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シードの獲得・ミラージュ・ノーマルフローラの変化・サイコフローラの発芽 |
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人間は誰しも特別に大事にしている存在を持っています。それは特定の人間かもしれませんし、かけがえのない思い出かもしれません。このような対象のことをフローラ(花)と呼び、その人物の精神の根本を形作る存在となります。それゆえに、精神に強い刺激を受けた時は、フローラへの想いにも何らかの影響を受ける可能性があります。
■ 系統 ■ |
フローラはノーマルフローラとサイコフローラの2系統に大きく分けることが出来ます。PCが選択できるのはノーマルフローラに限られ、サイコフローラの持ち主は自動的にNPCとして扱われます。
■ フローラ ■ |
▼内容
フローラとなりうるのは、特定の人間、物品、記憶(出来事、状況など)、目標(理想、主義、誓い、美学など)、倫理観といったものです。
▼フローラレベル
フローラに対する思い入れの程度は、フローラレベルという数値で設定されます。フローラレベルは0〜+3までの範囲の値を取り、数値が高いほど対象への思い入れが強いということになります。
◇決定
フローラレベルは1D6で決定されます。ダイス目が1〜3であれば+1、4〜5は+2、6は+3となります。なお、キーパーが認めるのであれば、キャラクターの作成時に限り、+1〜+3の範囲でプレイヤーが自由に設定して構いません。
◇レベルと認識
レベルに応じた対象への思いや認識は、以下のようになります。0レベルというのは、対象への思い入れがないというわけではありません。まったく興味がないものは、レベルが存在しないものとして扱われます。
レベル | 認識 |
---|---|
0 |
普段は意識しないが重要な存在 |
+1 |
特別に重要なもの/譲れない大事なもの |
+2 |
とても愛おしい相手/決して欠かせない存在 |
+3 |
他とは比較できない存在/至上のもの |
■ シード ■ |
フローラほど精神の根本に関わる存在ではありませんが、後にフローラとなりうる存在のことをシード(種)と呼びます。これらは、普段はクラックと呼ばれる心の隙間(無意識の領域)に隠れています。
▼レベル
フローラレベルが0のものはシードとして扱われます。
▼変化
発芽判定に成功すれば、シードはフローラとして扱われるようになります。逆に、バーストなどの影響によって、フローラからシードに戻ってしまう可能性もあります。
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正常な精神状態のキャラクターが持つフローラは、ノーマルフローラとして表現されます。
■ ピュアフローラ ■ |
フローラに対して正常な想いを抱いている場合は、ピュアフローラとして表現されます。たとえば、愛する人、大事な思い出、理想とする生き方といったものが、ピュアフローラとして設定される内容になります
▼ブルーローズ
ピュアフローラを持つ健全な心の持ち主を異能の力で見た場合は、青い薔薇が見えるといいます。しかし、ブルーラインが下降してゆくと、少しずつ赤い薔薇へと姿を変えてゆくようです。
▼設定
◇基本設定
すべてのキャラクターには、モラルというフローラが自動的に設定されます。これは倫理観や道徳観念などのことであり、詳細はそのキャラクターが育った環境に応じて異なります。モラルのフローラレベルは、特別な理由がない限りは1レベルとなります。
◇追加設定
モラル以外のフローラも、自由に設定することが可能です。ただし、キャラクターの作成が終わった後に新たなフローラを獲得したい場合は、まずはスリーピングシードを獲得して、それをフローラとして発芽させる必要があります。獲得方法についての詳しい説明は、後述のシードの獲得という項目をご覧下さい。
■ スリーピングシード ■ |
後にピュアフローラとなる可能性があるシードのことを、スリーピングシードと呼びます。
▼ブルーシード
スリーピングシードを異能の力で見た場合は、青い色をした種に見えるといいます。
