八ヶ岳/広河原沢/右俣・左俣

TUSAC/新井裕己、その他


< 記 録 > 新 井 裕 己


(山行日)1996年12月13日〜15日

12月13日金曜日

 急行アルプスで茅野へ。車内では酔っ払いに絡まれ睡眠不足(でもビールを もらえたのでオッケイ)。茅野到着後、6時の始発バスまで駅で寝ることにす るが、予想以上に人が多く駅内では寝れず、通路で睡眠。

12月14日土曜日

 原村ペンション前バス停から単調な車道をバリバリとばし、車止めを越えて、 林道のなくなる辺りで幕営。この日は練習ということで右俣の武藤返しに行く ことにする。アプローチは結構な距離があったように思うが、天候も良く、快 適にとばす。武藤返しまでは3、4mの小滝を2個越えて到着。アイスクライ ミングは初めてなので結構コツを掴むまでムダな力が入ってしまった。

 武藤返しは10mくらいの垂直に近い滝で、結氷状態は氷に粘りがなく割れ る感じ。

 結構遅くまで練習していたので、テントについた時には真っ暗になってしまっ た。夕飯は鍋。鍋といっても金ダライ。

 午前中は下部は5cmくらい雪があったが、この日の日照で土がかなり見え るくらいにとけてしまった。上部は10cmくらい。沢の氷も結構薄い。朝は 凍っていた滝も帰りには水が流れていた。

12月15日日曜日

 天候は快晴。この日は左俣に行く。アプローチをガンガンとばし、最初の滝 についたが、滝壷部分は完全にプール状態でとても登れる状態ではなく、いき なり左から高巻く。この高巻きから沢に戻るところが2mくらいだがかなり悪 い。その後のナメ滝も下に水流が見えるくらいで踏み抜かないかと結構恐い思い をする。

 2つ目の滝は5mくらいで氷の裏に水が流れていて結構やな感じ。上がった ところを左に詰めると、10m程の滝が連続して出てくる。2つ目の滝はアッ クスを叩き込むとガンガン割れて、ビレイヤーに落氷が落ちまくる。この滝の ビレイ点は立ち木がないのでピトンで行なう。

 もう少しいくと、でかいチョックストンが現れる。これはチョックストンの すぐ右を乗り越した。その右にもトレースがあるがこれは懸垂下降用。

 見晴らしが良くなって、また狭くなると15mの大滝が現れる。上部は完全 に垂直で結構ムズイ。2人大フォールしたがスクリューが良く効き、バッチリ 止まった。滝の右の方が簡単な御様子。7人パーティーで時間もなくなってき たので、この滝でおしまい。下降は同ルートで、懸垂と高巻きを繰り返す。

 茅野駅では中央線が事故でストップして遅れまくり。19時からあずさが1 本通っただけで、完全にストップ。復旧を待ちつつ、急行アルプスで帰ること にして寒い中待ち続けたが、アルプスも3時間遅れ。さらに最悪なことに駅員 がミスって、アルプスの到着を全く知らせず。

  「すいませーん、アルプスまだですか?」
  「あれっ、いっちゃった…。」

 4時まで待っていた客8人は乗れずじまい。8人で駅員を詰めまくり、料金 払い戻しさせて、極寒の茅野駅で待つこと12時間、6時30分の特急あずさ で帰京。結局授業には間に合わず…。

 アイスクライミングは大部分を道具に左右されるなあと感じました。今回の 氷の状態だとセミチューブが最高の効き具合でした。 雪も氷もこの2日間で かなり解けてしまった感じです。まあ、アイスになれるまでは結構上りこまね ばならないと感じた次第です。鍋も酒も旨かったし、ハプニングあり、大フォー ルありの充実した山行でした。


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