教育機関


 


 この世界の教育機関は現実世界のものと大差ありません。初等学校は6年間で、卒業は12歳になります。中等学校は12歳から15歳までの3年、高等学校も15から18歳までの3年間です。大学校は4年が通常で、助手や研究生として研究室や講座に残ることもできます。これら通常の学校の他にも、神大学、学問院、専門学校、兵学校、魔術学校などといったものがあります。
 このような近代的な教育制度が成立できたのは各宗教機関の協力と、科学の発展にともなって社会がそれを使いこなす学力を要求しはじめたという事実があってこそです。
 現実と違うところは、初等学校を除いて義務ではないということです。普通の子供たちは中等学校以上には行かずに、何らかの職業についたり専門学校(私塾なども含む)に入ることになります。また、貧しい家庭の子供たちは初等学校すら通わず、家の仕事を手伝ったり、どこかの店や貴族の屋敷などで働きます。
 中等学校以上に進学できるのは、ごく一部の裕福な家庭の子供たちだけです。ただし、成績のよい者には奨学金が出る国もあります。高等学校以上に進む者は、技術者や医者、弁護士などの限られた職業を目指す人々です。かなり上流の家庭に生まれた者か、そうでなければ奨学生に限られます。ただし、聖母教会の神学校および法教会の学問院は例外で、神徒以上の者であれば無償で教育を受けられます。


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