○産物
泥炭、雪綿、綿織物、羊、亜鉛、小麦、鶏、ジャガイモ
○文化・生活
昔から治安の悪い環境にあるこの国は、パブ文化という独自の風習をつくりあげました。人々は安心して遊べる場所が少ないことから、いつしか安心できる近所の酒場に集まって遊ぶようになったのです。こうした酒場の多くは家族で楽しめるような娯楽施設を設置したため、後には老若男女が楽しめるパブという社交場になりました。パブは地域の社交場であるため、余所者には非常に居心地の悪い場所です。逆に、ここへの出入りを認められるようになれば、住人として受け入れられたという証になります。
パブの遊びには賭事に関するものが多いのですが、子供でも遊べるように掛け金は少額だったり、あるいは家から持ち寄った不要品を賭けてもいいような仕組みになっています。儲けがどうというより、その過程を楽しむことが重要で、ロンデニアの人々は何か問題が起こるとすぐに賭事にしてしまう癖があります。特にスキャンダルを題材にしたものは人気があり、『イエローペーパー』と呼ばれるゴシップ新聞がよく売れています。
現在の都市文化は混沌としており、日常生活にも他国や植民地から入ってくる珍しい品が登場するようになりました。しかし、発達した交通手段が運んでくるのは良いことばかりではありません。近年はギャングによる銃器や麻薬の密輸が横行し、都市には得体の知れない流れ者たちが入り込むようになりました。
最近になって、都市人口の増加に歯止めをかける目的で、犯罪者や都市浮浪児たちを強制退去させる都市が増えてきました。これに関連して、不当逮捕の件数も増加しているのですが、これが明るみに出ることはありません。というのは、この国では犯罪者の人権はないがしろにされているということと、逮捕された人々の多くがペルソニア大陸やファイン=ファウンドといった植民地に送られて、強制労働をさせられるためです。しかし、依然として犯罪件数が減少する傾向は見られず、むしろ犯罪の手口が巧妙化する原因になっています。
ギャングの台頭によって犯罪が過激化している昨今では、ペンダントなどのお守りを身につける人が増えてきました。これは実用というよりも、ファッションの一環ととらえた方がよいようで、聖母教会の聖印だけでなく、マイエル教のペンタグラムなどを首にかけている人もいるようです。こういった流行に便乗して、道端で手作りのお守りを売る若者たちもおり、『チープ・アーティスト』などと呼ばれています。
○食事
主食はジャガイモで、それに魚料理が添えられることが多いようです。緑鰯のきざみ香草和えや、炒め野菜と魚のフライのソース和え、イワシのアンズはさみ揚げといった料理が、よく家庭の食卓にのぼります。
この国では船乗りが多いため、食料の保存技術が発達しており、スモークサーモンや干し魚、あるいはアンチョビーなどがよくつくられます。特に薫製が好まれており、どの家庭にも必ず保存してあります。
○組織・集団
・見えざる7番隊(インビジブル・セブン)
国家情報部の国際問題を扱う部署で、各部署のエリートたちで構成されています。非公式の組織で、一般の国民にはその存在を秘匿されていることから、内部ではこのような名で呼ばれています。・洞窟民
小カルドレン島の岩壁にできた洞窟に住んでいる人々で、漁を中心とした生活を行っています。薄暗い場所であることから、火を守り神として崇めています。・スプリンイッシュ施療院
カルロッティにある麻薬中毒者を収容する施療所で、教会の付属病院のうちの1つです。
○人物
・国王リトマイア2世 46歳 男
能力的には問題ないのですが、女性関係に非常にだらしなく、現在も愛人との間でいくつか問題を起こしています。しかし、こういったスキャンダルはあまりにも起こりすぎていて、国民もまたかといった感じで苦笑して見守っています。・ドナン=ミラルド 62歳 男
現在の首相であり、日和見主義と中道政策で生き残った人物です。責任の回避に関しては天才的ともいえる能力をもっており、部下や秘書は踏み台か生け贄としか思っていないようです。・エスティリオーネ=アークセルド 43歳 男
新大陸発見という功績を残した英雄で、新大陸エスティリオは彼の名からとってつけられました。昨年には彼の航海日誌をまとめた『航海大全』が発売され、今でも品切れ状態が続いています。現在は首都郊外の別荘で、航海の疲れを癒しながらのんびりと生活しています。・ラングリット=バイター 66歳 男
国内随一の探偵として知られており、小説家としても有名です。彼が扱った事件をもとにして書かれた推理小説は、発売されるたびにベストセラーになります。・サミッシュ=エル少佐 37歳 男
インビジブル・セブンの室長であり、部内でも切れ者で通っているエリートです。怜悧で冷静な性格ですが、妻や娘には非常に甘いようで、特に娘の話になるとだらしないくらい相好を崩してしまいます。・ミセスホワイト 58歳 女
ロックグリンに住んでいる老婆です。発狂現象によって狂人となってから久しく、身寄りもないままスラム街でゴミを漁って暮らしています。全身白ずくめの装束を身にまとっていることから、ミセス・ホワイトと呼ばれていますが、本当にミセスなのかは誰も知りません。ただ、彼女が時折つぶやく言葉が現実のものになることがあり、人々は彼女の言葉に注目しています。・アルタニア=カルフェロッグ 64歳 女
ラングリット=バイター氏の影響を受けて、推理にはまってしまった老人です。しかし、偶然の助けもあったとはいえ「死の窃盗事件」を解決して以来、素人探偵として幾多の活躍を見せています。非常におしゃべり好きで、暇を見つけては近所の人たちと噂話で盛り上がっています。・ロリアン=ケネス 53歳 男
表向きは工場経営者であり、ケイディアンの名士として知られていますが、裏では麻薬の密売を行っている悪党です。アスペリオスの麻薬組織とつながりがあり、麻薬の売り上げで私腹を肥やしています。・クレスト=フェラード 55歳 男
新聞王として名高い叩き上げの経営者であり、彼の会社が発行している新聞3誌は、この国のシェアの60%以上を占めています。少し強引なところもありますが、彼の斬新な発想は常に国民の目を引き、まだまだその地位は安泰のようです。・コンラッド=バーンズ 60歳
部下たちから親父と呼ばれているギャングの大物で、犯罪都市クラッサスの裏社会を統括しています。彼は仲間からの人望でのし上がったような人物で、単なる悪党とは懐の広さが違います。・ラートル=ザナック 41歳 男
海務卿としては最も有名な人物で、エリスファリアの交易船を何隻も沈めています。彼の指揮能力もそうなのですが、潮の流れを読むことにかけては並ぶものはなく、現在まで無敗を誇っています。
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