初期に発表された蒸気エンジン付き自転車は、見せ物程度の代物に過ぎませんでした。蒸気機関は小型化するほど燃費が悪くなりますし、燃料と一緒に水も携行して走る蒸気機関は、どうしても不釣り合いな動力源でしかなかったのです。しかし、霊子機関の登場によって、オートバイはようやく実用の交通機関として利用できるようになりました。
現在のオートバイは自転車に霊子機関をつけた試験的なものとは異なり、きちんとした専用のフレームやタイヤでつくられています。種類もいくつかあり、安定性をあげようと後輪を二輪にした三輪バイクなどもあります。小回りが利き、霊子機関を積んでいて非常に静かな乗り物であることから、軍隊の伝令用に用いられたりもします。しかし、まだ一般には普及されてはおらず、見たことがない人も多い交通機関です。
○試作機械
・ミニバイク
一般に普及させるために開発中のもので、現在でいうスクーターに非常によく似た形をしています。スカートをはいた女性でも乗れるように、跨って乗る普通のバイクと違って、座席が椅子型になっています。安定性を考えて三輪になっていますし、操縦の機構も簡略化されています。・サイドカー
軍で考案されたものであり、1人が操縦を担当し、もう1人が砲撃を行うためにこれを利用します。・単輪バイク
1輪の大型車輪の中に操縦席がついている、非常に奇妙な形をしたバイクです。発明家が趣味で作製したものであり、機構が複雑で前方の視界も十分に確保できないことから、実用性のものとはなっていません。・レールバイク
レールライド・オートバイとも呼ばれています。列車のレールに合うような補助輪をつけた自転車を使用する、レールライダーという人々の行動からヒントを得て作製したバイクで、非常時の連絡用などの目的で三国鉄道の鉄道管理局が試作しました。
本体にはレールに合う幅の鉄の車輪がついており、反対側のレールにうまくかみ合うように、サイドにも車輪が一輪せりだしています。列車に乗せる時のために、サイドの車輪は折り畳むことができます。なお、あまりスピードを出しすぎると安定性が悪くなるので、最高でも時速60kmしか出すことができません。・スノーバイク
凍湖の上を走行する目的で、ユークレイの発明家が試作しているものです。前輪はソリのようになっており、後ろの二輪は幅の広いスパイクつきの鉄輪がはめられています。しかし、まだまだ安定性が悪いので、車輪部分にはさらなる改良が必要となります。
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