選択ルールについて
この章では幾つかの選択ルールを紹介します。ここにある以外にも、補助技能が選択ルールとして扱われています。
選択ルールは特定の状況を詳しく表現するためには役立ちますが、これによって全体のバランスは変化します。導入については慎重に検討するべきでしょう。これらを使用するかどうかは、プレイする全員で相談して決めて下さい。ただし、最終的な決定権はGMにありますので、プレイヤーはGMの決定に従う必要があります。
ルール概要
○キャラクターの作成について
・キャパシティーポイント
エルモア地方の平均的な人間を使ってプレイを行いたい場合は、経験CPの平均的な消費量である[100+年齢]CPを消費できる上限として下さい。
・人種による修正
人種による主技能値の修正は平均的な傾向です。理由があれば特に修正を与える必要はなく、全ての修正を±0にして下さい。
・ダイスと振り分け
能力値や主技能値の決定においては、ダイスを振れる回数は特に指定しておりません。GMが自由に設定して下さい。なお、振り直した回数の分だけ経験CPを消費させるという方法もあります。1つの数値を振り直すためには、3〜5CPくらいを消費させるとよいでしょう。
・技能と能力の成長
キャラクター作成時に、主能力値、耐久値、主技能値の成長をさせても構いません、消費する経験CPは経験点による成長のルールに準じます。
・兼業キャラクター
複数の職業を兼ねる場合は、それぞれの必須技能を習得している必要があります。なお、収入はそれぞれの職業の平均値を用いて下さい。
・弱点技能
一般技能の中から特に苦手というものを弱点技能として設定できます。弱点技能は泳げないなどのように、全く行為を試みることができないものだけです。弱点技能の判定では、その行為の結果が1段階下がります。そのかわり、弱点技能を1つ獲得するごとに1CP貰うことができます。キャラクターシートでは、技能分類を区別するための欄に×印をつけておけばよいでしょう。
○願いと奇跡について
・奇跡の協力発動
複数人が同じ状況において適用できる感情ベースをもっていた場合、感情レベルを足した値で奇跡を発動ものとします。ただし、奇跡ポイントは発動に参加する全員が人数分だけ消費します。感情ポイントは協力して出し合うことになります。
・残留思念
キャラクターがゲーム途中で死亡した場合、プレイヤーが望めば残留思念(幽霊のようなもの)として意識を残すことができます。まず感情ポイントに気力と自我の値を足して下さい。なお、これ以後は感情ポイントが増えることはありません。それから、持っている感情ベースの種類を変更します。種類は特定対象のみで、5つまで設定することができます。感情レベルは死亡した時点のレベルを合計した値を、最大10レベルまでの範囲で新たに振り分けることができます。
残留思念は奇跡と破滅を発動させることができます。対象となるのは感情ベースとして設定した人物や物品に対してのみです。奇跡ポイントや破滅ポイントは生前のものを持ち越すだけでなく、感情ポイントを10点消費すれば、1点の奇跡/破滅ポイントに変換することができます。感情ポイントが0になった場合、残留思念は消滅します。以後、二度と復活することはありません。
・感情供与
感情レベルによる判定値の上昇を、他人に対しても適用可能となります。励ましの言葉をかけたりして相手を力づけることによって、強い願いを相手の力に変えることができるのです。この判定を行う時も、それに見合った感情レベルを用いなければなりません。なお、感情ポイントの変動は行為判定を試みたキャラクターが行うことになります。
・奇跡と破滅の保持
奇跡と破滅は宣言した直後に発動させる必要はなく、1つのシナリオ(あるいはセッション)が終わるまで発動の権利を保持できます。効果を以下に示しますので、望むものを選んで下さい。なお、保持していた奇跡や破滅を使用しないままシナリオが終わった場合、これを「奇跡/破滅ポイントが流れる」と表現します。奇跡/破滅ポイントはこれを宣言した時点で消費されます。ただし、感情ポイントは実際に発動させる時に消費します。
GMが接収:保持しておいて流れた奇跡/破滅ポイントはGMに接収されてしまいます。GMはそのキャラクターに対して、感情ポイントの消費無しで自由にこれを使用できるようになります。
全員が使用可能:奇跡や破滅を場に保持しておいた時には、GMも含めて誰でも自由にこれを使用できるようになります。ただしキャラクターが使用するのであれば、感情ポイントはそのキャラクターの分を消費することになります。
特定対象へ:流れた奇跡/破滅ポイントは宣言した場所や、その時に接触していた物品などに保持されることになります。以後この場所で誰かが感情ポイントを消費すれば、奇跡的幸運にめぐまれたり、あるいは破滅的なアクシデントに見舞われることになります。これはキャラクターだけではなく、GMやNPCも使用可能です。
○戦闘について
・反応抵抗
反応抵抗はその場を飛び退いて回避するもので、これを行った場合は体勢が大きく崩れてしまうことになります。ですから、反応抵抗を行ってから以後1ラウンドは、能動的な行動ができないということにしてもよいでしょう。
・受動的行為
回避や抵抗などの受動的な行為を1回行うごとに、次の行動には−1の修正値を受けることになります。もちろん、修正値は累積してゆきます。このルールはラウンド単位で区切って考えて下さい。適用されるのは自分の行動を試みた直後から、次のラウンドの行動の直前までです。
・術法のイニシアチブ
術法の使用には精神集中の時間がかかるので、行動の順番を決定する時に限って、術法系統の判定値から術法レベルを引いた値を用いることにしても構いません。
○負傷と回復について
・負傷の影響
精神耐久値にダメージを受けた場合は、精神的な活動に対してペナルティが与えられます。気力にダメージを受けた場合は−1、自我にダメージを受けていれば−2の修正です。肉体耐久値の場合は、運動など体を動かす判定全般に対するペナルティとなります。活力にダメージを受けた場合は−1、生命にダメージを受けていれば−2の修正です。
・耐久値の減少
生命および自我が0以下になった場合、特別に深い傷を負ったことになり、それぞれの最大値が1下がることになります。これは負傷が回復しても元には戻りません。
○成長について
・専門技能の習得
新たに専門技能を習得した場合、最初は不完全な習得状態として判定値に−6の修正を受け、1か月経つごとに修正値が+1されてゆきます。これは普通に生活しながら身につける場合であり、その訓練だけに時間を費やすのならば、修正値を−4からにしても構いません。
・術法の習得
術法の習得に要する時間は[術のレベル×1か月]となります。また、完全に習得するまでは判定にペナルティを与えても構いません。この場合は、レベルの分だけマイナスの修正を受けることになります。これも1か月経つごとに修正値は+1ずつされてゆきます。
・技能の維持
個人修正値を割り振っている副技能を長い期間まったく使用していない場合、技能の維持チェックが必要となります。個人修正値を難易度とした行為判定に成功すれば、特に数値が低下することはありません。しかし、判定に失敗した場合は、失敗の度合いに関わらず個人修正値が1低下します。ただし、主技能値まで減少することはありません。
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