NoisyBlue-Rule
 

ノイジィブルー
  

基本ノイズチェック一時的汚染長期的汚染封印

基本

 異能力を用いて他者の強い思念に接触したり、フローラについて精神的な影響を受けた場合には、精神汚染が引き起こされる可能性があります。このような事態に関するルールをノイジィブルーといい、汚染の度合いはブルーラインの変動によって表現されます。


■ ブルーライン ■

 ブルーラインは精神の健常性を示す数値です。これは他者の思念による影響や精神的な傷を受ける度に減少する可能性があり、下降するほど精神汚染の度合いが激しいことを示します。


▼最大値
 キャラクター作成時におけるブルーラインの最大値は[自我+5]となります。


▼現在値の変動
 ブルーラインはノイズチェックと呼ばれる判定の結果に応じて下降する可能性があり、現在値は最大値〜0までの範囲で変動します。なお、数値が減少することを、ラインが下がる(下降する)と表現する場合もあります。
 ブルーラインが0になると、PCは完全に汚染された状態となり、ゲームに参加することができなくなってしまいます。なお、ラインは0までしか下降せず、マイナスの数値を取ることはありません。


▼上限値の変動
 キャラクター作成時におけるブルーラインの上限値は[自我+10]ですが、この数値は精神汚染が起こることによって減少する可能性があります。
 ブルーラインの最大値は、上限値より大きくなることはありません。ですから、上限値が最大値(通常は自我+5)を下回った場合は、最大値を上限値と同じ値に設定し直す必要があります。


■ ノイズチェック ■

 精神汚染が起こるかどうか判断するための判定のことを、ノイズチェックと呼びます。チェックはその時点のブルーラインを基準として行われ、判定に失敗した時は他者の思念に感化される可能性があります。


▼ノイズダメージ
 ブルーラインに受けるダメージのことを、ノイズダメージと呼びます。ノイズチェックに失敗した場合は、ダメージの分だけブルーラインが下降します。チェックに成功した時は、基準となるノイズダメージの半分(端数は切り捨て)しか減少せずに済みます。


■ クリアチェック ■

 ノイズチェックに失敗した時などに行う回復判定のことで、その時点のブルーラインを判定の基準値とします。クリアチェックに成功すれば、その時の症状から回復することが出来ます。なお、クリアチェックに失敗してもラインが下降することはありません。


■ 異能力の覚醒 ■

 ノイズチェックでラインが下降した場合は、異能力の覚醒判定を行うことが出来ます。ただし、ノイズダメージを完全に封印してしまった場合には、判定に挑戦することは出来ません。


TOP↑

  

ノイズチェック

■ 判定 ■

▼条件
 精神汚染が行われるかどうかを判断するための判定のことを、ノイズチェックと呼びます。ノイズチェックを行う原因には幾つかの種類がありますが、全てノイズダメージを受ける可能性がある場合にのみ行われます。


▼判定方法
 ブルーラインの現在値を基準として1D20でチェックを行い、ダイス目がブルーライン以下であればチェックは成功となります。


■ ノイズダメージ ■

 ラインの下降を引き起こすような精神的影響の大きさは、ノイズダメージと呼ばれる数値で表現されます。


▼ラインの下降
 ノイズチェックに失敗した場合は、ノイズダメージの分だけラインが下がることになります。判定に成功した時は、基準となるノイズダメージの半分(端数は切り捨て)しか減少せずに済みます。
 
◇変動後のライン
 ブルーラインはチェックの結果によって変化する可能性がありますが、次にチェックを行う際には変動後の値を基準として判定を行わなければなりません。なお、ラインの下降分は、ゲームが終わった後に幾らか回復する可能性があります。

◇ブルーフィルター
 ラインが下降した時は、一時的に視界がノイズがかった青いフィルターに覆われたように見え、頭痛や吐き気に悩まされます。そして、しばらくの間は落ち着きを失ったり、精神錯乱のような状態に陥ることがあります。色彩はラインが下降するほど赤方向へとシフトしてゆき、最後には血のような赤へと変わってしまいます。


