駅とはいっても、他国とを繋ぐ長距離鉄道の駅があるのはユークレイ、カスティルーン、ペトラーシャの3国だけです。普通は国内の大都市を結ぶものが多く、それほど数は多くありません。ですから、駅といえば鉄道駅よりも駅馬車の発着場をさすのが一般的です。
駅馬車は国内、あるいは国外の駅との間を往復し、荷物や人を運びます。郵便物も駅馬車を利用して、非常に迅速に輸送されます。このため、市場や郵便局といったものが駅の周囲に立ち並ぶことになり、大きな駅は都市の中心に位置しています。
駅の運営は国が行なうこともあれば、会社が経営していることもあります。駅員には荷役夫、馭者、馬飼いなどがいて、交替で勤務しています。馬たちが休憩する小屋や水のみ場は駅の裏手にあることもあれば、匂いのため街の中心から離れた場所におかれていることもあります。もちろん荷物や人の発着場は駅の中心にあり、待合室や荷物の取引所などはいつも人々でにぎわっています。
馬車は大きく分けて3種類になります。まず、都市の間や他国との交通手段として活躍しているものを駅馬車といいます。規模は様々ですが、基本的には長距離を移動します。交通が頻繁にある都市間では別ですが、さほど大きくない町などへゆくものは1日に1台、あるいは数日に1台といった割合で動くことが多いようで、予約を必要とすることもあります。都市内部や比較的近くの町の間などを巡回しているものは乗合馬車と呼ばれています。大きいものは現実世界のバスのようなもので、決まった順路を周回します。これは1日に何台も出ているもので、運賃は安く、定期券が販売されていることもあります。小さい馬車は2人乗りぐらいのもので、辻馬車と呼ばれています。我々の世界のタクシーに当たるものです。辻馬車は街のあちこちに止まっており、簡単に拾うことができます。
馬車というものはこの世界の主流となる交通手段であり、これなしでは都市生活は成り立ちません。キャラクターたちも幾度もお世話になることでしょう。
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