▼発芽
スリーピングシードは、後にピュアフローラとして花開く可能性があります。ただし、このためには発芽判定に成功しなければなりません。詳しい判定方法については、後述のノーマルフローラの変化の項目をご覧下さい。
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■ 基本 ■ |
精神的影響を受けてフローラに対する想いが歪んでしまった状態、およびその者が唯一大事にする存在のことを、サイコフローラといいます。
▼分類
PCはキャラクター作成時にサイコフローラを選択することは出来ません。また、サイコフローラとなってしまったPCは、NPCとしてキーパーに接収されてしまうことになります。
▼種類
サイコフローラには、マイナスフローラ、セイクリッドフローラ、ロイヤルフローラ、ギルティフローラ、ボイドフローラ、ゼロフローラの6種類が存在します。このうちゼロフローラは、ブレイクスルーチェック(部分同化の解除判定)の結果によって自動的に決まる、非常に特殊な状態となりますので注意して下さい。
■ 設定 ■ |
▼バースト
部分同化の解除に失敗して完全同化に陥った場合、そのキャラクターはサイコフローラの状態へと変化してしまうことになります。
▼サイコフローラの設定
キーパーは1種類の対象を選択して、それをPCのサイコフローラとして設定することが出来ます。この時に選ぶことが出来る対象は、PCが保持しているフローラか、もしくは接触した思念(ブレイクスルーの引き金、もしくは同化状態の原因)の持ち主のフローラとなります。
レベルや内容は、すでに設定してあるものが維持されます。他者のフローラを自己のものとして取り込む場合でも、相手が保持していた時のレベルと内容をそのまま複写することになります。
▼種類
サイコフローラの種類はキーパーが任意に決定して構いませんが、最後に接触した思念がサイコフローラの持ち主であった場合、だいたいは接触対象と同じものへと変化します。ただし、ゼロフローラだけは自由に選ぶことは出来ません。
▼意識
完全同化を果たしたキャラクターの意識は、汚染の源となった思念との融合を果たしてしまいます。この時に生まれた人格は悪意など歪んだ感情に支配されてしまっており、犯罪やその他の問題を引き起こす可能性が非常に高くなります。
▼既存のフローラ
PCの保持するフローラのうち、サイコフローラとして選択されなかったものは、全てスリーピングシードとしてクラックに保持されることになります。
このようにして種へと萎縮してしまったフローラは、サイコフローラの状態が解除されれば元のレベルに戻ります。ですから、それまでのレベルも内容として記録しておいて下さい。
▼ゼロフローラ
ブレイクスルーチェックで致命的失敗を出してしまった場合は、ゼロフローラと呼ばれる特殊なサイコフローラへと変化します。
■ 能動的異能力 ■ |
サイコフローラの持ち主は、能動的異能力を身につける可能性があります。
▼獲得
能動的異能力を獲得するかどうかは、サイコフローラとなった直後に選択しなければなりません。獲得する場合は、初期状態で受動的異能力を得る時と全く同じチェックを行って下さい。ただし、もともと〈霊視〉の異能力を持っている場合は、すぐに1レベルのチェックから行うことが出来ます。
▼特殊異能力
能動的異能力の一種ですが、特定の種類のサイコフローラに対応したものです。これらは指定された種類のサイコフローラの持ち主しか獲得できないので注意して下さい。
■ 精神影響 ■ |
▼サイコフローラ
ゼロフローラを除いたサイコフローラの持ち主は、精神的な影響に対して以下のような反応を示します。
◇ブルーライン
サイコフローラの状態に陥った場合は、最後にダメージを受けた時点の数値でラインが固定されてしまいます。
◇ノイズチェック
サイコフローラの持ち主は、ノイズダメージを受けるような事態に遭遇しても、ノイズチェックを行う必要はありません。彼らはノイズダメージによってラインが下降することはありませんし、一時的汚染も起こらなくなります。
◇衝動