▼特殊な結果

◇決定的成功
 決定的成功が出た場合、ノイズダメージは通常の成功時より1点小さくなります。

◇致命的失敗
 致命的失敗が出た場合、ノイズダメージは通常の失敗時より1点大きくなります。


▼0ダメージ
 ノイズダメージの基準が0の場合でも、ノイズチェックに失敗すればわずかな影響を受けることもあります。また、致命的失敗が出れば1ダメージとなる可能性も残っていますので、キーパーが必要だと考えた場合は、0ダメージの時もチェックを行わせて構いません。


▼精神汚染
 ノイズチェックに失敗した時は、他者の思念に感化される可能性があります。ブルーラインが0になってしまった時は特に激しい汚染状態となり、接触した思念との同一化が始まります。これはその他の精神的影響の全てに優先して起こるものです。


■ 他者汚染(クロスロード) ■

 異能力によって他者の強い思念に接触した場合は、ノイズチェックを行う必要があります。また、汚染されつつある異能者は、周囲の者を同じような状態に引き込む可能性があります。


▼異能力による汚染
 他者汚染によるノイズチェックを行うのは、異能力によって誰かの思念に触れた場合か、精神への侵入が起こった場合となります。与えられるノイズダメージは判定のタイプによって異なります。
 
◇思念
 異能力によって強い思念に触れた場合は、直後にノイズチェックを行わなければなりません。

◇霊視
 霊視によってノイズチェックを行うのは、判定を行って死者の念に直接触れた時のみとなります。単に霊を目撃したり会話しただけでは、ノイズチェックを行う必要はありません。なお、思念の接触は異能者の側から行われるとは限らず、自分の気持ちを理解してもらうために、死者の側から働きかけることで行われる場合もあります。

◇能動的異能力
 フローラを傷つけるなど、精神にダメージを与えるタイプの異能力を用いた場合は、強制的に相手にノイズチェックを引き起こすことになります。

◇侵入
 異能力の発動判定で決定的成功が出た場合は、他者の精神への侵入が起こります。この場合は接触を起こした双方ともが、ノイズチェックを行わなければなりません。

◇ノイズダメージ
 異能力によって他者の思念と接触した場合は、相手の思念レベルがノイズダメージの基準ポイントとなります。
 通常の人間の思念レベルは、キーパーが任意に決定して下さい。殆どの状況では思念レベルは0となるので、よほどのことがなければラインの下降は起こりません。しかし、恨みを抱いて死んだ者などの思念レベルは通常より高い傾向にあり、接触するのは危険を伴います。また、サイコフローラを持つ人間の場合は、フローラレベルがノイズダメージとして扱われます。


▼非能力者の感染
 異能者の精神が汚染された場合、周囲にいた人間にもそれが感染する可能性があります。これは異能者がノイズチェックに失敗して、ブルーラインが下降した時にしか起こりませんので注意して下さい。
 
◇範囲
 どの程度の範囲まで感染が起こるかは、キーパーが自由に判断して構いません。

◇影響の源
 異能の力を持たない者が感染によって影響を受けた場合は、最も根本にある思念からの影響を受けることになります。異能者はあくまで思念を媒介するだけであり、異能者の思念が感染者に悪影響を与えるわけではありません。

◇ノイズダメージ
 この時のノイズダメージの基準ポイントは、異能者が実際に受けたダメージの半分(端数切り捨て)となります。複数の異能者が同時にダメージを受けた場合は、受けたノイズダメージが最も高いものを感染ダメージの基準として下さい。


■ 自己汚染(ハートブレイク) ■

 自己のフローラが傷つけられた場合には、ノイズチェックを行う必要があります。この判定は異能力を持つかどうかには関係なく、誰もが行わなければなりません。


▼モラルブレイク
 常軌を逸した犯罪や超常現象を目にするなど、自己の概念や倫理観を揺るがすような事態に遭遇した時に、ノイズチェックを行う必要があります。なお、〈霊視〉の異能力を持っている人間は、心霊現象などを見ても日常性が崩壊することはないので、ノイズチェックを行わなくても構いません。
 
◇ノイズダメージ
 ノイズダメージはモラルのフローラレベルが基準となります。なお、特別に理由がない限り、キャラクターのモラルはレベル1となります。


▼フローラブレイク
 フローラに対する思いが何らかの理由で傷つけられた場合、ノイズチェックを行わなければなりません。たとえば、信じていた理想が偽りではないかと強く疑ったり、憧憬を抱いていた相手に幻滅した時などが、これに当たります。
 
