キャラクター作成-概要


 

はじめに


 ようこそ、『アンバランスド・ワールド』へ。これからあなた方は『トリダリス』という惑星にある『カナン大陸』の住人として生活することになります。主な冒険の舞台となる場所は、この大陸の西方に位置する『エルモア地方』です。
 エルモア地方は19世紀中頃の欧米とよく似た雰囲気があります。あなたは今から、この地方のあなたとなるキャラクターを作成することになります。あなたはもう1人の自分となって、この世界の様々な困難に立ち向かってゆくのです。


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ルール概要


○準備

 最初にキャラクターシートを準備します。他に6面体のサイコロと筆記用具が準備できたら、いよいよ実際のキャラクター作成が始まります。


○CP

 最初に160点のキャパシティーポイント(以下CP)を与えられます。与えるポイントはGMが決定します。これらを消費することによって、キャラクターの具体的な特徴を獲得することができます(一部を未使用のまま残しておくことも可能です)。


○人種

 エルモア地方には、白人黒人赤人黄人の4人種がいます。基本的に自由に動けるのは白人と黄人で、中でも白人が人口の大多数を占めています。黒人と赤人は一般に奴隷として扱われることになります。
 選択ルールによって人種修正を導入した場合、各人種によって主技能値が若干変化します。以下の数値を主技能値に加えて数値を決定して下さい。
 

◆人種修正表(主技能値)

人種 運動 作業 記憶 感応
白人 −1 +1
黄人 −1 +1
赤人 −1 +1
黒人 +1 −1


○主能力値

 行為判定の際に振ることができるダイスの数を表しており、主能力値の数までの個数を選択して振ることが可能となります。


◆主能力値の種類

主能力値 説明
 精神力や霊的な能力の強さ、あるいは感覚の鋭さなどを表わします。
 記憶力のよさや判断力などを表わします。
 動作の俊敏さや正確さ、あるいは手先の器用さなどを表わします。
 筋力や体の丈夫さを表わします。ただし、体格そのものではなく、外見的なイメージは自由に決めて構いません。

 

◆主能力値の決定方法

パターン1  1D3を振って決める。
パターン2  4種類の主能力値に、1〜3の範囲で8点から自由に振り分ける。

◆消費CP

主能力値

消費CP


○副能力値

 副能力値は主能力値を元に決定するもので、移動力と抵抗力の2種類があります。これらは元の数値を決めるためにCPを消費する必要はありません。


・移動力
 主能力値が決定すれば、移動力は自動的に決まります。基本移動力は技と同じ値となり、全力移動を行う場合の移動力は[技+5]となります。これは1秒間に進める移動距離の基本単位となりますが、実際のプレイ中には時間を5秒ごとに区切って行動を行うので、キャラクターシートには5秒単位の数値を書き込んで下さい。


・抵抗力
 病気や精神的な影響など、何らかの作用に対する抵抗力を示す値です。抵抗力は判定を行う際の基準となる数値の1つで、技能と同じように扱われます。抵抗力は関連する[主能力値×2+4]となります。
 抵抗力そのものにはCPを消費する必要はありません。ただし、CPを消費することで+1〜+4の範囲で上昇させることが可能です。
 

◆抵抗力の種類

種類 関連能力 説明
精神抵抗

 主に術法に対する抵抗判定に用います。
判断抵抗

 騙されないためや、恐怖や混乱に打ち勝つために使用します。
反応抵抗

 不意討ちや落とし穴、あるいは銃器による攻撃に対する回避など、咄嗟の事態に反応するための判定に使用します。
肉体抵抗

 毒や病気など、肉体の変調に耐えるための判定に使用します。

◆消費CP

上昇

消費CP

10


○耐久値

 耐久値は負傷や疲労に対する耐久性を示す能力値で、その減少の度合いによってキャラクターの状態を表わします。耐久値の決定には2種類の方法があり、関連能力と同じ個数のダイス(D3)を振って7を足すか、関連能力を2倍したものに7を加えるやり方を選択できます。1点の耐久値につき1CPを消費します。


◆耐久値

区分 耐久値 関連能力 説明




気力

 キャラクターの霊的なパワーを表わします。術法(魔術など)を使用できる回数に関係します。
自我

 キャラクターの理性の度合いを示します。精神的な影響や疲労に耐える能力です。




活力

 軽い怪我や疲労に耐える能力を表わします。
生命

 キャラクターの生命力を表わします。命に関わる怪我に耐える能力です。

 

◆耐久値の決定方法

耐久値 関連能力 パターン1 パターン2
気力

関連能力値D3+7

関連能力値×2+7
自我

関連能力値D3+7

関連能力値×2+7
活力

関連能力値D3+7

関連能力値×2+7
生命

関連能力値D3+7

関連能力値×2+7


○主技能値

 技能というのは、キャラクターが試みようとする事柄についての知識や経験のことです。全ての技能は5種類の主技能に分類されています。1点につき1CPを消費します。



◆主技能値の種類

主技能値 説明
運動  運動など、体を使う行為に関係する技能です。走ったり、格闘をしたり、重い物を動かしたりする時の判定に用います。
作業  物の製作や修理、あるいは道具を操作する時など、緻密で正確な作業が必要とされる行為の判定に使用します。
隠密  忍び足、スリ、捜索など、盗人や密偵などが得意とする行為の判定に用います。
記憶  知識の判定や物事を記憶する時などに、この技能を使用します。
判断  交渉事など、判断力が必要とされる行為に関係します。
感応  知覚力に関わる行為や、術法および霊感などの霊的な能力が重要とされる判定に使用します。

