ルート/人物

捜索人物観察個人記録その他


 

捜索


○戸籍

 一般市民は生まれたときに戸籍登録がなされているはずですので、役所で探し出すことができます。ただし、問い合わせて調べて貰うだけで、直接の閲覧が許されるわけではありません。


○出生記録

 役所だけでなく病院にも出生記録は残されています。それから、田舎では産婆が出産記録を残している場合があります。産婆は孤児院のように、貧しい家の子供を金持ちの家庭へ斡旋する業務に携わっていることもあるので、その記録から行方不明者を探し出すことも不可能ではありません。


○住所

 現在住んでいる場所も役所に登録されていますし、警察に聞けば問題なく教えて貰うことができます。ただし、ある程度の地域までは絞り込みができていなければなりません。なお、教会などの宗教施設でも尋ねることが可能です。それから、伝令協会などのメッセンジャーの組合が存在する場合は、独自に住所録をつくっておりますので、そこで教えて貰えるかもしれません。


○名簿

 有名人であれば、紳士録や名士録といったものに名前が載っている可能性があります。特に貴族については調査しやすいでしょう。それ以外にも音楽家や画家といった芸術家、学会のメンバー、それから会社役員といった地位の高い人物は比較的調べやすい対象といえます。一般人でも、組合名簿や学校名簿から住所を辿ることができるでしょう。


○有名人(故人)

 1人の有名人の足跡を調べるには、図書館や資料館を訪ねればよいでしょう。出身地や死亡した土地の地域図書館には豊富な資料が残っているものです。また、生家などが記念館として残されていることもあります。


○死亡者リスト

 役所に死亡届が出されている場合は、問い合わせれば教えて貰うことができるでしょう。また、教会にも記録は残されています。事件に絡んでいる場合は警察や新聞でも調べることが可能です。


○戦没者

 戦争で亡くなった人のことは、役所の記録に残されている場合があります。兵士であれば軍で詳しく調べることができるでしょう。


○系図

 有名な貴族であれば図書館で調べることができますし、地域の名士も図書館に記録が残っている可能性があります。また、系図協会というものもありますので、資料として閲覧が許されている場合は、比較的容易に調査できるでしょう。


○店舗

 配達が関係する業務では、当然のことながら名簿をつくっているはずです。また常連客や珍しい客のことはよく覚えているでしょう。


○放浪者

 生没に関する記録がない放浪者の捜索は非常に厄介なものです。貧民街や工事現場などを当たってみるか、孤児院や救貧員などの記録を調べてみるのが手っ取り早い探し方です。芸人や旅人であれば渡航者組合や修道院、それから入出国記録や移民局などで調査することも可能です。


○広告

 新聞広告で目的の人物を捜し出すことも可能です。当人が直接名乗りでなくても、謝礼目当てで情報を持ち寄る人も現れることでしょう。町にポスターを貼ったりビラを配るという方法もあります。


○旅行者

 宿や観光地を探すのが一番の近道でしょう。ただしホテルなどでは、宿泊客がいるかどうかについては教えてくれますが、宿泊名簿そのものを見せてくれることはまずありません。それから旅行者は道を知らないので、辻馬車などの交通手段をよく利用するものです。有名なレストランや店舗などを探してみるのも1つの手でしょう。


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人物観察


 相手の外見や仕草からも、様々な情報を得ることができます。


○服装

 服装からは職業や収入などを判別することができます。会社員であれば社章、法律家や裁判官であればそれを示すバッジをつけています。組合などに所属している場合にも、それを示すバッジや腕章などをしていることがあります。娼婦は派手で挑発的な格好をしておりますし、良家の子女は高価なアクセサリーや香水をつけているものです。
 また、服の汚れなどからも様々な情報が得れらます。油汚れがあれば整備員ですし、煤がついていれば機関士である可能性が考えられます。書き物をしていたり事務職についている人はインクで服の袖が汚れることがありますし、教師は服にチョークがついていることがあります。仕立屋であれば服に糸くずが幾つもついていたりします。
 それから靴や服の裾が汚れていれば、ぬかるんだ場所を歩いたということです。珍しい土質であれば、行き先を絞り込むこともできるでしょう。逆に雨の日なのに汚れていなければ、馬車や鉄道を利用した可能性があるということです。帰ってきた時に靴がきれいになっていれば、靴磨きがいる場所を通ったことが推測できます。