サイコフローラの持ち主は、周囲から何か精神的な刺激を受けた時に、簡単に精神状態が不安定になってしまいます。ただし、クリアチェックに成功すれば、一時的に衝動や悪意を抑え込むことが出来ます。なお、この時の影響が自らのフローラに関与するものである場合は、フローラレベルをマイナス修正としてクリアチェックを行う必要があります。
▼ゼロフローラ
ゼロフローラの状態に陥った者は、精神が完全に凍結されてしまうために、殆どの精神影響を受け付けなくなります。
◇ブルーライン
ゼロフローラになった場合、その時点の値にかかわらずブルーラインは0で固定されてしまいます。
◇影響
彼らは心理学的な治療以外の要因で精神に影響を受けることがなくなります。ノイズダメージを受けるような事態に遭遇しても、ノイズチェックを行う必要はありません。
▼解除
サイコフローラとなったキャラクターは、心理学的な治療に成功しなければ、完全同化の状態を解除することが出来なくなります。
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■ 基本 ■ |
▼種類
サイコフローラには、マイナスフローラ、セイクリッドフローラ、ロイヤルフローラ、ギルティフローラ、ボイドフローラ、ゼロフローラの6種類が存在します。
▼シード
サイコフローラに含まれるシードも存在します。これにはマリスシード、ペインシード、アイスシードの3種類があります。
■ マイナスフローラ ■ |
フローラに対して歪んだ愛情を持つようになった人間を、マイナスフローラの持ち主、あるいはマイナスフローラと呼びます。
▼クリムゾンローズ
マイナスフローラの持ち主を異能力で見ると、炎に包まれた真紅の薔薇が見えるといいます。
▼感情の逆転
バーストが起こった時は、真っ赤に染まったフローラが弾け散る映像が見えます。そして、フローラに対する感情の逆転が起こり、フローラ自体やフローラに関係するもの、あるいは連想されるものに対して、激しい憎しみと同時に歪んだ愛情を抱くことになります。
▼悪意
マイナスフローラの持ち主は、将来的に犯罪に手を出す可能性が高くなります。彼らの犯行の動機はフローラに対する歪んだ愛であり、標的はフローラそのものや、それから連想されるものなどになります。そして、異常とも思えるような残忍な手口や、常軌を逸した手法で犯行を遂げます。
彼らは対象そのものを傷つけるとは限らず、それを手に入れるために犯罪的手段を行使する場合もあります。この場合、邪魔をする者は間違いなく彼らの標的となるでしょう。
■ セイクリッドフローラ ■ |
フローラを神聖化してしまった場合には、セイクリッドフローラと呼ばれる状態になります。セイクリッドフローラは自らが理想像として描いた姿であり、対象の実体とは無関係に内容が設定されることになります。
▼ホワイトローズ
セイクリッドフローラの持ち主を異能の力で見れば、純白の薔薇が見えるといいます。
▼状態
セイクリッドフローラの持ち主は、フローラを汚されることを許すことが出来ません。ただし、これはフローラに抱くイメージによって反応が異なります。たとえば、フローラの実体が理想化した姿と違った場合は、無理やり自分の理想の姿にしようとするかもしれませんし、相手が年老いてゆくことに我慢できずに、殺して変化を止めてしまうなどの可能性もあります。
■ ロイヤルフローラ■ |
存在しない理想のことをロイヤルフローラと呼びます。ロイヤルフローラの持ち主は、実体のない理想を求め欲している状態にあります。しかし、その理想は常識で考えれば実現不可能なもので、ロイヤルフローラの棘は周囲のみならず自らをも傷つけ、やがて破滅へと導こうとします。
▼パープルローズ/バイオレットローズ
ロイヤルフローラの持ち主を異能の力で見た場合、紫色の薔薇が見えるといいます。
▼内容
ロイヤルフローラは現実には存在しない幻像で、特別な理想を求める心が創りあげるものです。彼らの中には天使やムーの末裔など、ほとんど妄想に近い存在を理想としている者も多くいます。また、理想実現のためにテロ活動を行ったり、宗教を興したりする場合もあるようです。彼らは理想を実現するために邪魔する者を排除したり、自らに過酷な試練を与えたりすることで、社会から少しずつ離反してゆくことになります。
