街並み
大通り|裏通り
大通り
都市の入り口から中心へ向かう広い通りは、人々の生活の中心でもあります。官庁等の役所や郵便局、そして警察や裁判所といった行政や司法の施設が立ち並び、中心街では教会がその偉容を示しています。大都市では劇場やスタジアムといった娯楽施設もあり、大きな商店の珍しい商品が並ぶショーウィンドウは人々の目を釘付けにします。このように大通りというのは、都市の表の顔といえる場所なのです。
道路は石畳が敷き詰められていて、その両側には街路樹が植えられたり、進歩的な都市ではガス燈が設置されています。通りの真ん中を馬車が進み、その脇を大勢の人が忙しく歩きます。大都市であれば、ここで流行のファッションを見ることができます。日傘をさした上品な貴婦人もいれば、ステッキをついて歩く紳士もいます。門から入ってきたばかりの旅人が他国の衣装を披露することもあれば、冒険者たちが奇抜な格好を見せびらかすように闊歩していることもあります。
ほとんどの国家では建物は煉瓦や石造りで、隙間なく密集しているという印象を受けます。というのは、都市の多くは壁で囲まれており、面積が限られているためです。建物は外観を考慮して高さを揃えていることが多いようです。表通りらしく窓はガラスで、防犯用の格子も美しい装飾がなされています。塀も煉瓦や石造りで、鉄柵で囲ってあることもあります。これも模様をあしらっており、街の美観を損ねないようにしてあります。
大通りは身分の高い者や金銭的に恵まれた者が住んでいるため、警察や軍が警備を怠りません。ですから治安は非常によく、安心して歩ける場所でもあります。人通りが多くにぎやかで、ガス燈があるような進んだ都市では、夜間でも人々が活動しています。いずれにせよ、大通りには都市の中心的な機能が集中しているので、誰もが1度はお世話になることでしょう。それはキャラクターたちも例外ではありません。
先頭へ
裏通り
ここでは大通りではない、裏通りの一般的な街並みを紹介します。
大通りから一歩裏手に入ると、そこは市民たちの生活する空間になります。道路は急に狭くなり、2台の馬車が擦れ違うことはできません。建物は隙間なく立ち並び、高さも揃えられてはいません。大通りの建物とは異なり壁は煙で薄汚れ、石造りや日干しレンガばかりではなく、木造や漆喰の家も見られるようになります(もちろん気候によって異なりますが)。
一般的な町屋は2〜3階建てで、3〜5人程度の家族で住んでいるのが普通です。職人の家では住み込みの弟子が住んでいることもありますが、それでも一軒に10人を超える人が住むことはまずありません。居間、寝室、台所、食堂などがあり、納屋や食料を貯蔵する地下室なども備えられていることが多いようです。
裏通りには集合住宅も多く、下宿やアパートには様々な職業の人々が住んでいます。表通りとは異なり、日雇い人夫や学生が住む低家賃の賃貸住宅の割合が高く、一家で住めるような所は少ないようです。このような集合住宅には職業組合で経営しているところもあり、組合のメンバーに対して安く貸し出しているようです。
道路には通常、井戸が設置されています。子供や夫人たちはここで井戸水を汲み、様々な家事に使用します。夫人たちはこの周囲で洗濯をするため、天気のいい日は井戸のまわりは主婦たちの社交場となります。
裏通りは町屋が並ぶ都合上、生活に密接に関係する店が存在します。商店街を離れた場所にもパン屋や雑貨屋がありますし、人々が疲れを癒す公衆浴場や酒場、大衆食堂といった店はいつも市民で賑わっています。大通りは都市の顔ですが、裏通りは都市の真実ともいえる場所です。キャラクターたちが住んでいるのもおそらく裏通りなのではないでしょうか。本当の街の姿を知りたいのならば、裏通りを歩いて人々の噂に耳を傾けてみるべきでしょう。
先頭へ