副技能

習得技能分類ランクデータ形式その他


 

習得


 キャラクターの職業が決定したら、それぞれの職業に必要な技能を考えてみましょう。たとえば外科医であれば、基本的な医学知識はもちろん、応急手当や治療、あるいは薬に関する知識などといった技能は必須です。アンバランスド・ワールドのルールでは、これらの個々の技能を副技能と呼びます。
 キャラクターが何かを行なったときに成功するかどうかの判定には、全てこの副技能の値を用います。簡単に言いますと、サイコロをいくつか振ってその出た目の合計が副技能値以下であれば、その行為は成功したことになります。つまり、副技能値が高いほどその技能に熟達しているというわけです。


 副技能は4種類の主能力値と8種類の主技能値どれかに属しています。交渉ならば心と判断技能ですし、鍵開けならば技と隠密技能という組み合わせになります。
 基本的には、副技能値は主技能値と等しくなります。つまり、ある盗人が鍵開けを行なおうとした場合、隠密技能が9であれば鍵開けの技能も9ということになります。しかし、これでは個々の技能の差があまりなく、そのキャラクターの特徴を表現しにくくなってしまいます。このことを解消し、より個性的なキャラクターを作製するために、キャパシティーポイントを個人修正値として割り振って、副技能値を上昇させることが可能となっています。

 副技能値を1点上昇させるためには、経験CPを1点消費しなければなりません。2点上げるならば2CP消費となります。割り振ることができる数値には限度があり、キャラクターの作成時には、関連する主能力値までのポイントしか上昇させることができません。たとえば拳銃による射撃技能は技と作業技能に属していますが、技が2のキャラクターは射撃技能を2ポイントまでしか上昇させられません。この時に割り振った値を個人修正値と呼び、+2という形で表記します。
 なお、技能の中には技/体といった具合に、2つの主能力値で判定できるものも存在します。これについては、割り振る修正値はどちらか低い方の能力値に制限されます。たとえば、刀剣という技能は技/体となりますが、キャラクターの技が2で体が3であった場合、2ポイントまでしか修正値を割り振ることができません。この点については注意して下さい。


 修正値には個人修正の他にも、周辺の状況や物品ごとに決められている修正値もあります。これらの全ての修正値を合計して最終的に決定した副技能値が、実際にサイコロを振って判定する基準の値となり、これを判定値と呼びます。[判定値=主技能値+個人修正値+その他の修正値]となり、キャラクターはこの値を用いて様々な行為判定を行なうことになります。


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技能分類


 キャラクターたちは、ごく当たり前の行動については、何の制限もなく試みることができます。この際に用いる技能のことを一般技能といいます。
 しかし、キャラクターは全ての技能を無制限に使用できるわけではありません。外科治療や車の運転など、少々の練習では試みることができない専門的な技能は、特別に訓練を行なった者だけが使用できます。このように専門的な知識や技術なしには試みることができない技能を、専門技能といいます。専門技能の獲得にはCPが必要です。専門技能を1つ得るためには1CPを消費しなればなりません。
 職業データにかかれていない専門技能を習得する場合は、必ずGMの許可が必要となります。特に、専門の機関や犯罪組織でしか習得できないような技能は、厳しく制限しなければなりません。

 どの技能が専門技能かということについては、データパート1に説明があります。なお、専門技能は実際にプレイを開始する前に選択して下さい。専門技能の習得には時間がかかりますので、普通はプレイ途中に増やすことはできません(もし、GMや他のプレイヤーが認めるのならば別ですが)。プレイ終了後に、新たにこれを得ようとする時も、習得にはそれ相応の時間をかける必要があります。


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技量のランク


 副技能値にはだいたい以下のような基準が設けられています。自分のキャラクターの技量がどの程度なのか、これを見てイメージを把握して下さい。


◆副技能値のランク

副技能値 目安
7以下  素人レベル。失敗も多い
8〜9  職業人としては見習い程度。セミプロレベル
10〜12  プロを名乗れるレベル。普通に仕事をするには十分
13〜15  その世界では名が知られているプロ
16〜17  超一流のプロ。滅多に存在しないレベル
18以上  不世出の達人。


