第10章 NPC


 

ルール概要


○NPCデータ形式

 プレイヤー達が演じるキャラクター以外の存在は、そのほとんどがGMの管轄に置かれることになります。これには普通の人間や、あるいは人間以外の怪物なども全て含まれます。このような存在のことを、プレイヤー・キャラクター(PC)に対してノン・プレイヤー・キャラクター(NPC)といいます。NPCの技能に関しては簡易表記法がとられています。下のデータは、普通の人間の能力や技能を簡易表記で示したものです。

  主能力 抵抗値 判定値 耐久値
気力:11
自我:11
活力:11
生命:11

 
 主能力と耐久値に関しては、PCの場合と全く同じ扱いになります。抵抗値はそれぞれ、心-精神抵抗、知-判断抵抗、技-反応抵抗、体-肉体抵抗に対応します。ただし、判定値と書かれている数値に関してだけは、NPCだけの特異な表記法になっています。NPCの技能は主能力を基準として扱います。つまり、同じ主能力に属する技能については、それに関する判定値は全て1つの数値で表現することになります。たとえば、心に属する技能には術法や感覚に関する技能がありますが、これらについては全て同じ値で判定を行うことになるのです。


○怪物データ形式

 アンバランスド・ワールドには、人間の敵となる存在がたくさんいます。こういった存在は全てモンスターとして扱うことになります。怪物にのみ示されているデータは以下の形式で表記されています。

・恐怖度
 そのモンスターが与える恐怖の度合いを示す数値で、自我に対する効果値です。これは選択ルールとして扱って下さい。

・弱点
 モンスターが弱点とするものです。これによる攻撃を受けた場合、通常とは異なる効果を及ぼします。以下に効果の種類を示します。これ以外のものは、説明の欄に詳しい効果が書いてあります。データでは、弱点の後に(ダ)という具合に頭の一文字だけが表記されています。

ダメージ  生命に直接ダメージを受けることになります。
致死  モンスターは完全に活動を停止(即死)します。
専門  これ以外の手段による攻撃を受けつけません。
忌避  その弱点を非常に嫌います。これが近くにある場合、全ての行動に−4の修正を受けることになります。
逃亡  弱点のある場所には近づけません。無理に近づけようとした場合、逃亡を試みます。

 

・生息地
 そのモンスターが一般に生息している場所です。

・反応
 モンスターが外敵に出会った場合に、どのような反応をとるかが書かれています。

敵対的  多くの場合は威嚇して縄張りから追い出そうとしたり、無差別に襲いかかってきます。普通の生物と違って傷を負ったぐらいでは逃亡せず、死ぬまで戦う場合もあります。
中立  警戒はするが、積極的に攻撃をしかけてくるほどではありません。ただし、キャラクターの側から攻撃をしかけた場合には、戦いになる可能性もあります。あるいは子供や家族を守るために、牙を剥くこともあるかもしれません。このカテゴリーに分類されるモンスターは、重い傷を負った場合には逃げ出すことが多いでしょう。
友好的  キャラクターたちに対して無警戒であったり、あるいはなついたりすることがあります。よほどのことをしなければ戦いとなることはないでしょう。ただし、悪戯などを仕掛けてくることはあるかもしれませんし、遊んでいるつもりでキャラクターを間違って傷つけることも、決してないとはいえません。

 
出現数

 そのモンスターが一度に出現する数です。

・知能
 そのモンスターがどの程度のことを理解できるかの目安です。

なし  完全に本能のみで行動します。たとえば太陽が出てくれば水面に上がり、熱を感知すれば飛びつくといった具合です。
動物なみ  ある程度の判断力はありますが、多くは本能に頼った生き方をしています。
低い  人間ほどではありませんが、知能はあります。幼児と同じくらいの判断力をもっています。
人間なみ  普通の人間と同程度の判断力があります。
高い  普通の人間に比べて高い知能をもっています。学者など高度な知識を持っている人間に匹敵します。
非常に高い  人間のレベルでは考えられないような知能を持っています。

 
属性

 聖気に属する存在は、瘴気によってダメージを受けます。逆に瘴気に属するものは、聖気によってダメージを受けることになります。中立のものは、どちらの影響も受けることはありません。属性は治癒に関する術法や特殊能力を用いた場合にも関係します。聖気による治癒は瘴気に属する存在にダメージを与え、瘴気による治癒は聖気に属する存在にダメージを与えることになります。

聖気  通常の生物や天使のような、神に祝福された光のエネルギーに満ちた存在です。
瘴気  悪魔やアンデッドに代表されるような、瘴気という穢れを帯びた存在です。
中立  精霊や霊獣といった、聖気にも瘴気にも属さない存在です。

 
特殊能力
 モンスターの中には特殊な能力を持っているものが多くいます。術法を除いた特殊能力は、特に明記されていなければ、耐久値などを消費することなく自由に使用できます。〜系となっている場合は術法のことです。なお、術法のあとに書かれいてる数値は、そのレベルまでの術をすべて使用できるということです。

関連能力  技能による判定を行わなければならない場合、ここに書かれている能力に属する判定値を用います。
距離  ここに書かれている距離まで、その能力の効果を及ぼすことができます。
持続時間  その能力が効果を及ぼす時間です。
範囲  その能力が影響を与えることができる範囲です。もし、半径5m(90度)などといった書かれ方をしている場合には、効果を及ぼす方向が限定されることになります。
威力  効果値や難易度が設定されている場合には、ここにその数値が書かれています。
抵抗  抵抗判定などを行う場合に、使用する技能の種類が示してあります。


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