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■ 基本 ■ |
アクションシーンは戦闘などの処理を行うためのもので、細かく時間を区切ってキャラクターの行動を管理します。
▼開始と終了
キーパーが宣言した時点からシーンが開始され、戦闘や逃走劇などに何らかの決着がついた時点で終了となります。
▼ラウンド
アクションシーンは、ラウンド(およそ5秒)という単位で区切って管理します。
◇パート
1ラウンドは準備パートと行動パートの2つに分かれます。
◇開始ラウンド
開始直後のラウンドは0ラウンドとなります。そこから1ラウンドが経過する毎に、1ラウンド目、2ラウンド目…という具合にカウントしていって下さい。
▼処理の手順
◇シーン参加者の確認
アクションシーンの最初に行うのは、登場キャラクターを確認することです。なお、シーンに途中から参加したり、離脱することもあります。
◇進行
キーパーがアクションシーンの始まりを宣言したら、開始ラウンド(0ラウンド目)の始まりとなります。ラウンドの最初に行うのは準備パートの処理で、次に行動パートを処理します。そして、全てのキャラクターが行動を終了したらラウンド終了となり、次のラウンドへと移行します。アクションシーンの処理はこの繰り返しとなります。
■ 行動順番 ■ |
▼準備パート
準備パートでは特に順番は関係ありません。キーパーの指示に従って、それぞれの処理を行って下さい。
▼行動パート
◇順番
行動パートでは、行動力(=知力+感応+敏捷)の大きい順番に処理を行います。数値が同じ場合は同時行動です。便宜上、行為判定はキーパーが指示した順に行いますが、ゲームの中では結果は同じ時間に起こったことになります。
◇待機
行動力の値以下であれば、意図的に行動の順番を遅らせることが可能です。自分が行動したいタイミングとなった時に、キーパーに告げて下さい。ただし、他人が何をするか発言を聞いてから割り込んだ場合は、双方が同じタイミングで行動を開始することになります。この時は、他人が判定処理を終える前に宣言を行わなければなりません。
◇実際の処理
行動力の大きいキャラクターから、順に行動を処理してゆきます。この時は、細かくカウントを行っていては時間がかかるので、キャラクター毎にキーパーが行動内容を尋ねるとよいでしょう。なお、PCの順番については、アクションシートに行動力と順番を記入しておけば、確認を行う手間が省けて便利となります。
待機者がいる場合、いちいち行動するかどうかを確認するのではなく、一番最後に行動するという前提で処理を行って下さい。待機者が他人の行動の前に割り込む場合には、キーパーが次の行動者を指定した際に行動宣言を行います。相手の行動を聞いてから宣言を行った場合は、同時行動として処理されます。
▼更新
一番遅いキャラクターの行動が済んだ時点で、そのパートは終了となります。次の行動パートでは、再び行動力の大きい順に処理を行って下さい。
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1ラウンドは準備パートと行動パートの2つに分かれます。
■ 準場パート ■ |
行動処理を行う前にキャラクターの状態などを確認するためのパートです。ここで行う処理は、遭遇処理と状態確認の2つに分けることが出来ます。
▼遭遇処理
準備パートの最初に行うのは遭遇処理です。これは個人や集団が遭遇したラウンドのみ生じるもので、それ以外でこの処理が行われることはありません。
◇ノイズチェック
ノイズダメージを与える思念に接触した場合は、ノイズチェックを行って下さい。
◇先制行動の決定
アクションシーンの開始ラウンドでは、相手の存在に気付いた者だけが行動を行うことが出来ます。相手がこちらの存在に気づかなかった場合は、1ラウンドの間だけ一方的に攻撃を仕掛けることが可能となります。待ち伏せや背後からの接近を試みる場合は、〈潜伏〉や〈忍び足〉の判定に成功しなければなりません。相手は〈観察力〉や〈聞き耳〉の技能で対抗することができます。
▼状態確認
怪我の具合や位置など、キャラクターの状態をチェックします。
◇シーン参加者の確認
現在、アクションシーンに参加しているキャラクターを確認します。
◇ダメージ
窒息、気体、火炎、毒などによって受けるダメージの処理を行います。
◇抵抗
ラウンド毎に行う抵抗判定などを処理します。
◇影響の回復
怪我や精神状態の回復を行います。判定が必要な場合は、キーパーの指示に従って処理を行って下さい。
◇状態の確認
姿勢や怪我といったキャラクター状態や、周辺状況によって与えられる修正値などの確認を行います。
■ 行動パート ■ |
実際にキャラクターの行動を処理するパートです。行動力の大きい順に処理を行って下さい。
▼行動処理
キャラクターが試みることが出来る行動には、小行動と本行動の2種類があります。
◇回数
1回の行動機会につき、小行動と本行動をそれぞれ1回ずつ行うことが出来ます。自分の行動順番が来た時に、2種類の行動を連続して行って下さい。
◇順番
小行動と本行動は、どちらを先に行っても構いません。それぞれ1回ずつであれば、小行動の後に本行動を行うのも、本行動の後に小行動を行うのもプレイヤーの自由となります。
▼小行動
小行動とは判定を必要としない簡単な行動のことで、以下のような行動を1つ選んで試みることが出来ます。これはきわめて短い時間で達成できるものに限られ、他人に影響を与えるような行為は含まれません。
◇通常移動
[移動力]mの距離を移動することが出来ます。
◇周辺状況の確認
周辺を見渡し、状況を詳しく確認するための行動です。通常の状態であれば、自動的に視野内の状況を認識していることになるので、特にこれを試みる必要はありません。しかし、特別に何かを詳しく観察するような場合や、振り向いて背後の状況を確める時には、この行動を選択しなければなりません。また、意識が回復した直後などは、自動的に状況確認を行うことになります。
