軍人

概略一般兵士士官密偵


概略


タイプ 説明
一般兵士  尉官より下の階級の軍人で、兵役によって軍務についたり、あるいは兵学校を卒業した者など様々です。必ずしも戦闘に関する知識を身につけているとは限りません。
士官  士官学校を卒業した軍人で、少尉以上の階級になります。主に貴族の子弟や、裕福な家に生まれた者がなります。部隊を率いて、戦闘を指揮する役目を負います。
密偵  相手国家の機密を探る役職にある、非常に優秀な能力をもった軍人です。厳しい訓練を受け、様々な技術を身につけています。


○解説

 他国の脅威から人々の身を守るために働く職業です。一般には国家に所属しており、上官の命令に服従する義務を負います。
 職業として軍人を選んだ場合は、陸海空のどれに属するかを選択しなければなりません。なお、気球や飛行船を使う空軍は先進的な一部の国家のみに存在するものであり、多くの国ではまだまだ試行錯誤の段階です。次に選択するのは配属される兵科についてです。ここではあまり詳しいことにはふれませんが、もし必要ならば部隊構成や技能も含めて、GMとプレイヤーで自由に設定して下さい。

 軍人がシナリオ中で活躍するためには、何らかの軍事活動が行われなければなりません。現時点で国家同士の戦争を行っている国は、ライヒスデールとフレイディオンの軍事同盟と神聖同盟と呼ばれるユークレイ、カスティルーン、ペトラーシャの3国です。実際に戦闘が行われているのはライヒスデールとユークレイの国境付近ですが、後方支援として他の国の部隊も活動しています。また、国家間ではありませんが、カルネアでは奴隷問題を中心とした内戦が佳境に入ろうとしておりますし、ルワール大公国ではドゥーガル人の反乱、それからセルセティアでの民族対立なども起こっています。
 また、大国カイテインは海への道を拓くため、ルワール大公国への侵攻(南方政策)を計画していますし、他にも反乱が計画されている植民地なども存在し、軍事問題を中心としたシナリオは様々な場所を舞台とすることができるでしょう。


・兵科の例
 歩兵/騎兵/砲兵/工兵/弓兵/整備兵/衛生兵/伝令兵/偵察兵/憲兵/海兵/消防隊/救助隊/式典兵(儀仗兵、音楽隊)...etc.


○条件

 職業軍人になるためには、大きく2種類のルートがあります。
 1つは兵学校に入学し、そのまま兵役に就くことです。兵学校は一般校と士官学校があり、通常は一般校に入ることになるでしょう。
 一般校は6歳からの初等学校を兼ねる一次兵学校と、12歳以上の生徒のための二次兵学校があります。卒業した後で必ず兵役につかねばならないという制限はありますが、無料で教育を受けられ、しかも食事や寝床も与えてもらえるのです。貧乏な家の子供がこの道を選ぶことも少なくありません。士官学校はこれとはまったく逆で、支配階級が存在する国家では、貴族の子弟が多くを占めることになります。士官学校は15歳以上のもので、最低3年は教育を受けます。
 もう1つのルートは、徴兵制度によって軍人になることです。普通は一定金額以上の税金を納めていれば免除される制度になっていますので、これは農民や下層市民など、裕福ではない家に生まれた者がなることが多いようです。


先頭へ
 

一般兵士


軍人
タイプ:一般兵士
身分:市民階級(中層)
最低年齢:15歳
財産レベル:自由(2〜3)
収入タイプ:固定
標準収入:5〜15万エラン
推奨分野
 運動技能:基本戦闘/武器戦闘/騎乗技術
 作業技能:銃器操作/家事/野外作業/工作作業/運転技術
 記憶技能:軍事情報/社会情報/医療知識/火薬知識/文芸知識
 判断技能:統制
必須専門技能
 軍事情報:軍事知識【各種】(知)
説明:尉官より下の階級の軍人で、兵役によって軍務についたり、あるいは兵学校を卒業した者など様々です。必ずしも戦闘に関する知識を身につけているとは限りません。
所持品:兵士用軍服、兵士用装備一式、背嚢


サブタイプ:消防隊
推奨分野
 運動技能:運動技術/軽業
 作業技能:野外作業/家事/工作作業
 記憶技能:職業情報【消防】/野外知識
 判断技能:観察力
 感応技能:知覚力/空間感覚
必須専門技能
 野外作業:ロープワーク(知)
 職業情報【消防】:職業知識(知)/地域知識(知)
説明:消火や防火の仕事にあたる隊員です。
所持品:制服、救助用装備一式


サブタイプ:救助隊
推奨分野
 運動技能:運動技術/軽業
 作業技能:野外作業/家事/工作作業/運転技術
 記憶技能:博物知識/野外知識
 判断技能:観察力
 感応技能:知覚力/空間感覚
必須専門技能
 野外作業:ロープワーク(知)
説明:災害救助のために特別に訓練された隊員です。
所持品:制服、救助用装備一式