■ ギルティフローラ ■ |
罪の意識が心を支配し、自らを締め付けている状態です。彼らは罪の意識ゆえに人を近づけることなく生活し、特別な存在を持とうとはしません。そのため、近寄ってくる者を肉体的に傷つけることはしないのですが、精神的に傷つけるなどして他人を遠ざける可能性があります。
▼グレイローズ
ギルティフローラの持ち主を異能の力で見れば、灰色の薔薇に見えるのだといいます。
▼内容
ギルティフローラはかつて犯した罪や悔恨の念であり、持ち主の心をきつく縛り上げています。表向きはゼロフローラと似たように思われるのですが、実際は全く逆の存在であり、罪の意識のあまり自らを傷つけてしまう可能性の高いものです。
なお、ギルティフローラの持ち主は、自身と同じ罪を犯したものを許せなく思う傾向が高く、その想いに従って誰かを傷つける可能性があります。
■ ボイドフローラ ■ |
ボイドフローラの心は空虚で、孤独や絶望といった感情に支配されている状態です。彼らは破滅的思考の持ち主で、危険なことを平気でしたり、周囲の全てを道連れにしようと考えたりします。
▼ダークローズ
ボイドフローラの状態にある者を異能の力で見れば、漆黒の薔薇に見えるのだといいます。
▼内容
彼らの望みは特定の存在ではなく、全ての者の破滅となります。しかし、彼らが何かを憎んでいるとは限らず、破滅そのものが喜びである場合もあります。
■ ゼロフローラ ■ |
大事なものを全く持たない人間もまれに存在します。このような状態にある人間をゼロフローラといいます。
▼原因
ゼロフローラは、部分同化を解除するために行うブレイクスルーチェックで、致命的失敗を出した時のみ生まれる特異な存在です。その他の要因によってサイコフローラとなった場合、ゼロフローラを選択することは出来ませんので注意して下さい。
▼アイスローズ
ゼロフローラの状態にある人間を異能の力で見れば、氷の薔薇として認識されます。
▼ブルーライン
ゼロフローラの持ち主はブルーラインが0に固定されてしまいます。
▼精神
ゼロフローラの持ち主は周囲の者の心がわかりません。彼らにとって禁忌は禁忌でなく、場合によっては犯罪さえ簡単に犯してしまう可能性があります。
◇汚染
ゼロフローラの持ち主の思念は他のフローラ状態とは異なり、サイコフローラでありながら、いかなる汚染も引き起こさないという特徴があります。
◇衝動
彼らは衝動や悪意に惑わされることはないので、そのような要因でクリアチェックを行う必要はありません。
◇封印チェック
ゼロフローラの持ち主は大事なものを持たないため、異能力に封印が施されていた場合でも、ゼロフローラになた時点で即座に解かれてしまいます。
◇フローラ
ゼロフローラの状態が解除されるまでは、新たなシードやフローラを持つことは出来ません。また、保持しているアイスシードは、ゼロフローラの状態では発芽することはありません。
■ シード ■ |
サイコフローラに含まれるシードには、マリスシード、ペインシード、アイスシードの3種類が存在します。このうち、マリスシードとペインシードは、正常な意識の持ち主でも獲得する可能性があります。
▼種類
◇マリスシード
悪意などの歪んだ感情に汚染された種のことをマリスシードと呼びます。異能の力でこれを見た場合は、赤い色をした種に見えるといいます。
◇ペインシード
ペインシードはノイズダメージを封印することで獲得するものです。ですから、シードの内容として保持されるているのは、他者の強い思念や自らの心の傷といったものになります。異能の力でこれを見た場合は、赤褐色のひび割れた種に見えるといいます。
◇アイスシード
ゼロフローラの持ち主は、いかなる存在に対する想いも凍結されることになります。そして、これまで獲得したフローラやシードは、全てアイスシードとして保管しなければならなくなります。異能の力でこれを見た場合は、元のフローラやシードに応じた色の、凍りついた種に見えるといいます。
▼発芽
マリスシードおよびペインシードは、後にサイコフローラとして花開く可能性があります。ただし、このためには発芽判定に成功しなければなりません。詳しい判定方法については、後述のサイコフローラの変化の項目をご覧下さい。
