変異現象

基本法則呪鍵


 

基本法則


○認識

 変異現象そのものには善悪正邪は関係ありません。変異現象による結果があったとして、それが社会的にどう認識されるかで扱いが変わります。社会に悪影響を与える者であれば魔神の呪いとして処理されますし、逆に良い結果をもたらした場合は奇跡として取り扱われるのです。もちろん、まったく変異とは認識されずに、普通の物理現象として処理される場合もあります。たとえば国家の説明にある文章にも、単なる自然現象として認識されている変異現象が書かれています。


○原因

・変異源
 特定の地域や物品が特に強く変異の影響を受けていることがあります。科学魔道時代の遺跡などが存在する付近は、特にこの傾向が強くなるようです。逆に言えば、遺跡の発掘をするということは変異の影響を受けるリスクを背負うことであり、発掘物もその影響を受けている可能性も高いということです。

・霊子機関
 霊子機関の周囲では変異現象が起こりやすくなります。しかし、それは微々たる傾向に過ぎず、エルモア地方の人間はこのことに気づいておりません。


○影響の結果

・術法的効果
 GMが新たに変異現象を設定してシナリオに組み込む場合は、すでにある変異現象の例を見るか、術法データを参照すればよいでしょう。術法によって起こりうる効果は、およそすべて変異現象として起こりうるものなのです。なお、幾つもの術が複合した形で発動され、より複雑な現象となってしまう場合もあります。

・変異現象の程度
 変異現象の影響を受けた者は、変異というワールドポイント(WP)を得ることになります。通常、これはレベルが1つ上がるごとに、何か変異現象が1つ発動することになります。
 変異現象の表向きの効果を解消できたとしても、このポイントは下がりません。術法や奇跡、あるいは先史文明の技術など、いかなる超常的な手段を持ってしても、これだけは絶対に止めることができないのです。そして、再びポイントを獲得してレベルが上がれば、より大きな変異現象に見舞われる羽目になります。

・変異源
 変異の影響を受けた者、すなわち変異のWPを獲得した者は、自らも変異源として周囲を汚染してしまうことになります。影響の度合いは変異レベルが基準となり、100日につきレベル分だけ近くにいるものの変異ポイントを上昇させます。これを防ぐ手段は皆無であり、他人や物品と接触しないことだけが唯一の手段となります。

・変異現象の解消
 変異現象といっても物理的変化に過ぎないものも多々あり、結果が自然現象とかわらないものであれば、通常とまったく同じように対処することが可能です。単なる病気であれば薬を飲めば治りますし、壊れた物品は修復する術さえあれば元通りにすることができるでしょう。こういった変異現象は、起こったことさえ気づかれないこともありますし、おかしいと思っても偶然か何かということで片づけられてしまうでしょう。
 しかし、通常の手段では元に戻せないような結果は、術法などの特殊な手段に頼るしかありません。この時、術法の難易度は[変異レベル+5]となります。


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呪鍵


 実際には知られておりませんが、変異の中にも非常に特殊なものが存在します。これは呪詛タイプの術法によく似ておりますが、術法などの魔力的な手段をもってしても、絶対に解除できないタイプの変異があるのです。もちろん、呪詛解除などの術でもこれを解消することはできません。
 たとえばこのタイプの変異現象によって病気にかかった場合は、たとえどれほどの腕を持つ聖職者や呪医でも、これを治癒することはできないのです。術法の判定で奇跡的成功をおさめたとしても、あるいは願いと奇跡ルールを用いたとしても、これを解除することは不可能です。
 この現象が起こるのは、変異現象に生物の意思が影響を与えた場合が多いようです。そのため、これを解決できる可能性があるのは、新たなる変異によって中和されるか、あるいは精神的な負荷の解消を解消するという手段があります。それがどのような機構で解除できるかは、一定の法則やノウハウがあるわけではありません。1つ1つ原因を解き明かし、それぞれに見合った対処をしてゆくしかありません。解決の鍵がたった1人の言葉であったり、あるいは誰かと再び出会うことである場合もあるのです。
 これはシナリオの課題として利用しうるものです。こういった課題を解決して元通りになった場合は、悪魔の誘惑に打ち勝ったものとして、制限はありますが再び一般社会に迎え入れられます。もちろん、宗教機関や周囲の人に気づかれずに解決してしまえば、何の問題もなく日常の生活へと戻ることができるでしょう。


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