|
|
|
▼基本
ゲームの中では、様々な怪奇現象が起こる可能性があります。
・原因
怪奇現象が起こる場所というのは、たいていは過去に何らかの事件や事故が起こっています。そのために生じた強い精神的作用が、現実世界に怪異を引き起こしている可能性が高くなります。特に死者の怨念がその場や物品にこびりつき、現実世界に様々な影響を与えることが多いようです。
その次に多いのが、強い恨みの念によって誰かに呪いがかかるケースです。種類によっては対象を特定せず、無作為に呪いが降りかかる場合もあるようです。呪詛による怪奇現象を引き起こすのは生者の念であることもあります。
それから、霊的な力を持つ物品が人間の精神に悪影響を与えたり、霊魂を引き寄せたりすることで怪異が起こることもあるようです。このような品々の多くは封印を施されていることが多いのですが、まれにこれが事故などで解かれ、人間の世界に災いをもたらしたりします。
・霊的接触
顕在化していない怪奇現象が、現実世界に影響を及ぼさないまま潜伏していることもあります。しかし、生者がその場を訪れたり、霊感や霊能力を用いて接触してしまったために、これらの霊的存在を目覚めさせてしまうことがあります。
▼条件
時間や人間との接触など、怪異が出現するための条件が存在する場合があります。逆に、条件が揃わなければ現実に干渉できないような怪異も存在するようです。
・領域
怪奇現象が影響を及ぼす範囲はだいたい決まっており、そこから離脱した場合は怪異から逃れることが可能となります。
・時間
怪異が出現する時間というのは決まっておらず、いつでも起こりうる可能性があります。最も多いのは、怪異が生じる原因となる事件や事故が起こった時と同時刻となりますが、必ずしもその時間に限定されるわけではありません。
▼霊界
霊界と現実世界との通路が一時的に開き、それによって怪異が生じる場合もあります。
・発生
霊界との通路が開く条件というのは、通常の怪異が生じる場合とだいたい同じで、特に強い恨みの念や霊能力などによって、この状態が引き起こされることが多くなります。また、黄昏時から明け方にかけての時間や、霊力に満ちた特定の場所などでも、偶然この現象が起こる場合があります。
・一時的通路
霊界との通路が一時的に開かれ、特に前触れもなく閉じることがあります。このような状態が生じやすい場所には、地蔵尊や祠などがたっていることが多いようです。
・恒久的通路
霊場と呼ばれる場所では、恒久的に霊界との通路が開いている場合があります。多くの場合は霊能者などによって封印されていますが、これが解けた場合は怪異が起こることになります。
・霊界交路
霊界と現実世界との狭間にある空間のことで、霊は自由にこの空間に出入りすることが出来ます。霊界交路が生じた空間は、現実の物理現象が歪められてしまい、霊界の法則に強く干渉されることになります。
霊界交路における物理法則は、その時々や場所によって変化します。多くの場合は、その場にいる念の影響を強く受けるようです。内容についてはキーパーが自由に決定して構いません。
▼怪異の力
怪奇現象が現実に影響を与えるためには、心霊現象(特殊能力)を発動させる必要があります。これには様々な種類がありますが、一般に霊能者よりも遙かに強い力を持っているようです。
・特殊能力
これは霊能力と同じく技能の1つとして扱って下さい。ただし、これらは霊能力とは異なり、発動時に精神力などを消費させる必要はありません。
特殊能力の影響から逃れるためには、精神抵抗の判定に成功する必要があります。失敗した者は相手の思念に引かれて、その影響を受けた行動を取ってしまったり、精神力の減少などを引き起こしたりします。
▼解消
怪奇現象が出現しないようになるには、霊能力などで現象そのものを封じてしまうか、恨みの念を晴らしてあげる必要があります。怪奇現象が起こる原因となった出来事や精神的要因を解消できれば、怪異は完全に消滅することになりますが、過去の情報を集めたり念と接触するなどの作業を行う必要があります。
