○産物
柑橘類、魚、細工鏡、綿花、綿織物、ランプ、ガラス製品
○文化・生活
現在は人民の間に政治的な不信がつのり、退廃主義的な思想が蔓延しています。カイテイン侵攻の噂に対して、未だに方針の定まらない政府を見限り、無政府主義を掲げて民衆を扇動する者や、国外への逃亡を考えている商工業者も多数います。
一般にルワール人は器用だと言われています。それは細工物などの工芸品が国外に多く出回っているためであり、特にガラス工芸についてはエルモア地方でも随一と讃えられています。繊細な装飾を施された細工鏡や飾りランプもそうですが、特に熟練した職人の手によるシャンデリアは芸術の域にも達しており、権勢を示す格好の道具として、エルモア中の貴族から注文が集まります。このシャンデリアは普通のものとは異なり、色ガラスを混ぜて幻想的な雰囲気を醸し出したり、あるいは宗教画を壁に投影するような、非常に凝った仕掛けが施されていたりします。
○食事
ルワールの人は薄味を好みます。特にレモンなどの酸味を薄くつけることが多いようで、レモンソースをかけたりピンクライムの薄切りを添えたりします。お菓子もレモンタルトや蜂蜜づけのレモンなどがよく食べられています。また、最近ではピンクライムの絞り汁を入れたピンクソーダという炭酸水が売られるようになり、非常に売り上げを伸ばしています。
最近の流行といえば、マデリーノ婦人がつくったプチ・マデリーノというお菓子があります。見た目は一口サイズのシュークリームといったところで、プチという小豆によく似た白い豆を小麦粉の薄皮でつつんで焼いたものです。甘さは控え目で、ルワール人の味覚によく合います。
○組織・集団
・黄人解放連盟(YLU:イール)
黄人たちの反乱組織で、ゲリラ活動を主体として行動しています。ドヴァリン(頭の意)という指導者に率いられています。・獣人郷
亜人地域の近くにある獣人の隠れ里です。亜人たちとは意見が合わないため、交流はありません。
○人物
・大公ミューレル 48歳 男
巧言令色を地でいくような男で、彼に対する人民の評価は真っ二つに分かれます。・ドヴァリン
イールの長をいう言葉ですが、実はドヴァリンを名乗る者は複数いて、それぞれが大きな部隊を率いています。部隊は状況に応じて臨機応変に活動しており、その実体は掴みにくくなっています。ドヴァリン同士はその間だけでしか連絡をとらず、トゥルー=ドヴァリンと呼ばれる本当の指導者を中心に組織全体を動かしています。・ディランツ子爵 63歳 男
メイア地方を治める貴族で、無骨な顔立ちをしていますが非常に優しい人物です。現在は運河の建設に取り組んでいるのですが、黄人たちの妨害工作を受けており、なかなか計画は進まないようです。・リオニル=ヴェル=カーン 52歳 男
平和外交派の中核を為すカーン家の当主で、国外に対して様々な働きかけを行っているようです。・カーラ=ラヴィル=カーン 20歳 女
リオニルの一人娘であり、片腕とも呼ばれています。その外交手腕には定評があり、リオニルに対外政策のすべてを任されています。現在は国外を飛び回っているようです。・メルフィーア=デューン 33歳 女
シザリオンの南部を治めているデューン男爵の妻で、藤色の洋服を好んで着ていることから藤色の貴婦人とも呼ばれています。一昨年に流産を経験しており、それが原因で半ば狂乱状態に陥ったことから、郊外の別荘に軟禁状態になっています。しかし、心の隙をつかれて悪魔に取り憑かれてしまっており、悪魔の娘を自分の子供だと思って育てています。・赤獅子公アインシュラ=クエイス 44歳 男
豪奢な長い赤毛が獅子のたてがみに見えることから、赤獅子公と呼ばれている公爵です。勇猛な武人として知られており、サスティナ砦の防備を任されています。・ナシュエリュアル ?歳 男
最強の鏡界士と呼ばれる年齢不詳の老人で、100歳を越えているという噂もあります。最近は自ら活動することはあまりなく、弟子をとって術法を教えながらひっそりと生活しています。・ユーケサティロ 24歳 男
ナシュエリュアルの弟子だった青年ですが、鏡魔に取り憑かれてその能力を利用されています。美女や子供を鏡の中にとらえて、コレクションにしています。
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