◇姿勢変更
転倒状態から立ち上がったり、匍匐姿勢を取るなどの行動です。
◇潜伏
近くにある遮蔽物に身を隠すことが出来ます。潜伏状態には部分遮蔽と完全遮蔽の2種類があります。
◇準備作業
本行動の準備を行うための作業で、近くにある物を手に取ったり、所持している物を即座に使える状態にするなどの行為です。
例:ポケットから物を取り出す、武器を鞘から抜く、矢をつがえる、弾倉の交換、持っている物を落とすなど
◇射撃専念/投擲専念
事前に相手に狙いをつけることによって、安定姿勢で遠隔攻撃が出来るようになります。これを試みた場合は、遠距離射程にいる相手にも攻撃することが可能です。ただし、実際に攻撃を行う前に何か別の行動を取った場合、この状態は解除されてしまいます。
▼本行動
メインとなる行動処理で、移動や能動行動を1つ選んで試みることが出来ます。
◇通常移動
[移動力]mの距離を移動することが出来ます。
◇移動行動
移動を行いながら他者の進路を妨害したりすることが出来ます。この場合の移動距離は通常移動よりも短く、[移動力−5]mとなります。
◇能動行動
1ラウンドの間に1回の能動行動を試みることが出来ます。能動行動として認められるのは、受動行動や特殊判定を除いた殆ど全ての行動となります。
判定が必要となる行為を試みる場合は、選択した行動内容に応じた技能や能力を用いて判定を行って下さい。判定を行う必要のない行動の場合は、条件さえ整っていれば自動的に成功することになります。どの程度の時間を費やすのかは、キーパーが任意に決定して下さい。
◇小行動
小行動に含まれる行動の全ては、本行動でも試みることが可能です。
▼待機状態
特に何も行動しなかったり、継続して作業に従事している間は、待機状態として扱われます。
◇無行動
特に行動を行わない場合は待機状態として扱われ、次のパートまで現在の状態を保つことになります。
◇継続作業
それ以前のラウンドから同じ作業を継続して行っている場合は、それに従事しなければなりません。
◇待機状態の解除
それまで無行動だったキャラクターは、行動力以下のタイミングであれば、いつでも待機状態を解除して行動を試みることが出来ます。
■ 判定処理 ■ |
▼基本
判定が必要となる行為を試みる場合は、選択した行動内容に応じた技能や能力を用いて判定を行って下さい。判定処理は通常シーンの時と全く同じ方法で行います。
◇対抗
その能動行動が誰かに向けたものであり、相手がそれに対して防御や抵抗を行う場合は、対抗判定の処理を行います。選択した行動の種類にかかわらず、受動行動はいつでも試みることが可能ですし、回数に制限を受けることなく何度でも行うことが出来ます。
◇変化
判定によって状況に何か変化が生じた場合、キーパーは結果に応じた描写を行い、状態についてプレイヤーに説明しなければなりません。また、それによって次の行動に影響を受ける時は、修正値などを与えて判定を行わせる必要があります。
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移動に関する処理は、すべて行動パートの中で行われます。
■ 基本 ■ |
▼移動力
キャラクターが移動を試みる場合、移動距離は移動力(=敏捷+10)を基準に計算されます。
▼種類
意識的に行う移動は、通常移動と移動行動の2種類に分類されます。また、移動を選択しなかった場合でも、補助移動としてごく短い距離を動くことが可能です。
◇通常移動
単に走る場合の移動方法で、[移動力]mの距離を移動できます。これは小行動と本行動のどちらでも行うことが可能です。
◇移動行動
移動しながら別の行動を試みる場合の移動方法で、他者の進路を妨害したりすることが出来ます。これは通常移動とは異なり、自動的に本行動として扱われます。移動行動を行った時の移動距離は通常移動よりも短く、[移動力−5]mとなります。
◇補助移動
移動を選択しなかった場合でも、補助移動を行って2mまでの距離を動くことが出来ます。補助移動は移動以外の小行動や本行動と組み合わせて行うことが可能です。
▼終点の選択
移動を行う場合は、最初に目標地点や追跡対象を指定する必要があります。誰かを追い掛けるという行動を選択した場合、終点は相手の行動によって変化します。
▼開始と終了
移動は行動宣言と同時に開始され、行動パート終了と同時に完了します。その間は移動を行っている最中ということになります。
▼状態確認
周辺状況やキャラクターの状態によって、その場から動くことが不可能だと思った場合、キーパーは移動を却下することが可能です。たとえば、静止していなければならない行動を試みる場合や、転倒中など移動不可能な体勢にある場合などがこれに当たります。移動を試みるためには、これらの状態を解除しなければなりません。
■ 移動距離の減少 ■ |
以下のような条件にある時は、移動距離が減少することになります。なお、何らかの影響によって移動距離が減少しても、1回の移動機会につき最低でも2mの移動を行うことができます。
▼周辺状況による影響
路面や視界状態など、周辺全体の状況が移動に適さない場合の制限です。同じ移動方法を取る全員に等しく影響を与えます。
◇移動距離:−10m
障害物が密集している場所、急な上り坂、階段、岩場、劣悪な視界状況(濃霧、完全な暗闇)など
◇移動距離:−5m
障害物が点在する場所、緩い坂道、荒れ地、水際、狭い道、見通しの悪い状況(霧、暗闇)など
▼障害物による影響
迂回したり乗り越える必要のある障害物が存在する場合、これらを1つ通過する毎に移動距離が減少することになります。
◇移動距離:−5m
