副技能

技能分類習得ランクデータ形式


 

技能分類


○基本

 キャラクターの職業が決定したら、それぞれの職業に必要な技能を考えてみましょう。たとえば外科医であれば、基本的な医学知識はもちろん、応急手当や治療、あるいは薬に関する知識などといった技能は必須です。アンバランスド・ワールドのルールでは、これらの個々の技能を副技能と呼びます。


・判定時の基準
 キャラクターが何かを行なった時に成功するかどうかの判定には、全てこの副技能の値を用います。簡単に言いますと、サイコロをいくつか振ってその出た目の合計が副技能値以下であれば、その行為は成功したことになります。つまり、副技能値が高いほどその技能に熟達しているというわけです。

・主能力値
 判定に使用できる主能力値の種類は、個別の副技能のデータに記されています。それ以外の能力を使用して判定を行うことは出来ませんので注意して下さい。


○技能体系

・主技能
 技能の根本にあるのは主技能であり、副技能は全てこのどれかに属しています。

・分野技能
 全ての副技能は、ベースとなる1つの分野ごとにまとめられています。たとえば、学術的な知識であれば教育知識という分野に含まれることになります。

・個別技能
 個別の副技能は、特定の分野技能の下に属することになります。なお、複数の分野技能に同じ個別技能が含まれる場合は最も高い値を基準に判定を行って下さい。


・例示
 実際の技能では、以下のように技能が分類されることになります。

  主技能     分野技能    個別技能
  記憶技能──┬──博物知識──┬──動物知識(一般)
        |        ├──植物知識(一般)
        |        └──博物学(専門)
        | 
        └──教育知識──┬──基礎知識(一般)
                 ├──高等知識(専門)
                 ├──文学系知識(専門)
                 └──理学系知識(専門)


○技能分類

 個別技能は2つのタイプに分類することが出来ます。

・一般技能
 キャラクターたちは、ごく当たり前の行動については何の制限もなく試みることができます。この際に用いる技能のことを一般技能といいます。

・専門技能
 外科治療や車の運転など、少々の練習では試みることができない専門的な技能は、特別に訓練を行なった者だけが使用できます。このように専門的な知識や技術なしには試みることができない技能を専門技能といいます。


○数値の扱い

 副技能が持つ値を副技能値といい、これが行為判定を行う際の基準となります。実際の判定では、全て個別技能の値を判定値として用います。
 分野技能はそれが属する主技能値と同じ数値となり、個別技能もそれが属する分野技能と同じ値となります。たとえば、主技能である記憶技能が8の場合、最初はそれに含まれる博物知識の分野技能の値も8で、博物知識に含まれる動物知識の値も8ということになります。


○補助技能

 補助技能には術法変化攻撃変化射撃変化の3つの分野があります。これは特定の個別技能と組み合わせて用いるもので、それによって特殊な行為を試みることが出来るようになります。
 それぞれの詳しい判定方法は副技能データに書かれています。なお、補助技能は選択ルールであり、使用するかどうかはGMの指示に従って下さい。

・修正
 補助技能を用いて行う判定の中には、使用時に何らかの修正を受けるものがあります。この場合は、組み合わせて使う個別技能に対して適用されることになります。


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習得


○修正値

 個々の技能は、CPを消費することで幾らか数値を上昇させることが出来ます。この時に割り振る数値のことを個人修正値といいます。

・割り振りの上限
 個人修正値は±0〜+3の範囲で割り振ることが出来ます。これはどのキャラクターでも変わることはなく、人種や能力値などによって制限されることはありません。

・状況修正値
 修正値には個人修正の他にも、周辺の状況や物品ごとに決められている修正値もあります。これを状況修正値と呼び、プレイ中にGMが任意に提示するものです。

・判定値
 これら全ての修正値を合計して最終的に決定した副技能値が、実際にサイコロを振って判定する基準の値となり、これを判定値と呼びます。判定値=[主技能値+個人修正値+その他の修正値]となり、キャラクターはこの値を用いて様々な行為判定を行なうことになります。


○分野技能

 分野技能に個人修正値を割り振る場合は、上昇させようとする数値の分だけCPを消費します。たとえば、修正値を+1にする場合は1CPですみますが、+2にする場合はまず+1にすることで1CP、次に+2にするために2CP消費するため、合計で3CPの消費ということになります。

◆消費CP

個人修正値 消費CP
+1
+2
+3


○個別技能

 個別の副技能にも個人修正値を割り振ることが可能です。個別技能の場合は、1点上昇させるごとに1CPを消費します。たとえば、+3にしたい場合は全部で3CPの消費となります。

・合計
 個別技能の基準となるのは分野技能の数値となりますので、分野技能に個人修正値を割り振っている場合は、主技能値に分野技能と個別技能の双方の個人修正値を加えた値が、最終的な個別技能の副技能値ということになります。


○専門技能

 専門技能の獲得にはCPが必要です。専門技能を1つ得るためには1CPを消費しなればなりません。これによって専門技能を獲得しなければ、たとえ分野技能に修正値を割り振っていても、判定を行うことは出来ません。

・制限
 職業データにかかれていない専門技能を習得する場合は、必ずGMの許可が必要となります。特に、専門の機関や犯罪組織でしか習得できないような技能は、厳しく制限しなければなりません。

・個数
 キャラクター作製時に獲得できる専門技能の数には限りがあり、それぞれ所属する主技能の数までしか習得することが出来ません。たとえば記憶技能が10の場合、記憶に含まれる専門技能は10個までしか獲得できないことになります。これは選択ルールとなりますので、GMの判断で適用するかどうかを決めて下さい。

