプおよび弾薬というデータ欄があります。これはその銃器で用いることができる弾丸の種類に関係するデータで、弾丸の使用武器に書かれているタイプの武器でしか、その弾丸を使うことができません。

・徹甲値
 徹甲値というデータが記されている銃弾や砲弾は、その分の装甲(防御値)を無視して耐久値にダメージを与えることが出来ます。


○効果武器

 固定的なダメージを表わす数値を効果値といい、難易度とまったく同様の扱いを受けます。そして、ダメージの大きさが効果値で表わされるような武器を、効果武器と呼びます。手榴弾や罠などがこれにあたります。これらの武器は、通常の武器のようにダメージに攻撃判定時の達成値を加えたりすることはありません。


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防具データ


 防具は手に持って使用する楯と、体に装着する鎧に大きく分けることができます。これら防具は、回避修正、防御修正、防御値などのデータを持っています。


○データ形式

・回避修正
 回避修正は、何かを回避する際の判定に修正値として加えられる数値です。重い鎧や動きが制限されるような防具はマイナスの値が大きくなります。この値も攻撃修正と同じく+1などという形式で示されており、防御および反応抵抗の判定値にこれを加えた値で、攻撃をかわすための判定を行うことになります。

・防御修正
 防御修正は回避修正の一種ですが、防御の判定にのみ適用される修正値となります。この数値を持つのは、基本的に楯に属する防具に限られます。

・防御値
 防御値はその防具がどれだけのダメージを防ぐことができるのかを表わす数値で、これが大きいほど防御力が高い防具だということになります。攻撃が命中した時は、この値の分だけダメージを軽減することができます。

・攻撃修正
 楯には上の2つの他に、攻撃修正も設定されています。これは体のバランスが損なわれたり、あるいは大きさによって動きが制限されるためで、楯で攻撃する場合の数値ではありません。修正値は武器の場合と同様に、攻撃に関する副技能の値に加えます。


○重ね着

 装備する箇所が重ならなければ、キャラクターは複数の防具を身につけることができます。鎧を2つ重ねて着たりすることはできませんが、楯と兜と鎧を同時に装備することは可能です。これは装備箇所という欄を見て判断して下さい。
 2つ以上の防具を身に付けているときは、回避修正、防御値は累積します。たとえば防御値3の胸甲と防御値1の兜を装備すれば、合計4点のダメージを防ぐことができます。


○行動の阻害

・回避修正
 防具の回避修正は、運動に関する判定全般にも影響を及ぼします。防具を身につけている場合、それぞれの判定に回避修正と同じだけの値を加えて判定を行うことになります。

・金属鎧
 金属製の鎧が特別に阻害を及ぼす行動もあります。素材に金属を使っている鎧を身につけている時は、聴覚の判定に回避修正と同じ分の修正を受けます。
 また、全身を覆う金属鎧を装備している場合は泳ぐことができません。水泳の判定で奇跡的成功がでればごくわずかな時間だけ顔を出すことができますが、それ以外の判定結果では必ず溺れてしまうことになります。


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銃器の機構


○火薬

 現在は黒色火薬(木炭、硫黄、硝石を配合)が利用されており、まだ無煙火薬は発明されておりません。黒色火薬は燃焼するとはげしく白煙をあげる性質があり、次の射撃の邪魔になります。また、銃尾や銃口にすすが付着し、きちんと掃除をしないと故障の原因ともなります。
 
・雷石火薬
 この世界には、衝撃を与えると爆発する雷石という石が存在します。これを火薬として利用している銃弾は、無煙火薬と同様に煙を出さずに発砲することが出来ます。雷石火薬は黒色火薬よりも高値となり、銃弾1発につき50エランほど余分に支払わなければなりません。


○銃弾

 球形の鉛玉を使う場合と、先端が円錐型や椎の実型の金属薬莢を利用する場合があります。
 
・球形弾丸+火薬
 前装式の銃器に用いる鉛の球形弾丸と火薬で、一般には紙包弾薬という形で売られています。これは1回分の弾丸と火薬を一緒に紙に包んであるもので、弾丸と火薬が別になったものと比べると、弾薬の装填を手早く行うことが出来ます。装填を行う場合はまず紙の後ろの部分を切り、銃口から火薬をつめた後に棒で突き固めて、その上から鉛玉を入れることになります。
 発火式銃器のデータにある準備時間は、紙包弾薬が基準となっています。もし弾丸と火薬を別々に持ち歩いている場合、準備時間はデータにある数値の2倍として下さい。

・紙薬莢
 包み紙に可燃紙を用いた紙包弾薬で、金属薬莢と同じように後装式の銃器にも用いることが可能です。紙は火薬と一緒に燃えてしまうため、燃え残りを取り除く手間がいりません。
 前装式の銃器に用いる場合、不燃紙の紙包弾薬よりも1ラウンド早く装填を終えることが出来ます。連装式の銃器の場合は、弾丸1発ごとに準備時間を1ラウンドずつ減少させて下さい。
 後装式の銃器に用いる場合は金属薬莢と同じ手順で装填を行うことが出来ますが、雷管(着火機構)が分離しているので金属薬莢式の銃で利用することは出来ませんし、紙製であるため弾倉に詰めることも不可能です。