窓枠などの障害物を乗り越える、扉やドアを開く、離れた場所に飛び移る、急激な方向転換、先の見えない角を曲がるなど
▼重量による影響
◇荷重
重い物を持ったり誰かを背負うなどしながら移動を行う場合、重さ5kgにつき移動距離が1m減少します。ただし、よほど重量のある物品でもなければ、細かく考慮に入れる必要はありません。
◇移動補助
移動する意思のない相手の手を引くなどする場合、移動距離が10m減少します。
■ 疲労 ■ |
▼連続疾走
短時間に連続して疾走を行った場合、キーパーは生命抵抗による判定を行わせて構いません。判定に失敗した場合は疲労したことになり、移動距離が減少したり、それ以上走れなくなってしまいます。だいたいの場合は、[体力×1ラウンド]を目安に判定を行えばよいでしょう。
▼長距離移動
あまりにも長い距離を移動した場合は、たとえペース配分を行っていても連続疾走と同様の影響を受けます。この時も、キーパーの判断で生命抵抗による判定を行わせて構いません。これに失敗した場合は疲労したことになり、移動距離が減少したり、それ以上走れなくなってしまいます。
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以下のような条件にある時は、移動の妨害が起こります。移動を妨害する要素が存在する場合、以降の行動選択に制限を受けることになります。
■ 対峙状況による妨害 ■ |
接敵状態にある相手など、キャラクターの行動に影響を与える存在がある時は、移動の妨害が起こります。
▼基本条件
◇影響範囲
相手が積極的に移動を阻害しなくても、その影響範囲に足を踏み入れた時点で、妨害状況が発生したものと見なします。範囲の広さは相手によっても異なりますが、通常のキャラクターの場合は、半径2m程度が影響範囲として扱われます。
◇移動の停止
相手の影響範囲に入ったキャラクターは、一旦その場所で自動的に停止することになります。そして、相手の影響範囲を出るまでは、次の移動を試みることが出来なくなります。
◇相互の影響
移動の妨害は、影響範囲に侵入したすべてのキャラクターに発生する状況です。たとえば、2人が対峙している場合は、相互に移動を妨害し合うことになります。
▼妨害の解除
妨害状況から逃れるためには、以下のような特殊な移動方法を選択しなければなりません。
◇離脱(通常移動)
妨害者の影響範囲から離れるための行動で、周囲に移動できる空間が存在する場合に試みることが出来ます。離脱は宣言を行うだけで成功するもので、判定を試みる必要のない通常移動として扱われます。
どのようにして妨害者から逃れるかは状況次第となり、相手の周りを大きく迂回したり、背中を見せずに少しずつ距離を取るなどの方法があります。
◇脱出(移動行動)
狭い通路を相手が封鎖したり壁際に追い詰められるなどして、どうしても妨害者のすぐ横を通らなければならない時は、脱出を試みる必要があります。このような状況に該当するのは、目的地に到達するために影響範囲を迂回することが出来ない場合に限られます。なお、お互いが進行方向に対して横並びに対峙している時は、それぞれが相手を封鎖していることになります。
脱出は移動行動に分類される行動となりますので、自動的に本行動として扱われます。相手の影響範囲から脱出できるかどうかは、〈瞬発力〉を基準とした判定の成否で決まります。相手が脱出を防ごうとする場合は、双方が〈瞬発力〉の判定を行って勝敗を決して下さい。この判定では脱出を試みる側が能動行動、妨害を行う側が受動行動として扱われます。
判定の結果、能動側が勝利すれば相手の脇をすり抜けて移動できたことになり、引き分けもしくは敗北した時は、相手が先に回り込んで脱出を妨げたことになります。なお、脱出に失敗した時は相手の影響範囲内に侵入したことになりますので、離脱を行うまで相手から逃れることは出来ません。
▼移動距離
◇基本
妨害の解除を試みた場合は、通常の移動時より移動距離が5m減少します。
◇連続迂回
妨害者が進行方向に連続して存在する場合は、その数だけ迂回を繰り返して移動しなければなりません。この時は、迂回する度に移動距離が5mずつ減少してゆきます。これは離脱を行う時にのみ適用されるもので、1ラウンドに封鎖状態を何度も突破することは出来ません。
■ 競走時の妨害 ■ |
移動をしながらでも妨害状況が生じる場合があります。
▼妨害方法
妨害状況は相手の前に出て進路を妨げたり、横から手や体で相手を押さえ込むことによって生じます。これは移動行動の一種であるため、本行動として扱われます。
妨害を試みることが出来るのは、相手より先行しているか近接している者に限られます。接触できないほど遅れている場合は、妨害を試みることは出来ません。なお、相手がまだ追い付いていない状況でも、事前に移動の妨害を宣言していれば、相手が近付いてきた時に進路を塞ぐことが可能となります。
▼判定方法
移動の妨害が生じた場合は、双方が〈瞬発力〉を基準とした対抗判定を行って、勝敗を決して下さい。一方的に妨害が行われた場合、回避側の行動は受動行動として扱われます。相互に妨害し合った時は、両者とも移動行動を試みたことになります。
◇移動距離の上限
対抗判定を試みた者は、最大移動距離が[移動力−5]mまでに制限されます。
◇結果
能動側が勝利した時は、相手の移動を妨害できたことになります。逆に受動側が勝利した場合は、妨害をうまく避けたという結果になります。この時の対抗判定では、双方が同時に妨害を行わない限り、引き分けという結果は生じません。
◇位置関係
対抗判定で勝利した者は、相手よりも前に位置取ることが出来ます。このため、敗者の最終的な移動距離は、勝者の最終到達地点までに制限されます。
結果が引き分けで終わった時は、両者とも横並びの状態です。この時の移動距離は、遅い方の値に合わせることになります。
◇速度の低下