・封印
封印は一時的に現象を押さえ込むだけであり、封印が解かれてしまうと再び怪異が発現することになります。なお、封印が解かれてしまったために現れた怪奇現象の場合、これを元に戻すことで事件を解決できる可能性があります。
・浄化
霊能力による浄化で一時的に怪異の力を奪うことは可能ですが、存在そのものを消し去ることはほぼ不可能です。普通は時間稼ぎがせいぜいでしょう。
・説得
霊魂などの意識のある存在は、説得によって恨みの念から解き放つことも出来ます。ただし、怨念だけがその場にこびりついて怪奇現象など、意志疎通が全く出来ない場合もあります。
・離脱
特定地域に出現する怪奇現象の場合、その場所から離れればその影響から逃れることが可能です。しかし、怪異の中には人間を結界の中に取り込んでしまうものもあります。このような状態に陥った場合は、霊能力を用いるか怪異そのものを消滅させない限り逃れることは出来ません。
|
怪異が現実の世界と交わり、姿を現すことを現象化といいます。現象化には幾つかの段階がありますが、キーパーは任意の時に自由に段階を移行させることが出来ます。
▼存在段階
・隠身化
現象化を起こしていない状態のことをいいます。この状態にある怪異や霊魂と接触した場合、霊感の技能などを用いれば嫌な印象を受けますが、霊視や霊能力を用いても見ることは出来ません。逆に、この状態にある怪異は、現実の存在に直接的な影響を与えることは出来ません。
・半具象化
霊視や霊能力を用いて見ることが出来る状態ですが、能力のない人には全く見えません。ただし、霊感の判定に成功すれば、一時的に半透明や煙のような存在として見えることもあります。半具象化の状態にある怪異に対しては、霊能力を用いなければ(触れることも含めて)影響を与えることは出来ません。
怪異の側からは、特殊能力を用いて現実世界に様々な影響を及ぼすことが可能となります。ただし、具象化している時よりは力を制限されることが多く、単に意志疎通が出来るだけであったり、見えるだけといった程度の影響しか及ぼさないこともあります。
・具象化
霊感などの技能を用いなくても、誰にでもその怪異を目にすることが出来る状態です。もちろん、現実の存在に様々な影響を与えることが出来ますし、霊能力を使用しなくても怪異に触れることが可能となります。ただし、相手を傷つけることが出来るかどうかは別で、霊的な力のみが効力を発揮する場合もあります。
・物質的影響
隠身化や半具象化の状態にある怪異は、物理的存在に移動を阻まれることはありません。壁を通り抜けることも出来ますし、地面を歩かなくても自由に移動することが可能です。
▼視認段階
・映像への影響
隠身化や半具象化の状態でも、怪異が写真や鏡などに映像として映り込む可能性があります。隠身化の場合は影や靄、あるいは光として記録されますが、半具象化の場合は鮮明な画像として映ることも多いようです。
・映像化
怪奇現象の持つ能力によっては、半具象化の状態でも映像として視認できる場合があります。これには霊的な能力は一切必要なく、誰にでも見える状態となります。ただし、具象化ほど明確な存在ではなく、一般に想像される幽霊のように透き通った映像や、煙のようにもやもやとした塊に見えたりします。
▼制限条件
怪異の中には出現条件や出現時間が決まっているものもあります。このような怪奇現象の場合は、条件によって存在段階が制限されることもあります。
・太陽
太陽が直接照らされている場所では、怪異は本来の力を出すことが出来ません。この場合は、半具象化が精一杯となります。
|
▼基本
幽霊と呼ばれる存在は、霊魂と幽体の2つの要素に分けることが出来ます。霊魂は意思を持つ魂のことですが、現実に干渉するためには体を持たなければなりません。そのためには、一般にエクトプラズムと呼ばれる幽体物質に宿らなければならず、この状態になった時の霊を一般に幽霊と呼んでいます。