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シナリオの途中でシードを獲得する場合は、以下のような処理を行って下さい。
▼種類
◇ノーマルフローラ
ノーマルフローラに含まれるシードは、スリーピングシードの1種類です。
◇サイコフローラ
サイコフローラに含まれるシードには、マリスシード、ペインシード、アイスシードの3種類があります。このうちマリスシードとペインシードは、正常なキャラクターも獲得する可能性があります。
■ スリーピングシードの獲得 ■ |
ノーマルフローラに含まれるシード(種)は、スリーピングシードとなります。
▼キャラクター作成時
キャラクター作成の時点では、好きな内容のシードを自由に設定することが出来ます。
▼萎縮
過去にフローラが萎縮した種も、スリーピングシードとして保持されています。
▼新規の獲得
新たな内容のスリーピングシードを獲得したい場合、【直感】の値を基準とした獲得判定を行って下さい。この判定はキーパーが許可すれば、いつでも自由に試みることが出来ます。判定に成功した場合は、指定した内容のスリーピングシードを獲得できたことになります。
■ マリスシードの獲得 ■ |
マリスシードは悪意などの歪んだ感情で汚染されているシードで、サイコフローラとして花開く可能性があります。
▼スリーピングシードの変化
スリーピングシードが汚染されることによって、マリスシードへと変化を遂げる場合があります。
◇汚染
ノイズチェックに失敗して精神汚染が起こった場合、スリーピングシードがマリスシードへと変化する可能性があります。段階が上の症状ほど汚染が起こりやすくなり、同化状態に置かれている間は常に汚染を受ける可能性があります。
◇感染
保持しているマリスシードは、スリーピングシードに悪意を感染させる場合があります。
▼マリスシードの植種
他者の意識と接触することによって、マリスシードを獲得してしまう場合があります。
◇同化
サイコフローラの持ち主と同化状態に陥った場合、相手の悪意がマリスシードとして精神に残される場合があります。
◇異能力
能動的異能力によって、マリスシードが植えつけられてしまう場合があります。
▼抑制判定
マリスシードを獲得したくない場合は、【自我】を基準とした抑制判定に挑戦することが出来ます。この判定に成功すれば、意思の力でシードの汚染や植種を防いだことになります。ただし、能動的異能力による植種だけは、抑制判定ではなく精神抵抗で防御しなければなりません。
■ ペインシードの獲得 ■ |
ペインシードはノイズダメージを封印することで獲得するものです。封印を行う場合は、【知力】を基準とした認識判定に失敗しなければなりません。
■ アイスシードの獲得 ■ |
アイスシードは、ゼロフローラという特殊なサイコフローラになることで獲得するものです。ゼロフローラの状態に陥った場合、それまで保持していたフローラやシードが全て凍結され、アイスシードとして保管されることになります。
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▼幻像効果(ミラージュ)
何らかの内容を持つシードは、持ち主に幻像を見せる可能性があります。
◇幻像
これはあくまでも心の中にあるものですから、他人に見えたりするものではありません。なお、幻像といっても想像や記憶にある通りに動きますし、相手が人間であれば会話をしたり触ったりすることも出来ます。
◇特殊シーン
幻像との遭遇場面は特殊シーンとして処理して下さい。特殊シーンでの時間の流れは現実のものとは一致せず、長いあいだ幻像を見続けても現実には一瞬でしかない場合もあります。
▼影響
幻像はPCを助ける場合もありますが、逆に闇の側へと引き込んでしまう可能性もあります。どのように作用するかはキーパーが決定して下さい。
◇スリーピングシード
幻像によって対象への愛情を深めたり、自らの信念を確認するといった効果を得ることになるでしょう。また、他のシードによる影響を受けた時に、持ち主を助けてくれる可能性もあります。
◇マリスシード