対抗判定の勝者が意図的に速度を落とした場合、敗者の移動距離はそれに応じて自動的に減少します。速度を0まで下げた時は、相手を制してその場に止まったことになります。
この時、後方の者がわざと移動速度を落とさなければ、衝突によって両者とも転倒してしまう可能性があります。転倒を避けるためには、〈軽業〉の判定に成功しなければなりません。
◇影響範囲
移動が終了した時点では、自動的に互いの影響範囲に足を踏み入れていることになります。次の移動機会に離脱や脱出を行わなければ、この範囲から出ることは出来ません。
■ 攻撃による進路妨害 ■ |
相手の移動を妨害するための攻撃行動です。これを成功させるためには、相手の進行方向に武器による攻撃を繰り出す必要があります。
▼行動処理
◇条件
進路妨害は能動行動として扱われます。妨害できる範囲は、近接武器であれば2m以内、遠隔武器であれば射程距離までとなります。
◇判定方法
能動側は通常の攻撃判定を試みます。相手はこれに対して〈瞬発力〉を用いた受動行動で対抗判定を行い、勝利すれば自分が行きたい方向へと動くことが出来ます。能動側が銃器などを用いて複数回の攻撃を行った場合は、その度に対抗判定を行って下さい。
◇効果
対抗判定で勝利した場合、相手が特定方向に移動するのを阻止することが出来ます。たとえば、自分の攻撃範囲内を駆け抜けて行くのを防いだり、相手を障害物の後ろに釘付けにして逃亡を阻止する、といった具合になります。この行動を選択した時は、相手にダメージを与えることは出来ません。
◇妨害の無視
対抗判定で敗北して進路を妨害されても、自分の行きたい方向に突き進むことは不可能ではありません。しかし、この場合は自ら攻撃範囲へ飛び込んで行くことになるので、防御行動を試みることも出来ず、自動的にダメージを受けることになります。
◇移動距離
進路妨害の回避は移動行動になりますので、移動距離は自動的に[移動力−5]mまでに制限されます。また、妨害側の攻撃判定が成功している場合は、対抗判定の結果にかかわらず、さらに移動距離が5m減少します。これは自らの意思で攻撃範囲内に飛び込んだ場合も同様となります。
■ 接近阻止 ■ |
相手が自分の攻撃範囲内に踏み込むのを阻止するための行動です。これを成功させるためには、武器を大きく振り回すなどして、相手を牽制する必要があります。
▼行動処理
◇条件
接近の阻止は能動行動として扱われます。妨害できる範囲は、通常の近接武器であれば2m以内となります。
◇判定方法
能動側は通常の攻撃判定を試みます。相手はこれに対して〈瞬発力〉を用いた対抗判定を行って下さい。
◇効果
対抗判定で勝利すれば、相手を影響範囲に踏み込ませずに済んだことになります。なお、この行動を選択した時は、相手にダメージを与えることは出来ません。
◇妨害の無視
対抗判定で敗北して進路を妨害されても、自分の行きたい方向に突き進むことは不可能ではありません。しかし、この場合は自ら攻撃範囲へ飛び込んで行くことになるので、防御行動を試みることも出来ず、自動的にダメージを受けることになります。
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戦闘はアクションシーンに分類される行為となり、その他の行動と同じように処理を行います。
■ 行動の種類 ■ |
▼攻撃行動(能動行動)
攻撃判定は能動行動として扱われるもので、判定に成功すれば相手にダメージを与えられる可能性があります。
◇近接攻撃
2m以内に存在する相手は接敵状態にあるものとして扱われ、近接武器による攻撃を仕掛けることが出来ます。この判定に用いる技能には、〈近接打撃/各種〉〈組み合い〉〈武術/各種〉などがあります。
◇遠隔攻撃
射程範囲内にいる敵に対して、遠隔武器による攻撃を行うことが出来ます。この判定に用いる技能には、〈投擲〉〈銃器/各種〉〈クロスボウ〉〈弓矢/各種〉などがあります。
▼通常行動(能動行動)
引き出しから物を取り出したり扉の鍵を開けるなど、攻撃以外の行動も通常と同じように試みることが出来ます。ただし、時間のかかる行為の場合は、何ラウンドかにわたって作業に専念する必要があります。この間に他の行動を取った場合は、作業完了までの時間が延びることになります。
▼異能力(能動行動)
特殊技能を用いて異能力を発動させるための行動です。
▼防御行動(受動行動)
相手の物理的な攻撃を避けるための判定で、受動行動として扱われます。通常は〈回避〉の技能を用いますが、手段として可能であるならば〈武術/各種〉の技能で、相手の攻撃を受け流すことも可能です。
◇防御専念
移動や能動行動を行わず防御行動だけに専念した場合は、回避や受け流しの判定に+4修正を得ることが出来ます。
▼抵抗判定(受動行動)
生命抵抗および精神抵抗による判定で、毒や異能力に抵抗する場合に用います。これらは意識して試みる行動ではなく、たとえPCが眠っていても自動的に行われるものです。そのため、〈回避〉などの受動行動に制限を受ける場合でも、抵抗判定に修正を受けることはありませんし、判定不能となることもありません。
■ 行動順番と処理 ■ |
その他のアクションシーンと同様に、準備パート、行動パートの順に処理を行ってゆきます。行動順番や判定処理も前述した通りになります。
■ 攻撃と防御 ■ |
▼手順
攻撃を行う際の行動処理は、以下のように行います。
◇攻撃判定
行動順番の早い者が、選択した行動に応じた技能で攻撃判定を行います。判定に成功すれば、その攻撃は狙った場所へと繰り出されたことになります。
◇防御判定
相手の攻撃が成功している場合、受動側は防御判定を行います。対抗判定で勝利すれば攻撃を防御したことになりますが、失敗した時はダメージを受ける可能性があります。
◇ダメージの決定
攻撃側が対抗判定で勝利した場合は、武器ごとに決められたダイスでダメージを決定します。
◇進行
