一ノ倉沢/南稜/懸垂下降地点/墜落事故報告

<報告者> どんぐり山の会/薄田俊治


<遭難事故日>    1999年6月13日(日)

薄田俊治@どんぐりです。

 山行報告と遭遇した事故の報告をします。

幕岩へのアプローチ情報、ありがとうございました。今週19,20に変更となりました。

 本来12/13日は、唐沢岳幕岩行く予定でしたが女房とのネゴに失敗してしまい、12日は家族サービス
になりました。12日は、家族で天神尾根から谷川の本峰へピストンしてきました。

12日: 衝立 雲稜第一ルート メンバー/武井、野村(どんぐり)


13日:「烏帽子ダイレクト」メンバー/薄田・野村
     出合  / 6:00
     取り付き/ 7:00
     終 了 /11:00
    「南 稜」 メンバー/永井、岩満、松野、松本、川井(どんぐり)

 鎌形ハング下の取り付きでトップ選考のジャンケンをしようとしたところ、野村氏が前日の残業(衝立の
雲稜1ルートを登り、中央稜が混んで出合に戻ったのが22:00担ったとのこと)で疲れているので、譲
ってくれるとのこと。薄田トップでスタート。3ピッチ目のハング下から右へ、直上の3ムーブ位までが最
初の核心ですが、足元からすっぱり烏帽子スラブまで見えるのでちょっと怖い。4ピッチ目で最初、ルート
が見定められず少し時間を取るが、全体を通してすっきりとした好ルートです。

 終了後、南稜パーティーに無線連絡したところ、他パーティーの1人が6ルンゼの下降点から墜落したと
のこと。(事故発生/10:30くらい)急いで2ピッチ下降し永井代表達と合流。

 事故者は、千葉りょうけい山岳会3人パーティーのリーダーで同パーティー内の医師の方の判断で死亡を
確認。遺体は、南稜の草付ピッチの脇の6ルンゼ内に止まったとのことでした。

 警備隊にも連絡し、救助を要請する。

 遺体は、永井、野村、松野、他数名と警備隊で6ルンゼ通しに本谷バンドまで下ろし、後は、本谷バンド
沿いをフィックスしたロープたよりに南稜テラスまで引きずり上げる。(南稜テラスには新潟の安藤パーテ
ィーと「りょうけい」の2人、薄田、警備隊の1人)

 薄田、岩満は、その間フィックスロープをテールリッジの3級プラスのトラバース地点前まで張る作業を
行う。

 遺体は、群馬県警のヘリで南稜テラスから引き上げて収容となりました。遺体をヘリが収容した時間は
18:30を少しまわっていました。 南稜を登ったメンバーに聞くところによると事故者は、1本のロープと
共に落下していったそうです。

 最後、フィックスしたロープを回収して出合に着いたのが20:30くらいでした。ヘリが収容してくれ
なければ夜中までかかったと思います。

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