WR-グループ


 


 キャラクターはそれまでの人生の中で、特定の組織や団体に所属していたり、あるいは馴染みの店といったものができていることがあるでしょう。同じ業種や分野に含まれるものでも、こういった馴染みのある対象については、当然外部にいる者よりも詳しい情報を持っているはずです。また、その組織内でもある程度の地位が確立されていることでしょう。これを表現するルールとして、ワールドリレーションにグループというものを導入しても構いません。

 グループは1つの組織や店といったものを単位として設定します。これはキャラクターと密接な関係のある集団のみが対象となります。たとえば聖職者であれば自分が所属する教会となりますし、特定の職業人であれば会社や工房、あるいはその地域の組合といったものになります。GMがこのルールを必要だと判断した場合、キャラクター作成時に何ポイントかのWPを与えておいて、組織や個人ごとに振り分けるようにしてもよいでしょう。
 特定のグループに入り浸っていればポイントは上がりますし、疎遠になったまま時間が経てば減少することもあります。グループとの関係の程度や所属期間などを考えて、GMは数値を適度に調整して下さい。目安は下の表に示しておきます。

 このルールを使用している時は、職業知識や地域知識といった判定において、その対象が特定グループに深く関係する場合のみ、レベル分だけ難易度から減少させることができます。ある教会に仕える聖職者は、そこで奉られている聖人の伝承に特に詳しいといった具合になります。
 また、対立する複数の発言があった場合、よりポイントの多い者の意見が尊重される可能性があります。より影響力が強い者の提案を覆す必要がある場合、レベルの差を難易度とした交渉や雄弁・主張の判定に成功しなければ、周囲の者に話を聞いてもらうことができません。なお、いくら上の立場にいても提案が非常識である場合には、同様の判定に成功しなければ相手を納得させることはできません。どうしてもという場合は、地位や権力を利用したり、金銭的な取り引きなどを行わなければならないでしょう。


◆変動の目安-グループ

WP プラス マイナス

1〜5
 グループにしばらく出入りし、顔馴染みといえる存在ができた場合など  グループ内の人に気に入られなかったり、何か疑われるような行為をした場合など

6〜10
 グループ内でちょっとした信用を得たり、集団内に特に親しい人物ができた場合など  グループ内に小さな敵をつくってしまった。または数か月疎遠になっていた場合など

11〜20
 グループ内で強い信頼を得たり、地位が上昇した時。または数か月入り浸っていた場合など  派閥などある程度の人数を敵に回した場合。あるいは数年ほど疎遠になってしまった場合など

21〜30
 グループ内で権威のある人に目をかけてもらった場合。あるいは1年以上入り浸っている時など  10年以上疎遠になったり、大きく信頼が失墜するような行為をしでかした場合など

31〜40
 グループ自体の株が上がる行為。上層部からの信頼を受ける。あるいは数年入り浸った場合など  20年以上疎遠になったり、組織そのものから敬遠されるような状態に陥った場合など

41〜50
 グループ存続の危機を救うなど、絶大な信頼を勝ち取った場合。あるいは10年前後入り浸っている場合など  30年以上離れていた場合。組織そのものに損害を与えて、見放される等しい扱いを受けた時など

51〜
 グループの上層部から特に目をかけられたり、グループに欠かせない存在として認められるなど  そのグループと疎遠になって数十年経っている、あるいはグループから抜けた場合など


◆レベルの目安-グループ

レベル 人物情報 組織情報
 その組織に入って間もない時期です。顔見知りは1割以下の人数になります。また、グループ内の人間関係についてもさほど詳しくない状態です。  組織の概要を漠然と把握している程度にしか過ぎません。大きな建物であれば、自分のよく行く場所以外はほとんど知らない状態です。
 その組織に入って2〜3か月くらいの状態です。グループの中で特に親しい人が出来始めたくらいの段階です。  グループが成立した経緯や敷地内の出入り可能な部分の間取りをだいたい知っているくらいの状態です。
 所属して数カ月から1年前後くらいの時期になります。親しくない人もそれなりにいるでしょうし、裏の人間関係についてもあまり知りません。  敷地内で迷うことはまずありませんが、許可がいる場所に立ち入ったことはまずないでしょう。組織構成についてもだいたい理解しています。
 数年入り浸ったくらいの段階です。グループ内のだいたいの人は顔見知りとなっています。人間関係についても色々と聞きかじっているでしょう。  組織構成とその役割については、業務内容なども含めてほぼ理解している状態です。ただし、あくまでも聞きかじった知識としてです。
 10年近く関係を保っており、グループ内での自分の立場もよく理解している状態です。周囲の人の素性や境遇についても、それなりの知識を持っています。  特に思い出そうとしなくても、組織の構成や役割は思い出すことができでしょう。普通はあまり立ち入らない場所でも、咎められることなく出入りできる可能性があります。
 10年以上そのグループに所属しており、内部の小集団のまとめ役を任されたりする立場です。うまく立ち回っていれば、上からもかなりの信用を得ている可能性があります。裏事情にもだいぶ詳しいでしょう。  組織の裏の部分にも、ある程度詳しくなっている状態です。立入禁止の場所に入る権限を与えられたり、あまり大声では言えないような仕事を任されることもあるでしょう。
 20年以上グループに所属していて、大きな派閥のリーダー格となることも不可能ではありません。内部でもあまり知られていない人間関係や既にいない人間のことも把握している可能性があります。  組織を大きく分類した時、特定の小集団についてはほぼ全てを把握している状態です。他の集団の内部状態についても色々と聞きかじっています。裏の事情にもだいぶ詳しい状態となっているでしょう。
 30年以上も所属しており、上層部でも重要な役割を任されている存在です。裏の人間関係や派閥の裏事情にもかなり詳しい状態です。  組織の上層部についても、ほとんどを把握している状態です。組織の裏の部分も、よほどの秘密でなければほとんど把握しているでしょう。
 そのグループに数十年所属、あるいは最上層部の存在であるなど、かなりの重鎮として扱われます。発言も命令に近い形で尊重されることでしょう。  組織のほとんど全てを把握しています。知らないことといえば、最上層部が秘匿している情報くらいのものになります。
10  グループの最高かそれに近い地位に属しており、逆らう人はほとんどいない状態です。グループ内の人間関係については、ほぼ全てを把握している状態です。  グループの実体や経緯、目的などの全てを知っている状態です。一部の会員だけが秘匿している情報も、ほとんど全てを掴んでいます。


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