攻撃と防御の処理が終了したら、次の順番のキャラクターが選択した行動を行います。戦闘時の判定は以上の処理を繰り返してゆきます。
▼攻撃回数
◇武器の種類
近接武器の攻撃回数は全て1回となりますが、遠隔武器の中には複数回の攻撃を行えるものがあります。
◇判定処理
攻撃回数が2回以上に設定されている武器の場合は、自分の攻撃順番に連続して判定を試みることが出来ます。ただし、2回目以降の判定には、−4ずつの修正値が累積されてゆきます。また、致命的失敗が出た時は、それ以上続けて攻撃を行うことは出来なくなります。
■ ダメージ ■ |
▼攻撃ダメージ
近接攻撃の場合は[ダメージダイス+体力ボーナス]、遠隔攻撃の場合はダメージダイスの分だけ、相手にダメージを与えることが出来ます。
◇ダメージダイス
攻撃が命中した場合、攻撃側は武器ごとに定められたダメージダイスを振って、相手にどれくらいのダメージを与えたかを決定します。武器の種類とダメージダイスは、武器データの表に記載されています。
◇追加ダメージ
近接攻撃を行った場合、相手に与えるダメージには体力ボーナスを加えることが出来ます。
◇0ダメージ
計算後のダメージが0以下になった場合は、たとえ数値がマイナスでも0ポイントとして扱って下さい。
▼特殊な結果
◇決定的成功
攻撃判定で決定的成功が出た時は、急所に攻撃が当たったり武器が貫通したものとして扱い、ダメージダイスを1個余分に振ることができます。たとえば3D6の武器であれば、4D6のダメージを与えられることになります。
◇部分的成功
攻撃の結果が部分的成功だった時は、ダメージダイスを1つ減らさなければなりません。たとえば3D6の武器であれば、2D6のダメージに減少してしまいます。
▼防具の効果
ダメージダイスによって決定した攻撃ダメージが、そのまま相手の生命力へのダメージとなるわけではありません。以下のような処理を行った上で、はじめて最終的なダメージが決定します。
◇防御値
防御値を持つ防具を身につけていた場合、その分だけ物理ダメージを減少させることが出来ます。
◇最終ダメージ
[攻撃ダメージ−防御値]が、最終的に生命力に与えられるダメージとなります。
▼生命力の減少
最終ダメージ(=攻撃ダメージ−防御値)が1以上の場合は、肉体に怪我を負ったことになります。この時は生命力から最終ダメージの分を引いて、現在値を算出しなければなりません。
◇影響
生命力の減少の度合いによっては、直後に意識判定などの生命抵抗を基準とした判定を行う必要があります。負傷による影響と詳しい判定方法については、耐久力のページをご覧下さい。
▼ダメージの影響
◇移動
移動中にダメージを受けた場合は、転倒の可能性があります。この時は〈軽業〉の判定を行って、その成否で転倒するかどうかを判断して下さい。なお、この処理はキーパーが必要だと考えた時に行うもので、いつでも適用しなければならないルールではありません。
■ アクシデント ■ |
判定で致命的失敗が出た場合は、何らかのアクシデントが生じる可能性があります。この処理はキーパーが必要だと考えた時に行うもので、いつでも適用しなければならないルールではありません。運によるものと考えるのであれば、天運判定の結果で適用するかどうかを決めてもよいでしょう。
▼内容
キーパーは任意のアクシデントを引き起こすことが出来ます。特別な意図がない場合は、以下の内容から状況に適したものを選択すればよいでしょう。
◇攻撃時
転倒、武器を落とす、攻撃が自分/味方へ命中、銃器の暴発、武器の破損、状況の悪化など
◇防御時
転倒、装備を落とす、味方/障害物に衝突、防御値が0、ダメージ1D6増加、装備の破損、不利な方向への移動など
■ 意識の回復 ■ |
負傷や消耗によって意識を失ったりすることもあります。
▼回復のタイミング
回復の処理は準備パートで行います。治療が行われた場合も、次のラウンドの準備パートで目を醒まします。
▼行動の再開
◇状況確認
覚醒直後の準備パートでは、自動的に周辺状況の確認を行うことになります。
◇姿勢変更
意識を失っている間は自動的に転倒、もしくは座った状態となります。ですから、立ち上がって姿勢を整えるまで、判定には−4程度の修正を受けることになります。
もっとも早いタイミングでの姿勢変更は、直後の行動パートで試みることが出来ます。これは能動行動として扱われますので、行動力に応じた順番に立ち上がることになります。それまでの間は、不安定な姿勢のまま回避などを行わなければなりません。
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射撃や投擲による遠隔攻撃を行う場合、以下のようなルールが適用されます。
■ 準備 ■ |
遠隔攻撃の準備を行うためには、幾らかの時間や作業が必要となります。
▼投擲武器
懐などに武器を仕舞っている場合は、小行動で武器を取り出して、本行動で攻撃を試みることが出来ます。
▼弓矢
◇和弓/アーチェリー
小行動として射撃の準備を選択した場合は、1行動で矢をつがえて相手に狙いをつけることが出来ます。この時点で射撃状態は整っていることになりますので、次の本行動ですぐに射撃を行うことが可能です。
◇ボウガン
ボウガンの準備を行う場合は、弦を引く動作と矢をつがえて構える動作で2行動が費やされます。これは武器の準備作業なので、両方とも小行動扱いとなります。予め矢の準備が行われていない場合は、1ラウンド(小行動+本行動)を費やして準備を行い、次の行動パートで射撃を試みることになります。
◇準備状態の維持
自分が攻撃する前に移動や受動行動を行った場合でも、矢をつがえた状態は維持されたままとなります。この時は射撃専念の効果を得ることは出来ませんが、転倒などして大きく体勢を崩していなければ、自分の手番に通常と同じように射撃を試みることが可能です。
▼銃器
