はじめに
ようこそ、『アンバランスド・ワールド』へ。これからあなた方は『トリダリス』という惑星にある『カナン大陸』の住人として生活することになります。主な冒険の舞台となる場所は、この大陸の西方に位置する『エルモア地方』です。
エルモア地方は19世紀中頃の欧米とよく似た雰囲気があります。あなたは今から、この地方のあなたとなるキャラクターを作成することになります。あなたはもう1人の自分となって、この世界の様々な困難に立ち向かってゆくのです。
ルール概要
○準備
最初にキャラクターシートを準備します。他に6面体のサイコロと筆記用具が準備できたら、いよいよ実際のキャラクター作成が始まります。
○CP
最初に2種類のキャパシティーポイントを与えられます。技能や能力値に関係する経験CPは150点で、願いと奇跡ルールに関係する感情CPは50点となります。これを消費することによって、キャラクターの具体的な特徴を獲得することができます。
○人種
エルモア地方には、白人、黒人、赤人、黄人の4人種がいます。基本的に自由に動けるのは白人と黄人で、中でも白人が人口の大多数を占めています。黒人と赤人は一般に奴隷として扱われることになります。
◆人種修正表
人種 |
運動 |
作業 |
記憶 |
感覚 |
霊能 |
白人 |
+1 |
−1 |
+1 |
−1 |
― |
黄人 |
−1 |
+1 |
― |
― |
― |
赤人 |
― |
+1 |
−2 |
― |
+1 |
黒人 |
+2 |
― |
−2 |
― |
― |
○能力値
能力値とはキャラクターが持って生まれた先天的な才能のことです。能力値には2つの種類があります。1つは主能力値といい、もう1つは耐久値といいます。
・主能力値
行為判定の際に振ることができるダイスの数を表しています。主能力値の数までの個数を選択して振ることが可能です。1点につき経験CPを1消費します。
◆主能力値の種類
主能力値 |
説明 |
心 |
精神力や霊的な能力の強さ、あるいは感覚の鋭さなどを表わします。 |
知 |
記憶力のよさや判断力などを表わします。 |
技 |
動作の俊敏さや正確さ、あるいは手先の器用さなどを表わします。 |
体 |
筋力や体の丈夫さを表わします。ただし、体格そのものではなく、外見的なイメージは自由に決めて構いません。 |
◆主能力値の決定方法
パターン1 |
1D3を振って決める。 |
パターン2 |
4種類の主能力値に、1〜3の範囲で8点から自由に振り分ける。 |
・耐久値
耐久値は負傷や疲労に対する耐久性を示す能力値で、その減少の度合いによってキャラクターの状態を表わします。1点につき経験CPを1消費します。
◆耐久値
区分 |
耐久値 |
説明 |
精
神
耐
久
値 |
気力 |
キャラクターの霊的なパワーを表わします。術法(魔術など)を使用できる回数に関係します。 |
自我 |
キャラクターの理性の度合いを示します。精神的な影響や疲労に耐える能力です。 |
肉
体
耐
久
値 |
活力 |
軽い怪我や疲労に耐える能力を表わします。 |
生命 |
キャラクターの生命力を表わします。命に関わる怪我に耐える能力です。 |
◆耐久値の決定方法
耐久値 |
パターン1 |
パターン2 |
気力 |
心×2+2D6 |
心×2+7 |
自我 |
知×2+2D6 |
知×2+7 |
活力 |
技×2+2D6 |
技×2+7 |
生命 |
体×2+2D6 |
体×2+7 |
○主技能値
技能というのは、キャラクターが試みようとする事柄についての知識や経験のことです。全ての技能は8種類の主技能に分類されています。1点につき経験CPを1消費します。
◆主技能値の種類
主技能値 |
説明 |
経験 |
この技能はキャラクターの総合的な人生経験を表わしています。抵抗判定および他のどの技能にも当てはまらないような行為の判定に使用します。 |
運動 |
運動など、体を使う行為に関係する技能です。走ったり、格闘をしたり、重い物を動かしたりする時の判定に用います。 |
作業 |
物の製作や修理、あるいは機械や道具を操作する時など、緻密で正確な作業が必要とされる行為の判定に使用します。 |
