黒伏山南壁/三十路ルート(冬期初登)

宇都宮クライマーズクラブ/遠藤博隆(単独)


< 記 録 >遠 藤 博 隆



(山行日)1996年12月30日〜1997年1月1日

(記録)
黒伏山南壁三十路ルート  (冬期初登)

宇都宮クライマーズクラブ   遠藤博隆 (単独)
1996年12月30日−1997年1月1日

★ ルート全景写真  ★ ルート図
12/30(晴れ)  スキー場が出来たため今まで3時間以上かかって歩いていた林道を車で20分で登山口まで行くことが出来た。 例年になく雪が少なく夏の倍ほどでキビタキの池着。準備をして取り付きへ。 1P 1:00 登はん開始。一部崩壊したらしく途中の様子が変わっていた。    ピンもなくなっていたためピンを打ち足して登る。    予想以上に時間を食い登り返しを含め3時間を要す。 4:00 ビバーク体制 12/31(晴れ) 2P 8:00 登はん開始。雪壁のトラバース。気温が高く雪の状態が非常に悪い。 3P 9:00 人工で風の踊り場まで登り雪の中からビレー点を掘り出す。 4P 10:30 夏は簡単なピッチもアイゼン手袋では遙かに難しい。 5P 12:00 垂壁を人工で登り抜け口から7−8Mがフリーとなる。    抜け口でつかんだ細い灌木が折れ片手だけにぶら下がってしまい思わず冷や汗が出る。嫌らしいピッチだ。 6P ルンゼを直上。中間点をビバーク点とする。 16:30 ビバーク体制に入るが腰掛けただけの体制のためうつらうつらとするだけであった。 1/1(晴れ−曇り) 7P 今日1日で登り切るつもりで荷物を全部デポし先を急ぐ。     ピンを掘り出しながらビレー点へ。 8P 人工からフリーで抜け雪の載ったバンドを越す。 9P 黒伏特有の草付き帯を 左45度に登って行く。 10P 夏であれば三級以下のトラバース。出だしの一歩が逆層のためアイゼンでは歯が立たずボルトを一本打ちフレ    ンズでの人工となる。 11P すっきりしたフェースを快適に直上し最終ピッチのビレー点へ付く。 これで最後かと思うと気合いが入ってくる。 12P いよいよ最終ピッチ必要のない物を全て置き人工で登って行く。 カンテを回り込み最後の雪稜を今までのピッチや過去5回のトライを想い出しながら頂上へと登っていく。 山頂到着 2:18。 疲れ切って喜びよりも降りることしか考えられずすぐに降りる準備を始める。 2:40 下降開始。 5:45 10回の懸垂下降で取り付きへ。 8:30 車へ。 (感想)  去年までの静かな登はんと違いスキー場の音楽をバックに聴きながらの登はんとなった。今年は全般的に雪も少なく 過去のトライと違って比較的楽に登れた。   それでも降りてきてから 指はぼろぼろしかもむくんでぱんぱんとなり 厳しかったことを物語っている。 冬期初登しかも単独登攀は幸運であったと思う。  この記録を打ち込みながら”次はどこへ?”と考え始めている。

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