<報告者>札幌登攀倶楽部/小野寺
<遭難事故日> 1998年10月24日13時頃
主催:登山研究集会実行委員会
L.小野寺(札幌登攀倶楽部)
M.石田、上出、(登攀倶楽部)中川(札幌中央労山)
事故者:中川 女 50歳
概要:5分の1動滑車で仮想事故者男を女1人で引き上げる実験中、
ビレー点で3人で交代しながらやっていたところ、事故者のセルフ
ビレーにかけていたデジーチェーンが加重と同時にはずれ、3m
足から落下、顔を岩に打ち眉と顎を裂傷、口の中が一番ひどく
1cm4針縫う。運良くこの程度の怪我で済む。
原因:セルフビレーの確認をしないまま加重した。
ガチャっという音を聞いたとのこと。
可能性としてはアンカーにカラビナがちゃんと
掛っていなかったか、横向きのまま上のゲート
部分にスリングが掛っていたか?本人憶えていない。
今回は合同訓練で集会のレポートを作成する実験をしていた。
分科会:アルパインクライミング
セルフレスキュウについて
登攀倶楽部ではセルフビレーには安全環付きカラビナを使用するよう教育
しているが(100%実践されているわけではないが)、他会ではまだそ
のような動きはないようです。
会では標準装備としてハーネスに連結しているデジーチェーンの末端に安環を付けている。
安全環がないときは2つで別々に取るようにしているが、事故者は
そのとき1つだけで取っていた。1時間前の作業時にそのことを
注意していたが、事故当時、仮想事故者がリーダーでチェック体勢が甘かった。
実験の結果
5分の1動滑車で女47kが男75kを引き上げるのは大丈夫でした。
コツはプルージックの効かせかた次第です。ロウプマンは有効でした。
女2人に男1人(事故者)の場合、一人が男を背負いユマーリング、
もう一人が事故者を3分の1動滑車でタイミングをあわせて引き上げる
と楽に上がります。女が女をユマーリングするより楽だったとのこと。
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