◇ノイズダメージ
 ノイズダメージは対象のフローラレベルが基準となります。


▼ロストフローラ
 対象の死亡などによってフローラを永久的に失ってしまった場合にも、ノイズチェックを行う必要があります。なお、失われたピュアフローラは、サイコフローラへと変化しない限りは、それまでと全く同じように扱うことが出来ます。

 
◇認識
 ロストフローラによるノイズチェックは、基本的に対象の喪失を直接認識した場合に限られます。しかし、間接的にそれを知った時に、プレイヤーが自発的にチェックを行っても構いません。

◇擬似的喪失
 異能力などによって精神に影響を受け、対象を喪失したと思いこんでしまった場合にも、ノイズチェックを行わなければなりません。

◇自発的喪失
 キーパーが許可すれば、自分の意思でフローラを捨てることも可能です。この行為をブレイクダウンといいますが、この場合もロストフローラと同様の効果が生じます。

◇ノイズダメージ
 ノイズダメージは対象となるフローラのレベルが基準となります。


■ ショックダメージ ■

 ノイズチェックに失敗した場合、それがPCの精神にどれだけの影響を与えるかを決定しなければなりません。その基準となる数値がショックダメージというもので、この値が大きくなるほど精神に大きな衝撃を受けたことになります。


▼ノイズチェックの結果
 ショックダメージはノイズチェックに失敗した場合のみ受けるものです。ノイズチェックに成功している時は、何らかの要因でラインが下降しても、ショックダメージを受けることはありません。


▼ダメージの決定
 ショックダメージは、その時に受けたノイズダメージの数だけD6を振って決定します。たとえば、ノイズダメージが2ポイントだった場合、ショックダメージは2D6で決定することになります。
 
◇0ダメージ
 ノイズダメージが0の場合は、ショックダメージも0として扱います。0ダメージは無影響とは区別されますので注意して下さい。


TOP↑

  

一時的汚染

■ 基本 ■

 ノイズチェックに失敗した場合、PCは接触した思念の影響を受けてします。一時的汚染は短い時間だけ効果をあらわす、比較的軽い汚染状態となります。


▼被害段階
 被害段階には動揺状態、恐慌状態、錯乱状態の3段階があり、後ろのものほど汚染の度合いが激しくなります。被害段階は1回の判定で受けるショックダメージの大小によって決まるもので、いきなり錯乱状態に陥る場合もあります。
 
◇条件と影響
 ショックダメージと被害段階の関係は、以下のようになります。
 

段階 状態

条件
動揺状態

 ショックダメージが【自我】以下だった場合

恐慌状態

 ショックダメージが【自我】の値を超えた場合

錯乱状態

 ショックダメージがブルーラインの最大値を超えた場合 


▼影響の重複
 既に一時的影響に置かれているPCが、さらにショックダメージを受けた場合は、最も重い症状を適用して下さい。


■ 基本症状 ■

 一時的汚染に陥ったキャラクターは、被害段階によらず以下のような共通の影響を受けることになります。


▼遭遇ラウンド
 ノイズチェックに失敗したラウンドは、移動や能動行動を試みることが出来なくなります。これはショックダメージが0の場合でも起こるので注意して下さい。


▼注意力
  一時的汚染の状態に陥っている間は、ショックを与えた対象に意識が集中したり、逆に対象から目を背けようとすることによって、周囲への注意力が薄れることになります。このため、死角での出来事には殆ど気付かないものとして、キーパーの判断で〈聞き耳〉や〈観察力〉といった判定を却下することが出来ます。


▼助力
 この間は状況を正確に把握するのが困難だったり、自分のことだけで精一杯となる可能性があるため、キーパーの判断で他人への助力を却下しても構いません。これには周囲に的確な指示を出したり、逃走時に他人の手を引くといった行動も含まれます。どのような助力までが認められるかは、状況や被害段階に応じて決定して下さい。


▼その他
 一時的汚染の影響下にある間は、普段は何気なく行っている事でも、手を滑らせるなどして失敗してしまう可能性があります。このためキーパーが必要と考えれば、車のキーを差し込んだり懐から素早く物を取り出すといった行動に対しても、能力判定を要求して構いません。


