奇跡の発動


 


 願いと奇跡ルールには、感情判定とは別の使い方があります。それは、奇跡の発動です。アンバランスド・ワールドでは、ごくまれに奇跡を目の当たりにすることがあります。これは誰かの強い願いが叶えられた結果として起こるためです。
 なお、キャラクターは奇跡の発動を認識していません。普通は運が良かったと考えたり、神の救いだと思うことでしょう。


○発動条件

 強い願いがあれば、奇跡として術法を発動することができます。これは自分や仲間を救うために用いるもので、意味もなく他人を陥れたり傷つけたりする目的で使用することはできません。
 奇跡の発動に際しては、感情判定と同じく1種類の感情ベースを指定する必要があります。それが獲得した感情ベースに相応しい願いであるとGMが認めたならば、プレイヤーはいつでも望む時に奇跡を起こせるのです。ただし、キャラクターは奇跡の発動を認識してはいません。普通は神が起こした奇跡だと考えるでしょう。ですから、状況から考えて極端に不自然な奇跡を起こすことはできません。
 術法はどの系統のものでも使用可能です。習得に制限項目があるものでも、それらは一切無視して構いません。ただし術のレベルは、その時に用いた[感情ベースのレベル×消費した奇跡ポイント]以下のものに限られます。


○消費

 奇跡を一度使うためには、奇跡ポイントを消費しなければなりません。消費したポイントに応じて使用できる術のレベルが上下します。
 奇跡ポイントは、キャラクター作製時に感情CPを10点消費することで1点得ることができます。それから、奇跡的成功が起こった場合にも、奇跡ポイントを1点獲得することができます。奇跡ポイントは0〜10までの数値となります。もし10点を上回るような場合は、奇跡ポイントが1点につき10点の感情ポイントを獲得することができます。

 それから、奇跡を発動する場合には、感情ポイントを消費する必要があります。この場合は、使用する術のレベル×10ポイントを消費することになります。感情ポイントは0〜100までの範囲でしか変動せず、ポイントが足りない場合は術は発動しないことになりますので注意して下さい。


○効果

 奇跡はその結果のみが直接あらわれます。行為判定を行わなければならない通常の術法とは異なり、発動に失敗することはありません。達成値は選択した感情ベースのレベルとなります。ただし、これは奇跡的成功の一種として扱うので、抵抗するような力が働いている場合は、[難易度(あるいは相手の達成値)+感情レベル]として下さい。

 奇跡として術法を用いた場合は、時間的あるいは空間的な制限を無視することも可能です。つまり、距離、持続時間、効果範囲といった要素を完全に無視して構わないということです。ですから、本来なら死亡するほどのダメージを受けていた場合でも気づかないうちに治癒していたり、遠くにいる人の不幸がなんとなくわかったりということが起こり得ます。ある人の願いが、数百キロも離れた恋人の命を救うこともあるのです。
 効果はGMが描写することになります。奇跡の発動はキャラクターの意思を世界に反映させるものですが、世界を思い通りに変更するためのものではありません。あまりにも過剰な効果を適用しないよう注意して下さい。


(注:奇跡として用いる術法はどの系統のものでも構いません。しかし、術法の数は非常に多く、その全てを把握して場面に的確なものを選択するのは大変なので、通常の場合は祈願系の術法を用いるとよいと思います)


先頭へ