機械の改造


 


 機械の設計を行うためには機械学を、自分で設計した機械を組み立てるためには機械整備の技能を習得していなければなりません。


 完全に新たに機械を開発するのは非常に労力を必要とすることなので、多くの場合は現行のものを改造することになるでしょう。主に改良を行うのは交通機関に関するものであると思われますので、一般的な交通機関のデータを参照して下さい。

 機械の改造を行うためには、まず設計から手掛ける必要があります。その成否は、機械学を用いた判定によって決まります。一般に普及している機械は一流の研究者が開発したものですので、更なる効率化は非常に難しい行為となります。よほど新しい分野でなければ、改良を行うためには難易度10の機械学の判定に成功する必要があります。その時の成功値によって、改良の度合いが決定します。

 成功値が1増えるごとに効率に関わる要素では5%か1ポイント耐久性に関する要素では数値を3ポイント変動させることができます。成功値は改造したい要素に自由に振り分けることができますが、1つの要素に関する振り分けの上限は成功値2までとなります。たとえば巡航速度に関しては移動力を2ポイントまでしか増やすことができないのです。
 それから改造によって全体のバランスは悪くるため、その反動としてメリットが1つ増える度にデメリットも1つ増えることになります。デメリットをなくしたい場合は、成功値1をデメリットの改良に費やすことで、それを相殺することが可能です。

 なお、成功値がマイナスになった場合は、設計を間違えたということで性能が悪くなります。成功値が−1につき、デメリットが1つ増えることになります。これには下限がなく、いくらでも下がる可能性があります。これによって巡航速度が0になった場合、その機械は動かなくなります。


 実際の改造作業には工具と場所、それから人手と資金が必要となります。改造のための資金は、その機械の値段の半分です。これは純粋に改造にかかる費用であり、自分の生活費や整備員の給料は含まれてはおりません。ただし、作業場を借りたり必要な工具を購入する費用は、これに含まれているものとします。
 改造にかかる時間と必要な人数については、成功値を基準として判断します。成功値1につき、かかる日数は5日となります。作業員の数は成功値と同じだけの人数が必要となります。もし作業員が揃わない場合、1人足りないごとに作業日数は5日増えることになります。作業員1人には、最低でも1日5000エランを支払わなければなりません。

 実際の作業である機械整備は、機械学の成功値(達成値−10)が難易度となります。この判定に失敗した場合、作業時間はさらに1日延びることになります。この判定は全ての作業員が行う必要があります。


 なお、霊子機関については改良を行うことはできません。現在のエルモア地方の科学レベルでは、新たな思想でこれを設計することも不可能です。発掘した霊子機関の仕組みを解明するだけでも、エルモア地方のトップクラスの頭脳が集結する学問院の総力をあげて、10年以上の月日を費やしているのです。しかも、それを現行の技術力で作製できる程度の機構に簡略化できたのは、たった1人しかおりませんでした。現在の霊子機関は発掘品の模倣に過ぎず、今のところこれ以上の効率化は不可能といわれています。


先頭へ