錬金術とは、エルモア地方の一般科学とは異なる体系の科学知識であり、非常に高度な学問分野でもあります。しかし、その技術の多くが反社会的な目的で利用されてきたために、一般社会のみならず宗教機関からも異端の学問と認定され、常に裏の世界の存在として歴史を歩んできました。
錬金術の研究を行うものを錬金術師といいますが、彼らは宗教家ではなく、あくまでも科学者です。しかし、唯一の真理を探究するという点においては、カルト的な側面も持っていますし、組織によっては生体実験なども平気で行うことから、一般的には異端宗教とほぼ同一視されているのが現状です。このような事情から、一般社会の人間には錬金術を習得することは不可能となります。
彼らは迫害される立場にいるため、その多くは表向きの職業を持って社会生活を送っていたり、あるいは隠遁生活を送りながら自らの研究にいそしんでいます。なお、錬金術師は一般科学についても高度な知識の持ち主であることから、有名な大学教授が実は錬金術師であることもあります。
○事実と誤解
・呼び名
彼らの学問を錬金術と呼ぶのは古い伝統的な言い回しで、錬金術の個別の分野をさす言葉ではありません。様々な技術や概念、集団や歴史なども含めた総合的な意味で錬金術という用語が用いられているわけです。錬金術師は自らのことを真実の探求者であると言い、個別の分野や学問としての錬金術のことを秘学あるいは秘教科学と呼ぶことが多いようです。
錬金術と呼ばれるようになったのは、一般社会で話題になる時に金に関する問題が数多く絡んでいたり、金を作り出すことで資金を得ていたためですが、彼らの学問分野というのは金を作り出すことが目的ではありません。・術法
彼らは全て錬金系と呼ばれる術法を使用できると考えられていますが、それも事実とは異なる認識です。錬金術師の中での最大の勢力である黄金十字秘協会という組織は、たしかに術法師を数多く抱えておりますし、その他にも術法を専門に研究する学派も存在するのですが、術法を用いなくても達成できるのが錬金術なのです(もっとも、術法でなければ出来ないものも数多くあるため、術法技術が軽んじられることはありませんが)。
錬金術が異端の技術であることは確かですが、霊子機関の材料である真金の加工技術を開発したのも、実は錬金術師だという噂があります。また、全てが反社会的というわけではなく、社会のために錬金術を究めようとする者も皆無ではないでしょう。
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