質問内容/回答

<質問> 増田@YCCです。

 この秋、紅葉見物山行として、穂高の大クラシックルート「奥穂南稜」あたりを考えて います。 どなたか、行かれた事のある方以下の点につきアドバイスをお願いします。

1)岳沢からの取付は分かりやすいか、目印は?
2)ロープなしでも登れる程度か(テント、シュラフ、食料など背負って軽登山靴で)
  また、残置支点などは?
3)近年の地震の影響等は?

 その他何でも。よろしくお願いします。



<解答1> 増田さん、こんにちは。黒澤♂@YCCです _(^^)_

> この秋、紅葉見物山行として、穂高の大クラシックルート「奥穂南稜」あたりを考えて
> います。 どなたか、行かれた事のある方以下の点につきアドバイスをお願いします。

 すいません。8年前に女房(と一緒になる前)と敗退したっきり行ってませんが、 そのとき上條さん(岳沢小屋のご主人)に伺った話からお答えします。ご参考に…

> 1)岳沢からの取付は分かりやすいか、目印は?
 南稜は、岳沢小屋からすぐ見える右岸の顕著なリッジですから場所は間違えようが ないと思います。ただし、9月以降だと雪渓との「シュルンドが空いていて取り付き にくい」状況だと聞きました。

> 2)ロープなしでも登れる程度か(テント、シュラフ、食料など背負って軽登山靴で)
>   また、残置支点などは?
 取り付きからすぐにブッシュ帯に入ると踏み跡がついているということですので基 本的には登攀用具は不要だと思いますが、なにぶん人があまり行かないルートですか ら退却用の装備(=懸垂が出来る程度)はあった方が良いと思います。

> その他何でも。

 昔のガイドブックによれば「ハイライトはトリコニーの登攀」だったそうですが、 上條さん曰く「岩は硬いけど落石多いから登らない方が良いよ…巻けるから…」だそ うです。登る前に岳沢小屋に顔を出して聞いてみると良いと思います。ではでは。



<解答2> あおきといいます。

 昨年の夏、しかも地震前なので、ご参考になるか??です。黒澤さんの回答とほぼ同じです。

> > 1)岳沢からの取付は分かりやすいか、目印は?
>  南稜は、岳沢小屋からすぐ見える右岸の顕著なリッジですから場所は間違えようが
> ないと思います。ただし、9月以降だと雪渓との「シュルンドが空いていて取り付き
> にくい」状況だと聞きました。

 同じく。昨年は8月あたまでも、取りつきにくかったです。

> > 2)ロープなしでも登れる程度か(テント、シュラフ、食料など背負って軽登山靴で)
> >   また、残置支点などは?
>
>  取り付きからすぐにブッシュ帯に入ると踏み跡がついているということですので基
> 本的には登攀用具は不要だと思いますが、なにぶん人があまり行かないルートですか
> ら退却用の装備(=懸垂が出来る程度)はあった方が良いと思います。

 踏み跡はなんとなくありました。「ハイライト」の前に沢を詰めて行ったときのような
草つきを登りあがりました。かなり水を含んだ地を記憶してます。その後は木登りも少
々でてきました。その後に出てきた岩まじりの草つきは、当時は浮石がつまってました
。ハーケンも打ってありましたけど、ロープなしで行ける程度と記憶してます(使わな
かった)。

 「ハイライト」の登攀もやりましたが、荷物が大きい?重い?のであればロープはあっ
たほうがよいかなという程度と記憶してます(ここでは一応使いました)。登攀よりそ
の後のトラバースがイヤでした。

 懸垂下降点には「いちおう」ハーケンがうってありました。



<解答2> 稲葉@無所属%板橋区在住です。

 増田@YCCさん、みなさんこんにちは。

 二十数年前なので、記憶も薄れつつありますが、10月に登ったことがあります。 ただ、今でも、そんなに状況は変わっていないでしょう。

 わたしのときには、全く困難なく取り付けました。秋にはほとんど消えていると思います。 尤も、雪渓の量と状態は年毎に変わるので今年はどうかは、行ってみなけりゃわからないで しょうが。

 取り付き点は、大滝の手前の顕著なルンゼか、その手前の藪のリッジ。

 ザイルは持参しましたが、単独であったので、面倒で結局、最後まで使いませんでし た。核心部は、トリコニーにでる手前、ルンゼの上部のスラブの数メートルですね。 雨が降ってきて、滑るし細かいし荷は重いし、「やばいなあ、ここで落ちたら大滝の 下まで飛んでってしまうなあ」と。全行程でここだけは、今でも鮮明に覚えています。

 トリコニー自体とその上の岩稜帯は、楽しいというか、易しいというか、手応えに乏 しいというか...

 奥穂南稜は、岳沢でもコブ尾根とともに、今でもよく登られているようです。昨年、 5月、8月に稜線で立ち話した何パーティーかが南稜経由でした。

 現役バリバリのアルパインクライマーの方には、物足りないでしょうが、何よりも、 あそこは、ウエストンの初登攀した由緒ある、歴史的ルートです。また、上高地を 背にして穂高の最高峰へ直接抜ける爽快さは得難いものがあります。

 資料としては、白水社の日本登山体系「槍、穂高」などにあります。最近の本には、 あまり紹介されていませんが、古いコースガイドブックにはたいてい収録されてい ます。このような、古い資料をお探しで、東京近辺にお住まいでしたら、板橋区に ある「植村直己冒険館」をお勧めします。古今の山岳書5000点が蔵書されてお り、自由に閲覧できます。下記に、場所などの案内を載せておりますので、御興味 がございましたら、ご覧ください。

 ★ http://home.att.ne.jp/green/tell/uemura.html

では。


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