隠密 |
忍び足やスリなど、盗人などが得意とする行為に用います。 |
記憶 |
知識の判定や物事を記憶する時などに、この技能を使用します。 |
判断 |
交渉事など、判断力が必要とされる行為に関係します。 |
感覚 |
聞き耳、嗅覚、音感など、知覚力に関わる行為に用います。 |
霊能 |
術法、あるいは霊感など、霊的な能力が重要とされる判定に使用します。 |
◆主能力値の決定方法
パターン1 |
2D6を振って決める。 |
パターン2 |
56CPから8種類の技能に、2〜12の範囲で自由に分配する。 |
○職業
職業データからキャラクターの職業を選択します。
◆職業データ
職業名 |
その職業における大雑把な分類です。国や人種によって呼び名が異なる場合もあります。 |
職業タイプ |
その職業分野におけるバリエーションのことです。たとえば、音楽家の中には歌手や演奏家といったタイプがあります。こちらを職業名として名乗ることもあるでしょう。その下にさらにサブタイプという分類がある場合は、職業タイプの要素にサブタイプのデータを加えて下さい。必須技能や推奨技能の分類が職業タイプと異なる場合は、サブタイプの方に準じます。 |
身分 |
その職業の社会的な身分を表しています。 |
最低年齢 |
その職業につくために必要な最低限の年齢です。なしとなっている場合には、何歳でも構いません。ただし、あまりにも若い場合は見習いということになるでしょう。 |
財産レベル |
その職業において保障される収入の目安です。基本的には下限を示しており、1〜などとなっている場合は、最低でも1レベルの収入があるということです。 |
必須技能 |
その職についている者は必ず習得している副技能のことです。ここに書かれている技能を習得していなければ、その職につくことはできません。ただし見習いの場合は、これらを推奨技能として扱って構いません。 |
推奨技能 |
その道に携わる者として、できれば習得しておいた方がよいと思われる副技能です。 |
所持品 |
仕事に必要な道具です。職業を選択した時点で自動的に手に入るもので、お金を払って購入する必要はありません。 |
説明 |
その職業がどういったものか、簡単に解説してあります。 |
○副技能値
実際の行為判定に用いる数値で、サイコロを振ってその出た目の合計が副技能の値以下であれば、その行為は成功となります。副技能は4種類の主能力値と8種類の主技能値のどれかに属しています。基本的には、副技能値は主技能値と等しくなりますが、経験CPを個人修正値として割り振ることによって、副技能値を上昇させることができるようになっています。割り振ることができるポイントは、関連する主能力値までとなります。割り振った数値の分だけ経験CPを消費します。
医学知識のように、専門的な知識なしに試みることができない技能を専門技能といいます。専門技能を1つ得るためには1CPを消費しなればなりません。
◆副技能データ
副技能名称 |
副技能の名称が記されています。名称の後に【各種】と書かれているものには様々な種類があります。たとえば言語【各種】となっている場合は、各種の内容にはそれぞれの言語が入ることになります。技能として獲得する場合には、言語(ペルソニア語)などと記入して下さい。 |
技能分類 |
その技能が一般技能か専門技能かを示しています。専門技能の獲得には1CPが必要となります。 |
関連能力 |
副技能が属する主能力値のことです。この部分には心、知、技、体のいずれかが記されています。技/体などと記入されている場合、割り振ることのできる修正値はどちらか低い値が上限となります。 |
○身分
現在のエルモア地方には身分制度が存在します。キャラクターの身分は職業データに書かれているものとなります。
○願いと奇跡
アンバランスド・ワールドでは、強い気持ちや願いが実際に力を持つことがあります。これを表したものが願いと奇跡というルールで、キャラクターの性格や考え方を表現する手助けとなります。
・感情ベース
