第12章 会話


 

ルール概要


○会話判定の基本

 会話を行うためには何らかのきっかけが必要となります。知り合ったNPCからの紹介という手段もあるでしょうし、自分の所属している組織を頼るという選択もあります。もし、ワールドリレーション(第7章)のコネクションルールを導入している場合は、そのレベルを目安にしてもいいでしょう。職業からルートをたどる場合は、職業知識【各種】(専門:知+記憶)の技能が役立ちます。また、自分が生活している周辺地域で目的に合った人を探す場合は、地域知識【各種】(専門:知+記憶)の判定を行わせても構いません。


○会話に関する技能

 会話に関する技能は、基本的に判断技能に属しています。会話によって何か目的を遂げる場合、相手との対抗判定に勝利する必要があります。普通は判断抵抗を用いて対抗判定を行いますが、GMが指定した場合は交渉などの技能で判定することも可能です。
 判定を行う際には、どのような口調でどういう内容を言ったかを告げる必要があります。内容によっては相手が動揺し、抵抗判定が不利になります。逆に、言い方によっては相手の心象を悪くすることもあるでしょう。これは状況修正の一種となります。評価の対象となるのは態度と内容についてのみです。いくら芝居がかった大仰な台詞でも、内容が的外れであれば何の効果も持ちません。いくら的を得た発言でも、言い方によっては逆効果になる場合もあります。


○身分による修正

 会話を行っている者同士で身分が異なる場合は、会話判定にそれぞれ修正を受けることになります。身分が1つ違う相手との会話にはマイナス2の修正を受けます。ただし、神聖身分だけは除外して下さい。これとは別に、上流階級の人間に交渉を持ちかける場合には、礼儀作法(専門:知+記憶)の技能が必要となります。この場合は、会話に関する技能と同時判定を行わなければなりません。礼儀作法なしでも交渉を行うことは不可能ではありませんが、相手がそれで悪印象を持つ可能性があります。相手が不快に思うような行動を取った時は、GMは以降の会話判定に−4の修正を与えて下さい。また、服装がきちんとしていない場合もマイナスの修正を受けることがあります。


○身元の保障

 社会的に信用のある人間や組織からの紹介状があれば、信用・魅了(一般:知+判断)の判定に+2の修正を得ることができます。それから、紹介者の身分が相手よりも1つ上ならば、さらに+2の修正が追加されます。これは身分が上がるごとに累積されてゆきます。警察や弁護士などの特に信用されやすい職業であれば、さらに+2の修正を得ることができます。


○賄賂による修正

 賄賂や物品を贈ることで、相手の口を開かせたり、条件を緩和してもらうことが可能となります。。賄賂として贈る金額が4桁(1000エラン単位)の場合、相手の判定値に−1の修正がつきます。これから桁数が1つ上がる度に−1ずつ累積してゆきます。ただし、これは相手の財産レベルによって上下します。これに更に相手の財産レベルを加えた値が、実際に相手に適用される修正値となります。賄賂は相手によっては逆効果となったり、犯罪とみなされる場合がありますので、その点については注意した方がよいでしょう。


○コネクション

 もし、ワールドリレーションのコネクションルールを導入している場合、交渉の仕方によっては相手との親睦を深めたり、逆に関係を悪くする可能性があります。それが非常に強い影響を及ぼしたと考えられる場合はには、成功値の分だけWPの数値を変動させても構わないでしょう。


○交渉

 自分の話を通したり、相手から持ちかけられた話を自分の望むような形に進めたいなどの場合には、交渉の判定を行う必要があります。

・交渉(一般:知+判断)
 商談など、駆け引きを主体とする交渉に使用します。相手を騙す技術ではなく、相手の欲するところを的確にとらえ、双方が納得する条件を判断する能力です。対抗判定に用いることができるのは、同じく交渉か判断抵抗の技能になります。勝利した側が有利な条件を提示し、それを相手に承諾させることができます。
 要求をどれだけ通せるかは成功値によって決まります。金額であれば、成功値が1上がるごとに5%だけ自分の利益を上乗せすることが可能です。そうでない場合は、成功値が2につき1つの頼み事を叶えてもらうことができます。成功値が1であれば、それは半分くらいしか力を貸してもらえないことになります。ただし、明らかに損害を被るような条件であれば、それを断ることは可能です。


○詐欺

 相手を騙す目的で人に近づくことも決して少なくはありません。それを生業としている詐欺だけではなく、他の目的を遂げるために、やむなく嘘をつくこともあるでしょう。これには詐術信用・魅了演技誘惑などの技能を使用することができます。相手に騙されないためには、判断抵抗による対抗判定に勝利しなければなりません。積極的に相手を嘘を見抜こうとする場合には、精神判断の技能を用いることができます。
 さまざまな技能を組み合わせて相手を騙す場合には、同時判定を行う必要があります。たとえば、女性を騙そうとする結婚詐欺師などは、詐欺と誘惑の同時判定に成功しなければならないのです。


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