質問内容/回答

<質問> 松本の佐野@無所属と申します。

10月上中旬位に剣岳本峰南壁A1に行こうと思うのですが、 
現在の取付き付近の雪渓の状態はどうなってるのでしょう 
か? 
平年ですと、平蔵谷の雪渓上部は雪がないと思うのですが 
今年の残雪状況ではちょっと不安なので・・・ 
どなたかご存知の方がおりましたらお教えください。 
また、八ツ峰6峰Cフェース付近の残雪状況もお聞きした
いです。 
以上、よろしくお願いいたします。 


<解答1> 長野の嶋崎と申します。


私も10月7〜9日にかけて八ツ峰C〜Dフェイスに出掛ける
予定です。ご一緒させていただくかも知れませんのでその時
はよろしくお願いします。

剱沢常駐警備隊に連絡してみたところ、9月中旬の時点で
・剱沢雪渓は融雪が進んでいるが、露出した夏道を使うこと
 で問題なく通過可能。
・長次郎雪渓は八ツ峰2〜3峰間付近に巨大なクレバスが
 できており、一般登山者の通過は自粛を呼びかけている。
 ただし、ザイルを携行したクライマーであれば通過は可能。
とのことでした。

10月上旬までにどれだけ状況が変わっているか分かりませんが、
私たちは入山初日に雪渓の状況を偵察し、通過が危険であれば
本峰南壁A1、A2あたりに転進しようかと思っています。 


<解答2> 広沢@世田谷と申します。


8月27日から9月2日まで真砂沢にベースを張り,岩登り三昧の目的で,略毎日,長次郎谷
を登降しておりました。

今年は異常に雪が多い状態でしたが,雪渓の様子は毎日変化し,最後に通過した9月1日
には,T−U峰間ルンゼ出合(長次郎左岸に岩小屋のある箇所)の上にあったクレバス
は大きく割れてしまい,右岸のスラブに逃げざるを得ず,更に,スラブを踏み跡に従っ
て1段上がった上でも,雪渓が極めて薄くなった様子で(前日まで問題なく渡れた)左岸
に渡れそうにないので,そのまま右岸のスラブをかなり登って,源次郎尾根側壁基部近
くまで上がってから,上部の雪渓に乗り移りました。
9月1日の晩以降,剱岳一帯では豪雨が続いた為,雪渓の崩壊は更に進んでいるかと思い
ますので,10月に実際に行かれた折は,その場の状況に応じて,対処される外無いかと
存じますが,結構,面倒かも知れません。

但し,八ッ峰下半に取付く場合には,上記の箇所の100mぐらい下で,左岸のT−U峰間
ルンゼに入ってしまいますので,他の要素が無ければ,支障は無いように思います。
更にお判りにならない点があれば,ご遠慮なくお問合せ下さい。


<解答3> 広沢@世田谷と申します。


広沢@世田谷と申します。

8月29日に平蔵谷を下降しました。
剱岳全般に,今年は異常に雪の多い状態でしたが,南壁直下には既に雪はありませんで
した。従って,取付きはいつも通り,ガラ場からです。

なお,その時点で平蔵谷上部には,平蔵コルの下,最上部に幅300mぐらい,長さ300mぐら
いの雪渓,その下は500mぐらいガラ場やスラブが続き,その後,再び雪渓が谷一杯に広
がって,出合まで切れることなく繋がっていました(中央ルンゼ直下に落差3mぐらいの
クレバスあり)。
因みに,谷上部の南壁寄りに幅20mぐらい,長さ200mぐらいの細い雪渓が残っていて,最
上部の雪渓からガラ場を左へトラバースして,そちらを下ったのですが,これは最後,
シュルンドとなって消えてしまいます。

また,剱岳一帯はその後,豪雨に見舞われたりして,雪渓は大幅に後退した筈ですから,
平蔵谷上部は全く雪が無いと考えて良いと思います。

次に八ッ峰Y峰周辺についてですが,8月27日から9月2日まで真砂沢にベースを設け,
略毎日,長次郎谷を登降しておりました。その折の長次郎谷下部の雪渓の様子は
,ACML3970 00/9/22 12:06 Re:剱の雪渓について の中でご回答申し上げた通りで
すので,そちらをご覧下さい。

Y峰直下の雪渓は,シュルンドも無く,左岸のガラ場に全く問題なく乗り移ることが出
来ます。その後,Cフェース取付まで(雪渓後退直後の所為か)非常に崩れ易いガラ場を
150mぐらい直上しますが,踏み跡が多数あり,比較的,確りしたリッジ状を極力選んで
登って行かれたら良いかと思います。
運悪くガスに捲かれると,取付が判り難いでしょうが,真っ直ぐ登って行けば,何処か
のフェースにぶつかる筈ですので,ぶつかった所からCフェースへトラバースして行け
ば良いと思います。なお,登り始めでX・Yのコルへの踏み跡(殆ど「道」になっている)
に入らないようにして下さい。


<お礼> 佐野@松本市と申します。


広沢様
どうもはじめまして
今後ともよろしくお願いします。

剣周辺の情報有難うございました。
やはり、いくら今年の残雪でも平蔵のコル直下には
雪はないのですね。
今年の七月初旬ころの涸沢は、まるで2年前のゴー
ルデンウイーク頃のような感じで雪が残っていたも
のですが・・・やはり解けるのは早いですね。
前穂東壁の各沢の雪渓も確認出来ないくらいに少な
くなっていますから、夏の過ぎるのは早いものです。
今回の剣は、初級者を連れてのリハビリ山行きです。
という私も初級者同然だったりですが・・・(^^;)
松本に住んでいますので、この周辺(槍穂・後立・
八つ)あたりでいつも遊んでいます。
やはり剣は遠いですね。アプローチが。

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