■ 段階別の症状 ■

 精神汚染を受けた場合は、被害段階に応じて以下のような症状があらわれます。


▼動揺状態(ビブラート)
 動揺状態に陥ったPCは判断力を失い、周囲の状況を正しく把握できなくなります。場合によっては、軽い目眩などを生じることもあるでしょう。この時にどのような態度を示すのかは、キーパーが個々の状況に合わせて描写して下さい。
 
◇行動制限:専門技能/特殊技能
 この間は細かな作業を行ったり、落ち着いて思索することは困難となります。このため、キーパーが特別に認めない限り、専門技能および特殊技能による判定は自動的に失敗したものとして扱われます。


▼恐慌状態(オーバードライブ)
 恐慌状態に置かれたPCは慌てふためき、正確な判断を行うことが出来なくなります。混乱のあまり状況に応じた単純な行動しか取れなくなり、意思疎通もままなりません。どのような態度を示すのかは、キーパーが個々の状況に合わせて描写して下さい。場合によっては悲鳴を上げ続けたり、目眩によって床にへたりこんだりすることもあるでしょう。
 
◇行動制限:専門技能/特殊技能、能動行動
 この状態に陥った場合は、キーパーが特別に認めない限り、専門技能および特殊技能による判定は自動的に失敗となります。また、自発的な判断を行うことが出来ないため、能動行動を試みることも出来ません。ただし、危険を逃れるための行動(回避、逃亡、潜伏など)を行うことは可能です。


▼錯乱状態(ディストーション)
 この間、プレイヤーはPCを自由に行動させることはできず、キーパーの指示に従わなければなりません。ただし、シナリオアクションだけはプレイヤーの意思で行うことが可能です。
 
◇自己汚染
 自己汚染によって錯乱状態に陥ったPCは、自身の行動を制御することが出来なくなってしまいます。フローラを殺害された場合などは、硬直したまま何も反応しなかったり、暴れて誰かを攻撃することもあるでしょう。

◇他者汚染
 他者汚染によって錯乱状態に陥ったPCは、影響を与えた根本の存在に侵食された状態となります。そして、接触した思念に操られて、汚染源と同じような行動を取ってしまいます。この間、PCは犯罪の手がかりとなる情報を、自身の行動の中に写し出すかもしれません。


■ 継続期間 ■

 一時的汚染が継続する期間は、被害段階とショックダメージの大小に応じて決まります。


▼継続期間
 0ダメージ以上のショックを受けた場合、遭遇ラウンド以降も症状が継続します。追加される継続時間は[ショックダメージ×被害段階]ラウンドです。
 
◇動揺状態
[ショックダメージ×1]ラウンド
 恐慌状態
[ショックダメージ×2]ラウンド
 錯乱状態
[ショックダメージ×3]ラウンド


▼自動的回復
 継続時間が完全に過ぎれば症状は自動的に回復し、次のラウンドからは自らの判断で行動できるようになります。
 
◇回復直後の反応
 アクションシーンでは、回復直後のラウンドにおける行動は、周辺状況の確認のために費やさなければなりません。

◇回復後の影響
 一時的汚染の影響から回復しても、しばらくの間は頭痛に悩まされたり、精神的に消耗したままである可能性があります。ただし、これはPCの行動の妨げになるような、大きな影響ではありません。


■ クリアチェック ■

 継続期間が過ぎる前に一時的症状を改善するためには、クリアチェックに成功する必要があります。


▼判定方法
 クリアチェックの基準値はその時点のブルーラインで、通常と同じように1D20で判定を行います。なお、この判定に失敗してもノイズダメージを受けることはありません。


▼判定間隔

◇規定ラウンド
 通常、クリアチェックは[被害段階×1]ラウンドが過ぎる毎に試みることが出来ます。つまり、動揺状態は1ラウンド、恐慌状態は2ラウンド、錯乱状態は3ラウンド毎に判定を行えることになります。
 最初にクリアチェックを試みるのは、汚染ラウンドから[被害段階×1]ラウンドが過ぎた後です。それで症状が回復しなかった場合は、次に同じ時間が過ぎた時点で判定を行います。

◇特殊な条件
 規定ラウンドの他にも、相手の攻撃や痛み、新たなる精神的ショック、仲間の叱咤など、外部から何らかの影響を受けた時に、キーパーの判断で判定を認めてあげて構いません。


