第3章 願いと奇跡


 

ルール概要


○感情判定

 感情ベースを用いる判定を感情判定と呼びます。これを行うためには、行為判定の前に1種類の感情ベースを用いることを宣言して下さい。この時に選択できる感情ベースは、その場面に見合った内容のものだけです。
 感情判定では、判定値か達成値のどちらかの数値を感情レベルの分だけ変動させることができます。感情レベルはプラスとマイナスのどちらにも使用することができます。ただし、判定値が1以下になるような使い方はできません。
 行為判定に成功していれば、それがプラスとマイナスのどちらに使った場合でも、感情ポイントは感情レベル分だけ上昇します。逆に失敗した時は、感情ポイントをレベル分減らすことになります。この成否は行為判定だけで判断するものであり、成功判定とは関係ありません。感情ポイントは0〜100までの範囲で変動します。


○奇跡的成功

 感情判定の際に自動的成功が出た場合、それは奇跡的成功へとシフトします。奇跡的成功が出た場合、その行為は特に素晴らしい結果を残したことになります。非常に狭い学問分野の専門的知識を偶然聞きかじっていたり、遠くにあるコインを銃で撃ち抜くことができたりと、ほとんど不可能と思われる行為をも可能としてしまうのです。
 奇跡的成功を残した場合は、使用した感情ベースのレベル分を達成値に足すことができます。奇跡的成功は自動的成功と同様、達成値が難易度を下回っていても行為は成功です。このような場合でも、まず自動的成功の効果として成功値が±0となり、さらに奇跡的成功のボーナスとして感情レベルを加えることが可能です。
 なお、対抗判定で相手に奇跡的成功が出た場合でも、自動的成功が出ればそれに対抗することができます。自動的成功は成功値を±0とすることができますので、特に感情判定を用いる必要はないのです。この点については注意するようにして下さい。
 奇跡的成功が起こった場合、奇跡ポイントを1点獲得することができます。奇跡ポイントは0〜10までの数値となります。もし10点を上回るような場合は、奇跡ポイントが1点につき10点の感情ポイントを獲得することができます。


○致命的失敗

 感情判定の際に自動的失敗が出た場合、それは致命的失敗へとシフトします。致命的失敗の場合は、その行為は最悪の結果に終わります。忍び足をしていればバケツをひっくり返して大きな音を立てたり、戦闘では拳銃が暴発したり武器が手からすっぽ抜けたりと、さまざまなアクシデントを引き起こすこととなるのです。
 数値的な処理としては、達成値から使用した感情のレベルを引くこととなります。自動的失敗は達成値が0ですから、感情レベルにマイナスをつけた値になるということです。
 致命的失敗が起こった場合は、破滅ポイントを1点獲得することができます。破滅ポイントは0〜10までの数値となります。もし10点を上回るような場合は、破滅ポイント1につき10点の感情ポイントを獲得することができます。


○奇跡の発動

 強い願いがあれば、奇跡として術法を発動することができます。これは自分や仲間を救うために用いるためのものです。奇跡の発動に際しては、感情判定と同じく1種類の感情ベースを指定する必要があります。
 奇跡は発動に失敗することはありませんし、判定を行うわけではないので達成値も存在しません。成功の度合いを決める必要がある場合は、[難易度(達成値)+感情レベルの達成値]として扱います。
 術法はどの系統のものでも使用することができますが、術のレベル[感情レベル×消費奇跡ポイント]以下のものに限られます。また、奇跡を発動する場合には、使用する術のレベル×10ポイントの感情ポイントを消費します。感情ポイントは0〜100までの範囲でしか変動せず、ポイントが足りない場合は術は発動しないことになります。
 奇跡として術法を用いた場合は、距離、持続時間、効果範囲といった要素を完全に無視して構いません。ただし、実際にどのような効果を適用するかは、プレイヤーではなくGMが描写することになります。


○破滅の発動

 奇跡の発動と対局に位置するのが破滅の発動です。破滅も術法として発動させることができ、使用条件も奇跡と同じとなりますが、これは自分を不利な状況にする方向でしか使用することができません。その他に奇跡の発動と異なる点は、GMも好きな時にこれを発動させることができるということです。
 破滅の発動には、1種類の感情ベースを指定する必要があります。感情ポイントおよび破滅ポイントの消費も奇跡の発動と同じように処理します。しかし、GMが破滅を発動させる場合には、特定の感情ベースにとらわれることなく、好きな状況で破滅を引き起こすことが可能です。レベルの制限もなく、破滅ポイントを1ポイント消費するだけで、10レベルまでの全ての術法を使用できます。ただし、感情ポイントの消費は、キャラクターの場合と同じだけ必要となります。


○相殺効果

 奇跡と破滅はお互いを打ち消し合う効果を持ちます。自分、もしくは誰かに起こる奇跡や破滅は、その反対のもので無効化することができるのです。これは、奇跡ポイントと破滅ポイントの消費によって行われます。破滅が発動した時には、奇跡ポイントを同じ分だけ消費することで、これをなかったものとすることができます。逆に奇跡の発動は破滅ポイントで押さえ込むことが可能です。なお、感情ポイントを消費する必要はありません。この打ち消し行動は他人に対しても行うことができます。他のキャラクターの破滅が発動した時に、自分の奇跡ポイントを消費してこれを救うことができます。


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