◇準備
銃器の場合、弾倉に弾丸が入っていれば、行動パートですぐに射撃を試みることが出来ます。
◇再装填
弾倉の交換を行う場合、それが取り出しやすい場所にあれば、小行動で済ませることが出来ます。1発ずつ弾丸を込める場合には、1行動につき3発程度の装填が行えます。
◇装填数の変動
弾倉を交換するタイプの銃器の場合、弾丸の装填数は弾倉によって変化します。また、オートマチック式の銃器は、薬室(銃本体の弾丸が収められる部分)に1発だけ、余分に弾丸を入れておくことが可能です。
■ 射程距離 ■ |
遠隔攻撃では、相手との距離に応じて判定に修正を受けることがあります。
▼距離による制限
遠隔武器で攻撃を行う場合、その時点のキャラクターの状態によって、射程距離や判定にかかる修正値が変わります。
◇至近距離
すぐに近接戦闘を行えるような距離(2m以内)に攻撃対象がいて、相手が回避を行うことが可能な場合は、判定には−4修正を受けることになります。ただし、マシンガンのように一定範囲に弾をばらまく武器では、この制約を受けることはありません。
◇近距離
近距離は時間をかけて狙いをつけなくても攻撃できる射程距離です。この範囲内に対象がいる場合は、特に何の修正を受けることもなく攻撃判定を行うことが出来ます。
◇遠距離
遠距離射程は近距離射程の2倍の距離となり、攻撃判定には−4修正を受けることになります。この距離にいる相手に攻撃を行うためには、攻撃前に射撃専念/投擲専念を選択する必要があります。安定した射撃姿勢が維持されていない場合、決定的成功以外の攻撃は自動的に外れることになります。
◇射程外
遠距離射程より離れた場所にいる相手は、射撃による攻撃を試みることは出来ません。これは相手を狙うことが不可能という意味であり、武器によってはそれ以上届くものも少なくありません。ですから、射程外にいる相手への攻撃でも威嚇としては有効ですし、運悪くダメージを受けてしまう場合もあるでしょう。
▼武器と射程距離
武器タイプ | 近距離 | 遠距離 |
---|---|---|
投擲武器 |
10m | 20m |
小型拳銃 |
10m | 20m |
弓矢 |
20m | 40m |
拳銃 |
20m | 40m |
ショットガン |
20m | 40m |
サブマシンガン |
30m | 60m |
ライフル銃 |
50m | 100m |
■ 射撃姿勢 ■ |
▼射撃専念/投擲専念
射撃専念/投擲専念を選択した場合は、安定した姿勢で攻撃を行うことが出来ます。
◇遠距離射程
遠距離射程にいる相手を攻撃するためには、予め安定姿勢を確保しておかなければなりません。それが維持できない時は、決定的成功以外の攻撃は自動的に外れることになります。これは射程外への攻撃と同様に、不安定な射撃姿勢では攻撃を命中させることが不可能だというだけで、この距離まで攻撃が届かないというわけではありません。
◇専念状態の解除
自分が攻撃する前に移動や別の行動を試みた場合は、射撃専念/投擲専念による効果は自動的に消滅します。
◇例外
ショットガンやサブマシンガンなどの一定範囲に弾丸をばらまく銃器の場合、射撃専念を行わなくても長距離射程の相手に攻撃が出来ます。
▼狙撃
数ラウンドの時間をかけて狙いをつけることによって、命中率を上げることが可能となります。ただし、狙撃の目標は静止しているか、非常にゆっくり移動している相手でなければなりません。
◇効果
狙撃に1ラウンドの時間をかける毎に、攻撃判定に+1ずつ修正を加えることが出来ます。これは最大4ラウンドまで行えます。
◇制限
相手に狙いをつけている間は、その他の行動を一切試みることが出来ません。防御行動や抵抗判定などの受動行動も含めて、別の行動を行った時点で狙撃の効果は消滅します。また、この時の防御行動には、狙撃で得られる効果の分だけのマイナス修正を科されることになります。
■ 移動中の相手 ■ |
移動中の相手に遠隔攻撃を試みる場合は、攻撃判定に−4修正を受けることになります。
■ ショットガン ■ |
◇ダメージ
散弾のダメージは、攻撃対象までの距離が遠くなるにつれて減少してゆきます。武器表に記載されているデータは10m以内にいる相手へのダメージであり、それから10m離れるごとにダメージダイスが1つずつ減少してゆきます。
◇拡散効果
散弾は弾が拡散するため、距離によるマイナスの修正を加えずに攻撃することが出来ます。また、射撃専念を行わなくても、長距離射程の相手に攻撃することが可能です。
■ 攻撃回数 ■ |
遠隔攻撃を行う武器の中には、攻撃回数が2回以上に設定されているものがあります。このような武器で攻撃する時は、自分の手番に連続して判定を試みることが可能です。ただし、2回目以降の判定には、修正値が−4ずつ累積されてゆきます。また、致命的失敗が出た場合、連続攻撃はそこで中止となります。
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攻撃を行う場合、対象の大きさによって判定に影響を受けます。通常、これは遠隔攻撃にのみ適用されるルールとなりますが、キーパーが必要と考えた場合は、近接攻撃でも以下の修正を与えて構いません。
■ サイズ修正 ■ |
対象の大きさによって判定に受ける修正は下表のようになります。
サイズ | 修正値 | 例 | |
---|---|---|---|
それ以上 | 8m〜 | +8〜 | クジラ |
超大型 | 4〜8m | +4 | ゾウ、シャチ |
大型 | 2〜4m | +2 | ウシ、ウマ |
中型 | 1〜2m | ±0 | 人間、大型犬 |
小型 | 50cm〜1m | −2 | 中型犬、キツネ |
超小型 | 25〜50cm | −4 | 小型犬、ウサギ |
それ以下 | 〜25cm | 〜−8 | リス、ヒキガエル |
■ 遮蔽物 ■ |