 

◆主技能値の決定方法

パターン1  1D6+4を振って決める。
パターン2  45CPから6種類の技能に、5〜10の範囲で自由に分配する。種族修正は振り分けた後に加算する。


○職業

 職業データからキャラクターの職業を選択します。


◆職業データ

職業名  その職業における大雑把な分類です。
職業タイプ  その職業分野におけるバリエーションのことです。その下にさらにサブタイプという分類がある場合は、職業タイプの要素にサブタイプのデータを加えて下さい。
身分  その職業の社会的な身分を表しています。
最低年齢  その職業につくために必要な最低限の年齢です。なしとなっている場合には、何歳でも構いません。
推奨技能  できれば習得しておいた方がよいと思われる副技能です。
必須専門分野  その職についている者は必ず習得している専門分野です。
所持品  仕事に必要な道具です。職業を選択した時点で自動的に手に入るもので、お金を払って購入する必要はありません。
説明  その職業がどういったものか、簡単に解説してあります。


○副技能値

 実際の行為判定に用いる数値で、サイコロを振ってその出た目の合計が副技能の値以下であれば、その行為は成功となります。副技能は4種類の主能力値と5種類の主技能値のどれかに属しています。


・副技能
 技能の根本にあるのは主技能であり、副技能は全てこのどれかに属しています。副技能は特定の分野ごとにまとめられたものであり、1つの技能は何種類かの判定に用いることが出来ます。たとえば騎乗操縦という副技能では、動物騎乗や自転車操縦といった判定を行うことが出来ます。

・数値
 副技能はそれが属する主技能値と同じ数値となります。たとえば、主技能である記憶技能が8の場合、最初はそれに含まれる博物知識の値も8でということになります。

・技能分野
 副技能は2つのタイプに分類することが出来ます。キャラクターたちが特別な訓練なしに試みることができる行為は一般分野に分類されます。しかし、外科医学など特別に訓練なしでは習得できない技能を専門分野といい、それが属する副技能の値を基準に判定を行います。
 専門分野は基礎を習得するために1CP、完全に習得するためにはさらに1CPを消費する必要があります。基礎習得の段階では副技能に−3を加えて判定を行わなければなりませんが、完全習得すれば修正なしで判定を行うことが可能です。

・個人修正値
 個々の技能は、CPを消費することで幾らか数値を上昇させることが出来ます。この時に割り振る数値のことを個人修正値といい、±0〜+4の範囲で割り振ることが出来ます。
 
個人修正値 +1

+2

+3

+4

消費CP

10


◆副技能データ

副技能  副技能の名称が記されています。技能表の場合は最初に◆がついているものが副技能で、解説ページでは副技能別に説明が書かれています。技能名称の後に【各種】と書かれている場合、種類ごとに別個に習得する必要があります。
技能分野  その技能が一般分野か専門分野かを示しています。解説ページの中では、○となっているものは一般分野、●となっているものは専門分野として分類されています。
関連能力  判定に用いる主能力値のことで、その技能を用いて判定できる行動ごとに心、知、技、体のいずれかが記されています。技/体などと記入されている場合、どちらも判定に利用することが出来ることを意味します。
種類  基本的には、種類と書かれている場所に並んでいるものの中から、【各種】の中に入るものを選択することになりますが、GMの判断で増やしても構いません。
対抗  その技能に対抗するために用いることが出来る副技能です。


○補助技能

 補助技能には術法変化、攻撃変化、射撃変化の3つの分野があります。これは特定の副技能と組み合わせて用いるもので、それによって特殊な行為を試みることが出来るようになります。
 補助技能はそれぞれ1CPを消費すれば習得することが出来ます。補助技能に対して個人修正値を割り振る必要はなく、獲得してさえいれば特定の行為を試みることが可能となります。


○社会特性

 社会特性として設定されるのは、一般社会からの評価や立場が関係する内容です。これには身分財産の2種類があり、それぞれ社会レベルという数値が設定されます。プレイヤーキャラクターの場合は、社会レベルは0〜4の範囲で決定されます。これは社会的に認知されるランクを示すもので、判定においてレベルの差が修正値として扱われることがあります。

社会レベル

消費CP 0CP 1CP

3CP

6CP

10CP


・身分レベル
 身分は生まれや職業に準ずるもので、職業が決定すれば自動的に身分も決まります。職業データに書かれているものをそのまま適用して下さい。なお、最下層身分の者が本来の身分を偽っている場合には、偽っている方の身分でレベルが設定されることになります。