○解説

 尉官よりも下の階級の軍人です。一般には国家や特定の貴族に属しており、上官の命令に服従する義務を負います。専門の職業人として国が雇用した軍人は、基本的に兵学校を卒業しています。しかし、全ての軍人がそうであるとは限らず、徴兵された民兵であることもあります。
 一般兵士の任務には様々なものがあります。軍事行動はもとより、日頃の訓練や土木工事、あるいは政治家の警護や暴動の鎮圧もそうですし、変異体の討伐に駆り出されることもあります。それ以外にも、軍内部の派閥闘争に利用されたり、特別任務を帯びて他国へ赴くこともあるかもしれません。こういった軍事に関係したシナリオの他にも、自宅待機中の軍人が事件に巻き込まれることもあるわけですから、設定次第によっては様々なシナリオで活躍することができる職業といえます。


・消防隊
 消火や防火の仕事にあたる隊員です。エルモア地方の消防業務は基本的に軍の管轄となり、地元住民の志願者が結成する消防団と協力して地域を警戒します。市民の安全と財産を守る役目であることから、非常に人気がある部隊です。

・救助隊
 災害救助を主とする救助活動を行う隊員で、そのための特別な訓練を積んでいます。


○注意点

 基本的には戦うこと以外にはあまり向かない職業です。戦闘や軍事が絡まないシナリオでは、なかなか持てる技能を活かして活躍するというわけにはゆかないでしょう。しかし、兵士は自宅で待機している時期もありますし、徴兵されている場合はもともとの職業の技能を持っています。ですから、兵士としてではなく一般人として活躍することも可能な職業といえるでしょう。


○条件

 徴兵制度によって兵士となった場合は、特に何の制限もありません。
 純粋な職業軍人になる場合は、兵学校に入学して基礎を学ばなければなりません。兵学校は一般校と士官学校がありますが、一般兵士は一般校に入学します。一般校は6歳からの初等学校を兼ねる一次兵学校と、12歳以上の生徒のための二次兵学校があります。卒業した後で必ず兵役につかねばならないという制限はありますが、無料で教育を受けられ、しかも食事や寝床も与えてもらえるのです。貧乏な家の子供がこの道を選ぶことも少なくありません。

・経歴
 1.初等学校(6年)→二次兵学校(3年):15歳
 2.一次兵学校(6年)→二次兵学校(3年):15歳


○コネクション

 軍人は当然のことながら軍部に繋がりがあります。自分が所属する部隊だけでなく、他の部隊と共同で活動することもありますから、そこから何らかの情報を手に入れることも不可能ではないでしょう。より上の位につくことができれば、士官と繋がりを持つこともできます。
 それから、退役した軍人はかつていた部署にコネがあるでしょう。昔の同僚や部下であれば、多少なりとも便宜を図ってくれるものです。


先頭へ
 

士官


軍人
タイプ:士官
身分:名誉/支配階級(上流)
最低年齢:18歳
財産レベル:自由(3〜)
収入タイプ:固定
標準収入:30〜100万エラン
推奨分野
 運動技能:基本戦闘/武器戦闘/騎乗技術
 作業技能:銃器操作/野外作業/運転技術
 記憶技能:教育知識/軍事情報/社会情報/医療知識/火薬知識/社交界
 判断技能:統制
必須専門技能
 銃器操作:銃器整備(知)
 教育知識:高等知識(知)
 軍事情報:軍事知識【各種】(知)/戦略(知)/戦術(知)
 社会情報:社会制度【各種】(知)
 社交界:礼儀作法(知)
 統制:管理【各種】
説明:士官学校を卒業した軍人で、少尉以上の階級になります。部隊を率いて、戦闘を指揮する役目を負います。
所持品:士官用軍服、懐中時計、拳銃1丁、サーベル、礼装用軍服


○解説

 士官学校で戦略などの高度な軍事教育を受けた、少尉以上の階級の軍人です。指揮官として部隊を率いて戦ったり、作戦を立案するのが仕事となります。幅広い知識と高度な判断力が必要とされる職業です。
 貴族が特権階級として君臨している国家では、貴族が士官として軍務を取り仕切る場合が多くなります。またそれとは別に、軍人として働くために存在する貴族として、騎士という地位もあります(騎士のデータはこちらを参照して下さい)。そういった国では、上の階級はほとんど貴族の子弟が占めることとなり、叩き上げの軍人は蔑視される傾向にあります。支配階級以外の士官は、いわれのない苦労を背負うことになるでしょう。
 士官にはさまざまな社会的特権が与えられる場合もあります。また、階級が上がることによって、政治的な影響力も増してゆきます。その力の程度は、軍部のもつ政治への影響力に比例します。