キャラクターのもつこだわりの元となる存在(感情ベース)を設定し、それに対する思いの強さを数値で表わします。種類は下の表から選択し、レベルは1〜5の判定で決定して下さい。なお、感情ベースの種類は5種類までで、同じ種類のものを持つことはできません。レベルを合計した数値を感情CPから減少させて下さい。
◆感情ベースの例
感情ベース |
説明 |
立場 |
階級制度における身分、父親といった家族内の立場、それから会社や組織の役職など、自分が置かれている立場に対するこだわりです。プロとしての誇りや教訓といったものもこれに含まれます。 |
目標 |
自分が目指すものへの執着やこだわりです。〜になりたい、といった夢や希望などもこれに含まれます。 |
性格 |
自分の性格についてです。簡単な一語であらわせる程度のものにしておいた方がよいでしょう。 |
特定存在 |
恋人や家族といった特定の人間や執着している物品など、特別な感情を傾ける対象です。 |
主義思想 |
自分の信仰する宗教の教えや信条についてです。 |
潜在感情 |
潜在感情はまだはっきりとした形になっていない感情です。ゲームの途中に設定することができますが、このままでは通常の感情ベースとして使うことはできません。他のものに名称を書き換えた時点で、初めて使用可能となります。 |
・奇跡/破滅ポイント
奇跡や破滅を起こすことができる回数です。それぞれ感情CPを10点消費するごとに、1点獲得することができます。
・感情ポイント
余った感情CPはすべて感情ポイントになります。
○財産レベル
キャラクターの金銭的な裕福さを財産レベルというもので示します。財産レベルの基準は0で5桁(10000エラン単位)の金額をもらうことができます。これは10000〜99999までの範囲で自由に設定してかまいません。財産レベルを1上げるごとに金額は1桁上昇し、1下げるごとに1桁下降します。金額は最低で0までしか下げることができません。
固定給をもらえるような定職についている場合は、毎月これと同じ金額を受け取ることができます。それとは別に財産レベルの10倍の金額で変えるだけの所持品を持っていても構いません。それ以外のキャラクターの場合、最初は設定した桁の20倍の金額を貰うことができます。
ここで決定した金額で所持品を購入することができます。ただし、職業データに書かれている物品と服や靴などについては、最初から所持していることにして構いません。
○装備品
必要があれば装備品を購入することができます。装備品データから選択してデータを書き写して下さい。なお、防具の回避修正と防御値は、合計した値を判定に用いることになります。
武器や防具の装備には制限があり、これは主能力値の体の値によって変わります。装備できる物品は打撃値と防御値の大きさで決まります。
手にもつもの(武器と楯)は、重量の合計が体×3の値以下でなければなりません。これは利き腕で体×2、逆腕で体×1を支えられることを意味します。飛び道具については、打撃値に追加武器の値を加えない数値で判断して下さい。
身に付ける防具に関しては合計した防御値が基準となります。こちらも全部で体×3までの重量を支えることができます。体×3の値が重量の合計に充たない場合は、それが1点足りないごとに回避の判定に−1の修正を受けることになります。
○術法
まず、副技能である術法系統を獲得します。これは全て専門技能となります。1つの系統にはその技能で使用できる何種類かの術があり、術ごとに改めてCPを消費して獲得することになります。術はそれぞれレベルが決まっていて、キャラクターはレベルの値のCPを消費することによって、その術法を習得することができます。これには、レベルを難易度とした習得判定に成功しなければなりません。
なお、個々の術の前には何らかのマークがついていますが、○印以外のものは習得にGMの許可が必要です。
○その他の特徴
名前、性別、年齢、国籍、それから性格や外見といった要素を決定します。
○最後に
それぞれのデータをキャラクターシートに記入します。最後に150点の経験CPから消費した分を引いて、キャラクターの作成は終了となります。
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