ここでは大通りではない、裏通りの一般的な街並みを紹介します。
大通りから一歩裏手に入ると、そこは市民たちの生活する空間になります。道路は急に狭くなり、2台の馬車が擦れ違うことはできません。建物は隙間なく立ち並び、高さも揃えられてはいません。大通りの建物とは異なり壁は煙で薄汚れ、石造りや日干しレンガばかりではなく、木造や漆喰の家も見られるようになります(もちろん気候によって異なりますが)。
一般的な町屋は2〜3階建てで、3〜5人程度の家族で住んでいるのが普通です。職人の家では住み込みの弟子が住んでいることもありますが、それでも一軒に10人を超える人が住むことはまずありません。居間、寝室、台所、食堂などがあり、納屋や食料を貯蔵する地下室なども備えられていることが多いようです。
裏通りには集合住宅も多く、下宿やアパートには様々な職業の人々が住んでいます。表通りとは異なり、日雇い人夫や学生が住む低家賃の賃貸住宅の割合が高く、一家で住めるような所は少ないようです。このような集合住宅には職業組合で経営しているところもあり、組合のメンバーに対して安く貸し出しているようです。
道路には通常、井戸が設置されています。子供や夫人たちはここで井戸水を汲み、様々な家事に使用します。夫人たちはこの周囲で洗濯をするため、天気のいい日は井戸のまわりは主婦たちの社交場となります。
裏通りは町屋が並ぶ都合上、生活に密接に関係する店が存在します。商店街を離れた場所にもパン屋や雑貨屋がありますし、人々が疲れを癒す公衆浴場や酒場、大衆食堂といった店はいつも市民で賑わっています。
大通りは都市の顔ですが、裏通りは都市の真実ともいえる場所です。キャラクターたちが住んでいるのもおそらく裏通りなのではないでしょうか。本当の街の姿を知りたいのならば、裏通りを歩いて人々の噂に耳を傾けてみるべきでしょう。
|