○所持品

 所持品からも様々な情報が推測できます。記者は胸ポケットなどすぐ取り出せるところにペンや手帳が仕舞ってありますし、手にした新聞や雑誌から職業を絞り込むことも可能です。子供のおもちゃを手に持っていれば、その種類から子供の性別や年齢が推測できます。レンズを所持している者は、時計工や歯車工のように細かい作業に従事している可能性が高いでしょう。また、精巧な仕組みの懐中時計は金持ちしか買うことができませんし、紙巻きか葉巻かでおおよその収入を判断することもできます。


○外見

 変装をしているというのでもなければ、性別はもちろん年齢についてもだいたいの予想がつくでしょう。人種は言うまでもありませんし、外国人であれば髪や瞳の色、それから日焼け具合によって出身地を絞り込むことができます。日焼けからは仕事場の環境も予想がつきますし、あまりにも肌が黒い場合はペルソニア大陸にいた可能性も考えられるでしょう。
 手の傷跡や荒れ具合からも職業や素性を判断できるでしょう。手や爪が黒く汚れている場合は土木作業や機械の整備など手の汚れる仕事を行ったということです。それが服装と全くそぐわない場合は、何かを土に埋めた可能性なども考えられます。その場合は、膝や服の裾にも注意して目を向けてみましょう。それから、立派な身なりをしていても、手の荒れ具合をみれば経済状態がわかります。身分が高い者や裕福な人間は自分では家事を行わず、召使いを雇って雑事をさせるものです。
 他にも化学者や調合師といった職業であれば、誤ってついた薬品で服や手が汚れている場合があります。精巧な義手や義足をつけていればそれなりの金持ちですし、戦場に出ていた経験も考えられるでしょう。他の傷跡や年齢、民族といった情報も併せて考えれば、どこで戦っていたのかが予測できるはずです。


○仕草

 ちょっとした仕草や癖からも、性格やその他の情報が手に入るでしょう。信心深い人は何かと祈りを捧げたり印を切ったりします。ちらちらと時計を見ている人は、待ち合わせをしている人です。やたら周囲をうかがっている場合は、人探しや何かを行う機会を見計らっている可能性があります。加えて早足で歩いていれば、誰かに追われてことも考慮する必要があります。
 それから、嘘をついている人は視線をそらしがちですし、やたらと唇を舐めたりします。緊張していれば呼吸が荒くなったり顔が紅潮したりしますし、爪を噛むのは苛立っている時が多くなります。


○言葉

 口調からも様々な情報が読みとれるでしょう。それぞれの母国が微妙に違いますから、訛から国籍が推測できます。また、もってまわった言い回しをするのは地位が高い者か、きちんとした教育を受けた人に多い特徴です。妙に命令し慣れている場合は、ほぼ間違いなく上流階級の出身です。逆に身分が低い者が立派な身なりをしていても、怒った時にはつい生まれ育った環境の言葉が出てしまうものです。
 それから、話題から年齢を絞り込むこともできます。年輩の人間であれば、若作りをしていても古い話題を持ちかければ何か言葉を返してくれるでしょう。また、最近の流行について話してみてもよいでしょう。


○匂い

 特徴的な匂いのする人は、それから職業を推測することが可能です。油の匂いがすれば整備員や画家の可能性があります。服装とあわせて判断すればかなり絞り込めるでしょう。また、消毒液の匂いがするのはほぼ間違いなく医者です。それが女性であれば看護婦の可能性もあります。


○食事

 食事をする姿からも身分や素性を判断することができるでしょう。きちんとしたテーブルマナーを身につけているのは、上流社会に属する者やそれとつき合いがある人間です。礼儀作法を身につけていても、聖職者や下層身分の出であれば食事を残したりすることはありませんので、それで区別できることもあるでしょう。
 それから、食事の好みや味つけは国家や民族によって若干違いがありますので、それで出身を判断することもできるでしょう。相手がつくった料理を見れば、もっと区別がつきやすいはずです。


○不在時間

 直接姿を見なかったとしても、外出していた時間帯から何をしていたのかが推測できることがあります。いつも夜に長時間外出する人間は、歓楽街のような場所で仕事をしている可能性が高いでしょう。数時間の外出であれば、酒場やレストランでの飲食が考えられます。
 その場合でも、帰ってきた時の様子で誰と会っていたのかを絞り込むことが可能です。まったく酔っていないように見えたり、寒がっている様子がうかがえる場合は、酒場にいたという可能性は薄くなります。もし本人と近づけるようであれば、匂いをかいでみるのもよいでしょう。香水の匂いや葉巻の匂いなどで、どういった時間を過ごしたのかを推測することが出来ます。


