変異と想像

想像との連動\構造変化


 

想像との連動


 変異現象の結果として起こる変化は、幽子が蓄積している情報から引き出されます。言ってみれば、この世で起こりうる全ての現象が実現する可能性があるのです。また、人間の精神活動もまた、幽子情報として記録されているものの1つです。そのため、変異現象として起こる内容には、人間の想像力が生み出したものも少なくありません。

 結果だけを見れば、これは術法によく似た物理現象ということができます。変異現象が必ずしも悪い方向に働くとは限らないという1つの例でもありますが、人間が制御できるものではありません。そして、騒動を起こすことの方が圧倒的に多いのです。以下にその例を幾つか挙げます。これは、シナリオのネタとしても利用できるものです。


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構造変化


 かつての科学魔道時代には、擬人兵器と呼ばれるものが存在していました。これらは変異のせいで人間の想像上の存在(天使や悪魔)と結びつき、現在はその力が非常に限定されています。霊子生命体兵器というのも同様で、現在では精霊のイメージと結びつき、超自然的存在の1つとして知られています。
 変異源に近づいたキャラクターにも、これと同じ変化が起こり得ます。これはキャラクターの行動パターンとして蓄積された情報が、変異現象によって物理的に顕在化するというものです。たとえば、悪魔のような行動を繰り返していれば、そのまま悪魔になってしまう可能性があります。同じく、強さだけを求めるキャラクターは化け物になってしまうかもしれませんし、精神が冒されてしまう可能性もあるのです。霊体の中にも、このようにして生まれてきた者も存在します。

 このような変化を存在のシフトといい、ルール上ではワールドリレーションの1つとして取り扱われます。これは変異現象ですから、変異源と接触してからでなければ起こらない変化です。しかし、現在はエーテルスチームという変異源がありますから、町中にいたとしても十分に変化しうる可能性があります。


○魔族化(Road to Demon)

 悪意のある行動を好んで繰り返した場合、キャラクターは魔族に変わってしまう可能性があります。変動するポイントは、経験点として獲得するマイナスの感情CPを基準にすればよいでしょう。ただし、これは作為的に他人を傷つけたりした結果によるものであり、結果的に仕方なく人を不幸に陥れた場合はポイントに換算されません。ポイントの加算はゲームの終了時に限らず、悪意ある行動を繰り返す度に行っても構いません。
 変化の目安としては、容姿、能力、属性、特殊能力、そして完全な変化と徐々に進めてゆけばよいでしょう。もちろん、精神的にも変化を遂げてゆき、少しずつ邪悪な行動を起こすようになります。感情レベルや感情ベースに変化をきたす可能性もあるでしょう。GMはプレイヤーの行動に従って、適当な効果を決めて下さい。変化を止めるためには、プラスの感情CPを経験点として獲得し、それによってポイントを下げるしかありません。
 このルールは、ある種のプレイヤーへの対処法として利用することができます。たとえゲームの中とはいえ、表向き見つからなかったらどんな非道なことをしても許されるというわけではないのです。


○獣化(Road to Beast)

 強さばかりを求めるキャラクターにも、存在のシフトが起こる可能性があります。
 他に穏便な解決法があるにも関わらずその努力を怠り、わざと戦闘を仕掛けたと判断される場合には、獣化ポイントが上昇します。基準となる数値は攻撃技能に関する個人修正値であり、1体の生物を傷つける度に[個人修正値×1]ポイントが入ることになります。
 変化の目安は魔族化の場合と同じで、容姿、能力、属性、特殊能力、そして完全な変化と徐々に進めてゆけばよいでしょう。精神的な変化は知能の退行として現れ、少しずつ行動の基準が本能的なものに移行してゆきます。感情レベルや感情ベースにも変化を起こすでしょう。GMはプレイヤーの行動に従って、適当な効果を決めて下さい。変化を止めるためには、人間として理性的に行動するしかありません。


 以上の変化によって社会生活に支障をきたしたり、まともなプレイが不可能と思われる段階まで到達した場合は、GMの判断でそのキャラクターをNPCとして接収することができます。改善の兆しが見える場合には、元に戻るためのシナリオを組んであげてもよいでしょう。

 これらのルールを適用してよいのは、そのプレイヤーの行状があまりにも目に余り、他のプレイヤーを不快にしていると判断される場合だけです。ポイントが加算されるのも、プレイヤーの行動に悪意が感じられる時のみとなります。もっとも、このような制裁措置を取る前に警告するのがフェアなやり方ですので、ポイントを与える前に真意を問いただしたり、なるべく話し合いで解決するようにしましょう。
 ただし、これらの現象はアンバランスド・ワールドで実際に起こりうる物理現象の1つであり、ルールとして規定されているものです。いざ適用する際には、何もためらう理由はありません。また、元に戻るためのシナリオに、他のプレイヤーを付き合わせる必要もありません。


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