○フィリエスヴォードの精神電極
人間の脳に電極を差し込み、その電気的変化から脳の機能を特定する装置です。電極の先端には電気金属が使用されています。これによって視覚情報と大脳の特定部位の活性化の関係や、精神感応と脳下垂体機能との連動などを検証することができます。
しかし、この実験を行った生物の大半は死亡することになります。もし生きていたとしても、生命秘学の技術によって機能を回復され、再び実験に利用されるというのが一般的です。
○フィガロメルラの記憶板
生物秘学からもたらされた技術を併用する実験で、テロエラの記憶という記憶物質を利用します。生物の脳を取り出して薬液を満たした実験容器に入れ、同時にテロエラ・ステーツと呼ばれる微細生物も容器内に浸します。さらに生命金属の粉末を添加して、一定の規則に従って霊子を通過させると、テロエラ・ステーツは脳の外層に取りつき、テロエラの記憶と呼ばれる物質を分泌します。その後に、一定間隔の距離をおいてテロエラ・ステーツに電極を差し込み、容器内の全ての物質を電極ごと結晶剤で固めます。固化後にこれを切り出して、2種の電気金属でつくられた金属板で挟み込むと、ブレイン・レコードと呼ばれる記憶板が出来上がります。
これは個体の記憶を保持すると言われており、これを生物秘学における核型の処理と同様に生物脳内に埋め込むことで、他個体へと記憶を引き継ぐことができます。しかし、これによって受け渡される記憶は断片的で、完全な形でもたらされる場合は少ないようです。それから、人間のような高等動物の場合は、記憶の混乱によって精神に異常をきたすこともありますし、材料に対する拒絶反応を引き起こすことも多いので、まだ実用の技術には至っておりません。
○電香誘導
香りと電極による刺激を複合することで、幾つかの精神作用を引き起こすことができます。そのために利用されるのが、元素秘学の分野からもたらされた電気金属と、植物の抽出と薬液を混合したものです。なお、使われる香料は特定の月齢の夜に作製しなければ効果をあらわしません。また、非常に特異な植物が材料にされることが多く、あまり多量に精製できるものではありません。
この金属はレステスエニラの磁性金属と呼ばれる物質であり、通電することで微弱な磁力を発生します。これを六角棒に加工して生命金属を塗布したものを脳内に埋め込み、これとは別に六角形に加工して模様を刻んだ、混沌の六角秘板と呼ばれる金属薄板を頭部に複数取り付けます。そして、六角秘板に対して特定のパターンで通電を行い、それと同時に薬液の香りをかがせることで、精神に影響を与えることが可能となります。しかし、通電を行う際の作業は非常に短時間で、しかも複雑な操作を要求されます。失敗して精神に悪い影響を及ぼすことも少なくありません。
・変性意識の植え付け
精神の二重化とも呼ばれる技術で、精神に全く別個の意識を植え付けることが可能となります。本来は真実の霊性を呼び起こそうとして行われた実験ですが、得られた結果はそれとは異なるもので、多重人格化を引き起こすだけで終わってしまいました。
二重化を引き起こすには、月光片の青と呼ばれる呼ばれる香料をかがせる必要があり、これをかがせる度に人格の切り替えが行われることになります。しかし、植え付ける人格を設定することもできませんし、多重化を行った場合はどの人格が呼び出されるかもわかりません。結果はすべてランダムとなります。・疑似記憶
偽の記憶を相手に植え付けることができます。これを行うには月光片の赤と呼ばれる香料が必要で、これをかがせて催眠状態になっている間に、特定パターンの電流を流さなければなりません。催眠術のように話したことを植え付けることはできず、どのような記憶が植え付けられるかは、実際に試してみなければわかりません。現在のところでは知見の蓄積を行っているところで、確立した技術とは言い難い状態にあります。
・階層化
記憶を意図的に階層化させ、特定の事象に連動して記憶を引き出させる技術です。これを行うには月光片の紫と呼ばれる香料が必要となり、これをかがせて催眠状態に陥らせている間に記憶の遡航を行い、特定の記憶を口に出した時に電流を流す作業を行わなければなりません。記憶を引き出す鍵となるのは、人間の五感に訴えかける刺激でなければならず、言葉の内容などを刺激とすることはできません。なお、選択的に記憶を隠しておくことも可能ですが、記憶はだいたい1か月単位でしか階層化することはできません。また、本人が忘れてしまっている記憶を引き出せるわけでもありません。・記憶奪取
特定の記憶を失わせる技術で、月光片の緑と呼ばれる香料を用います。これは主に階層化と連動して用いられることが多く、本人がその記憶を思い出した瞬間に電流を操作しなければなりません。これによって失われた記憶は、再び月光片の緑をかがせるまでは失われたままになります。しかし、術法によって記憶を取り戻させることは可能のようです。・精神汚染
精神的に何の感動も起こらない無感情の状態にすることができます。これを行うには月光片の白と呼ばれる香料が必要で、これをかがせている間に電流を流す操作を行わなければなりません。しかし、これを行った相手は徐々に生きる意思を失ってしまう例が多く、最後には食事や水も取らずに死んでしまうことになります。
○生命螺子図面
・有意識金属
生物金属の一種ではないかと考えられている白金色の金属で、電流を流した時のパターンを記憶する性質を持ちます。これを生命螺子と呼ばれる螺子に加工し、特定の電流を覚え込ませた後に、規定の間隔で脳に埋め込みます。螺子の埋め込みパターンと電流の流し方によって異なる効果を示しますが、激しい頭痛を引き起こしたり、記憶の混乱をきたすといった副作用があります。・精神プログラム
精神設計技術と呼ばれるもので、螺旋の間に一定の型を彫り込んだ電気金属の薄片を埋め込むことで、相手を操ることができるようになります。命令は電気金属の共鳴による音の組み合わせで行いますが、装置そのものが大がかりとなるので、決まった場所でしか命令を与えることはできません。また、命令も長時間持続するわけではなく、だいたい1日ほどの時間は保ちますが、その後に精神抵抗に成功すれば意識を取り戻すことができます。
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