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個人記録


 個人のもつ記録を調べることで、重要な手がかりが得られる可能性があります。


○筆跡

 筆跡からは個人が特定できます。いくらサインを似せて書いたとしても、ちょっとした癖はどこかに出るものです。また、筆跡からその時の心情を推測することができるかもしれません。筆圧や内容と合わせて考えれば、男性か女性かも大雑把に区別できるでしょう。他にも、病気の人間や老人は字に力がなかったり、どこか微妙に震えていることがあります。


○日記

 日記からは非常に多くの手がかりが得られます。日記というものは他人に見られることを前提とはしていないので、非常にその人物の特徴があらわれるものなのです。単にその日に何があったかだけでなく、普段隠している本音や性格が読みとれるかもしれません。


○手紙

 もし中を見ることができなかったとしても、封筒には差出人の住所や投函日が書かれています。住所がなかったとしても、消印から投函した場所までは特定することが可能です。記念切手などが使われていれば、差出人の生まれた場所や年齢を絞り込む手がかりになるかもしれません。


○旅行記録

 海外旅行をした経験があれば、公共機関だけでなく個人の手元にも記録が残っています。これによって、いつどこに出かけたのかがすぐにわかります。


○家計簿

 その家の経済状況やいつどのような出費があったのかがわかります。食費や購入した物から、家族の人数や構成を推測することもできるでしょう。


○家系図

 家系図から相手の素性や人物関係がわかることもあるでしょう。姓が変わっているとなかなか気づかないものですが、嫁や婿の側から系図を辿ってみると、驚くべき事実が浮かび上がってくることがあります。実際、各国の王家や貴族の家系は、外国貴族の血が少なからず混じっているものなのです。


○肖像

 肖像画や写真からも様々な情報が得られます。服装や髪型から年代を判別することができますし、人物間の距離から互いの関係が推測できるでしょう。時代が過ぎて別人のように見えても、傷跡やほくろなどで区別できることがあります。身につけているアクセサリーが同じであれば、家族や夫婦、それから恋人といった関係にある可能性が高いでしょう。特定のブランド品を身につけていれば、それから店を特定できるかもしれません。また、特徴的な建物が写っていれば、それを手がかりとして場所を絞り込むことが可能です。


○屋内

 部屋の内部の様子から、どれくらい不在にしていたかが推測できます。観葉植物や炊事場、それからゴミや蜘蛛の巣などの様子を見れば、もっと時間を絞り込むことが可能でしょう。食器や食べ残しからそこにいた人数が把握できますし、油かすや壁についた煤から使われていた時間が推測できます。また、片づけ具合や裁縫道具などの有無から、女性がその家にいたかどうかも判断できるでしょう。


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その他


○一般市民

 事件が起こった場所の近くに住んでいる者は、いろいろと噂話をするものです。どんな場所でも必ず1人はおしゃべりな人間がいるものですから、そういった人は喜んで話をしてくれるでしょう。ただし、事実が誇張されている場合が多々あります。
 それから、付近の出来事に詳しい老人や婦人会のリーダーといった人々も、頼りにすることができるでしょう。


○門番

 門の出入りを行った者ばかりでなく、外の通行人の顔なども覚えている可能性があります。


○行商人

 出入り先の問屋や顧客、それから町の噂や通行人の情報にも詳しい場合があります。


○吟遊詩人

 古い伝承や国外の情報をたくさん知っています。貴族や名士の家に招かれて芸を披露することもあります。


○床屋

 床屋は仕事をしながら客と会話をしますから、何かを聞いている可能性があります。また、中には貴族や王室に仕える者もいますので、場合によっては宮廷の噂なども聞けるかもしれません。


○運搬夫

 輸送品や取り引き先の噂などを聞いていることがあります。また、荷物の重さから何か違和感を感じたり、犯罪に巻き込まれている場合などもあるでしょう。


○案内人

 主に観光地でガイドをする者です。その土地の様々な情報はもちろん、観光客についても何か情報を聞ける可能性があります。


○従業員

 宿や観光名所の従業員は、外来の人について詳しく知っています。 特に、ホテルや宿で働いている者は、客の顔を覚えるのも仕事のうちに含まれますので、記憶している可能性が高くなります。客室係は部屋に立ち入りますので、それで何か情報を得ているかもしれませんし、ロビーの係であれば待ち合わせなどについて覚えている可能性もあります。


○大家

 アパートや貸家の大家や管理人は、借り主の情報を少なからず知っています。家族構成や職業といったことはもちろん、部屋を訪れる人や生活ぶりについても把握していることでしょう。


○斡旋人

 職業斡旋が主な仕事ですが、付近の世話役や賃貸契約などの仲介業務なども請け負っている場合があります。また、何でも屋などに仕事を紹介することも多く、多方面の分野に顔がききます。


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