▼種類
・白霊
浄化され、昇天した魂のことです。現実の世界に未練は持っておらず、通常は霊界と呼ばれる場所で穏やかな眠りについていると言われています。
・灰霊
現実世界に何らかの気がかりを抱いていたり、自分が死んだことを理解していない霊のことです。恨みを抱いているわけではないので、意図的に誰かを傷つけることはありません。しかし、意図せずに生者に恐怖を与えたり、たまたま波長が合う人の精神と同調して、相手を自殺させたりすることもあるようです。地縛霊と呼ばれるものの大半がこれに当たります。
・黒霊
邪悪な想念に取り憑かれた霊で、意思を持って生者を攻撃する者です。たいていの黒霊は非常に強力な存在であり、霊能力を用いてもなかなか浄化することは出来ません。
・神霊
神性を持つ霊魂のことで、神として祀られている場合もあります。神霊は非常に強力な力を持っていますが、人間世界の出来事に直接介入することはありません。ただし、ごくまれに助力してくれることもあるようです。
▼憑依
霊魂が憑依できるのは、幽体物質や死体といった意思を持たない存在、そして生者もその対象となります。
・幽体物質への憑依
強い念を抱いている霊は、意識的に幽体物質へと憑依することが出来ます。一般にイメージされる幽霊というのは、幽体物質へ憑依した状態の霊魂のことになります。霊魂は自由に幽体物質を離れることが出来ますが、離脱した後には幽体物質は残らず、煙のようにかき消えてしまいます。
なお、幽体物質が存在しやすい場所とそうでない場所があるため、再び元の場所に現れるのに時間がかかることもあります。一般に墓所や霊場、それから水場の近くには幽体物質が豊富に存在し、乾燥した場所には存在しにくいと言われています。
・生者の憑依
強い念を抱いている霊魂は、生者への憑依を果たすことが出来ます。憑依が可能であるのは、生者もその体内に幽体物質を保持しているためです。憑依できるかどうかは、シナリオアクションの霊媒を用いた判定で決定します。
・死体への憑依
死体や遺骨に霊魂が宿ることがあります。ただし、死体は死亡時に幽体物質を失っているため、憑依できるようになるには準備が必要となります。多くの場合、霊能力による手助けが必要となるようです。
・憑依霊魂への影響
霊魂が何かに憑依していても、霊能力などの効果は適用されます。抵抗は霊魂の精神抵抗の値を基準として判定します。
・感覚
憑依されているかどうかということについては、憑いている存在が自分の意図しない行動を取るなど、よほど明らかな兆候がなければ気づくことはありません。ただし、通常のように霊感の判定に成功すれば気配を感じたりしますし、霊能力によって判別することは可能です。
▼存在形態
・霊魂の状態
霊魂は隠身化と半具象化の段階を自由に切り替え、突然出現したり姿を消すことが出来ます。しかし、霊魂だけの存在である限りは、半具象化の状態までしか段階を移行することは出来ません。具象化に移行するためには、必ず幽体物質へ憑依して幽霊として存在しなければなりません。
・幽霊の状態
幽体物質へ憑依した霊魂は、主に半具象化と具象化の2つの状態を取ることが出来ます。非常に強い念を抱いている霊魂は、幽体物質に憑依した時に具象化を引き起こし、まるで人間のように触れることが出来るようになります。
▼脅威の回避
・浄化
幽体を浄化して現象化した幽霊の力を奪うことは可能ですが、霊魂そのものを浄化するにはよほど強い霊能力を用いるか、相手を納得させて浄霊するしかありません。
・離脱
霊によっては、死んだ場所に束縛されていることもあります。こういった地縛霊に襲われた場合は、取り憑いている場所から離れれば、たいていはその影響から逃れることが出来ます。しかし、特定の人間を標的にしている霊は、諦めるか浄化されるまで離れることはありません。
|
▼基本
