ホラー的な要素を含むシナリオをプレイの中心とする場合に使用するものです。恐怖判定を行って自我にダメージを受けた場合に、それと同じ分だけこのポイントを上昇させます。このポイントが蓄積してゆくと、何かに対して恐怖症となったり、最終的には精神崩壊を起こして廃人となってしまうこともあります。
恐怖を扱うシナリオでは、ワールドリレーションに狂気という項目を追加しても構いません。ポイントが累積してゆくと、キャラクターは狂気におかされ、場合によっては廃人になってしまうこともあります。
狂気ポイントは第6章にある判定方法に従って精神的なダメージを決定した際に、自我にダメージを受けた分と同じだけ上昇するものとします。そのポイントがあらわす狂気の目安は以下の通りです。下の表を用いず、GMが自由に演出してもそれは一向に構いません。
◆狂気表
レベル 症状 1 軽いショックで、一時的に取り乱してしまいます。悲鳴をあげることもあるでしょう。この症状はほんの10秒ほどで回復します。 2 ショックで一時的に記憶の錯乱を起こします。約1分ほど、自分が何をしているかわからなくなります。 3 約10分ほどのあいだ茫然としたり、幻覚を見るようになります。その間はまともな行動を取ることができなくなります。 4 約1時間ほどのあいだ、わけのわからないことを呟いたり、意味のない行動を繰り返したりします。もうろうとした状態のままですが、運動はできる状態です。 5 痙攣のような状態が続き、1時間ほど意識を失ったままになります。 6 何かについての恐怖症となります。対象については状況に応じて自由に設定して下さい。 7 強迫観念にとりつかれ、1つの行動に異常にこだわるようになります。他のことがどうでもよいように感じられます。 8 偏執的になり、周囲に存在する全てに対して警戒するようになります。異常に注意深くなり、仲間でさえ信用できなくなります。 9 自己防衛機構として多重人格症状か、あるいは記憶喪失状態になってしまいます。場合によっていずれかの症状を選択して下さい。 10 完全な狂気におかされ廃人になってしまいます。治療を受けても元に戻らない可能性さえあります。
○精神治療
術法による治療を受けない限りにおいては、自我はこちらに示してあるルールの通りに回復させます。しかし、その恐怖の原因となったものを忘れさせるか、あるいは克服した状態にならなければ、再び精神にダメージを受ける可能性があります。
狂気ポイントが累積したままの場合、1日の終わりに狂気レベルを難易度とした恐怖判定を行わなければなりません。これによって再び自我にダメージを被った場合、更にその分が狂気ポイントに加算されます。狂気ポイントを回復させるには、術法かあるいは精神科医による専門的な治療を行うしかありません。
狂気レベルを下げるには、そのレベルを目標とした精神医学の判定に成功しなければなりません。この判定に成功すれば、患者の狂気レベルは1下がります。狂気ポイントから10ポイント減少させて下さい。また、この判定に成功すれば、患者は1日の終わりに行う恐怖判定をせずに済みます。さらに治療が不完全だったとしても、完全な失敗でない限りはいくらかの効果をあらわします。不完全な成功の場合でも、患者が行わなければならない恐怖判定の難易度を、達成値の分だけ引き下げることができます。もしプレイヤーに専門的な知識がある場合はそれを導入し、回復の過程を新たなるシナリオのネタとして用いても面白いでしょう。ただし、全員が楽しめるシナリオにする自信がない場合は、専門領域へは踏み込まない方が無難だと思われます。
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