その他


 


○警察

 事件を捜査し犯人を逮捕するのは警察機構の役目です。いわゆる警察としての機構が整っている国であれば、都市に地域の中心となる警察署があり、それぞれの地区に詰め所を置いて犯罪に備えているのが普通です。都市を離れた場所や町村では、保安官として民間の者を雇っている場合もあります。この保安官というものは千差万別で、まともな者もいればチンピラのような不逞の輩も存在します。
 国家に属する場合と各領主に属する場合では、警察官の組織や役割も変わってきます。国家に属する場合には法に殉ずる存在となるわけですが、領主が統括する警察機構は領主の私兵といった性格が強くなっています。とはいえ、通常の国家では国王の調査機関が領主の動向を調べますので、領主の無法が際限なく許されるというわけではありません。


○犯罪組織

・裏組合
 裏組合というのは、その名の通り犯罪者のための組織です。裏組合は情報屋や逃がし屋、それから盗みに関する技術の講習など、様々な仕事を請け負っています。組合は荒事にも精通しており、縄張り争いの調停を行なったり、無届けの露店から場所代を徴収したりもします。裏組合の規模は多様で、国家間に跨って活動する組織も稀にありますが、多くのものは他の職業組合と同様に都市や街単位での組織です。

・ギャング
 ギャングは新興の組織的暴力団のことです。裏組合とよく似た組織なのですが、盗みを主体とした犯罪を行うことは殆どなく、麻薬の売買や密輸などの裏取引や暴力行為によって金銭を稼ぎます。だいたいの組織は歓楽街を牛耳っており、表向きは酒場やカジノなどの娯楽施設や普通の会社を経営しています。古くからある裏組合とは対立しており、徐々にその勢力を伸ばしつつあります。


○術法

 この世界では『術法』と呼ばれる魔法が存在し、これを用いるものを総称して術法師と呼びます。怪物たちが跳梁するエルモア地方で人類が文明を築いてこれたのは、ひとえにこの『術法』の力があったからといえるでしょう。『聖母アリア』が持っていた奇跡の力は、『聖言』という形で彼女を慕う人々に受け継がれてゆきました。これらはさらに一部の民間人にも伝えられ、現在の『術法協会』という組織を形成するに至りました。聖職者以外の術法師は殆どがこれに所属しているため、『協会術法師』と呼ばれることもあります。
 
・術法協会
 術法協会は宗教組織とは別に術法に関する技術を司る組織です。術法を用いて困っている人々を助けたり、あるいは教授してもよいと認可されている術法を一般の人々に教えることで、金銭を得て活動しています。それと同時に術法の研究機関でもあり、術法師を保護する役目もあります。ごく普通の術法師たちは、ほとんどが協会に所属していると考えてよいでしょう。術法協会は国家の垣根を超えた組織であり、エルモア全土に広がっています。ただし、術法師は社会全体から見れば稀少な存在なので、組織自体の規模はさほど大きいものではありません。


○戦闘

 この世界では、日常とすぐ隣り合わせの場所で戦いが起こっています。人間の生活を脅かす怪物たちや、村を襲う傭兵くずれの野盗、列車強盗を企てる無法者、そして戦争といったものが、エルモア地方では常識のように横行しているのです。
 戦争で戦うのは主に騎士や軍の兵士たちです。こういった者たちの中には職業軍人もいれば、戦時に徴兵されて戦地に赴く民間人、あるいは生活のために雇われて戦う傭兵たちもいます。ほんの100年ほど前までは、騎士が剣を持ち、馬に乗って戦うというようなスタイルが当たり前でしたが、現在は銃器の登場によって戦闘の仕方も様変わりしています。
 銃器が利用されるようになってからは、重い鎧が敬遠される傾向があります。大砲や爆薬といったものに対して防具はほとんど役には立たず、むしろ逃げるためには邪魔になるばかりです。しかし、それは戦場においてだけのことです。野外に生息する変異体の中には、銃器を使用したとしても、1度や2度の攻撃では倒れないものも多くいます。また、もとより銃器による攻撃が通用しないものも存在するのです。このような怪物と戦う時には、身を守るための鎧は必須の装備です。


○冒険者

 『冒険者』とは総称であり、戦わずに探偵のような仕事を請け負う者もいれば、地図をつくるために秘境に入り込む『探検家』、あるいは魔獣や危険な動物たちを狩る『獣狩り』など、その仕事は多岐に渡っております。特に資格を必要ともせず、組織として活動しているわけでもありません。なお、冒険者と呼んでいるのは彼ら自身だけであり、一般には流れ者(ワンダラー)、何でも屋(マルチ・ワーカー)、汚れ屋(ステンド・ワーカー)などと呼ばれています。特に汚れ屋という呼び名が、一般社会では最も一般的のようです。
 冒険者は特定の組織を結成しているわけではないのですが、彼ら自身のネットワークを持っています。これは一般に『冒険者組合』と呼ばれていますが、あくまでも通称であり、他の同業者組合のようなしっかりとした組織をつくっているわけではありません。冒険者組合は冒険者が立ち寄る各地の安宿屋や酒場、あるいは口入れ屋のような斡旋業者によって成り立っています。冒険者はこれらの場所で情報を集め、仕事を請け負うことになります。


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