攻撃側と防御側の間に遮蔽物が存在する場合、判定には幾らかの修正を受けることになります。
▼潜伏行動
行動パートでは遮蔽物への潜伏を試みることが出来ます。この時は判定を行う必要はなく、物陰に移動できれば自動的に成功します。
▼遮蔽状態
遮蔽状態には部分遮蔽と完全遮蔽の2種類があります。
◇部分遮蔽
遮蔽物に体の半分以上を隠せる場合は、部分遮蔽の効果を得ることが出来ます。部分遮蔽の状態にある相手への攻撃には、−4修正を受けることになります。同時に、隠れている側から攻撃を行う場合も、同じだけの修正が科されます。
◇完全遮蔽
遮蔽物に体を完全に隠した場合は、完全遮蔽の効果を得ることが出来ます。完全遮蔽の状態にある相手に対して攻撃を行うためには、遮蔽物を撃ち抜くなどしなければなりません。
相手から全く見えない状態では、隠れている側からも攻撃を仕掛けることは出来ません。攻撃するためには遮蔽物から身を乗り出したり、移動を行って潜伏状態を解除する必要があります。
▼解除
◇自発的解除
以下のような行動を取った場合、自発的に遮蔽状態を変更することが出来ます。
手段:遮蔽物から身を乗り出す、遮蔽物のない場所へ移動、遮蔽物自体を移動もしくは破壊するなど
◇自動解除
相手が潜伏している者の横や背後に周りこんだ場合も、遮蔽状態が変更される可能性があります。それから、潜伏側が防御行動を試みた場合、よほど広い範囲を覆う遮蔽物でもない限りは、自動的に潜伏状態が変更されることになります。
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仲間の行動を支援したり、複数人で協力して行動するためのルールです。これらの行動は選択ルールとなりますので、キーパーの判断で使用するかどうかを決めて下さい。
■ 協力行動 ■ |
複数のキャラクターが協力して行動するには、以下のような手段があります。
▼挟撃
相手を前後から挟んで攻撃する場合、背後からの攻撃に対する防御行動には−4修正を受けます。また、相手を両側から挟み込んで同時に攻撃する場合、いずれの攻撃に対する防御行動にも−2修正を受けます。
▼攻撃妨害
相手と全く同じタイミングで行動した時は、相手の攻撃を妨害することが可能となります。威嚇射撃で味方への攻撃を邪魔するような場合も、この処理を適用して下さい。この行動を選択した時は、こちらの攻撃によって相手を傷つけることは出来ませんが、相手の攻撃を無効化できる可能性があります。
◇判定方法
双方が攻撃技能を用いて対抗判定を行います。これに勝利した時は相手の武器をはじいたり、うまく自分の方に気を惹き付けたことになり、相手の攻撃を阻止することが出来ます。
▼挑発/おとり
〈駆け引き〉を用いて試みる行動で、挑発によって相手を怒らせて、自分に注意を引きつけたり冷静さを失わせたりします。
◇判定方法
挑発する側は〈駆け引き〉を用いて判定を行い、相手は〈観察力〉や〈精神分析〉で対抗します。対抗判定で勝利した場合、相手は周囲の変化に気づいたり、その他の対象からの影響を避けるための判定に、−4修正を受けることになります。また、おとりとなって相手を不利な場所に誘い込んだり、自分だけに攻撃するよう仕向けたりすることも可能です。
■ 護衛行動 ■ |
▼基本
近接攻撃から特定の人物を守るための行動で、護衛対象のかわりに相手の攻撃を受けることが出来ます。
◇護衛状態の成立/解除
護衛行動は行動パートで試みることが出来ます。これは行動宣言を行い、護衛対象の前に移動した時点で成立します。解除する時も宣言を行うだけで済みます。
◇効果
護衛状態が成立すれば、それ以降は自動的に護衛対象の前を封鎖していることになります。相手が普通に攻撃を行った場合、その攻撃は常に自分に対して繰り出されます。
▼突破
相手が護衛対象を攻撃するためには、〈瞬発力〉を基準とした対抗判定で勝利して、封鎖状態を解除しなければなりません。突破に成功した場合、相手は護衛対象に攻撃を行うことが可能となります。
▼種類
護衛行動には以下の種類があります。選択は行動宣言の際に行って下さい。
◇戦闘護衛
この手段を選択した場合は、戦闘行動を取りながらでも護衛効果が得られます。行動処理は通常のアクションシーンと全く同じで、護衛対象から離れなければ、自由に能動行動や防御行動を試みることが出来ます。
この時は、護衛対象を背にしたまま、指定した相手と1対1の状態をつくることになります。封鎖状態をつくれるのはそのキャラクターに対してのみとなり、その他の攻撃者からは護衛対象を守ることが出来ません。なお、相手を切り替える場合は、行動パートの際に指定して下さい。
◇護衛専念
2者以上の相手から誰かを守るためには、護衛に専念する必要があります。この場合は、防御行動に専念していなければならず、その他の能動行動を取ることは不可能となります。なお、これは防御専念とは異なり、防御行動にプラスの修正を得ることは出来ません。
相手が挟撃を行うことが可能な場面で、同時に自分と護衛対象に攻撃が行われた時は、一方向からの攻撃にしか護衛効果は得られません。また、2人以上が一方向から同時に突破を試みる場合は、包囲攻撃と同様の修正を〈瞬発力〉に受けることになります。この時は、いずれの突破に対する妨害行動にも−2修正が科されます。
▼割り込み
護衛対象と攻撃者が対峙状態にある時でも、間に割り込んで護衛を行うことが出来ます。ただし、この時は攻撃者が護衛対象との間の空間を封鎖していることになるので、護衛状態を成立させるには〈瞬発力〉を基準とした対抗判定で勝利しなければなりません。相手に突破された後で、再び護衛行動を試みようとする場合も、この割り込み行動を適用して下さい。
■ 保護行動 ■ |
身を挺して誰かをかばうための行動を、保護行動といいます。
▼条件
◇種類
