アルメア2


 


○産物

 魚介類、海藻、羊毛、タペストリー、木彫りの面、香木(ニセカエデ)


○文化・生活

 国民のほとんどは聖母教会の敬虔な信徒で、その教えをかたくなに守っています。この地を訪れた旅人は、親切な人たちだったと口をそろえて彼らを称えます。貴族たちも圧政を敷くことはなく、領主の中には収穫期には領民と一緒になって汗を流して働く者もいます。
 この国では、多くの場合は村や町単位で分業を行っており、収穫物などは全て公平に分け合います。民衆同士の結びつきは強く、たとえば婦人たちが針仕事をする場合には針場と呼ばれる場所に全員が集まり、楽しく談笑しながら裁縫や糸巻きといった作業を行います。
 他の国々が近代化に向かっている中、彼らは旧態依然とした農業中心の生活をしています。輸出もほとんど行わず、わずかに宗教をモチーフにしたタペストリーや羊毛、木彫りの面などが近隣諸国に売られています。なお、収穫祭ではこの木彫り面をつけた宗教劇が行われ、教会を中心にみんなで一生懸命に練習を行います。


○食事

 食事は質素なものが多く、普段は野菜や穀物を中心としたものを食べています。主食はパンですが、地域によっては野菜麺という、野菜を細く長く削りだして乾燥させた麺を食べているところもあります。また、寒干し大根や、細切りの赤カブとレタスを薄く焼いた小麦に包んで食べるスー・ローズという食べ物など、独自の野菜料理がいくつもあります。おやつにもオニオンチップスやふかしたジャガイモなどが好まれます。肉を食べることはあまりありませんが、秋の感謝祭では肉を使った料理がふんだんに振る舞われます。


○組織・集団

・森林警備隊
 森林の治安を守るレンジャーで、国家に所属する組織です。密猟を摘発したり、自然信奉者たちと問題が起こった場合に調停を行ったりします。

・森林音楽教室
 ジョアニルという老人が森で行っている、子供たち相手の音楽教室です。もちろんちゃんとした楽器はないため、クワや蹄鉄、バケツなどの身近な品を使っていますが、子供たちは本当に楽しそうな顔で演奏しています。

・霊獣使い
 狂気の獣とも呼ばれる霊獣を使役する一族で、滅多に人前に姿をあらわすことはありません。

・自然信奉者
 自然と調和した生活を推奨する人々です。多くは森の中でひっそりと暮らしています。他国から追い出されてこの地にたどり着いた者もいます。


○人物

・アルカレラ3世   65歳  男
 現アルメア国王。非常に穏やかな性格で、優王とも呼ばれるほどです。国王が怒った姿を見た人はいないとの話もあります。

・魔女リュルエリア   ?歳  女
 年齢不詳の老婆で、ニセカエデの森の近くに1人で住んでいます。有名な薬師であり、同時に優秀な呪医としても知られています。

・アルム=ゼナン   43歳  女
 聖母教会の司祭で、ファリエラ市の郊外で孤児院を開いています。恵まれない子供たちの世話を一手に引き受けていることから、ファリエラの聖女とも呼ばれています。

・ファイアベル   21歳  男
 神官戦士の1人で、かつては街の乱暴者として知られていましたが、後にアルムの人格に傾倒し、これに仕えることとなりました。今では孤児たちのいい兄貴分として働いています。胸にファリエラから貰った薔薇をドライフラワーにしてさしており、薔薇の騎士とも呼ばれています。

・エリザ=ラ=カリハール   16歳  女
 リルウェイ近辺の土地を治めるカリハール公爵の1人娘です。彼女は噂に聞いた隠密視察というものに憧れ、ひそかに城を抜け出しては城下の様子を盗み見ているのですが、実は領民は皆このことを知っています。そのため領民たちは彼女のことを隠密姫と呼び、苦笑しながらその遊びにつき合ってあげています。領内の不正をあばく格好いい役に憧れているのですが、誰も不正をしないため少し面白くないようで、ひそかに遠出を計画しています。

・アルタム=トランスバール   27歳  男
 エリザ姫に仕える武官で、彼女の言動にいつも振り回されている苦労人です。よく愚痴をこぼしていますが、口でいうほど嫌ではないようです。

・レグヴェルド=セルディン  46歳  男
 リルウェイの執政官の1人ですが、密輸を指導して私腹をこやしています。非常に慎重な性格で、もしその悪事が明るみに出たとしても、自分の立場を守るための手段は幾つも用意してあります。

・ジョアニル   67歳  男
 かつては最高のピアニストとして知られていたのですが、引退後の現在はノルディーン郊外で子供たちに音楽を教えながら、ひっそりと暮らしています。


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