○産物
カリウス(蒸留酒)、寒麦、雪ジャガイモ、ライ麦、小麦、テンサイ、木材(ラディオラ杉)、家具、鉄、銅
○文化・生活
東側と西側では民族系統が異なるため、住人の性格は多少違っていて、東にゆくにつれ閉鎖的で気難しい人が増えてゆきます。これは東には農村地帯が広がっていること、そして東方との交通がないという理由から、閉鎖的な文化になりがちであるためです。
この国の冬は厳しく、そのほとんどを屋内で過ごします。人々はこの時期を冬ごもりといい、地方の村などでは春までそのまま家の中で暮らす人もいます。そのため、秋には冬ごもりの準備で忙しくなり、最も活気のある季節となるようです。彼らは冬ごもりの間、雪の中に野菜や薪を保存しておく習慣があり、必要になれば外に出てこれを掘り出します。
このような習慣があるためか、彼らは冬の退屈な時をともに過ごす家具に対してこだわりを持っており、先祖代々つたえられてきた家具を非常に大切にしています。特にラディオラ杉製の丈夫で美しい木目の家具は他国でも人気の的で、数多く輸出されています。この国では、娘が嫁ぐ時は必ず家具を1つ持参する習慣があります。
○食事
寒い土地柄ゆえに住人は非常に酒好きで、カリウスというアルコール度の高い蒸留酒を好んで飲みます。主食は黒パンやショウガパンなどで、おかずにはシチューや蒸しものなど暖かいものを好んで食べます。
この国ではクルレットというパンをよく食べます。これは冬でも野外に出て狩りをする人が、寒い中でも片手で簡単に食べられるように工夫した食べ物で、ソーセージのまわりにパン生地をねじるように巻いて、それを串にさして炭火で焼くというものです。
○組織・集団
・皇帝騎剣隊
スペシャルズとも呼ばれる皇帝の近衛隊です。特に『九連星』と呼ばれる皇帝の側近たちは、国外にも広く名を知られています。・孤高の鷲組合
アザラシ漁師たちの組合で、組合員の船は鷲を意匠化した旗を掲げています。・グラムサイト村
エトワルト海付近にある悪魔崇拝者たちの村です。かつての大魔戦争を引き起こした貴族の末裔が隠れ住んでいます。グラムサイトという悪魔を崇めているようです。・ハイエット族
主に東南部を放浪している遊牧民です。美しい絨毯をつくることで知られています。
○人物
・皇帝ハルネス2世 48歳 男
現在の皇帝であり、自らルワールへの侵攻を計画した非常に野心的な人物です。・ラファエーリュ=ミラルファ 24歳 男
探検家で、エトワルト海への探索を予定しています。一緒に旅に出る仲間をつのっているのですが、現在のところは誰も集まっていないようです。勇気と無謀を取り違えているような部分があり、実現不可能と思われることを平気で口にします。・アトレイア=ファーネル子爵 42歳 男
ヴァルハインの一帯を支配している貴族であり、ファーネル家の当主です。非常に嫉妬深い性格で、弟と妻の関係を疑って、妻を塔に幽閉してしまったほどです。姿をくらました弟の行方を探していますが、未だにその消息は不明のようです。・シーゼル=ファーネル子爵婦人 31歳 女
アトレイアの妻で、盲目の貴婦人です。義弟アスラーンとの不義の濡れ衣を着せられ、夫に目を抉られ塔に閉じ込められています。・アスラーン=ファーネル男爵 34歳 男
優秀すぎたために兄アトレイアに疎まれた弟で、それが領地の乱れとなることを恐れて出奔しました。しかし、義姉シーゼルが塔に閉じ込められたことを知り、再び領地に戻ってきたとの噂があります。・フランチェスカ 18歳 女
悪魔をみごもりし少女。グラムサイト村の巫女であり、暗黒の予言を悪魔から授かる役目を負っています。昨年、父親もいないのに子供を身ごもったことから、黒き母と呼ばれ崇められるようになりました。お腹の子供は順調に育っており、あと半年もすればこの世に生を受けることとなるでしょう。・シレーヌ=サイエルト 27歳 女
もとは娼婦だったのですが後に信仰に目覚め、現在はレオグライドの教会に務めています。彼女の過去を知る者は「不浄なる乙女」といって彼女を揶揄しますが、彼女自身はそれを罰だと考え、甘んじて受けとめています。
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