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▼鬼の魂
鬼魂(きこん)とは1つの意識の型をもった魂のことです。鬼魂が生まれる原因というのは、恨みや悲しみといった負の感情の力が作用するためであり、その象徴として現れるのが凝結した鬼魂である鬼の角となります。
・幽鬼
鬼魂はそれ自体が独立した魂であり、宿主(怨念の生みの親)とは別個の意識として確立されます。鬼魂はやがて意志を持つ幽鬼として活動するようになり、宿主を悪意の渦へと引き込むために心の中で囁きかけたり、鬼の力を用いて宿主を助けるなどの手段を取ります。これは一般に言う霊が取り憑いた状態に近いものです。
・鬼化
鬼質を持つ人間の怨念が強まると、存在としての本質も鬼へと近づいてゆき、ある限界を超えた時点で本物の鬼へと変化を遂げることになります。
幽鬼の目的は鬼への変身であり、それは宿主の体を乗っ取ることを意味します。肉体を奪われた宿主の魂は、鬼の体の中に封印されてしまうことになります。こうして自由を得た鬼は人々に悪意を植え付けたり、夜の狭間で人間を隠世へ誘い込んだり、その血肉を餌として食べたりして暮らすのです。
・角の顕現
鬼魂が大きくなるに従って、一般の人々には見えない鬼の角が、少しずつ頭部にあらわれるようになります。ただし、鬼魂がまだわずかなうちは角も小さく、髪の毛に隠れて見ることは出来ません。
・鬼魂の感知
鬼魂の存在は、一般技能の霊感では明確に感知することは出来ません。ただし、鬼魂を保持するものに出会った場合、嫌な印象を受けることはあります。
鬼質や霊能力を持つ者は鬼の気を明確に感じ取ることが可能ですが、鬼霊感知の霊能力以外の手段を用いた場合は、それが鬼のものであるかを判別することが出来ません。ただし、宿主を直接目にしている時は、宿主の頭部に鬼の角を見ることが出来ます。
・隠身
鬼は宿主の中に隠れて、鬼の気を外部から隠してしまう能力を持っています。この時は鬼の気を感じないばかりか、鬼の角が外部から見えることもなくなります。
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▼幽鬼の一次覚醒
鬼哭判定のダメージを封印した場合、封印ダメージは鬼魂として扱われます。鬼魂は1つの意識として目覚め、幽鬼として活動を開始します。
・悪意
幽鬼は鬼として覚醒し、宿主の体を乗っ取ることを目的に活動します。幽鬼は負の感情の塊であり、様々な手段を使って宿主を悪意の渦へと引きずり込もうとします。
・強制判定
幽鬼は負の感情を増幅する力を持ちます。激しい怒りなどの感情を誘発する出来事があった場合、保持対象の有無やプレイヤーの意志にかかわらず、いつでも強制的に鬼哭判定を行わせることが出来ます。
・隠鬼
幽鬼は自らの意思によって眠りにつくことで、自身の気配を断つことが出来ます。ただし、隠鬼状態にある時の幽鬼は外界の状態を知ることは出来ません。
▼一次覚醒時の行動
一次覚醒の状態にある幽鬼は、内部から宿主の精神に干渉することが出来ます。選択できる行動は、意志疎通、超常能力、一時的支配の3種類です。
・干渉判定
[宿主の霊力+鬼魂]の値を基準とした干渉判定に成功していなければ、これらの試みは失敗に終わります。この判定は1ラウンドに1度の間隔で行うことが可能ですが、1日に試みることが出来る回数は鬼魂と同じ数までに制限されます。
・意志疎通
幽鬼は宿主と心の中で会話したり、夢の中で幻像を見せるなどの行為を試みることが出来ます。幻影の内容によっては正気度判定を行わせることも可能です。
・超常能力
鬼の持つ超常能力を発揮することが出来るようになります。この時は、[宿主の霊力+鬼魂]を基準値として発動判定を行って下さい。
なお、幽鬼が許す範囲であれば、宿主の意思によって超常能力を利用することも可能です。この場合は干渉判定を行う必要はなく、精神力の許す限り好きなだけ発動を繰り返すことが出来ます。
・一時的支配
ショックダメージによって一時的症状に陥っている間や、気絶・睡眠状態にある時は、幽鬼は宿主の体を自由に操ることが出来ます。この時は干渉判定を行わなくても、好きな時に超常能力の発動を試みることが可能です。
・宿主の覚醒判定
幽鬼の一時的支配下にある間に、何か意識を取り戻すようなショックを心身に受けた場合、宿主は覚醒判定に挑戦することが出来ます。覚醒するためには自我の値を基準とした覚醒判定に成功しなければなりませんが、幽鬼が自らの意思で支配を解いた場合は、判定を行わなくてもしばらく後に目を覚まします。なお、それがシナリオアクションの保持対象に関係する刺激だった時は、そのレベルを修正値として判定に加えることが出来ます。