○条件

 士官になるためには、必ず士官学校を卒業しなければなりません。士官学校は15歳以上のもので、最低3年は教育を受けます。支配階級が存在する国家では、貴族の子弟が多くを占めることになります。

・経歴
 1.初等学校(6年)→中等学校(3年)→士官学校(3年):18歳
 2.一次兵学校(6年)→二次兵学校(3年)→士官学校(3年):18歳
 3.一次兵学校(6年)→二次兵学校(3年)→高等学校(3年)→士官学校(3年):21歳


○注意点

 士官はその立場上、政治的な問題や貴族間の闘争に巻き込まれる可能性があります。ですから、直接的な軍事行動以外の舞台でも扱うことができるでしょう。反面、日常的な小さな問題を主題とする場合は、事件に関わるきっかけもつかみにくく、その能力の殆どを発揮できずに終わることでしょう。非常にシナリオを選ぶ職業といえます。


○コネクション

 士官は純粋な軍事活動以外にも、(出自には関係なく)貴族や政治家と接触したりする機会があります。たとえば上流階級のパーティに招かれたり、貴族の旅行に警備の名目で随行することもあるのです。こういったことから、士官は軍部以外にも貴族や芸術家などといった人々と繋がりを持っていたりします。


先頭へ
 

密偵


軍人
タイプ:密偵
身分:市民階級(中層)
最低年齢:16歳
財産レベル:3〜
収入タイプ:固定
標準収入:20〜50万エラン
推奨分野
 運動技能:基本戦闘/武器戦闘/騎乗技術/軽業
 作業技能:銃器操作/野外作業/運転技術/美術作業/隠密手技
 記憶技能:教育知識/軍事情報/社会情報/医療知識/火薬知識/社交界/裏社会
      文書情報/物品情報
 判断技能:会話技術/演技力/駆け引き/観察力
 感応技能:知覚力/空間感覚
必須専門技能
 軍事情報:軍事知識【各種】(知)/暗号【各種】(知)
 社会情報:社会制度【各種】(知)
説明:相手国家の機密を探る役職にある、非常に優秀な能力をもった軍人です。厳しい訓練を受け、様々な技術を身につけています。
所持品:ダガー、拳銃1丁、鍵開け道具、懐中時計、インク+万年筆、双眼鏡


○解説

 情報を取り扱う専門家であり、他国に潜り込んで軍事機密を盗み出したり、潜入工作を行ったり、重要な密書を届けたりといった仕事をこなします。多方面の高い才能が要求され、通常は専門の機関で厳しい訓練を受けた者しか就くことができない職業です。軍事知識や国家情勢はもちろんのこと、短時間で物事を覚える記憶力がなければなりませんし、潜伏や忍び足といったしなやかな身のこなしや手先の器用さ、さらには戦闘力をも要求されるのです。中には色仕掛けで相手をたぶらかして情報を得たり、暗殺を行う密偵も存在します。

 密偵は決して正体が明らかになってはいけません。ですから、身分や職業を偽り、時には別人格を演じる演技力が必要となる場合もあります。正体が知れてしまった密偵は何の役にも立ちません。ましてや敵国の手に落ちてしまえば、こちらの情報を漏洩しかねない厄介な存在となるでしょう。ですから、中途半端な教育を施しただけの密偵を敵国に送り込むということはありえません。密偵としての職務に就く者は、すでに完成されたプロでなければならないのです。


○条件

 密偵になるためには、養成学校を卒業していなければなりません。普通学校からいきなり養成学校に入学することは殆どなく、通常は兵学校で実力を認められて、はじめて試験を受ける資格を得ます。

・経歴
 1.一次兵学校(6年)→密偵養成学校(4年):16歳
 2.一次兵学校(6年)→二次兵学校(3年)→密偵養成学校(3年):18歳


○注意点

 密偵は通常、何らかの極秘任務を遂行するために活動しています。そのため、同じ軍に所属する人間相手にさえ、自分の身分を明かさないことがあります。そのような職業ですから、他のキャラクターにも身分を偽らなければならないかもしれません。身分証などを偽造して完璧に他人を演じることができているのならば、さほど問題にならないのかもしれませんが、場合によってはシナリオの中で活動しにくくなることもあります。密偵を使う場合は、GMと相談してからにした方がよいでしょう。


○コネクション

 密偵はその立場上、自分の身分を簡単に明かすわけにはゆきません。ですから、情報は自分が所属する機関から送られてくる以外は、自力で得るのが普通です。
 身分を偽造している場合は、所属する組織とその関係者に繋がりがあります。また、裏社会の事情にも精通している密偵もおり、情報屋や乞食組合、あるいは裏組合の人間と接触して、そこから情報を得ることもできます。


先頭へ
 


概略一般兵士士官密偵