・時間
 専門技能は実際にプレイを開始する前に選択して下さい。専門技能の習得には時間がかかりますので、普通はプレイ途中に増やすことはできません。プレイ終了後に、新たにこれを得ようとする時も、習得にはそれ相応の時間をかける必要があります。


○補助技能

 補助技能はそれぞれ1CPを消費すれば、専門技能として習得することが出来ます。これは通常の専門技能とは違って慣れによって身に付くものですから、特にGMの許可を得なくても、CPを消費すればすぐに身につけることが出来ます。

・注意
 これらは特殊な扱いをする技能であり、それ自体を判定に用いることはありません。ですから、補助技能に対して個人修正値を割り振る必要はなく、獲得してさえいれば特定の行為を試みることが可能となります。


○新しい技能

 データにはない技能をキャラクターに持たせたい場合は、ゲームマスターや他のプレイヤーとよく相談し、全員に認められた上で習得しなければなりません。この時、エルモア地方の雰囲気にそぐわない技能は習得させないよう心がけて下さい。また、よほど特殊な技能は、それなりの背景設定がなければ習得することはできないでしょう。エルモア地方とは全く交流のない東方の知識などは、普通のキャラクターは生涯知ることはありません。逆にシナリオの都合上、非常に特殊な技能を得ることもあるかもしれません。このように特殊な技能の扱いについては、プレイに参加している全員で相談して決めて下さい。


○記入と計算

 以上のようにして獲得した副技能は、キャラクターシート1の分野技能および個別技能と書かれた欄に記入します。

・分野技能
 左側の欄には分野技能の名称と数値を書き入れます。分野技能と書かれている下の長い欄には、それぞれの技能の名称を記入します。そして、修正値となっている欄には割り振った個人修正値を、その横の判定値という欄には、元になる主技能値と個人修正値を足した値を記入することになります。
 分野技能と書かれた横の( )には、消費したCPの合計を書き入れて下さい。その値を与えられたCPから減少させることになります。

・個別技能
 個別技能の場合は、技能名称を書き入れる欄の左側に、小さな四角の欄が用意されています。これは技能分類を区別するためのもので、専門技能の場合はこの欄に○をつけて下さい。
 その横の主能力の部分には、その個別技能で判定する時に用いる主能力値の名称を書きます。次の修正値の欄には自分が割り振った個人修正値を、判定値の欄には分野技能の判定値と個人修正値の合計を記入します。もし、分野技能に何も修正を割り振っていない場合は、主技能値に修正値を足した値を書くことになります。
 最後に個別技能と書かれた横の( )に、消費したCPの合計を記入します。この値を与えられたCPから減少させて下さい。


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技量のランク


 副技能値にはだいたい以下のような基準が設けられています。自分のキャラクターの技量がどの程度なのか、これを見てイメージを把握して下さい。


◆副技能値のランク

副技能値 目安
7以下  素人レベル。失敗も多い
8〜9  職業人としては見習い程度。セミプロレベル
10〜11  プロを名乗れるレベル。普通に仕事をするには十分
12〜13  十分な実力を持ったプロ
14〜15  その世界では名が知られている一流のプロ
16以上  超一流のプロ。滅多に存在しない


 ただし、プロとして評価される基準は、単一の技能によるものではありません。たとえば、どれほど素晴らしい発見をしても、それを学会や論文でうまく表現できなければ見向きもされずに終わってしまうかもしれません。診察がいかに正確でも、手術の腕が悪ければ患者を死なせてしまう可能性もあるのです。
 1つの職業で必要とされる副技能は複数存在し、それらに総じて秀でていて、初めてプロとしての評価がなされます。さらには、もって生まれた能力(主能力値)もともなわなければ、習得した技術を発揮できるとは限らないのです。ここで上げた数値は、あくまでも目安でしかないことを覚えておいて下さい。


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データ形式


 エルモア地方における基本的な副技能のデータは、副技能表と解説の2つのページで説明されています。副技能は5種類の主技能についてそれぞれ別のページにまとめられており、個別のページ内ではさらに分野技能ごとに大別して表記されています。そして、その技能の具体的な使用法は個別技能ごとに記載されています。
 表および解説には、分野技能、副技能、技能分類、関連能力、説明が書かれています。それぞれの項目をよく読んで、副技能を獲得して下さい。


◆副技能データ

分野技能  技能表の場合は、最初に◆がついているものが分野技能となります。解説ページでは分野技能ごとに個別技能がまとめて表記されています。
 分野技能の名称の後に【各種】と書かれている場合、その分野に含まれる個別技能は、全てその種類に関連する判定のみで用いることが出来ます。
個別技能  個別技能は分野技能ごとにまとめて記されています。名称の後に【各種】と書かれている場合は、それぞれ別個の技能として獲得しなければなりません。たとえば言語【各種】となっている場合は、各種の内容にはそれぞれの言語が入ることになります。技能として獲得する場合には、言語(ペルソニア語)などと記入して下さい。
技能分類  その技能が一般技能か専門技能かを示しています。解説ページの中では、○となっているものは一般技能、●となっているものは専門技能として分類されています。専門技能の獲得には1CPが必要となります。
関連能力  判定に用いる主能力値のことで、個別技能ごとに心、知、技、体のいずれかが記されています。技/体などと記入されている場合、どちらも判定に利用することが出来ます。ただし、状況によっては予め決められている方の能力で判定する必要があります。
種類  基本的には、種類と書かれている場所に並んでいるものの中から、【各種】の中に入るものを選択することになりますが、GMの判断で種類を増やしても構いません。
対抗  その技能に対抗するために用いることが出来る個別技能です。


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技能分類習得ランクデータ形式