・幽鬼の対抗判定
覚醒判定に対して、幽鬼は[宿主の霊力+鬼魂]を基準値とした対抗判定を試みることが出来ます。幽鬼がこれに成功した場合は宿主の意識が覚醒することはなく、それまでと同じように活動し続けることが可能となります。
▼幽鬼の二次覚醒
鬼魂を得ている場合、正気度が0になったり1度に自我を超える正気度ダメージを受けても、絶望状態には陥りません。しかし、宿主の精神は幽鬼の代わりに体の奥へ押し込められ、かわりに幽鬼が肉体を自由に行使できるようになってしまいます。この状態を幽鬼の二次覚醒といいます。
・宿主の意識
二次覚醒の状態でも宿主の意識は目覚めており、周囲の状態を把握することが可能です。しかし、体を動かすことは全くできず、意志の疎通をはかれるのは幽鬼だけとなります。
・能力の獲得
二次覚醒状態に移行した場合、宿主の能力が一時的に上昇します。その時点の鬼魂の値を、敏捷、体力、霊力、精神力、生命力のいずれか1つに加えて下さい。また、鬼の用いることが出来る特殊能力のうち、1種類の基本能力を行使できるようになります。
・幽鬼の行動
幽鬼は鬼として覚醒するまで、能力を完全に発揮することはできません。ですから、幽鬼は完全覚醒するために、宿主の体を使って悪事を働くなどして、宿主を精神崩壊へと追いつめようと試みます。
・宿主の覚醒判定
宿主は肉体に受けたダメージや、シナリオアクションの保持対象を鍵として、覚醒判定に挑戦することが出来ます。覚醒判定は自我の値が判定の基準値となりますが、それがシナリオアクションの保持対象に関係する刺激だった場合は、そのレベルを修正値として判定に加えることが出来ます。
覚醒判定に成功した場合、宿主は1D6分間だけ意識を取り戻し、通常の状態と同じように行動することが可能となります。この時、幽鬼の意識は一次覚醒時と同じ状態になり、宿主の体を自由に動かすことが出来なくなりますが、干渉判定に成功すれば何らかの行動を試みることは可能です。
・幽鬼の対抗判定
覚醒判定に対して、幽鬼は[宿主の霊力+鬼魂]を基準値とした対抗判定を試みることが出来ます。幽鬼がこれに勝利した場合は宿主の意識が覚醒することはなく、それまでと同じように活動し続けることが可能となります。
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▼鬼の完全覚醒
幽鬼が完全覚醒を果たした場合、宿主の肉体は鬼の姿へと変貌を遂げてしまいます。この変化のこと鬼化といい、鬼化した姿は鬼質や霊能力などを持たなくても、異形の怪物として認識することができます。
・鬼魂の上昇
鬼魂が宿主の自我の値を上回った時は、宿主の体は鬼の意識に乗っ取られてしまいます。このことを幽鬼の完全覚醒(鬼化)といいます。
・狂気
宿主が発狂状態に陥ってしまった場合にも、幽鬼は鬼として完全覚醒を果たします。
・離魂
鬼化が果たされた後は、離魂判定(鬼狩りを参照)を行うことは出来ません。この状態から宿主の魂を救うためには、鬼を死に至らしめたり、霊能力で鬼魂を封じるなどの特別な手段を取る必要があります。ただし、鬼の肉体を傷つけることは宿主を傷つけることを意味します。
▼宿主の覚醒
鬼として覚醒してしまった場合、宿主は鬼の念に同調したままとなり、本来の意識を取り戻すことはありません。しかし、何か心身に強い衝撃を受けた時は、一時的に目を覚ます可能性があります。
・宿主の覚醒判定
宿主は肉体に受けたダメージや、シナリオアクションの保持対象を鍵として、覚醒判定に挑戦することが出来ます。覚醒判定は自我の値が判定の基準値となりますが、それがシナリオアクションの保持対象に関係する刺激だった場合は、そのレベルを修正値として判定に加えることが出来ます。
覚醒判定に成功した場合、宿主は1D6ラウンドの間だけ意識を取り戻し、通常の状態と同じように行動することが可能となります。この時、鬼の姿から元に戻ることはありませんが、幽鬼の意識は一次覚醒時と同じ状態になり、宿主の体を自由に動かすことが出来なくなります。ただし、干渉判定に成功すれば何らかの行動を試みることは可能です。
・鬼の対抗判定
宿主の覚醒判定に対して、鬼は[宿主の霊力+鬼魂]を基準値とした対抗判定を試みることが出来ます。幽鬼がこれに勝利した場合は宿主の意識が覚醒することはなく、それまでと同じように活動し続けることが可能となります。
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