谷川岳/一ノ倉沢/一ノ沢、二ノ沢中間綾〜東尾根

<谷川岳/一ノ倉沢/一ノ沢、二ノ沢中間綾〜東尾根>


茅ヶ崎山岳会/有持真人、清水国洋、宮川良成





(記録)有持真人

1 日程  3月23日(土)〜24日(日)

2 ルート 谷川岳/一ノ倉沢・一ノ沢、二ノ沢中間綾〜東尾根

3 参加者 有持真人、清水国洋、宮川良成(全員、現在はARIアルパインクラブ)
4 記録

  23日(土) 吹雪〜曇り

    天神平駐車場 〜 一ノ倉沢出会 〜 中間綾(小コル手前のピーク)
      1300      1400/1420      1620
    前日に低気圧が発達しながら通過したため、今日は一時的な冬型気圧配置となり、かなり強い吹雪
   になっている。仕方なく、天神平の駐車場で天候待ちをする。

    今年は積雪量がかなり多く、天神平で5m40cmもある。午後になってから、吹雪もだいぶ収まったの
   で、出発する事にする。 積雪量は多いが22日に雨が降り、今日は冷え込んでいるために、雪はかな
   りしまっており、ラッセルは全くない状態である。せっかくワカンを持ってきたのに、宝の持ち腐れで
   ある。
    一ノ倉沢出会までの道は、ほとんど雪の下で、至る所でデブリが見られる。気温が高い時などは、雪
   崩に注意しなければならない。

    雪がしまっているために、夏とほとんど変わらない時間で(約1時間)で出会に到着。
   一ノ倉沢でも、クルブシぐらいのラッセルしかない。ルンゼ登攀のベストコンディションである。これ
   なら第3スラブが登攀できると思ったが、氷壁の装備は持ってきておらず今回は残念だが、中間綾に向
   かう。

    中間綾も雪は適度に締まっており、快適に高度を稼いでいく。下部樹林帯を抜けた跡の雪壁は、22
   日の雨のおかげで、かなり雪崩かけており、クレバスが開いたりボロボの状態である。気温が高いとか
   なり危険な場所である。

    小コルの手前の小さいピークで、今日は終了にする。以前1月の下旬に登った時には、ラッセルがひ
   どくて8時間もかかったが、今回は2時間であっけない程簡単に登る事ができた。

    ここは、テントが1張りやっと張れるぐらいの広さしかなく、入り口を出ると足の置き場もなく、す
   ぐに急雪壁である。

  23日(土) 快晴

    中間綾(小コル手前のピーク) 〜 東尾根 〜 谷川岳 〜 天神平
      0530 0730 0930/0915 1030

    一ノ倉沢出会を見ると、ヘッドランプの明かりがかなり多く動いている。ほとんどが一ノ沢をつめて、
   東尾根に向かうらしい。

    早速テントを撤収して、出発する。核心部までは、かなり急なブッシュと岩混じりの雪壁になってい
   る。ノーザイルで核心部の手前の小ピークまで一気に登る(約2時間)。先ほどの出会のパーティも東
   尾根に取り付いたようだ。

     
    核心部は、約15mの雪壁をクライムダウンし、約10mの岩綾、約40mのナイフエッジの通過で
   ある。雪の状態が良かったので、ノーザイルでも行けたが、雪庇が張り出していたので、念のためにこ
   こだけアンザイレンする。

    ここから、急雪壁を登れば、東尾根の上部に合流する。東尾根は、マチガ沢側にかなり大きな雪庇が
   張り出しているために、慎重にステップを刻んで行く。第1岩峰手前には、かなり深いクレバスが開い
   ており、1mほど飛び越す。

    第1岩峰は、岩自体は5mほどで、直登してもW+程度である。混雑している時は、岩峰の右側から
   巻く事もできる。

    ここから上部は、ひたすら急雪壁を直登し、国境稜線の雪庇を崩して乗り越え、パートナーと握手を
   交わして登攀終了。谷川岳山頂までは目の前である。

    今回は、天候、雪質に恵まれて、快適な登攀を楽しむことができた。東尾根は人気ルートなので、い
   つもなら、トレースがしっかり付いていて登攀の楽しみが半減してしまうのだが、今回は我々のパーテ
   ィが1番のりで、ステップを刻みながら登ることができ、雪綾本来の楽しみを味わう事ができた。



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