このゲームには人外の怪物が登場する可能性があります。このような存在を総称して妖物と呼びます。これらの多くは器物や植物といったものに意識が宿ったものであり、霊魂の一種に含まれます。
・実体
妖物と幽霊の大きな違いは、物質としての体を持つということです。また、幽体物質に憑依している場合とは異なり、その意識は最初から器物や生物に宿ったもので、これらから離脱することは出来ません。霊魂が体から離れるのは浄化された場合に限られます。
▼種類
・器物
人形や髪の毛など、非生物にこびりついた意識が1つの霊魂となり、妖物として生み落とされることがあります。
・生物
虫や植物などが死者の恨みの念に影響されたり、動物の意識が特定の霊魂や恨みの念と結びついて、妖物に変化してしまうことがあります。特別に誰かに可愛がられたり、死体やその血液に触れるなどした場合に生まれることが多いようです。
・自然物
水や炎といった存在が霊魂を宿し、幽霊のように振る舞うこともあります。このような存在を精と呼んだりしますが、中には死者の念に影響された恐ろしい存在もいるようです。
・魔物
悪魔や怪物など、超自然の意識が妖物として生まれる場合もあります。これらの中には1つの生物のように肉体を持ち、傷つけられれば血を流すようなものも存在します。魔物が生まれる過程は明らかではありませんが、その歴史は非常に古いものが多く、長い年月を経て強い霊力を身につけています。
|
怪異が具象化した場合は、霊的な能力がなくても普通に触れることが出来るようになります。ただし、これはあくまでも超自然の存在であり、通常の物質と同じ状態にあるわけではありません。
▼幽霊へのダメージ
・霊魂と幽霊
具象化の段階にある幽体物質は、普通の物質のように触れることが出来ます。これらは物理的な打撃によって一時的に拡散し、外見上はダメージを負っているように見える場合があります。しかし、これはあくまでも仮の姿であって、霊魂が打撃による影響を受けるわけではありません。霊魂が生前の認識のまま幽体物質に傷をつくり、そのように見せているだけなのです。場合によっては、霊魂が相手に恐怖を与える目的で、わざと幽体にひどい外傷をつくることもあります。
そのため、幽体に打撃を与えることは何も意味を持たず、生命力が減少することもありません。ただし、具象化している幽霊には触れることが出来ますので、弾き飛ばしたり取り押さえたりすることで、相手の攻撃から身を守ることは可能です。
・物理打撃の例外
幽体物質は炎や電気といったものに影響されるため、弱い霊は生命力の減少を引き起こす可能性があります。しかし、これは一時的なものでしかなく、数分もあれば以前と同じように活動できるようになります。また、強い霊の場合は一切の影響を受け付けないばかりか、逆にこれらを操って生者に害を為すこともあるようです。
・状態の変化
霊魂は物理的な攻撃によって痛みや苦しみを負うわけではないので、気絶したり即死するということはありません。
・霊的打撃
霊的な攻撃によるダメージや、霊能力によって霊力を付与された物品による打撃は、幽体物質に傷を与えることが出来ます。これによって生命力が減少すれば、一時的に幽体物質が拡散してしまい、消滅したように見えることもあります。このような状態に陥っても、霊魂は再び幽体物質を集めてそれに宿ることが可能ですが、通常よりは回復に時間を費やす必要があります。
霊魂に苦痛を与える霊能力の場合は、一時的にその力を弱体化させたりすることが出来ます。しかし、霊魂そのものが消滅しない限り、やがて再び力を取り戻して現世へと戻って来てしまいます。完全な解決方法は浄化や成仏させることであり、打撃によって霊魂そのものを消滅させるのは不可能と考えてよいでしょう。
▼妖物へのダメージ
殆どの妖物には実体があるため、物理的な打撃などによって影響を与えることが出来ます。ただし、妖物の中には脅威的な回復力を持つものや、霊的な防御によってダメージを受け付けにくいものなども多く存在するようです。
|
PhantomRoad-Rule