質問内容/回答 |
高校時代からロックをやり、山歴約50年になりますが、昨夏は5日間真砂沢に入っていて、冷 夏悪天で悩まされました。しかし冬期明神東稜しか入った事がなく、未だ奥又白に足を踏み入れ たことがありません。 今月前穂東壁に入る計画で資料収集を計っていて、貴ホームページを見ましたので、アドバイス をお願い致したくメールを入れました。 好天日を狙って、B沢に入り、ビバークし、C・B・Aフエースから前穂、岳沢に下ろうと考え ています。 以上宜しくお願いします。
<解答>加茂谷です、こんばんは。 穂高岳とは、最近とんとご無沙汰ですが、記憶の隅にあるものを少し書き込みま す。 まず、B沢に入り、ビバーク、となっていますが、B沢は落石の巣で、決してB沢 をつめてはいけません。C沢をつめてインゼル左最上部の平坦になった所からB沢を 下り、右岩稜を回りこみ取り付きます。反対にB沢を登ると、北壁やDフェースにた どり着きます。ビバーク地はやはり奥又白池周辺がいいでしょう。 CBAフェースはルート自体、非常に脆かったと記憶してます。RCCグレードで U+〜V+程度ですが、まともなプロテクションはほとんど取れず、精神的グレード はかなり上がります。その脆さは、滝谷や一の倉の比ではありません。B沢に入って からは、常に落石の危険にさらされます。石が降ってます。それほどの脆さゆえ、グ レードほど簡単ではありません。 また、’98年?ぐらいに大きな地震がありましたが、その影響もかなりあると思い ます。ルート自体消滅した、との噂も聞きましたが、定かではありません。実際無く なったルートも有りますから。 最近登ったと言う話を聞きませんから、最新情報はわかりません。御免なさい。穂 高小屋に問い合わせれば何か分かると思います。 以上です。Good Lack 。
昭和山岳会の牛山と申します。 先月8月13日に前穂4峰正面壁に行ってきました。 まず、現在は奥又白の天場は幕営禁止になっていて、3日に一度くらい監視 しているそうです。我々が行っていた時にもヘリが見回りに来ていました。 一緒に行った人の話では、雪渓は今年はとても小さいということでした。 私が行ったのは4峰なので、あまり参考にならないかもしれませんが、 4峰周辺では落石がとても多く、4時間くらい壁にいた間に岩雪崩的な落石が 自分たちのそばを通ったものだけでも2回ありました。最初に取り付こうと していたパーティは恐れをなして撤退して行きました。北尾根を歩いていた 人もいましたので、人為的な落石の可能性もあります。 ちなみに我々も落石事故のため撤退しました。記録は以下にあります。 ★ http://www.geocities.jp/showa1938/byobu04.html なお、涸沢の診療所に行ったときに聞いた話では、前穂ではその頃毎日の ように落石による事故が起きていたそうです。 参考になれば幸いです。
の口@東京雪稜会です。 遅くなりました。すみません。 昨年の9月に前穂東壁古川ルートに登りました。 記録を取ってないので、記憶に頼りますので、ま、こんなことを言ってるヤツ がいる、程度にお読み下さい(^_^) まず、アプローチですが、僕らは、奥又白池から奥又白谷の雪渓の右岸の ガレを詰めて、雪渓上部でトラバースし、C沢に入りました。雪渓のトラバー スは4本爪の軽アイゼンとバイルでしたが、蟹の横ばい状態でした(~_~;;; アイゼンが無いとしんどいです。又、3年前に4峰へ行ったときは雪渓が無 かったので(10月第2週)左岸のガレを詰めました。 C沢は普通に脆いですね。 さて、そこから古川ルートへは、C沢をインゼル最上部までは詰めず、途中 で(インゼル真ん中より、ちょっと上くらいかな〜?)インゼルに上がり(なん となくS字状に草付を登る。むずかしくない。)B沢へ懸垂下降しました。(懸 垂ポイント有。15m位だったかな?とにかくシングルロープでOK。)そして、 すぐB沢を右岸にわたり(この時はここには雪渓は無し)ガレ、ザレを古川 ルートの取り付き(”日本の岩場”のトポの2ピッチめ、”日本のクラッシクル ート”の1ピッチめ。たぶん・・・(~_~;;; )に向けて登りました。ここが核心でし た。雪渓が溶けた跡でガレ、ザレが混じり合って、かなり悪かったです。僕 らは小リッジを左右に分かれてフリーで登りました。縦に連なって登るとお 互いの落石が怖かったですね(^_^) そのくらい悪く感じたのです。 それと、インゼル最上部から右岩稜を回り込むアプローチですが・・・(”日 本の岩場”のトポの1ピッチめ?) 先行パーティがいまして、彼らは右岩稜を回り込まずに直接ピナクル(地 震の影響か無くなってましたが(^_^))に向けて直上してました。 前日、前穂の頂上で古川ルートを完登したパーティも、回り込む途中で直 上したそうです。 また、岳人にのっていた古川ルート・リニューアルの記録も右岩稜を回り込 まず直上しています。 これは僕の想像ですが、右岩稜の下部は1998年の地震の影響で、回り 込んむが大変なのかもしれません。 つまりCフェースへの取り付きも困難なのかもしれません。(違ってたらゴメ ンナサイ(~_~;;; ) そして、これも想像ですが、このアプローチは雪渓が残る初夏にピッケル、12 本爪アイゼンで登るのが良いかもしれません。(保証は無し(^_^)) 古川ルート自体はほとんどオリジナルルートが残っています。もちろんあちら こちら崩れていますが、大きく変わったのは核心のハング部分だけです。こ こは2001年の夏に整備され(2001年秋頃?の岳人に記録(カラー)有)、 新たに2本ハーケンが打ちたされ快適にフリーで登れます。自分が思った 核心は横向きの1枚岩の乗っ越しのワンムーブ(IV+〜V−)です。・・むず かしくないです(^_^) ただ、その後ビレイポイントのテラスの縁に石が堆積し てたので、ここはいやらしかったですね。でも、フォローのパートナーが随分 きれいにしてくれました・・(^_^) それにしても、崩れたばかりの岩は真っ白でとてもきれいでした(^_^) Aフェースは岩も硬く快適です。いくつかルートが取れそうですが、右側の凹 角が良いかもしれません。 現代のスポーツクライミングの観点からすれば、たいして意義のあるルート では無いかもしれません。 でも、登山としては最高です!! 前穂への登路としてこれ以上のものはないでしょう(^_^) 落石に関してですが・・ 登攀が終わってからパートナーが「これを3回やったら1度くらい死ぬな。」 と言ってましたが、僕自身は混み合ってる谷川の烏帽子奥壁の方が怖い です。 ま、そんなもんです(^_^) 2003年9月15日(月) ルート 前穂高岳東壁右岩稜 古川ルート メンバー 久保田庄三(L・東京雪稜会)、の口けん(東京雪稜会) タイム 奥又白池 4:30 − 古川ルート登攀開始 7:10 −北壁大テラス 10:00 10:30 − 前穂頂上 12:40 13:50 −上高地 16:10 参考になりますか? 何かあったらまた聞いてください。 まだ、お話しできることがあるかもしれません(^_^) では・・(^_^)/~~~