レベル
身分 最下層 下層 中層 神聖 上流


・収入レベル
 収入レベルはキャラクターの金銭的な裕福さを示すもので、月にどれだけの所持金を持てるかを示しています。これは月収そのものではなく、家賃や食費など生活費を全て引いた、自由に使える小遣いの額を表す数値となります。
 金額はエラン(1エラン=1円程度)で示されており、5桁の場合は1万エラン単位ということになります。なお、物価は我々の現実世界よりも若干低く、特に住居や食事にかかる費用は安くなります。

レベル
金額 なし 〜金額5桁 月収6桁 月収7桁 月収8桁〜


・財産レベル
 財産レベルはキャラクターの所持する資産額を示す数値です。キャラクターはこれだけの金額と、それと同額の物品・財産を所持していて構いません。

レベル
金額 なし 〜金額5桁 月収6桁 月収7桁 月収8桁〜


○財産と所持品

・小遣い
 収入レベルを1以上に設定したキャラクターは、毎月定期的に小遣いを得ることが出来ます。小遣いは収入レベルとして設定した桁内であれば、好きな数値にして構いません。たとえばレベル1の場合、小遣いは0〜99999エランまでの範囲で自由に設定することが出来ます。

・財産
 財産レベルはキャラクターの所持する資産額を示す数値です。基準となる金額は、財産レベルとして設定した桁内であれば好きに決定して構いません。キャラクターは基準金額と同じだけの所持金と、同額の物品・財産を所持することが可能です。つまり、総額では基準金額の2倍の財産を持っていることになります。

・所持品
 ここで決定した金額で所持品を購入することができます。ただし、職業データに書かれている物品と服や靴などについては、最初から所持していることにして構いません。


○願いと奇跡

 アンバランスド・ワールドでは、強い気持ちや願いが実際に力を持つことがあります。これを表したものが願いと奇跡というルールで、キャラクターの性格や考え方を表現する手助けとなります。
 願いと奇跡に関する数値については、最初に振り分けポイントが10点与えられます。これにはCPを消費する必要はありません。なお、CPの追加消費により、ポイントを上昇させることが可能となります。


・感情ベース
 キャラクターは個人要素、他者認識の2種類の感情ベースを持っています。
 

◆感情ベースの種類

種類 説明

個人要素
 キャラクターがどのような主義思想や目標を抱いているか、あるいはどの程度の思いを内に秘めているかの程度となります。

他者認識
 自分の周囲にいる者をどれだけ大事にするかの目安で、全体として他者をどれだけ尊重するかの程度を示します。


・感情レベル
 感情ベースに対する思い入れの強さを表す数値で、それぞれ0〜5の範囲でポイントを割り振ることが出来ます。また、これとは別に1CPの追加消費するごとに、レベルを1つ上昇させることが可能となります。


・奇跡/破滅ポイント
 奇跡や破滅を起こすことができる回数や使用できる術法レベルを示す値です。それぞれ0〜5の範囲でポイントを割り振ることが出来ます。また、CPを1点消費するごとに、それぞれ1点獲得することができます。


○装備品

 必要があれば装備品を購入することができます。装備品データから選択してデータを書き写して下さい。なお、防具の回避修正と防御値は、合計した値を判定に用いることになります。
 武器や防具の装備には制限があり、これは主能力値の体の値によって変わります。装備できる物品は打撃値と防御値の大きさで決まります。
 手にもつもの(武器と楯)は、重量の合計が体×3の値以下でなければなりません。これは利き腕で体×2、逆腕で体×1を支えられることを意味します。
 身に付ける防具に関しては合計した防御値が基準となります。こちらも全部で体×3までの重量を支えることができます。体×3の値が重量の合計に充たない場合は、それが1点足りないごとに回避の判定に−1の修正を受けることになります。


・銃器
 銃器だけは装備品の制限に関するルールが少し異なります。銃器そのものには打撃値はなく、[銃弾の打撃値÷2]が基準となります。これ以外は通常の武器と同じように扱って下さい。


○術法

・習得
 まず、副技能である術法系統を獲得します。術法系統は全て副技能として扱われます。1つの系統にはその技能で使用できる何種類かのがあり、個々の術ごとにCPを消費して獲得しなければなりません。なお、個々の術の前には何らかのマークがついていますが、○印以外のものは習得にGMの許可が必要です。
 術は[レベル+4]を難易度とした習得判定に成功しなければ覚えることが出来ません。習得判定は1回行うごとにCPを1点消費します。習得に失敗してもCPを1点消費すれば、再び判定をやり直すことが出来ます。また、判定に成功して習得できた場合は、術レベルと同じだけのCPを消費する必要があります。

・発動の準備時間
 術の発動には[術レベル×1ラウンド]の集中時間が必要となります。術法の副技能に個人修正値を割り振っている場合は、その分だけ準備時間が短縮されます。また、1CPを消費することで、準備時間をさらに1ラウンドずつ短縮することが出来ます。これは個別の術ごとに消費を行う必要があります。


○その他の特徴

 名前、性別、年齢、国籍、それから性格や外見といった要素を決定します。


○最後に

 それぞれのデータをキャラクターシートに記入します。最後に与えられたCPから消費した分を引いて、キャラクターの作成は終了となります。


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