徳島県日和佐町/千羽海崖/南風

はりま山岳会/山岡人志、東川邦和、井上正志、藤田正晴


<山行日> 1999年4月17日(土)<記録> 山岡人志



 山岡@はりま山岳会(兵庫労山)です。

 ちょっと長くなりますが、今年の4月に徳島の海辺で行ったルート開拓の記録 を報告いたします。

 徳島県日和佐町『千羽海崖』の海岸線に新ルート開拓

          海ガメの産卵場所で知られる徳島県海部郡日和佐町の南西の海岸線には、 『千羽海崖』という断崖絶壁がつらなった海岸線がある。このことを釣りをす る友人から聞いた岩と雪の会こぶし(兵庫労山)の袴田智、東川邦和、井上正 志らが現地に偵察に行き、新ルートの可能性を模索した。そして、海岸線に陸 伝いに行ける良い場所を発見し、そのことを聞いた山岡(はりま山岳会)らが こぶしのひとたちに加わり、合同でエイドとフリーのミックスした4ピッチの ルートを1999年4月に2本開拓した。

 千羽海崖は上部に海岸線に沿ってずっと遊歩道が続いている。『徳島県の 山』(山と渓谷社)にもここが載っている。日和佐町の海岸線のおおまかな場 所はhttp://www.mapion.co.jp/html/map/web/admi36.html でも確認できる(徳島県の南東部)。


山域・山:徳島県海部郡日和佐町『千羽海崖』
ルート名:『南風』
ルート :全4ピッチ。エイドとフリーのミックスしたルート。
グレード:ルートグレードIV級(A1+, 5.9, 4 pitch, 130 m)
     使用ロープ50 m
所要時間:4時間〜6時間
開拓日 :1999年4月17日(土)
メンバー:山岡人志(40歳、リーダー、はりま山岳会、兵庫労山)
     東川邦和(38歳、岩と雪の会こぶし、兵庫労山)
     井上正志(37歳、岩と雪の会こぶし、兵庫労山)
     藤田正晴(51歳、神戸労山、現在Berg松涛、兵庫労山)
概要  :

<<1ピッチ目>>20 m, IV級。30分。

 リードは井上。問題なくルートを伸ばし潅木で終了。セカンドでフォローして いた山岡は取り付きの一歩目でつかんだ石がはがれ最初でいきなりフォールし てしまう。

<<2ピッチ目>>40 m, IV級, A1+。2時間。

 山岡リード。ブッシュから5 mほど右に行き、小さなハングの左を直上する。 出だしからエイドクライミング。7 mほど登ったところでフッキング。浮き石 が多く緊張させられた。30 mほどでエイドを終え、あとはやさしいフリー10 m でブッシュへ到着。

<<3ピッチ目>>30 m, IV+。30分。

 藤田リード。ブッシュの上のテラスから右に数mトラバースしてあとは直上。 垂直部分が悪くランナーもとれないまま上のブッシュ帯までリード。もう5 m ほど登って垂壁下の潅木で終了。

<<4ピッチ目>>40 m, 5.9, A1。約1時間30分。

 東川リード。5 mほどエイドで直上した後、フリーでいったん左を登って途中 から右の凹角に戻る。右の凹角に移るところは人工。ここと移ってから直上す るところが意外と悪い。上に抜けるとあとは緩い傾斜のところを10数m登って 太めの潅木で終了。

取り付きと下降、終了点:

 ルートの取り付きは正面のやや左よりのすっきりした壁のところから。直 径15cmほどの立ち木の裏のところ。立ち木にスリングをまいておいた。ルー トはそこからやや右寄りに直上する。

 ボルト類を持参したがまったく使わないですんだ。この岩場は全体として岩 がもろい。浮き石も多いので注意を要する。各ピッチの終了点はブッシュと潅 木の利用。

 下降は各ピッチブッシュと潅木を利用。1ピッチ目終了点を除き我々はスリ ングを残してきた。2ピッチ目の終了点からは50 m ロープ2本なら一気に取り 付きまで降りられ、ルート最後の終了点から3回の懸垂下降ですむ。

必要なギア類:

 ナイフブレードのような薄手のピトンが10本以上。ロストアロー5本程度。 エイリアン1セット。フレンズ2番まで1セット。スカイフック1つ。確保と下降 用にスリングが多数必要。ビレーシートがあると楽。ロープは50 mが2本ある と下降のとき便利。ルート上、残置のボルトとピトンは全くなし。残置は終了 点のスリングのみ。


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