活性状態
霊子荷の他にも、霊子にはいくつかの状態があります。それが霊子エネルギーの活性状態です。
霊子のエネルギー状態には、異常活性化、活性化、中立、死化という4つがあります。通常、霊子は物質空間にある場合は中立状態にあり、霊子核と結合した状態を保っています。これが活性化すると霊子エネルギーは核から遊離します。こうなって初めてエネルギーとしてこれを利用できることになります。霊子エネルギーを活性化させることを「励起させる」といい、活性状態のことを励起状態ともいいます。
活性化した霊子エネルギーが遊離してしまった後の核だけの状態を死化といいます。逆にいえば、この段階ではじめて霊子は内部空間に移動できることになります。つまり死化状態にならなければ、情報を媒介することはできません。
今まで説明した3つの状態は、ごく普通の自然状態で存在するものです。しかし、異常活性化というのはこれらとは大きく異なります。この異常活性状態というのは、霊子核が崩壊した時に霊子エネルギーと核とのエネルギーバランスが崩れることで起こります。霊子核が崩壊すると、霊子は通常よりも高いエネルギー状態に移行します。この状態になると、霊子エネルギー自体が霊子核を崩壊させるほどのエネルギー量になります。この時、崩壊した霊子核が内部空間に移行すると、異常活性化した霊子エネルギーはフリーとなり、他の霊子核を攻撃します。そして核が崩壊した霊子は再び異常活性化し……という具合に、サイクルが出来上がってしまうのです。
『大変異現象』はこうして発生することになりました。この現象が術法よりも超常的な現象となったのは、崩壊した霊子核が情報の伝達ミスをおかすためです。ただ救いがあったのは、異常活性化した霊子エネルギーも正負の属性を失わず、正と負のものが出会った場合は互いに消滅してしまったということ、そして異常活性状態にも半減期があったことでした。この半減期は比較的短く、約70年ほどです。このため、大変異現象と呼ばれる霊子核の崩壊をもたらすほどのエネルギー状態はそれで収まったのですが、その後も活性化レベルのエネルギー状態は続き、変異現象として術法のような小さな変化は現在でも続いているのです。