術法協会に所属しているわけではありませんが、宗教機関から認められている術法師たちが存在します。通常は術法協会に所属している協会術法師たちと合わせて、職業術法師と呼んでいます。これら職業術法師たちは、それぞれ独自に術を継承し、後進を育成しています。
彼らが何か社会に対して悪影響を及ぼした場合は、それぞれが所属する組織や師匠とその一門が責任をもって処罰するのが通例です。それが犯罪であった場合は、術法協会や警察と協力して、犯人を逮捕することもあります。しかし、職業術法師たちは人々に尊敬される存在であり、犯罪を起こすことは皆無といってよいくらいです。
○呪医
回復系の術法によって傷病を癒す職業で、職業術法師の中でも最大の尊敬を受けています。医師として科学的な知識を身につけている者もいますが、どちらかといえば民間医療的な色が濃いようです。
呪医になるには、誰か師匠のもとについて修行しなければなりません。しかし、呪医というのは数の少ない職業ですから、何よりもまず呪医に出会えるかどうかが問題となります。また、1人で系統の全てを習得しているということもありません。
○夢使い
ルクレイドで起こる夢魔現象の被害者を救うために生まれたのが、この夢使いという職業です。精神治療のエキスパートとして尊敬を受けています。
夢使いは準公務員という立場で国家の保護を受けて活動しています。彼らは独自の協会をつくっており、仕事の分担や人材育成などを行います。協会は夢使いの教育の場でもあり、授業のような形態で生徒に基礎を教え、それから各師匠のもとで修行をつむことになります。夢系の術法に関しては、全ての術を協会全体で所持しています。ただし、攻撃的な術に関しては、地位の高い人物にしか継承されません。
○人形使い
人形系の術法を行使し、人と見紛うばかりの人形をつくり出すのが、この人形使いと呼ばれる術法師です。人形職人としても高い評価を受けている者が多いようです。
人形使いたちは、特定の組織をつくっているわけではありません。師匠と弟子の間で、細々と所持している術を継承してゆきます。術を習得するには、まず人形師としての実力が認められなければなりません。術法の才能だけあっても、決して人形使いにはなれないのです。
○獣使い
生物系の術法を駆使し、他生物を制御したり調教したりする職業です。獣狩りとして働く者もいるようです。獣使いになるためには、誰かのもとに弟子入りしなければなりません。多くは家族や特定の部族でその技を継承してゆくもので、ほとんどは生まれで決定すると考えてよいでしょう。余所者に教えることを嫌う傾向もあります。
獣使いたちは他の社会や集団に入り込んで仕事をすることが多く、活動形態もそれぞれ違います。そのため彼らの動向を監視する団体は、存在しないといってもよいでしょう。しかし、彼らは自分の仕事に誇りをもっているので、犯罪などを起こすことはまずないでしょう。また、あえて術法協会に登録する者も存在するようです。
生物系の術に関していえば、獣使いの1つの集団で考えると、ほとんど全ての術を所持していると考えて構いません。しかし獣化系の使い手は、現在ではほとんど確認されておりません。これを習得する場合は、GMと相談するようにして下さい。
○香水師
調香師の間に伝わる香水系術法を使う者たちです。主に香りを用いた精神治療に携わる者が多いようです。
香水師になるためには、誰か師匠のもとで修行をする必要があります。最初から香水師のもとで働くこともあるでしょうが、多くは普通の調香師として技術と知識を身につけ、その上で弟子入りをします。調香師として認められなければ、術法を継承する資格はないとみなされるわけです。なお、1人の人間が系統を極めていることは少なく、師匠と弟子の間で習得している術を細々と継承してゆきます。
○鏡界士
ルワール大公国で起こる鏡の檻現象に関するエキスパートです。ルワールでは、政府が鏡界士の生活を保障しています。
鏡界士になるためには、誰かのもとに弟子入りしなければなりません。修行を積んだ後に師匠から認められれば、鏡界士として働くことができるのです。師匠の推薦がなければ鏡界士として国家に登録されることはありません。
鏡界士は師匠とその一門で術を継承します。1つの集団では、だいたいの術を所持していると考えて構いません。しかし、どの術を教えるかは師匠次第となります。
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