エリスファリア2


 


○産物

 牛、酪農産品、羊毛、小麦、とうもろこし、豆類、ブロン染め


○文化・生活

 エリスファリアの都市のほとんどでは建物が低くつくられているため、つながった屋根の上を通路として使う者が現れました。これが通称ルーフランナーズと呼ばれる少年ギャングたちで、彼らはその身の軽さをいかして屋根を逃走経路に利用しています。中でもオークハイムのハウィン兄弟がひきいる『ハヤブサの尾』が有名で、彼らは屋根の上で盗品を投げ合って、大人たちの追跡を巧みにくらまします。
 この国では、貴族や富豪の間でツリーアートという芸術が長く流行しています。これは庭木をドラゴンや建物などの形に刈り取って、中にランプをつるす贅沢なもので、高価な家具や洋服のような一種のステータスです。というのは、この国では立ち枯れの庭現象が起こるため、こういったいつ無駄になるかわからないことに多額の金銭をかけられるのは、逆に裕福であることの証明になるのです。


○食事

 酪農が盛んな国であり、料理にも牛乳やバターがふんだんに使用されます。主食は乳と小麦を混ぜてつくるミルクパンで、それにたっぷりのバターをつけたりチーズをはさんで食べます。家庭料理としてホワイトシチューやグラタンがよくつくられますし、堅くなったパンはミルクスープにつけて食べたりします。また、お茶にもバターと塩を入れる習慣があり、ティーケーキといわれる一口大のケーキが添えられます。もちろんこのケーキにもふんだんにバターや牛乳が使われています。
 酒にも乳練酒というミルクを混ぜて発酵させたものがあります。これはやや粘性のある甘い酒で、疲労回復に効果があるといわれています。


○組織・集団

・「破滅の紫」大隊
 ロンデニア海軍と並ぶ屈強な海兵隊で、紫の騎士が統括しています。

・ルーフランナーズ
 屋根の上を逃走経路として使う少年ギャングの総称です。

・ハイランダー
 サイルハッド山脈に住む人々で、縄張り意識が強い閉鎖的な社会を形成しています。狩猟を主として生活を送っています。


○人物

・国王ラヴィアン1世   35歳  男
 話術に優れた国王で、立ち回りのうまさは天才的といえるでしょう。

・女王シーリアネス   30歳  女
 先を見通す能力のある聡明な女性で、うまく国王を補佐しています。教会の反対意見を押し切ってエスティリオへの入植を決定したのもこの女王です。

・ルーカス=ハウィン   14歳  男
 ルーフランナーズの中でも最大のグループ、「ハヤブサの尾」のリーダーです。勝ち気でひねくれた考え方をします。

・リュード=ハウィン   12歳  男
 ルーカスの弟で、非常に知恵のまわる少年です。人を欺くことが大好きで、特に警察官を引っかけては笑いものにしています。

・屋根の上のリュナン   12歳  男
 ハヤブサの尾と対立している煙突掃除の少年です。明るくて前向きな性格をしており、それがハウィン兄弟の気に障るようです。音楽が好きで、よく屋根の上にのぼってハーモニカを吹いている姿を見ることができます。

・ジェレミー   27歳  女
 もとは国王の鑑賞奴隷でしたが、現在はオーランドの郊外の別荘で暮らしています。国王との間に子供が1人います。

・混血王子ヘンドリック   9歳  男
 国王の隠し子で、赤人の鑑賞奴隷ジェレミーと間にできた子供です。国内で乱れが起こるとすればこの子が唯一の原因となるでしょうが、彼の存在を知る者は国王とジェレミー、そしてその世話係の者たちだけです。

・ルン=ルーフ=ルクス   32歳  男
 ころころした小男で愛嬌のある顔立ちで、おしゃべり狸というあだ名があります。その小柄さを活かして、普通は子供しかできない煙突掃除夫をしています。キャリアから非常に信頼はあるのですが、煙突掃除夫の例にもれず肺を患っています。


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