保護行動は能動行動の1種として扱われるもので、行動パートで試みることが出来ます。既に能動行動を行ってしまっている場合は、これを選択することは出来なくなります。また、保護行動を試みた後に、別の能動行動を行うことも不可能です。
◇距離
かばおうとする相手は、2m以内の距離に存在しなければなりません。
◇行動力
保護行動を試みる時は、行動力の大きさを考慮する必要は全くありません。自分の行動力が相手より小さくても、割り込むことが可能となります。
◇行動宣言
宣言は相手が誰かを攻撃する直前までとなります。実際にダメージを受けてしまった後には、保護行動を選択することは出来ません。
▼行動処理
◇判定方法
〈瞬発力〉を基準とした判定に成功すれば、誰かの身替わりとなることが出来ます。これは相手との対抗判定ではなく、純粋に判定の成否のみで結果を判断します。
◇ダメージ
判定に成功した場合、相手の攻撃から誰かをかばって、代わりにダメージを受けることになります。この時、新たに防御行動を行って攻撃をかわすことは不可能です。防御値の分だけはダメージを減少させることは出来ますが、相手の攻撃判定が成功している場合は、ダメージはそのまま受けなければなりません。
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幾つかの例外的な状況では、以下のような処理を行って下さい。
■ 素手 ■ |
素手による打撃では、最後の攻撃の判定結果が決定的成功でない限りは、相手が死亡することはありません。生命力の現在値が[−生命力]以下になった場合でも、自動的に気絶するだけですみます。なお、動物の牙/爪による攻撃はこれに当てはまりません。
■ 手加減 ■ |
急所を外したり峰打ちで相手を倒そうとする場合、ダメージダイスを任意の数だけ減少させることが可能となります。また、この場合は素手での攻撃と同様に、最後の打撃が決定的成功でない限り、相手が死亡することはありません。
■ 絞め ■ |
〈組み合い〉の技能によって相手を捕まえ、首を絞めることによって、窒息効果を引き起こすことができます。相手は〈組み合い〉の技能を用いて対抗することが可能です。窒息の処理と効果については、耐久力のページを参照して下さい。
■ 死角 ■ |
相手がこちらの存在に気づかなかった時や、まったくの無防備状態だった場合は、攻撃は自動的に命中することになります。ただし、攻撃判定は必ず行う必要があり、致命的失敗が出た時は攻撃は外れてしまいます。
▼急所攻撃
攻撃を行う前に宣言すれば、物理的に攻撃可能である部位に限り、急所を狙い打ちすることが可能となります。このオプションを選択した場合は、素人目にも相手を殺そうとしていることがわかります。仮に逮捕されるような事態にでもなれば、目撃者は明確な殺意があったと断言することでしょう。また、法医学的にも同様の見解が取られることになります。
◇ダメージの増加
この場合は決定的成功が出た時と同じように、ダメージダイスを1つ余分に振ってダメージを決定します。また、攻撃判定で決定的成功が出ていれば、ダメージダイスをさらに1つ追加することが出来ます。
◇防御値
防具の隙間を狙って攻撃することが可能な場合は、防御値を完全に無視することが出来ます。
■ 気絶攻撃 ■ |
意識判定を行うような状況になくても、気絶する場合があります。
▼状況
◇意図的攻撃
〈組み合い〉の技能で押さえつけたり、こっそり背後に忍び寄って攻撃を行うことで、相手を気絶させることが出来ます。
◇不意のダメージ
事故に巻き込まれたり、たまたま鳩尾などに手がぶつかったりした時に、意図しない気絶攻撃が発生することがあります。キーパーが気絶に陥る可能性があると判断した場合は、攻撃側にその意思がなくても以下の処理を適用することが出来ます。
▼判定手順
◇準備
意図的に気絶攻撃を行う場合は、最初に〈組み合い〉〈忍び足〉〈潜伏〉などの判定に成功しなければなりません。相手との対抗抵抗で勝利した時にのみ、気絶攻撃を仕掛けることができます。
◇攻撃手段
斬撃や射撃による攻撃では、気絶攻撃は発生しません。拳、鈍器、刀剣の柄、銃のグリップといった、適切な攻撃手段を用いて下さい。事故による場合も同様で、激しい衝撃を受ける時にのみ気絶攻撃が適用されます。
◇判定
気絶攻撃を仕掛ける準備が整っていれば、攻撃は自動的に命中します。ただし、攻撃判定は通常と同じように行って下さい。この判定は命中するかどうかではなく、打撃によって気絶が発生するかどうかを判断するためのものとなります。判定に失敗した時は、ダメージを受けても相手は気絶しません。なお、どの技能を用いて判定したらよいか判断がつかない場合は、殴打武器による攻撃として扱って下さい。
◇ダメージ
意図的に相手を気絶させる場合は、同時に手加減攻撃を行っていることになるので、任意の数だけダメージダイスを減少させることが出来ます。なお、最終的なダメージは0となっても構いません。攻撃が命中していれば、衝撃によって気絶攻撃が発生したことになります。
◇生命抵抗
気絶攻撃に成功した場合、相手は生命抵抗を基準とした気絶判定を行わなければなりません。判定の際には、生命力に受けたダメージの分を、マイナス修正として加える必要があります。この判定に失敗した場合は、即座に意識を失ってしまいます。
▼気絶からの回復
〈応急手当〉や〈医学〉の判定に成功すれば、気絶した者を即座に覚醒させることができます。また、ある程度の時間が過ぎたり、それ相応のショックや気付け薬などを与えれば、生命抵抗を基準とした覚醒判定を行うことが可能となります。
判定に成功すればすぐに目を覚ましますが、目覚めてから1ラウンドの間は、周囲の状況把握と起き上がる程度の行動しか取ることが出来ません。
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NoisyBlue-Rule