概要
○目的
小さな日常問題を取り扱う軽めのシナリオです。ちょっとした誤解やすれ違いなどは、人が集まる限りにおいてはどのような場所でも起こりうる問題です。このタイプのシナリオでは、こういった小さいけれど決して無視できない心の問題を解決するものです。なるべく多くの人が幸せになれるように、よく考えて行動して下さい。これは、他人と会話をしながら遊ぶ、TRPGというゲームにも共通することなのです。
○楽しみ
・人間関係
このタイプのシナリオでは、友人関係や近所づきあいといった、些細なように見えて実は重要なものを大事にしなければなりません。特にある程度連続でシナリオを行う場合は、こういった人間関係が技能などより遙かに重要となるものです。また、他人と折り合いをつける術を学ぶことは、ゲームの中で他のプレイヤーと協調する術を身につけることにも繋がります。面倒がらずに、楽しみながら人間関係をうまく保つことを覚えていって下さい。・喜劇
ちょっとした日常のすれ違いや誤解が生み出すトラブルというのは、当事者にとってみれば大変であっても、周りから見ていれば実は滑稽であることが多いものです。プレイヤー的な立場で、このような喜劇を楽しむことができるのも、日常シナリオの特徴といえるでしょう。・個性
精神的な問題を扱うことが多いため、キャラクターの性格的な個性を最も発揮しやすいシナリオといえるかもしれません。・会話
このタイプのシナリオでは、どのように会話を進めるかが解決の上で重要になってくるでしょう。言葉のやりとりや心理的な駆け引きを楽しむには、最も適したシナリオといえるでしょう。・小さな幸せ
他人を幸せにするというのは何より難しく、しかし何より嬉しいことの1つです。このタイプのシナリオは、特に全員が揃って幸せになれる可能性の高いものです。どうすれば他人にとってよい結果を導き出せるのか、どうぞ楽しみながらゆっくり考えて下さい。
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舞台
日常問題を扱ったシナリオは、人間の多い町や都市などが適しているでしょう。人が密集すればするほど問題は起こりやすくなりますし、また様々な職業を選択できる土台ともなります。ただし、あまりに職業の幅を広げすぎるとシナリオに絡むことが難しくなりますし、活躍の場を失うことにもなりかねません。ですから、このタイプのシナリオを遊ぶ場合は、1つの通りや店、あるいは同じアパートなど、キャラクター同士の接点となる場所をもうけた方がよいでしょう。互いが知り合いである必要はありませんが、出会う可能性のあるポイントは常に用意しておくべきです。
なお、ほのぼのとした雰囲気のシナリオを味わいたい場合は、サンプルシティとして紹介されている「サリュンティル」を舞台として用いるとよいでしょう。
○小舞台
このタイプのシナリオは、あまり舞台を広くとる必要はありません。周辺の数家族や1つの通りだけでも十分に話は進みます。また、学校や職場などの小集団を単位としてシナリオを展開するのもよいでしょう。場合によっては、舞台を完全に限定してしまって、キャラクターをその中だけで動かすことにしても構いません。
○地域社会
小さな地域では人々がより深く交流し、その地域独特の規則や掟などをつくりあげている場合があります。大都市とは逆に、これらが人々の関係を悪化させたり、問題を大きくしてしまうことがあります。法律より身内での約束事を大事にすることもありますし、年寄りは特に慣習をことさら大事なもののように扱います。それから地域社会というのは、外部から訪れた人には狭量になりますし、身内と認められるまではなかなかうち解けようとしないものです。このような地域独特の問題を扱うのも、日常を取り扱うシナリオの楽しみといえるでしょうし、こういった課題は他のタイプのシナリオにも応用することができます。まずは小さなシナリオで練習してみるのもよいでしょう。
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その他
○技能
特にこれといって必要な技能はありませんが、判断技能に関係する技能に秀でていると、何かと楽に話を進められると思われます。
○選択ルール
このタイプのシナリオでは、特に術法や高い技能値などは必要ないかもしれません。使用できるCPを[100+年齢]に限定しても構いません。
○年齢
通常のシナリオでは、あまり年齢が低すぎたり、あるいは年を取りすぎていると動かしにくい場面が多くなります。しかし、このタイプのシナリオに限っては、こういった通常では不利になるキャラクターを扱っても構わないでしょう。
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