▼処理のタイミング
 アクションシーンでは、準備パートでクリアチェックを行うことになります。通常シーンの場合は、キーパーが任意に判定の機会を与えて構いません。


▼回復の度合い
 ショックダメージによる一時的汚染は、クリアチェックに成功すれば改善されます。回復後は通常と全く同じように、自らの判断で行動できるようになります。ただし、致命的失敗を出した場合は、継続期間が終わるまでクリアチェックを試みることが出来なくなってしまいます。
 
◇回復直後の反応
 アクションシーンの場合、回復直後の行動は周辺状況の確認のために費やさなければなりません。


TOP↑

  

長期的汚染

 特に大きい精神的影響を受けた場合は、PCの精神が長期的に汚染されてしまうことになります。


■ 部分同化(ユニゾン) ■

 ブルーラインが0になるか、1度にブルーラインの上限値を超えるショックダメージを受けたキャラクターは、即座に部分同化の状態に陥ることになります。
 
◇種類
 部分同化には、自己汚染によって起こる自己同化と、他者汚染による他者同化の2種類があります。

◇ブルーラインの上限値
 部分同化の状態に1回陥る毎に、ブルーラインの上限値は1ポイント減少します。


▼基本症状

◇継続期間
 ブレイクスルーチェックに成功するか、精神科医などの治療によって回復するまで、この効果は延々と続くことになります。

◇NPC化
 この間、PCはプレイヤーのもとから離れ、NPCとしてキーパーの管轄下に置かれることになります。

◇瞬間的回復
 激しい痛みや精神的ショックなど、PCが外界から何か強い刺激を受けた場合は、キーパーの判断でクリアチェックを行わせても構いません。これに成功すれば数ラウンドだけ自分を取り戻し、周囲の状況を把握したり短い言葉を発することが出来ます。


▼他者同化(デュオ)
 他者の思念によって部分同化に陥ったPCは、最後にノイズダメージを与えた思念に支配されてしまい、それを表向きの人格として生きて行くことになります。この時の仮想的な人格のことをペルソナ(仮面)と呼びます。

 
◇意識
 この間、PC本来の意識はクラックと呼ばれる心の隙間に置かれることになり、外界との接触を殆ど断たれてしまいます。そして、同化状態が解除されるか完全同化の状態へと移行するまでは、異能力とフローラに触れる以外の方法では、外界とリンクすることが出来なくなります。
 なお、この間も周囲の状況を把握することは可能ですが、頭の中は霧がかかったようにぼんやりしており、よほどのショックがない限り反応することはありません。


▼自己同化(ソロ)
 自己汚染によってブルーラインが0になった場合、特殊な同化状態へと陥ります。これは錯乱状態にある心や、虚無に支配されている自己の精神による汚染であり、自己同化と呼ばれます。
 
◇症状
 この時に汚染を行うのは、虚無や孤独、あるいは錯乱する自己の心であり、それらマイナスの感情に支配されたままの状態へと陥ってしまいます。具体的な反応については、キーパーとプレイヤーが相談して決定して下さい。


■ ブレイクスルー ■

 部分同化の状態にある者は、何らかの精神的な刺激を受けた時に、ブレイクスルーと呼ばれる解除判定に挑戦することが出来ます。この判定に成功すれば、同化状態から解き放たれることになります。


▼条件
 ノイズチェックを行わなければならないような事態や、自己のフローラに関係する大きな出来事(喪失など)に遭遇した場合に限り、対象はブレイクスルーチェックに挑戦することが出来ます。判定を試みるかどうかはプレイヤーの判断に委ねられるもので、影響を受けた時に強制的に行われる判定ではありません。


▼チェック方法
 ブレイクスルーチェックはブルーラインの最大値を基準に行います。
 
◇修正値
 この判定にはマイナス修正が加えられます。修正値の基準となるのは、接触した思念レベル、受けたノイズダメージ、行使された異能力のレベル、関与したフローラのレベル、といった数値です。複数の影響を受けた場合は、このうちから最も高い値のものを選んで、マイナス修正として扱って下さい。


▼同化対象の記憶
 他者同化の状態が解除された場合、PCは一時的に相手と同化していたことで、同化対象についての詳しい情報を得られる可能性があります。情報の程度については、キーパーが任意に決定して下さい。


