身分の扱い


 


 身分はキャラクターの行動や考え方に強い影響を与えるでしょう。低い身分の者は高い身分の者にへりくだるのが当たり前ですし、奴隷制度が公認されている国家では、奴隷に人権がないのは当然のことだと考えられているのです。

 身分は行為判定にも若干影響します。上流、中層、下層といった身分の間では、お互いの身分が明らかであれば、交渉などの判定において修正を受けることになります。数値的には身分が1つ違うごとに−2の修正となります。たとえば下層身分から中層身分の者に頼み事をする場合には−2、上層身分には−4の修正となるのです。上の身分から下の身分の人間に対する時も同様です。たとえば、上流の人間が何らかの理由で下層の人間から情報を得たい場合などでも、相手を見下した態度をとれば不快にさせるでしょうし、下層社会の流儀を知らなければ交渉は難航するでしょう。
 神聖階級の人間は、いかなる身分に対しても修正を受けることはありません。一般に聖職者は多大なる尊敬と信頼を受けており、差別されることはないからです。ただし、異教徒が相手の場合は、いかなる身分に対しても−4の修正を受けることとなります。
 それから、最下層の人間というのは交渉を行う相手ではありません。身分が明らかなのであれば、相手にされないか命令される側の人間なのです。それがエルモア地方の人間の、ごく当たり前の考え方なのです。最下層の側から交渉を行うとしても、受けつけられないのが普通の対応です。仮に話を聞いて貰うことができたとしても、相手の身分によらず−6の修正を受けるものとして下さい。


 ただし、これは個々のキャラクターの身分制度に対する考え方や、キャラクター間の立場にも左右されます。普通であれば、それぞれの身分間には何らかの階級意識がつきまといます。しかし、現在のエルモア地方は変革の時期を迎えており、身分制度が崩壊しつつあるのも事実です。革命によって王制から民主主義へと移行した国家もありますし、奴隷解放に積極的な貴族というものも存在します。
 上に示したルールは、キャラクターたちが身分という枠組みを意識している場合にのみ適用されるものです。つまり、身分に拠らない一個人として相対している場合には、このルールを用いる必要はありません。プレイヤーが努力してその枠組みを取り払おうとしている場合にも、GMはその意図を汲んで修正値を微調整したり、あるいは修正を与えずに判定させて下さい。


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