他者の悪意が持ち主を誘惑したり、自らの歪んだ感情による問いかけに苦しめられることになります。また、マリスシードに接触された種が汚染されそうになった場合に、悪意によって種が穢されてゆく幻像を見たりします。
◇ペインシード
【自我】の値を上回るダメージを封じている封印対象は、封印が維持できていてもPCの精神に何らかの悪影響を与える可能性があります。この場合は悪夢を見るなど、PCの記憶に残らないような状況で、負の影響を与えることになります。
◇アイスシード
アイスシード(ゼロフローラ)は完全に凍結されているため、持ち主に何の影響も与えることはありません。
▼誘導
キーパーは任意の時に、シードに込められている記憶や想いに関係する幻像を見せ、PCを誘導することが出来ます。
◇抵抗
PCはクリアチェックに成功しなければ、幻像に導かれるままに行動してしまいます。判定に成功すれば惑わされることなく、すぐに目を覚ますことが出来ます。
◇再抵抗
1度クリアチェックに失敗しても、PCの精神もしくは肉体に何らかの刺激が与えられる度に、抵抗を試みることが出来ます。これはそれほど強い影響である必要はなく、肩を叩かれたり名前を呼ばれる程度でも問題ありません。
▼発芽
幻像効果によって発芽判定が誘発される場合があります。この場合は、キーパーの指示に従ってチェックを行って下さい。
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シナリオの途中でフローラを獲得したり、フローラレベルを変動させる場合は、以下のような処理を行って下さい。なお、以下の処理はノーマルフローラに関するものであり、サイコフローラには適用されません。
■ シードの発芽 ■ |
スリーピングシードとして保存されている想いは、後にピュアフローラへと花を開かせる可能性があります。このことを発芽といいますが、これを行うためには発芽判定に成功しなければなりません。
▼発芽のタイミング
発芽判定はプレイヤーが宣言した時点で挑戦することが可能となります。これはキーパーが許可すれば、どのタイミングで行っても構いません。
▼発芽判定
発芽判定の基準となるのは【直感】の値です。このチェックに成功した場合、シードはフローラとして花を開かせます。
▼設定
◇フローラの種類
発芽したシードは、ピュアフローラとして扱われることになります。
◇レベル
スリーピングシードが発芽した場合、フローラレベルは1D6で決定されます。ダイス目が1〜3であれば+1、4〜5は+2、6は+3となります。
■ レベルの変動 ■ |
フローラに対する思いが変化することによって、フローラレベルが変動する可能性があります。強制的な要員による変動でない場合、どの程度の数値の変化が起こるかは、キーパーと相談して決定して下さい。
▼深化
フローラに対して思いが深まるようなイベントがあった場合、キーパーが許可すればフローラレベルを上昇させることが出来ます。
▼萎縮
発芽や深化とは逆に、フローラレベルが減少したり、フローラからスリーピングシードへと戻ってしまう場合もあります。このことを萎縮といいます。
◇強制的萎縮
バーストやその他の理由によってピュアフローラへの想いが失われた場合は、それまでのフローラは全てスリーピングシードへと戻ってしまいます。
◇自発的萎縮
キーパーが許可すれば、フローラブレイクによるノイズチェックが行われた際に、自らの意思でフローラレベルを減少させることが出来ます。また、対象を永久的に喪失した場合にも、時間が経つにつれて自然と萎縮が起こる可能性があります。
■ 自発的喪失(ブレイクダウン) ■ |
シナリオの展開によっては、フローラへの思いが完全に失われてしまうこともあるでしょう。この時、キーパーが許可すれば、自らの意思でフローラを破棄できる可能性があります。この行為をブレイクダウンといいますが、これを達成するためには喪失判定に成功しなければなりません。
▼喪失判定
喪失判定の基準となるのは【自我】の値です。この判定に成功すれば、フローラを完全に捨て去ることが出来ます。
▼ノイズチェック
この場合も通常のロストフローラと同様の効果が生じるため、ノイズチェックを行わなければなりません。ノイズダメージの基準は、破棄前のフローラレベルとなります。
