<報告者>グループ・ド・ミソジ/遠藤博隆
登攀中の事故ではありませんが 同様の事故の再発がないようにと 報告させてもらいます。
(一の倉沢 冬期避難小屋にて)
1)概要
3/7−8東尾根を登るつもりで谷川へ行ったが 7日は吹雪のため 登攀は諦め 出合いの冬期
小屋で停滞。
ガソリンコンロを使用中 ガソリンの噴出により火災となる。
コンロを操作していたNがガソリンを浴び左半身が火だるまとなる。
全員(5名)がツェルトを飛び出しNの火を叩き消そうとしたがなかなか 消えずやっと消すこと
ができた。
本人が小屋の外の雪で 手と顔の傷を冷やす。
そのやけどの具合を見て直ちに下山を決定。ひどい吹雪の中
ラッセルをしながらロープウエイの駅まで急ぎ
119番で救急車を呼んで病院へ搬送。
2)やけどの程度
顔=1度 左手=3度(皮膚の移植を要す) 左足=軽度
皮膚の移植を要するため 約50日の入院が必要と診断された。
3)原因 (コンロ=MSR 0.75リッターボトル)
1.燃料パイプの亀裂または破損
2.パッキンの劣化または破損
3.バルブの破損
4.燃料ボトルの破損
5.本体と燃料パイプの接続不良
6.本体と燃料ボトルの接続不良
7.その他
火災消化後コンロを確認の結果
1−5については異常を認められなかった。
しかし 6の本体と燃料ボトルの締め付けがゆるんでいた。
後日締め付け後点火実験を行ったが 正常に燃焼した。
このことから締め付けがゆるんだ為にガソリンが噴き出し
火災になったも のと思われる。
なぜゆるんだかについては調査中。
メールでの質疑応答
遠藤さんこんにちは、中曽根@前橋労山です。
> 火災消化後コンロを確認の結果
> 1−5については異常を認められなかった。
> しかし 6の本体と燃料ボトルの締め付けがゆるんでいた。
> 後日締め付け後点火実験を行ったが 正常に燃焼した。
> このことから締め付けがゆるんだ為にガソリンが噴き出し
> 火災になったも のと思われる。
> なぜゆるんだかについては調査中。
ちょっと質問が有ります。私もMSRを使ってるので気になって・・・。
ポンプ本体?(ポンプ&火力調節のネジがついてる部分)と燃料ボトルの締め付
けが緩んでいたと言う事でしょうか?
ちなみに山道具屋でMSRのチタンボトルがリコールされてました、関係はない
と思うのですが・・・。
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中曽根 豊 (Yutaka Nakasone)
前橋勤労者山岳会(群馬)
ミソジ遠藤です。
中曽根さん こんばんわ。
> ちょっと質問が有ります。私もMSRを使ってるので気になって・・・。
> ポンプ本体?(ポンプ&火力調節のネジがついてる部分)と燃料ボトルの締め付
> けが緩んでいたと言う事でしょうか?
その通りです。 消火後確認した時は 確かに緩んでいました。
朝9時頃から使用して14時半頃 私がガソリンを補充しました。
火災は17時半でしたので 火災になるまで3時間ほど使用していました。
なぜ緩んでいたのかは まだいくつか確認しなければならない事があり
それがはっきりしてから また報告します。
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宇都宮クライマーズクラブ グループ.ド.ミソジ
遠藤博隆
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