・金属薬莢
 金属薬莢は弾頭と火薬と雷管が一体となった弾丸で、弾倉に詰めて利用することが可能です。銃弾の後ろに雷管が仕込まれており、これを叩くことで火薬に火をつけることが出来ます。金属薬莢の特徴は撃った後に排莢を行う必要があることで、これは手動でレバーを操作したりすることで行われます。


○着火方式

 着火方式は大きく分けると、発火式と薬莢式の2つに分類することが出来ます。発火式(火縄、歯輪、火打ち石、管打ち式)は着火部分と推進火薬が分離しており、金属薬莢式は雷管・推進火薬・弾頭が一緒になっています。
 発火式には幾つかの着火方式がありますが、データでは着火方式を細かく区別はしておりません。何も表記がない場合は、プレイヤーの好みで方式を決めて構いません。
 
・火縄式
(マッチロック)
 引き金を引くと火縄の先が火皿の上に乗せた点火薬に触れ、着火するという方式です。

・歯輪式(ホイールロック)
 引き金を引くと回転する歯輪と黄鉄鉱が触れて火花を出し、火皿上の点火薬が発火するという仕組みです。

・火打ち石式(フリントロック)
 引き金を引くと火打ち石(フリント)が当り金をこすり、火皿上の点火薬が発火するという仕組みです。

・管打ち式(パーカッションロック)
 引き金を引くと撃鉄が雷管を強打し、飛び散った火花が銃口内の火薬に着火するという方式です。

・金属薬莢式
 弾丸の後部に雷管がつけられており、これを叩くことで中につめられた火薬に着火します。


・雷管
 雷管は爆薬の一種で、ハンマーがここを叩くと火花が出るようになっています。管打ち式の銃の場合は銃身の後部に雷管を取り付ける機構があり、雷管を叩いて出た火花によって銃口内につめた火薬に着火します。金属薬莢の場合は弾丸の後部に雷管がつけられており、これを叩くことで中につめられた火薬に着火します。


○装填機構

・単発銃
 発射毎に手で弾薬を装填するもので、前装式・後装式にかかわらず、1つの銃身に弾丸を1つずつ込めなければなりません。

・連装銃(多銃身銃)
 単発銃の銃身を増やしたもので、各銃身から1発ずつ発射することが出来ます。

・連発銃(弾倉式)
 弾薬を込めた弾倉を備えており、発射毎にレバーやトリガーを引くことで弾丸を装填することが出来ます。


・前装式
 1度発射するごとに銃口の先から火薬と弾丸を込める方式で、装填に時間がかかります。

・後装式
 銃身後部または薬室から弾薬を装填する形式の銃です。蓋をスライドさせる方式や、中折れ式と呼ばれる銃身を折り曲げる方式などがあります。

・レバーアクション式
 発射する毎にレバーを上げ下げすることで、遊底が前後にスライドして次の弾丸が薬室に送り込まれます。

・ボルトアクション式
 遊底の横に取り付けたボルトハンドルを手で前後に往復させて、弾丸の装填や排莢などを行うやり方です。弾丸の装填は、弾倉からバネの力で自動的に行われます。

・リボルバー式
 シリンダーと呼ばれる円筒形の回転弾倉があり、これが薬室を兼ねています。発射する毎にシリンダーが回転し、次弾を銃身の位置に移動させます。排莢は手動で行う必要があります。
 現在のリボルバー銃の機構はシングルアクション式と呼ばれているもので、発砲前に親指で撃鉄を引き起こす必要があります。ダブルアクション式と呼ばれる引き金を引くだけで発射できる方式は、現在は開発されていません。


○弾倉(マガジン)

・箱形弾倉式(ボックスマガジン式)
 底部にバネを仕込んだ箱形の弾倉で、上から弾丸を詰めてゆく方式です。銃器にセットした後は、レバーなどを操作することで自動的に薬室に弾丸が送り込まれてゆきます。

・管状弾倉式
 銃身の下や銃床内に弾丸を収納する筒がついており、バネの力で弾丸を薬室に送り込む方式です。

・回転弾倉式(シリンダー式)
 リボルバー式の銃器に用いられるもので、シリンダー(円筒形の回転弾倉)に弾を詰め込み、それを銃本体に組み込むことで弾丸を充填する方式です。1発撃つ毎に弾倉が回転し、次弾を銃身の位置に移動させます。


○銃腔

・滑腔銃(スムースボア)
 銃身の内側に細工を施していない、単なる金属の筒です。球形弾の装填に適していますが、弾道が不安定となるためライフル式のものより精度が落ちます。

・施条銃(ライフル)
 銃身内部に螺旋状の溝(ライフリング)を施したものです。発射された弾丸が回転することで弾道が安定し、滑腔式のものより命中精度が高くなります。なお、ライフリングを施した銃器では球形弾丸は使われません。


○普及の度合い

 現在のエルモア地方で主流となっている銃器は薬莢式のもので、後進国では紙薬莢を用いた管打ち式の銃が、先進国では金属薬莢を用いた後装式の銃が主に利用されています。
 弾倉を用いた最新式の連発銃は、ごく一部の先進国家で出回っているだけに過ぎません。これらは高価なため、軍でも一部の部隊にしか支給されておらず、一般の部隊では旧型の安価な銃器が使われています。
 火縄銃のような旧式の銃器は、主に猟師たちの間で普及しています。また、アルメアのような後進国家では、未だに前装式の長銃が主力となっています。


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タイプ装備制限武器データ防具データ銃器の機構