基本原則
アンバランスド・ワールドの物理法則では、不老不死は絶対にあり得ない現象です。術法、変異現象、科学魔道のいずれの効果であったとしても同じことです。見かけ上の老化を停止したり、寿命を少しだけ引き延ばすことは可能ですが、いかなる手段を用いたとしても、いずれは精神に異常をきたしてしまうことになります。不老不死というのは、現在よりもずっと優れた文明を持っていた時代の人々でさえ、決してなしえなかった夢物語なのです。
単純に寿命を延ばす術法などを使用した場合は、本来の寿命の2倍が限界となります。どんなに耐えたとしても、エルモア地方の人間は200歳程度で完全な狂気に至るでしょう。これ以上の期間を生き続ける場合は、いずれ精神が摩耗してしまい、最後には発狂してしまうことになります。これは、たとえ精神を物品に移送した場合でも同様です。
これを回避するための技術もありますが、その場合は精神的、肉体的成長はそこで完全に停止してしまいます。どのような経験を経ても能力値や技能値が上昇することはなくなり、個人記憶も古いものから徐々に失われてゆくことになります。不老不死の特殊能力を持つ怪物などは、この状態で生き続けているものが多いのです。
これとは別個の技術で、与えられた命令を反復したり情報を受け継ぐだけの器として、自我らしきものをもつ生命体を作り上げることもできます。しかし、これはあくまでも反応するだけの物品に過ぎず、自我を持つ生物とは決して呼べない存在です。器を代えて生を長らえることは可能ですが、自らの意志で動くことは決してありません。
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精神崩壊
人間の限界寿命をこえると、1年ごとに少しずつ精神が崩壊してゆくことになります。これはワールドリレーションの精神崩壊として扱い、通常の狂気とは別個の数値となります。
人間の場合、限界寿命はおよそ100年です。単純に術法を用いて延命している場合は、100歳を過ぎたところから、1年ごとに精神崩壊のワールドポイントが1ずつ上がってゆきます。そしてレベルが1上がるごとに、すなわち10年ごとにレベルを難易度とした判断抵抗の判定を行わなければなりません。この判定に失敗した場合は、即座に精神崩壊を引き起こし、狂人として以後の時間を生きながらえなければなりません。また、成長にCPを使用した場合は、そのぶんだけ精神崩壊が早まります。使用したCPの分だけ、ワールドポイントを上昇させて下さい。
精神崩壊を免れるためには、判定に成功し続けなければなりません。しかし、WPが100となった場合は、判定を行うことなく死亡してしまいます。そのため、人間がいくら術法で延命しようとしても、最大で200歳ぐらいが限界となってしまいます。
しかし、精神の変化を一時的に凍結することにより、擬似的に不死に近い状態にすることは可能となります。このような状態にあるのが、吸血鬼などの長き生を与えられる存在なのです。それから、仮死状態に置かれている間は、一時的にWPの上昇を止めることができます。これによって、いくぶん生を長らえることは可能となります。
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