神と呼ばれるモノ

集合無意識\集合意識


 

集合無意識


 神と呼ばれる存在は、エルモア地方にはたくさん存在します。聖母教会、法教会、そしてエリスファリア国教会でいう神は同一の存在ですが、他にもマイエル教や数々の異端派が崇める神が存在します。
 こういった神は、エルモア地方では本当に実在すると考えられています。というのは、ときどき神託を受ける人がいたり、術法の中にも神との会話を可能とするものが存在するからです。これは、ある意味では事実です。というのは、この世界には『集合無意識』というものが存在するためです。

 集合無意識とは、人々の思想や概念といったものが集まって生まれるものです。これは精神と呼んでもいいのですが、あくまでも概念の集合体であり、自我や意志というものは存在しません。
 集合無意識は、それを信じる者の概念に忠実な存在です。ですから、神だと信じられているものは教義に倣って受け答えをします。ある意味では、本当に神と呼んでも構わないものでしょう。また、こういった存在であるため、これを信じないものにはまったく神の声は聞こえません。異端派の心の裡に響く神の声は、正統派の耳には届かないのです。そして異端派は悪魔にたぶらかされているのだと思われ、所属する集団から放逐されることとなります。

 神は人々の強い思いがなければ生まれてこないものです。しかし集合無意識というぐらいですから、個々人の思いの力は弱くても、それらを集めれば神は存在することができます。ですから、聖母教会のように大きい勢力の組織からは、非常に神と呼ばれるものは生まれやすくなっています。ですが、マイエル教のように多神教の宗教組織では、よほど中枢の存在として崇められているのでなければ、神として存在することはできません。
 逆に非常に強い個人の力があれば、神が生み出されてしまうこともあります。しかしそういった例は少なく、現在のエルモア地方では、セルセティアの光の聖女『リュミル=カレルレン』ただ1人です。


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集合意識


 神とは異なり、意志をもって活動する『集合意識』と呼ばれるものもこの世界には出現しています。こういった存在は『世界』(fool of the world)と呼ばれ、何らかの目的をもって行動したり、人に頼み事をすることもあります。
 世界と呼ばれる存在は、これまでの歴史の中に幾度か顔を出しています。そのいずれもが世界の存続に関わる事件を起こしていることから、人々の不安や恐れといった感情から生み出されることが多いようです。世界は幽子を自由に操る力をもっており、その力は無制限ともいえます。ただし、あくまでも人々の意志が根源にあるため、人間が本当に望むことしか実行しようとはしません。
 聖暦789年の現在に存在する世界は、ペルソニア大陸の閉鎖実験場の1つである『グレイ・ヘヴン』に出現しています。しかし、『草色(グラスグリーン)の少女』と呼ばれる彼女は、まだ活動を開始してはおらず、眠りについたままの状態にあります。


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