■ 完全同化(バースト) ■

 部分同化からのブレイクスルーに失敗した場合、完全同化と呼ばれる同化状態へと移行します。この症状に陥ることをバーストすると表現します。


▼サイコフローラ
 バーストしたキャラクターは、即座にサイコフローラと呼ばれる悪意に汚染された存在になってしまいます。


▼意識
 完全同化を果たしたキャラクターの意識は、汚染の源となった思念や自己の歪んだ想念との融合を果たしてしまいます。この時に生まれた人格は悪意や憎しみといった感情に支配されており、犯罪やその他の問題を引き起こす可能性が非常に高くなります。


▼幻視
 バースト時にはそれまでのフローラが真紅に染まり、はらはらと花弁が散ってゆく幻影が見えます。そして新たに、サイコフローラの種類に応じた色の薔薇が花開く映像が脳裏に浮かびます。


▼フローラの選択
 キーパーは1種類の対象を選択して、それをPCのサイコフローラとして設定することが出来ます。この時に選ぶことが出来る対象は、PCが保持しているフローラか、接触した思念(ブレイクスルーの引き金、もしくは同化対象)の持ち主のフローラとなります。
 
◇内容の設定
 サイコフローラのレベルや内容は、すでに設定してあるものが維持されます。他者のフローラを自己のものとして取り込む場合でも、相手が保持していた時のレベルと内容をそのまま複写することになります。詳しくはフローラのページをご覧下さい。

◇シードへの変換
 PCの保持するフローラのうち、サイコフローラとして選択されなかったものは、全てスリーピングシードとしてクラックに保管されることになります。


▼精神影響

◇ブルーライン
 サイコフローラの状態に陥った場合は、最後にダメージを受けた時点の数値でラインが固定されてしまいます。

◇ノイズチェック
 サイコフローラの持ち主は、ノイズダメージを受けるような事態に遭遇しても、ノイズチェックを行う必要はありません。彼らはノイズダメージによってラインが下降することはありませんし、一時的汚染も起こらなくなります。

◇衝動
 サイコフローラの持ち主は、周囲から何か精神的な刺激を受けた時に、簡単に精神状態が不安定になってしまいます。ただし、クリアチェックに成功すれば、一時的に衝動や悪意を抑え込むことが出来ます。なお、この時の影響が自らのフローラに関与するものである場合は、フローラレベルをマイナス修正としてクリアチェックを行う必要があります。

◇解除
 サイコフローラとなったキャラクターは、心理学的な治療に成功しなければ、完全同化の状態を解除することが出来なくなります。


■ ゼロフローラ ■

 ブレイクスルー判定で致命的失敗を出した場合、PCのフローラはゼロフローラと呼ばれる状態へと変化します。ゼロフローラは非常に特殊なサイコフローラであり、大事なものを全く持たない人間となってしまいます。


▼幻視
 バースト時にはそれまでのフローラが真紅に染まり、はらはらと花弁が散ってゆく幻影が見えます。そして新たに氷の薔薇が花開く映像が脳裏に浮かびます。


▼フローラ
 この状態に陥ってしまった時は、ゼロフローラという新たなフローラを獲得することになります。そして、それまで保持していたフローラやシードは、アイスシードと呼ばれる種として保管されます。


▼精神影響

◇ブルーライン
 ゼロフローラになった者は、その時点の値にかかわらずブルーラインは0で固定されてしまいます。

◇影響
 この状態に陥ってしまった者は、心理学的な治療以外の要因で精神に影響を受けることはなくなります。ノイズダメージを受けるような事態に遭遇しても、ノイズチェックを行う必要はありません。


TOP↑

  

封印

■ 基本 ■

 ノイズチェックによるダメージを封印することで、精神汚染を一時的に防ぐことが出来ます。


▼選択ルール
 封印は選択ルールとなりますので、使用するかどうかはキーパーの判断に任されます。単発のセッションでは封印することで緊迫感がなくなると感じる場合もありますし、連続したキャンペーンシナリオやノイズチェックが頻繁に出現するセッションでは封印ルールが役に立つ可能性が高くなります。キーパーはどのようなシナリオになるのかを想定して、このルールを導入するかどうかを決めるとよいでしょう。


