術法を行使する場合、術者は基本的に対象や効果範囲を認識していなければなりません。たとえば誰かにかける場合には、相手が見えていたり触れていたりしなければならないのです。
ただし例外もあり、相手が術者を見ていたり、音が聞こえていたりすることでかかる術法もあります。これらは、術法をかける時のタイプによって変化します。
・通常
対象が視覚的に認識できているか、そうでない場合は接触している必要があります。また、このタイプの術は壁などがあれば、障害物に対して術の効果が適用されます。背後にあるものに対しては、障害物によって効果が遮られてしまいます。
・距離
対象が視覚や触覚によって認識できていなくても、明確に思い出すことができれば、術をかけることが可能です。ただし、これは相手のことをよく知っている必要があります。記憶が曖昧である場合は、記憶術との同時判定に成功しなければなりません。
それから、相手に何か関連が深いもの(遺品や足跡など)を鍵として、対象を特定することができる術もあります。説明にこのような記述がある術の場合は、相手のことを知っている必要はありません。
・範囲
障害物の有無に関係なく、術は効果範囲内の全てに適用されます。対象や効果範囲を認識している必要はありません。
・限定範囲
相手にものを見せたり、音を聞かせたりすることで効果を及ぼす術です。このタイプに含まれる術は、音を消したり視線を外したりすることで、術の効果を無効とすることができます。この場合は、反応抵抗の判定に成功しなければなりません。
それから、このタイプの術は距離や効果範囲を拡大することはできません。術の要素そのままの数値が効果の及ぶ限界となります。
・集中
術の効果を維持するために、特定の行為を集中して行う必要があります。持続時間中は、歌や精神集中などを続けなければなりません。この間に何か他の行動を行った場合は、必ず集中が途切れて効果が完全に消滅してしまいます。周囲から何か働きかけられたり、ダメージを受けたりした場合でも、回避や抵抗を行った時点で効果は途切れます。ただし、非常にゆっくりとした移動など、判定を必要としない行為を試みることは可能です。
耐えようとする場合は、術のレベルを基準とした術法判定を行い、成功すれば術を維持することができます。妨害の程度によってマイナスの修正値が加算され、話しかけられたり触れらたりした場合は−4、ダメージを受けたりした場合は、受けたダメージの分だけマイナスの修正を受けることになります。
・感知
何かの存在を感知する術です。このタイプの術は、対象や効果範囲を認識している必要はありませんし、相手は抵抗判定を行うことができません。判定に成功していれば必ず情報が得られます。効果範囲内に存在していても、特定の術で守られているなどの状態になければ、術がかけられたことを感知できません。なお、この術は感知することができるだけであり、知識にない情報を理解することは不可能です。
・魔力付与
物体に魔力を付与する術で、主に武器の強化のために利用されます。このタイプの術をかけたものは魔力のフィールドで守られ、持続時間のあいだは内側にはダメージが伝わらなくなります。そのため、元々の用途が何になっていても、破壊武器として扱われます。逆に、破壊武器以外の用途として使用することはできません。
このタイプの術は生物にはかかりません。それから飛び道具にかける場合、弾丸など個別の追加武器に対して、1回ずつ術をかける必要があります。
・幻術
このタイプの術でつくりだされたものは、半実体化した魔力として存在します。術によっては映像だけでなく、触れても気づかない幻想体をつくり出せるものもあります。この術は相手が何か疑問を感じて疑いを持った場合、判断抵抗の判定を行うことができます。対抗判定で勝利した場合、その者は幻術の効果を打ち破り、真実の姿を見ることが可能となります。ただし、魔力を解除しなければ幻術そのものは存在し続けます。
・呪詛
このタイプの術は、通常の魔力解除の術では効果を打ち消すことはできません。呪法解除(魔力操作系)や呪詛払い(浄化系、霊媒系)などの特殊な術のみが対抗効果を持ちます。もちろん呪詛と同質、あるいは正反対の効果を持つ術でも、呪詛に対抗できると明記されていなければ、対抗効果を発揮することは不可能となります。
・特殊
このタイプの術は主に奇跡として認識されています。距離や効果範囲などは術者の望みによって変化します。その妥当性については、GMが判断して下さい。
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