法教会の誕生や国家権力の増強が進むに従って、聖母教会は以前ほどの権威を維持することができなくなり、内部からも異端派が数多く出現するようになりました。そのため裏教会は、表教会にかつての威光を取り戻させることを計画します。それが『ユナスの降臨』です。
裏教会はユナスの姿を空に映し出し、1人の老女に予言を与えました。その予言通りにイーフォン皇帝フィエルは死亡することになります。もちろん、これは自然死に見せかけた暗殺でした。その頃、イーフォン国と聖母教会の間には軋轢が生じており、人々はこれを天罰だと信じました。
こうして聖母教会は再び力を盛り返し、現在もエルモア地方で最大の宗教組織として存在しているのです。しかし市民革命なども起こるようになり、政教分離を原則とする国も増えたことで、教会の力は衰退の兆しを見せはじめています。また、霊子機関というものが世に広まったことも、彼らにしてみれば決して見逃せることではありません。こういった一連の時代の変化に対して、裏教会はまた何か秘策を用いるかもしれません。あるいは再び月人が介入することも考えられます。
今という時代は、良くも悪くも動乱の時代なのです。そして、エルモア地方のこれからは、あなた方の行動次第であるということをよく覚えておいて下さい。
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