カーカバート


 


○自然

 メルリィナ南部のランカスティア半島に存在する都市です。この都市は地図上ではメルリィナと接していますが、実際は高い断崖が境をつくっており、陸路での交流はありません。気候はアリアナ海型で、夏期は高温乾燥、冬は温暖湿潤という環境です。


○変異

 人の住む地域に変異らしい変異が見られない、エルモア地方でも非常に貴重な土地です。強いて例をあげれば、国境の断崖に生えている『セルアシャ』という草が広く知られており、若返りの薬として非常に高値で売買されています。本当に若返るわけではありませんが、一時的に老化を停止させる作用があり、特に貴族の女性が競ってこれを買い求めます。


○略史

 中央地方から渡来したドゥーガル人の商人連合として成立しました。その地形的要因、そしてこの都市の銀行に各国の貴族が多額の預金をしているという事情から、他国から攻め入られたことは一度もありません。政治的な中立地帯として、国家間の影の対立は数多く繰り広げられてはいますが、都市自体がその中心となることは滅多にありません。この都市は闇の中で動き、誰にも知られぬまま目的を達成するのです。


○制度

 都市の有力者が選挙で選出され、『13人委員会』と呼ばれる評議会をつくって政治を行ないます。商業都市の特色で、評議員には主に有力商人が選ばれることが多く、当然のことながら選挙には利権が絡みます。

・貴族:存在しません。
・騎士:存在しません。
・軍隊:軍隊は所有していないことになっています。
・司法:評議会の権限で裁判が行われます。
・警察:評議会の管轄下に置かれています。


○現況

 スパイの活躍する都市、亜人が自由に徘徊できる都市、若き芸術家たちの夢をかなえる都市、サクセスストーリーを約束する都市など、カーカバートはひとりひとりに対してその顔を変えます。文化の交流地であり様々な人種が入り乱れる様は、通りにたたずんでいるだけでも退屈を忘れさせてくれます。しかし、そうしている間にも影では様々な密約が交わされ、種々の陰謀が繰り広げられているのです。ここ数年、政治的陰謀から影を潜めていた暗殺者ギルドの動きも見られるようになって、各国のスパイは忙しい状況を強いられています。


○国家関係

・友好国:特になし(いわば全ての国)
・敵対国:特になし(裏の意味で言えば全ての国家)


○民族

 黄人系民族のドゥーガル人が中心ですが、貿易都市という環境ですので、都市は様々な民族が入り混じっています。亜人が全く差別を受けない地域としても有名です。


○宗教

 特に国教は存在せず、それぞれの住人で信仰する神が異なります。夫婦であっても信仰を異にする場合もあるのです。


○要所

・六角塔
 港の近くにある貿易組合の建物で、正面の大時計とともに街の名所となっています。ここでは様々な買い付け情報が飛び交っており、交易商人たちでいつも賑わっています。

・レラ
 貝類の養殖で有名な港町です。アワビなどがよく水揚げされます。


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