 ただし、プロとして評価される基準は、単一の技能によるものではありません。たとえば、どれほど素晴らしい発見をしても、それを学会や論文でうまく表現できなければ見向きもされずに終わってしまうかもしれません。診察がいかに正確でも、手術の腕が悪ければ患者を死なせてしまう可能性もあるのです。
 1つの職業で必要とされる副技能は複数存在し、それらに総じて秀でていて、初めてプロとしての評価がなされます。さらには、もって生まれた能力(主能力値)もともなわなければ、習得した技術を発揮できるとは限らないのです。ここで上げた数値は、あくまでも目安でしかないことを覚えておいて下さい。


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データ形式


 エルモア地方における基本的な副技能のデータは、副技能表と解説の2つのページで説明されています。副技能は8種類の主技能について大別して表記されており、それぞれどの主技能に属するのかが、簡単にわかるようになっています。解説の方はその技能の具体的な使用法が記載されています。
 表および解説には、副技能の名称、技能分類、関連能力、説明が書かれています。それぞれの項目をよく読んで、副技能を獲得して下さい。


◆副技能データ

副技能名称  副技能の名称が記されています。名称の後に【各種】と書かれているものには様々な種類があります。たとえば言語【各種】となっている場合は、各種の内容にはそれぞれの言語が入ることになります。技能として獲得する場合には、言語(ペルソニア語)などと記入して下さい。
技能分類  その技能が一般技能か専門技能かを示しています。専門技能の獲得には1CPが必要となります。
関連能力  副技能が属する主能力値のことです。この部分には心、知、技、体のいずれかが記されています。技/体などと記入されている場合、割り振ることのできる修正値はどちらか低い値が上限となります。


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その他の注意


 データにはない技能をキャラクターに持たせたい場合は、ゲームマスターや他のプレイヤーとよく相談し、全員に認められた上で習得しなければなりません。この時、エルモア地方の雰囲気にそぐわない技能は習得させないよう心がけて下さい。また、よほど特殊な技能は、それなりの背景設定がなければ習得することはできないでしょう。エルモア地方とは全く交流のない東方の知識などは、普通のキャラクターは生涯知ることはありません。逆にシナリオの都合上、非常に特殊な技能を得ることもあるかもしれません。このように特殊な技能の扱いについては、プレイに参加している全員で相談して決めて下さい。


 さて、みなさんはどのような副技能を習得したでしょうか? まず、何かの職に就いている人は、職業データに書かれている必須技能は必ず習得しなければなりません。これが一般技能の場合は誰でも試みることが可能ですが、その道の専門家であれば何ポイントかの修正値を割り振っていることでしょう。他にも、推奨技能にいくらかのポイントを割り振る人もいるでしょうし、職業とは関係ない趣味に関する技能を多く習得する人もいるかと思われます。
 技能の獲得も、そのキャラクターの特徴を表わすものです。たとえば趣味で山登りをするキャラクターは登攣が得意でしょう。また、鳥に興味を持つものもいれば、歌が好きでたまらない人もいるでしょう。そのキャラクターがどのような人物かをよく考えて技能を習得すれば、よりロールプレイがしやすくなると思います。


 以上のようにして獲得した副技能は、キャラクターシート1の副技能と書かれた欄に記入します。
 左側の小さな四角は、技能分類を区別するためのものです。専門技能の場合は、この欄に○をつけて下さい。隣にある横に長い欄には副技能の名称を、主能力という欄にはその技能が属する主能力値の名称を書きます。次の修正値の欄には、自分が割り振った個人修正値を+2といった形で表記します。判定値の欄には、主技能値と個人修正値を足した数値を書きます。
 最後に副技能と書かれた横の( )に、消費したキャパシティーポイントの合計を記入します。この値を150CPから引くことにより、正式に副技能を獲得したことになります。


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