八ヶ岳/赤岳主綾
日本登高研究会/稲垣・浅川・惠川
< 記 録 > 惠 川 佐 和 子
<山行日>1997年2月22日(土)〜23日(日)
<記録>
2月22日
23:50 新宿から、急行“アルプス”にのり、3時過ぎ茅野駅に到着。
待ち合い室には、ストーブが入っていてなかなか快適そうだ。既に、シェラフにくるまってお休みの方が数名。
私達も空いている場所でシェラフにくるまり、朝6時のバスまで寝る。と、言ってもわずか2時間半。しかしこ
れがよく眠れました。
6時のバスはほぼ満席。ここでもうとうとして、終点で降りたら・・なんと雪模様。今日はお天気のはずじゃ
なかったの?!
ひたすら行者に向かって歩く。“ここ一週間はずっと天気が悪い。危ないと思ったら止める事”と美濃戸山荘
のおじいさんは言っていた。途中で温度計をみたらマイナス21℃だった。風があったので、 体感温度はもっと
下がっていただろう。
行者小屋に着いたのが、11時30分位。本当は到着日“赤岳主稜”を登攀しようと思っていたが、到着時間
が少々遅いのと、粉雪舞、山はガスに包まれ時折姿をみせても頂上付近では雪煙が高く舞っているので今日は中
止。テント設営。休息。夜はものすごく寒かった。寒さで何回も眼がさめた。
2月23日
朝起きたら、なんと!!!8時過ぎ!何て間抜けなのだろう。外は、快晴。
文三郎を赤岳に向かって進む。階段と鎖が出てきたところを少し進むと左へトラバースするルートが見える。
既に何パーティーも入っていて最後のパーティーが取り付き点にいた。装備を装着してトラバース。
主稜の取り付き点へ到着。わっかをいくつもつなげたビローンと長い、なんかだらしのない残置シュリンゲに
ビナを掛け、ちょっぴりしょっぱい凹角を稲垣がリードで上がる。 所々ピンはあるが、ほとんどがピナクルで
ビレーを取るしかない。ウエーブピンの真新しいのが一本あってキラリと光っていた。
昨日とはうって変わって真っ青な空が広がり、まさにクライミング日和。取り付き点では、少々指先が凍える
ので、アンダーグローブの手の甲にホカロンミニミニをはった。 結構 GOOD これって邪道でしょうか?
交替でリードをしていく。岩場と、雪稜とがかわるがわる現れるのだが、何故かいつも私の番で岩にぶつかる。
雪はあまりついていなく、地面が見えるところが何ヶ所もあり、ザイルで落石をおこさないように注意をはらった。
本当に夏はぼろぼろで登れないルートだと思った。意外と時間を食ってしまい、頂上に着いたのが、3時30
分近く。大急ぎで装備をしまって、行者小屋へ向かう。(積雪状況は、赤岳頂上付近昨年同時期より量は少ない。
)地蔵尾根を下っていくと、ヘリの音がするが姿が見えない。何度も何度も行ったり来たりしているようだった。
滑落事故があったなどとつゆ知らず・・・・・。
行者から、アイゼンを付けて美濃戸口へと向かう。(バス停迄雪はしっかり着いています。)7時にタクシー
をバス停へ呼んで茅野へ向かった。
タクシーの運転手さんが昨日はこの冬一番の冷えこみだったと話していた。
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