▼封印のタイミング
 封印はプレイヤーの判断で自由に行うことが出来ますが、封印するかどうかの選択はダメージを受けた直後にしなければなりません。既にショックダメージを決定してしまった場合は、封印を行うことは出来なくなります。


▼認識判定
 封印を行う場合は、【知力】を基準とした認識判定に失敗しなければなりません。この判定に成功してしまった場合には、汚染源となる思念を正しく認識できたことになり、ダメージを封印することは出来なくなります。


▼ペインシード
 封印対象(思念)とその時に受けたダメージはペインシードとなり、クラックと呼ばれる心の隙間に保存されることになります。ペインシードはサイコフローラに分類される種で、場合によってはフローラとして花開く可能性もあります。
 
◇種類
 同じ種類のダメージは1つのシードとして保存されることになり、封印を繰り返せばダメージも累積してゆきます。

◇記録
 ペインシードは内容と封印ダメージ、そして維持手段の3つの要素を持ちます。封印を行った時点で、これらをシートに記入しておいて下さい。内容の部分は、相手から得た思念情報を記録することになります。


■ 封印ダメージ ■

 封印に成功した場合は、本来は受けるはずだったノイズダメージを、封印ダメージとして保持しておくことが可能となります。


▼封印ダメージの決定
 プレイヤーは1つの影響によって受けたノイズダメージのうちから、任意の数値を選択して封印ダメージとして保持することが出来ます。たとえば、全部で3ポイントのダメージを受けた場合には、1〜3ポイントのうちから自由に封印するダメージを決めて構いません。ダメージを全て封印しなかった場合は、余った分だけ通常と同じようにブルーラインが下降し、精神に何らかの影響を被ることになります。


▼ダメージの累積
 同じ思念について封印を行う場合は、ダメージは封印を行う度に累積してゆきます。違う影響によって受けたダメージは、異なる内容のシードに封印しなければなりません。この点については注意して下さい。


▼封印ダメージの上限
 全ての封印ダメージの合計は、ブルーラインの最大値(自我+5)以下でなければなりません。合計ダメージがこれを超えた場合は、自動的に全種類の封印が解けることになり、即座に部分同化の状態へと陥ってしまいます。
 
◇同化対象
 同化する思念は、その時に最大のノイズダメージを与えたものとなります。同じ値のものが複数ある場合は、キーパーが指定したものを適用して下さい。


▼動揺
 1度に受けたダメージを全て封印した場合でも、ノイズチェックに失敗していればショックダメージを受けます。ただし、この場合は0ダメージとして扱われるので、影響を受けるのは思念に接触したラウンドの間だけとなります。


▼治療
 封印されたままのノイズダメージは、そのままの状態では心理学的な治療による回復は一切できません。治療を行うには一時的に封印を解く必要があります。


■ 封印の維持 ■

 封印後に何も処置を施していない場合、封印はやがて解除されることになります。封印が解けないようにするためには、特定の維持手段を継続的に施さなければなりません。


▼維持手段の選択
 封印を維持する手段には以下のような種類があります。手段の選択はキーパーに一任されます。認めたくない種類の封印手段は採用しなくて構いません。

 
◇種類
 薬物、他者依存、物品依存、行動依存、忌避、情報遮断...etc.


▼依存の度合い
 封印を行った場合は、維持手段に依存して過ごさなければなりません。依存の程度については、キーパーが任意に判断して決定して下さい。基本的には、ゲームの進行が妨げられるほど強い依存状態をつくるべきではありません。あくまでもゲーム上のアクセントとして、あるいは判断時におけるジレンマとなるような使い方をするべきでしょう。


▼例外的手段
 気絶や記憶喪失といった情報遮断によってダメージを封印する場合は、汚染を受けた瞬間に意識がとんでしまいます。具体的にどのような状態に陥るかは、キーパーが自由に決めることが出来ます。
 
◇継続期間
 どの程度のあいだ動けないままでいるかは、一時的症状の継続期間を参考にするとよいでしょう。この場合は、その時に受けたノイズダメージを基準に仮のショックダメージを求めて、継続期間を算出して下さい。


▼注意点
 これらの決定に時間をかけてゲームのテンポが悪くなるようでしたら、その場で維持手段や依存状態について詳しく設定する必要はありません。その場はゲームの進行を優先し、シーンの変わり目やシナリオ終了後などに、ゆっくり相談して決めればよいでしょう。


