負傷者の引き上げ技術

負傷者の引き上げ技術


岩壁での引き上げ技術/滑車システム(7分の1)


 登攀中に、セカンドが落石などのアクシデントで怪我をしたり、ハングで宙釣りになって自己脱出ができ ない場合や、ロワーダウンできない状況になった場合は、トップのいるテラスまでセカンドを引き上げなければならない。

1 セット方法

 @ トップは、確保しているテンションの掛かったメインザイルを、プルジックなどでアンカーに仮固定する。

 A エイトカンなどのビレーシステムを解除し、アンカーに環付カラビナ(HMS)を2枚掛けてガルーダ結
  びをし、@の仮固定を解除する。

 ※ 携帯していれば、ガルーダ結びよりも<ウオールホーラー>又は、<プーリー&ユマール>のほうが引き
  上げが楽。

 B セカンドへ出でいるテンションのかかったメインザイルに、テラスの広さに合わせて長さを調整しマッシ
  ャー結び(又は、ユマール)を引き上げ方向にセットする。そこに補助ザイル(8o×7m)の中間で八の
  字結びを作りカラビナを掛ける。

 C アンカーから出ているテンションの掛かっていないメインザイルに、アンカーの直ぐ下でマッシャー結び(又
  はユマールをセットしカラビナを掛ける。

 D 補助ザイルの片方で、テラスの広さに合わせて長さを調整してCのカラビナに通し、八の字結びを作りカラビ
  ナを掛ける。

 E Dの八の字結びにセットしたカラビナに、もう一方の補助ザイルを通す。

2 引き上げ方法

 @ 1Cのマッシャー結び又は、ユマールをアンカー方向に移動する。

 A 1Bのマッシャー結び又は、ユマールを下方向に移動する。

 B 1Eの補助ザイルを引っ張る。

 C @からBを繰り返す。

 この方法で引き上げれば、引き上げスピードは若干遅いが、少しの力で確実に引き上げることができる。




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