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シードの発芽や昇華を行うためには、以下のような処理を行います。
▼シードの種類
サイコフローラに含まれるシードには、マリスシード、ペインシード、アイスシードの3種類があります。このうちマリスシードとペインシードは、正常なキャラクターも獲得する可能性があります。
■ 発芽方法 ■ |
▼基本
シードとして保存されている想いは、後にフローラへと花を開かせる可能性があります。このことを発芽といいますが、これを行うためには発芽判定に成功しなければなりません。
◇誘導
サイコフローラの場合は、キーパーの指示によって発芽判定が行われます。
◇アイスシード
アイスシードはゼロフローラだけが持つ特殊な種で、サイコフローラの状態から脱するまで発芽することはありません。
▼判定方法
◇発芽判定
発芽判定の基準となるのは【直感】の値です。このチェックに成功した場合、シードはフローラとして花を開かせます。
◇抑制判定
発芽を防ぎたい場合は、【自我】を基準とした抑制判定に挑戦することが出来ます。この判定に成功すれば、意思の力で発芽を封じ込めたことになります。
▼NPC化
発芽によってサイコフローラとなった場合も、キャラクターはNPCとしてキーパーに接収されてしまいます。
▼萎縮
発芽によってサイコフローラの状態になった場合も、完全同化が起こった時と同様の処理となります。この時に選択されなかったフローラは、全てスリーピングシードとしてクラックに保持されます。このようにして種へと萎縮してしまったフローラは、サイコフローラの状態が解除されれば元のレベルに戻ります。ですから、それまでのレベルも内容として記録しておいて下さい。
■ マリスシード ■ |
マリスシードは悪意や衝動に感化された時に発芽する可能性があります。
▼発芽のタイミング
同じ種類の悪意に再び触れた場合、もしくは悪意の幻像に抵抗しきれなかった場合にはマリスシードが活性化し、サイコフローラとして花開く可能性があります。
▼設定
◇フローラの種類
発芽後のサイコフローラの種類は、シードの内容に応じてキーパーが任意に決定して下さい。
◇レベル
フローラレベルは1D6で決定され、ダイス目が1〜3であれば+1、4〜5は+2、6は+3となります。なお、同化状態に陥ることで獲得した種の場合は、相手が保持していた時のレベルをそのまま複写しても構いません。
■ ペインシード ■ |
ノイズチェックの際に封印したペインシードが、何らかの精神的影響によって発芽する場合があります。
▼発芽のタイミング
封印ダメージの解除判定に成功した際に、ペインシードの発芽を試みることが出来ます。発芽を選択しなかった場合には、封印ダメージをノイズダメージとしたノイズチェックを行うことになります。
▼ダメージの消去
発芽に成功すれば、ペインシードに蓄えられたノイズダメージを、ラインを下降させることなく消し去ることが可能となります。
▼設定
◇フローラの種類
発芽後のサイコフローラの種類は、シードの内容に応じてキーパーが任意に決定して下さい。
◇レベル
ペインシードが発芽した場合、蓄積された封印ダメージがレベルの基準となります。封印ダメージが1〜3の場合は+1、4〜5の場合は+2、6以上の場合は+3となります。
■ 昇華 ■ |
マリスシードおよびペインシードの発芽に成功した場合でも、サイコフローラへの変化を止める手段が存在します。これを昇華といい、相手の苦痛を理解することで為されるものです。
▼昇華判定
昇華判定は発芽が起こり、サイコフローラのレベルが決定された後に行います。この時、[自我−フローラレベル]を基準としたチェックに成功すれば、悪意や苦痛の念を無事に昇華できたことになり、サイコフローラへと変化せずに済みます。
▼フローラの散華
昇華判定に成功した場合、そのフローラは自動的に消滅することになります。その時は、虹色のバラがはらはらと散ってゆくイメージが頭に浮かびます。このバラは相手の意識や自己の歪んだ感情を理解した証で、オーロラローズと呼ばれます。
シードの獲得・ミラージュ・ノーマルフローラの変化・サイコフローラの発芽 |
NoisyBlue-Rule