○産物
霊石、霊水、鉄、銅、希少鉱物、木材(広葉杉)、小麦
○文化・生活
ユークレイという国での生活には、何かと湖が関わってきます。各地にある湖のおかげで、この国は水資源に困ることはありません。湖で採れる淡水魚は蛋白源として重要で、ほぼ毎日のように食卓に上ります。冬には氷をくりぬいて小魚を釣ったり、休日は家族でスケートに興じたりします。祭の日にはスケートレースが開かれて、会場を大いに盛り上げます。また、水資源が豊富であることから、この国では至るところで水車を見ることができ、風情のある音で人々の耳を楽しませてくれます。
この国で何よりも特徴的なのは、凍湖から運ばれる氷です。真夏でも凍湖から掘り出される氷は、食料の保存や涼を取るために大いに利用されています。不思議なことに、凍湖から持ち出すとこの氷は徐々に溶けてしまうのですが、それでも普通の氷よりはずっと長持ちします。ユークレイでは、夏の定番といえばシャーベットであり、あちこちでシャーベット屋の屋台が見かけられます。
もう1つ、ユークレイといえば『死者の日』と呼ばれるお祭りが知られています。この追悼儀式は土着宗教から伝わる風習なのですが、祭のあいだ人々は骸骨を型どったお面をかぶることになっています。これは自分が連れてゆかれないようにするおまじないであり、不死者の頻出する地域であることからこういった儀式が考え出されたのでしょう。
○食事
この国では氷が豊富であることから、内陸の方でも生の海産物を食べることができます。しかし、なんといっても淡水産の魚の方が漁獲高が多く、イワナのコロッケやマスのソテーなどがよく食べられています。
また、他国ではあまりみられない、氷をふんだんに使ったデザートが特徴的で、夏でもアイスクリームやシャーベットを食べることができます。アイスクリームにはシナモンやグレープソースなどが入るものや、ウエハースで包んで食べるものもあります。また、アイス・ワインと呼ばれるシャーベット状にしたワインを食後に楽しむことができますし、しずり雪という凍湖の氷を上に散らしたカクテルなど、珍しいものが多く見られます。
○組織・集団
・ロックガーディアン
ライラント山脈に住む巨人の一族です。最高峰エスランディオを聖地と崇め、それを守ることを使命としています。・シューベルニー自由騎兵団
多塔戦車などを駆る近代戦術のプロで、ある地方の貴族が出資しています。まったく正体不明の集団ですが、その実力は国外からも一目置かれています。様々な新兵器を繰り出してくるので、軍の秘密部隊ではないかと噂されていたこともありますが、あまりに目立ち過ぎるためにその意見は早々に消えていきました。・銃士隊
女王直属の銃剣士隊であり、女王の護衛のみならず密偵のような仕事も行っています。・親衛隊
宰相の私設護衛隊。銃士隊とは何かと対立が多いようです。・闇つらら隊
宰相の私設密偵組織で、国内外で活動を行っています。
○人物
・スティート女王 37歳 女
鉄の女王とも呼ばれる女傑。年齢のわりには若く見られ、20代後半ぐらいからそれほど見かけは変わっていません。・宰相カルヴァーン 46歳 男
良心の策士と呼ばれる人で、そのやり口は辛辣ですが、常に国民のことを思って行動しています。政策の上で女王と対立することが多く、水面下では様々な策謀を働かせているようです。・デュア=トレルオ 52歳 男
銃士隊長。かつては国王付きの武官長であった男で、そのまま銃士隊の隊長の職につきました。謹厳実直で生真面目な性格ですが、融通もきくので部下からの信頼も厚いようです。・姫将軍フェリシティ=カーリディン 23歳 女
ラフランシア公の末娘で、前線で指揮をとる将軍でもあります。常勝の女神とも呼ばれており、その用兵の巧みさは国内でも随一と讃えられます。・ラナ=リプソン 17歳 女
美少女仮面を名乗る正義の味方。国家的な陰謀が絡んだ事件にはなぜか登場し、現場を混乱させて去ってゆく謎の存在です。目のまわりを隠すための蝶の仮面と、肩に乗せた白ネズミが外見的特徴なのですが、このネズミだと思われているのが実は白夜リスで、彼女の使う術法をサポートしています(そのために被害が拡大するわけですが……)・アベラル 27歳 男
ソムレリア候リエルの双子の兄なのですが、瞳の色が父親とも母親とも違うことから、その存在を隠されてしまいました。本当は使用人との間にできた子供で、跡継ぎとなるはずの権利を奪われたことから母親を恨み、復讐を企んでいます。・アルフィーエ=ティナシュ 25歳 男
シューベルニー自由騎兵団の活動資金を出資している貴族で、ラフランシアの北部を治めています。正義の味方を目指しているらしく、見返りを期待しての行為ではないようです。しかし、なぜ自分の存在を秘密にしているのかと部下が尋ねると、「いやあ、正体を知られていないほうが格好いいじゃないですか」と答えたことから、単に貴族の若の道楽ではないかという可能性も拭いきれません。・ラルティア=リモアルナ 32歳 男
酒飲み神官、酔いどれ神官などと、ろくな呼ばれ方をしていないようですが、神官長の地位にいる人物です。治癒術にかけては近隣では並ぶ者のないほどの腕前で、エルモア地方でも数少ない蘇生術の使い手でもあります。
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