機械の開発


 


 現在のエルモア地方は科学の発展途上期にあります。そのため、新しい発明や発見が多数なされ、生活様式もどんどん変化しているのです。

 キャラクターの中でも新しい技術を発明したいと考える者もいることでしょう。そして、それは決して不可能なことではありません。ただし、ゲームの中にプレイヤーの知識をそのまま持ち込むことは許されません。実際に発明を行うのは、聖暦789年のエルモア地方で生活しているキャラクターなのです。エルモア地方の(将来の可能性も含めた)科学レベルや、そのキャラクターの持つ常識や知識、発想力といったものを越えた発明はできません。そのため、発明を行うには以下の技能を用いた判定が必要となります。


○発明 (一般:知+霊能)

 直感的に新しい技術を考え出したり、独創的な発想を形にしたりするための能力です。これは機械知識などの専門分野の技能と一緒に用いるもので、同時判定を行わなければなりません。
 この技能はプレイヤーの発想がこの世界のものとして妥当であるのか、キャラクターの知識や経験と照らし合わせて判断するためにも使用します。いかに発想がすぐれていても材料や技術がなければ、その発明は形にすることはできないのです。また、そのキャラクターが詳しくない分野に関する発明をしようとする場合に、それを制限するためにも用いることができます。

 この判定に成功しなければ、プレイヤーが考えたことをキャラクターが思いつくことはできません。また、判定に成功したとしても、それがこの世界の科学では実現不可能であったとすれば、それを無理だと判断できただけに終わります。
 判定の際に致命的失敗をした場合、それが無茶な発想であることを気づかずに論文にしたり、あるいは作製に取り掛かることでしょう。しかし、それは明らかに実現不可能なことですから、必ずその発想は他の研究者に否定されたり、完成できずに終わることでしょう。開発や作動に危険を伴う機械であれば、製作途中で事故が起こることも考えられます。あるいは、一応それらしいものが出来上がっても、運転中に不具合が起こったりすることもあるでしょう。


 発明の技能を用いて難易度10の判定に成功すれば、何らかの発明に成功したことになります。成功値が0の場合は、その年に実現できると考えられているものに対して、理論的な裏付けが行われたものとします。それより成功値が1増えるごとに、以後5年以内に実現できると思われるものを発明できたものとします。よほど先の時代でなければ実現できないと思われる画期的な発想は、奇跡的成功が出た場合のみとなります。

 ただし、これはあくまでも発想だけの話です。その発想を形にするには、資金と時間と人手が必要となります。また、誰かの協力を得ようとしても、相手がその発明の真価に気づかなかったり、あるいは理解できなければ、あっさりと協力を断られてしまうことでしょう。
 また、作製に必要な技術力がなかったり、材料が不足している場合は、その発明はただの机上の空論で終わってしまうことになります。たとえ技術的に可能だったとしても、作製にあまりに資金がかかりすぎるようですと、実用化されることなく終わってしまうでしょう。GMが実現不可能と判断した場合は、それをプレイヤーにはっきりと告げるようにして下さい。

 それから、まったく新しい発想によって作られた機械は、最初は非常にかさばるものであるということを覚悟する必要があるでしょう。最終的に製品化される大きさの5〜10倍ほどになることも珍しくありません。実用化初期の品でも3倍程度となるでしょう。そして、開発にはその体積に見合った分の材料費がかかるということを覚えておいて下さい。もちろん、これとは別に試作品に費やした分も消費しなければなりません。


 エルモア地方の科学レベルは、だいたい現実世界の1850年頃を基準にして下さい。ただしこれには幅があって、分野によっては1800年以前のものもあれば、19世紀後半くらいの技術のものも存在します。特に霊子機関の存在が大きく影響していて、動力機関の小型化によって可能となる技術は、その他の部品や技術の発展次第となります。一方で化学や電気に関わる技術は、変異現象によって反応が撹乱されることがあったり、元素や物質の側に変異物質がまざっていることで、一定の実験結果を示さないことがあります。特に電気に関わる研究はまともには行われておらず、一切利用されていないことに注意して下さい。
 逆にエルモア地方にのみ存在する現象や物質もありますので、それらを利用する発明を行っても構わないでしょう。ただし、それにはある程度の理由付けを行う必要があります。

 言うまでもないことですが、発明に関する判定はプレイヤーの独断で行うことはできません。いずれにしてもGMの許可が必要となりますので、その点についてはよく注意して下さい。


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