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カルチャー・スタディーズ 文学
ポスト・ムラカミの日本文学

仲俣暁生・著 朝日出版社刊 165p ISBN:4255001618 \1,200(税別) 装丁:佐藤可士和

Wムラカミ(村上春樹、村上龍)のめざましい登場から25年。80‐90年代の作家たちは、どんな認識と世界観をつかみとり、伝えているのか。「ポストモダン文学」「渋谷系」「J文学」…、勝手なくくりをはずして読み込んでみれば、おどろくべき文学シーンが見えてくる。 日本文学はこんなにも面白い。

〈目次〉
第1章 村上春樹と村上龍―70年代後半という時代

 アメリカ占領下の子供たち/「安保闘争」と三島由紀夫の自決/長い沈黙が意味すること/「外人居留区」の作家/中上健次との切断/心理描写のない「映像的」な文章/語るのではなく、聞く「僕」/ロック世代の文学/ロードムーヴィ的「自分探し」譚/「超国家システム」と「井戸の中」

第2章 「ポップ文学」と「ポストモダン文学」―80年代文学の迷走
 ジョン・レノンと大統領/「ポップ文学」の誕生/角川文庫とサブカルチャー小説/バブル経済と西武セゾンの文化戦略/「郊外化」とジャンル小説のパラダイムシフト/ポストモダン文学とはなんだったのか/高度資本主義への戸惑い/「ポップ文学賞」としての三島賞

第3章 渋谷はもう戦場だった―90年代前半の「風景」
 海の向こうでまた戦争が始まるる/「渋谷系文学」とはなんだったのか/「団塊の世代」への決別/グローバル資本主義の植民地「渋谷」/阪神大震災と「オウム」事件/「暴力」批判としての小説

第4章 「J文学」の廃墟を超えて―90年代後半のリアル
 江藤淳の死と「J文学」の登場/「新宿系」という系譜/指針をなくした「なんでもあり」の時代/パンクとしての文学ーー町田康/アネモネのその後ーー赤坂真理/「純文章」という戦略ーー堀江敏幸/「嫐」「嬲」という関係ーー星野智幸/「ルームシェアリング」というリアルーー吉田修一/ハシと木川田くんのその後

第5章 オンナコドモの共闘は可能か?―21世紀日本文学の行方
 理性で構築された「暴力」−−『バトル・ロワイアル』/リメイク作品集としての『紙の子供たちはみな踊る』/「からっぽ」なのは誰か?/「ポップ文学」から「神様」への回帰/ニッポン=日本=ジャパン、それぞれの「文学」/滑稽なニッポンの私ーー『ニッポニアニッポン』/リターン・オヴ・リヴィング・デッドーー『日本文学盛衰史』/犯られる側の倫理ーー『メイド・イン・ジャパン』/オンナコドモは共闘する

巻末付録:ポストムラカミの「ポップ文学」ベスト30 (1976〜2002)

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●正誤表(2006年11月5日更新)    
  【誤】 【正】

初版の誤植・事実関係の訂正箇所の一覧です(著者)

安保条約の条文ではその見直しが十年ごとにおこなわれることになっていたため (P18)       

[この箇所を削除] 

  ※1951年の旧安保条約の条文には延長の年限規定はありませんでした。条文はこちらにあり。  
 

その失敗を十年後に勝利に転換しようとする勢力にとって (同)                       

→ このとき新たに結ばれた安保条約は、締結の十年後以降は条約破棄が可能でした。そのため安保破棄を目指す勢力にとって

  「生ける屍の死」(P78) →「生ける屍の夜」
  ※阿部和重の『アメリカの夜』の現題は、ジョージ・A・ロメロの「ナイト・オブ・リヴィングデッド」なので「夜」が正しい。「生ける屍の死」は山口雅也の作品名でした。ごめんなさい。  
 

神戸は遠い源平の昔、平清盛が平安京からの遷都を一時試みた「福原の都」で、ここもまた大地震にみまわれるからです。 (P83)         

→ 神戸は遠い源平の昔、平清盛が平安京からの遷都を一時試みた「福原の都」です。また平家滅亡後、京の都は大地震にみまわれます。
  ※「方丈記」を勘違いしたまま記憶していました。  
  掛け声ばかり高い(高踏な)わりに (P87) → その気取った名前とは裏腹に
  ※「高踏」の意味のとりかたがヘンでしたね。

 

  堀江敏幸『おぱらばん』 (P93) → 堀江敏幸『熊の敷石』 
     
  誤植ではありませんが、本書刊行(2002年6月)の後に吉田修一が『パーク・ライフ』を刊行したため、以下の記述も更新します。  
   まだ三冊しか本が出ていませんが、いまぼくがもっとも期待している作家が吉田修一です。  「まだ三冊しか本が出ていませんが」を削除。

以上の箇所は重版時に訂正するつもりです。初版で買ってくださったみなさん、すみません。


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