交渉


 


 自分の話を通したり、相手から持ちかけられた話を自分の望むような形に進めたいなどの場合には、交渉の判定を行う必要があります。交渉の技能の説明は以下の通りです。主に商談などの場面で用いられる技能となります。


○交渉 (一般:知+判断)

 商談など、駆け引きを主体とする交渉に使用します。相手を騙す技術ではなく、相手の欲するところを的確にとらえ、双方が納得する条件を判断する能力です。商売人たちはこの技能に卓越しています。交渉を成功させるかどうかだけでなく、相手の発言から妥当なラインを判断するためにこの技能を用いても構いません。

 対抗判定に用いることができるのは、同じく交渉か判断抵抗の技能になります。勝利した側が自分に有利な条件を提示でき、相手に承諾させることができます。結果は成功の度合いによって上下するでしょう。ただし、これは詐術とは異なり、明らかに損害が出るような取引き条件を相手に承伏させることはできません。プレイヤーが持ち出した条件が明らかに不服である場合は、わざわざ技能で判定する必要はありません。その辺りの常識についてプレイヤーが気づいていないようであれば、一般常識(記憶:知+一般)の判定を行って、それを教えてあげても構わないでしょう。


 交渉を行うのは主に相手がいる判定です。自分の要求を通すには、相手の判断抵抗と対抗判定を行います。双方が条件を持ち出すような場合は、交渉の技能同士で対抗判定となります。それから、相手の真意を会話の中からつかもうとする場合には、相手の演技との対抗判定といった具合です。

 交渉は互いに何らかのメリットがある場合にのみ行うことができるもので、達成値でどれほど相手を上回ったとしても、一方的に損害を被るような要求をのむはずがありません。ですから交渉を行う際には、お互いにどれだけまでなら譲歩できるかを予め決めておく必要があります。たとえば、買い物でまけてもらおうと思って交渉を持ちかけた場合でも、店の人間が1割しか値引きしないと決めていたならば、奇跡的成功でもない限りは1割までしかまけてくれないのです。
 要求をどれだけ通せるかは、交渉の成功値によって決まります。金額であれば、成功値が1上がるごとに5%だけ自分の利益を上乗せすることが可能です。そうでない場合は、成功値が2につき1つの頼み事を叶えてもらうことができます。成功値が1であれば、それは半分くらいしか力を貸してもらえないことになります。

 なお、自分に持ちかけられた交渉について判定を行い、もし対抗判定で抵抗できなかった場合でも、自分が明らかに損害を被るような条件であれば、それを断ることは可能です。ただし、それを無碍に断ることで心象を悪くしたり、相手との関係に亀裂が入る可能性もあります。もし、ワールドリレーションのコネクションルールを導入していた場合、成功値の分だけポイントが下がることにしても構いません。


○心理的影響

 交渉には心理的な作用や立場が大きな影響を及ぼします。相手の弱みをついて動揺を誘ったり、脅迫するというのも交渉のテクニックの1つなのです。人質を取るなどの絶対に断れないような場合は別ですが、ちょっとした弱みを突かれるなどの心理的駆け引きを持ち出された場合、判断抵抗との同時判定を行う必要があります。この判定には、動揺の度合いによって適度な修正値を受けることになります。また、動揺を隠そうとするのならば、さらに演技の判定が必要となります。


○規定条件

 規則として決定しているものを覆す必要がある場合には、GMが設定した難易度を上回る必要があります。この判定に成功すると同時に、相手人物との対抗判定にも勝利すれば、話を通してもらえることもあるでしょう。ただし、やはりどれほど口がうまかったとしても、絶対に無理な要求を通すということはできません。


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