○変異現象『大変異現象』というものが起こった正確な原因は、科学時代に突入した聖暦789年の現在でも未だに明らかにされていますせん。そのため、現在でも魔神の呪いによるものだと信じられています。しかし、本当の問題はその原因の真相ではなく、今でも大変異現象の爪痕は残り、そして変異と呼ばれる現象が各地で頻繁に起こっているということなのです。 変異とは万物を歪ませる全てのもの、およびその現象のことをいいます。これはその名が表しているように、系統だったものではありません。変異はその対象となるものを選ばず、無差別に影響を及ぼします。環境、生物、物体、空間、時間、そして夢や人々の心にさえも変異は起こります。また、無生物にさえ精神が宿る場合もありました。『不死者』(アンデッド)と呼ばれる存在がそれであり、それが数々の怪現象を引き起こす原因となっています。まさしく悪魔の呪いという他はないでしょう。 ○宗教 『聖母教会』、『法教会』、『マイエル教』と呼ばれる宗教が、エルモア地方の3大宗教といわれています。このうち、人民の70%が聖母教会を信仰しており、圧倒的な勢力を誇っています。神官や司祭と呼ばれる聖職者たちは、『神聖魔術』と呼ばれる奇跡を起こすことができます。彼らは人々の病を癒したり怪物たちを掃討するために、その力を惜しみなく用いるのです。そのため、この世界では聖職者は人々に非常に尊敬されています。 ・聖母教会 ・法教会 ・マイエル教 ○身分制度聖暦789年のエルモア地方には、貴族制度や奴隷制度といった身分制度が存在しています。旧態依然とした身分制度はエルモア全域で見れば崩壊しつつありますが、今でも生まれや家柄は無視し得ない要素です。大きくは出自によって身分が決定されます。努力したからといって一般市民が貴族になれるわけではないことは、子供でも知っている常識です。そして、奴隷として買われてきた黒人や赤人たちは、そのまま一生奴隷の身分のまま働き続けることになります。職業や経済的格差、あるいは教育の程度によっても差別されたりすることもあり、それらは一般的に当たり前のこととして受けとめられているのです。 ○言語エルモア地方の言語はすべてアルファベットです。この地方の人々は義務として6年の初等学校教育を受けています。ですから、普通に育った人は公用語としての『共通語』と母国語の会話ができますし、学校に通った人であれば読み書きができます。エルモア地方の言語はどの国のものも似通っており、すべての国に独自の言語があるにもかかわらず、それぞれが方言程度の差しかないので、基本的な会話にはそれほど苦労はしません。 ○経済この地方の物品売買は共通の貨幣で行なわれています。単位も『エラン』という共通単位で、どの国でも通用します。一般には銀貨が最も多く流通していますが、10000エラン以上になると各国で発行している紙幣を使用します。都市や街で暮らす普通の人であれば、数万エランもあれば並の生活を送ることができます。
(注:1エラン=1円として考えれば目安になるでしょう) 先頭へ |