■ 維持手段 ■

 封印の維持手段には以下のような種類があります。また、状況に合わせて、これらとは別の手段を設定しても構いません。


◇薬物
 酒や麻薬に依存することで、一時的に影響を回避することができます。しかし、いずれ薬物中毒になって、医者の世話になることでしょう。

◇他者依存
 他人から慰められたり肌を交えるなど、他者に依存しなければ強い不安に襲われることになります。1人でいる時間が長くなると、解除判定を行わなければならなくなります。

◇物品依存
 人形を抱えたり特定の匂いを感じていなければならないなど、何らかの物品に依存しなければ精神を安定させることが出来ません。

◇行動依存
 特定の行動を繰り返したり潔癖性になるなど、何らかの事柄を達成することに神経を傾けます。それが達成できない状態に置かれた場合、解除判定を行わなければならなくなります。

◇忌避
 封印対象を思い起こさせるような物品や状況を徹底的に嫌い、排除するようになります。忌避している対象と接触したり、長くその状態に置かれた場合には解除判定を行わなくてはなりません。

◇情報遮断
 気絶や感覚遮断によって情報の受け取りを拒絶し、汚染源となる思念の認識時間を最小限にすることで心を守ります。この場合は一時的な記憶喪失となり、対象となる思念を意識的に思い出すことは不可能となります。しかし、これは自己作用による外界の遮断なので、何か記憶を蘇らせるような事実に出会ったり、心理学的治療を受けた時に記憶が蘇る可能性があります。


■ 干渉 ■

 維持手段から長いあいだ離れていても、すぐに封印が解けてしまうとは限りません。多くの場合は、少しずつPCの精神にその徴候があらわれるようになります。


▼幻視
 維持手段から離れてしばらく経つと、悪夢や幻覚に悩まされるようになります。これらはぼんやりとしたものから、徐々に明確なイメージへと姿を変えてゆきます。


▼自我を超える封印ダメージ
 【自我】の値を上回るダメージを封じている封印対象は、封印が維持できていてもPCの精神に何らかの悪影響を与える可能性があります。


■ 封印の解除 ■

▼解除の引き金
 維持手段に依存できなくなったり、封印している思念と同一人物の意識や、それとよく似た悪意などと接触した場合などに、キーパーの判断で解除判定を行わせることが出来ます。


▼解除判定
 判定は【知力】の値を基準として行われます。この判定に失敗すれば封印は保たれたままとなりますが、成功した時は即座に封印が解けてしまうことになります。


▼ノイズチェック

◇判定方法
 封印が解除された時は、即座にノイズチェックを行わなければなりません。この時は判定に成功してもノイズダメージの基準値は変わらず、封印ダメージの分だけラインが下降することになります。
 判定のやり方や結果の適用については通常の場合と全く同じです。ノイズチェックに成功していればショックダメージを受けずに済みますし、決定的成功/致命的失敗が出た場合は、受けるノイズダメージが1点ずつ減少/上昇します。

◇フラッシュバック
 封印した思念と同様の刺激を受けた場合は、解除判定の後にノイズチェックを行う必要があります。封印が解除された時は、基準値に封印ダメージを加えた値がノイズダメージとなります。たとえば、元々のノイズダメージが2で、解除された封印ダメージが2だった場合は、ダメージの基準が合計値の4となるわけです。ショックダメージも合計値に従って決定して下さい。


▼再封印
 封印の解除によって受けるノイズダメージを再封印することは出来ません。また、フラッシュバックが起こった時は封印ダメージのみならず、その引き金となったノイズダメージも封印することが不可能となります。


▼発芽判定
 解除判定に成功した際に宣言すれば、ペインシードの発芽を試みることが出来ます。発芽に成功すれば、ペインシードに蓄えられたノイズダメージを、ラインを下降させることなく消し去ることが可能となります。詳しくはフローラのページをご覧下さい。


▼維持手段の変更
 記憶を取り戻すなどして、特定の維持手段によって封印を維持することが出来なくなる場合があります。この時、解除判定に失敗していれば、維持手段を他のものに変更できることにしてもよいでしょう。


TOP↑

基本ノイズチェック一時的汚染長期的汚染封印

 

NoisyBlue-Rule