身分(概説)


 


 聖暦789年のエルモア地方には、貴族制度や奴隷制度といった身分制度が存在しています。旧態依然とした身分制度はエルモア全域で見れば崩壊しつつありますが、今でも生まれや家柄は無視し得ない要素なのです。大きくは出自によって身分が決定されます。努力したからといって一般市民が貴族になれるわけではないことは、子供でも知っている常識です。そして奴隷として買われてきたものは、そのまま一生奴隷の身分のまま働き続けることになります。職業や経済的格差、あるいは教育の程度によっても差別されたりすることがあり、それらは一般的に当たり前のこととして受けとめられているのです。

 ただし、聖暦789年のエルモア地方では、努力によってそれを改善することができるようになりつつあります。たとえば資本家の台頭がはじまると、雇用者と労働者の関係が階級意識として刷り込まれてゆくようになりますが、このように金銭的なものであれば努力によって覆すことも可能です。新しい技術が利用されるようになってきた昨今では、知識やアイデアによって新しい企業を興すことも可能ですし、新しい発見や発明によって多大なる金銭と尊敬を勝ち取ることもできるのです。
 そのため、現在のエルモア地方では学校というものが非常に重要視されています。単に知識人というだけでも尊敬される世の中ですから、子供をなるべく上の学校へやろうとして必死で働くのです。また、一部では奴隷制度を撤廃しようという動きもあります。カルネアという国では、奴隷解放問題を中心とした内戦が行われており、南北が分かれて戦っている最中です。


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