奥鐘山/西壁/京都ルート

JECC/廣川健太郎、風来坊/大野


<山行日> 1999年10月22日(金)〜24日(日)<記録> 廣川健太郎



21日(木)

 22時15分相模湖発〜平日なので道は空いていた〜 22日(金)

 26時30分宇奈月駐車場着。 大野さんが免停中のため、廣川は無水カフェイン入りの栄養 ドリングで眠気をさましてがんばって運転してきたところ、 反動で眠れず、寝酒に焼酎を散々のんだところ、これまたき きすぎて寝坊してしまい、 8時15分起床。速攻で用意して、8時37分の工事便に 頼み込んで乗せてもらった。

10時過ぎ、欅平到着。

11時半頃、岩小屋到着。荷物整理。

12時過ぎ、対岸に渡ろうとするが、FIXの位置が悪く張り直す。

13時京都ルート登攀開始。

 下部2Pは中途半端な人工とフリーで草月も多くあまり快適でない。 第一ハングは足がつかず疲れる。4つのハングの中ではここが一番 疲れた。第一ハングの上のA1ピッチはやさしいが、出だしで草の 中にピトンが1本隠れているのが要注意。これが分からないと悪い フリーになる。第二ハングは大きなハングはないが、木の間を抜け ていくのが今一つ。ハング上のスラブを登っているうちに薄暗くな ってきて、17時半、ブッシュラインのビレーポイント脇のテラス からはみ出しつつヴィバーク。

 夜半、満月がきれいだったが、明け方に近くなると、雲が厚くなっ てきて寒い。

24日(土)

 寒い。5時半に起きるが、動く気にならず、また寝る。6時半に起 きるが、冬型の気圧配置になったのか、寒すぎてのぼる気にならな い。結局、8時過ぎまでうだうだし、8時半から登攀用具をつけ、 9時頃、登攀再開。

 三角岩下の中途半端な草混じりのフェースを人工とフリーで左上後、 人工。このあたりでポツポツと雨が降り出す。 次のピッチは出だしの草付きが25mほどノーピン。雨で草が濡れ てしまうまでの降りでないので、登攀を継続。難しくはないが、落 ちたらお終いなので、草をほじってリスを出してエイリアンをかま せて一安心。上部で1ポイント人工の後、数歩でバンド状テラスへ。

 左へあがる広島ルートと分かれ、京都はテラス右端から直上。 続く第三ハングはすっきりしているが、下が垂壁で高度感が凄い。 大テラスへはやさしい人工とフリー。大テラスからのピッチが出だ しすぐ上のボルトにランナーをとった後、左のフラブ状フェースか ら巻くように登るが、少しランナウトをし、出てくるボルトの頭が 飛んでいた。このピッチはところどころ、W〜W+程度のフリーが 入る。ポツポツとふっていた雨は昼頃にはやんだが、風が吹いて寒 いことこの上ない。厚手のフリースを持ってきて正解だった。

 第四ハングは出だしの1P目は快適だったが、最終ピッチにあたる 2P目の出口が、本当に頼りない細紐に乗ってなおかつ、ハング上 のピンについたボーロボロのスリングに乗らざるをえず、どう見て も3〜4年ものの土にまみれた代物、良い感じはしなかった。 最後のピンの上が苔が乗ったフェースで右手の潅木をつかむまでの 数歩も今一。ひょっとしたら、見落としているピンがあったかも知 れない。

 終了点の大木から、高度感に苛まれる懸垂下降を続け、夕暮れ前に 取り付き、徒渉を終えることができた。 岩小屋前では、YCCの道家さん、坂口さんが焚き火をしておられ たので、すぐに火にあたれてラッキーでした。

 彼らによれば、欅平は朝方雨で、今日は登攀中止と名剣温泉に入っ てから入山してきたとのこと。

 もう少し降りが強くなったら降りましょう、と言いつつ、雨具をつ けなければならない程には降らず、結局登れたのはラッキーだった。 みんな寝た後も廣川は、夜遅くまで焚き火をしてぼんやり過ごす。

25日(日)

 志合谷〜日電歩道経由で奥鐘山西壁上部を含む写真を撮って帰ろう と、志合谷を登りだすが、少々悪い滝を越えた于の大堰堤の巻道が 悪そうで、無理をするのは止めて、結局本流から欅平に下った。 この日はスカ天、登攀日和。一日ずれていてくれれば、明るい良い 写真が撮れただろうが、まあ、しょうがない。どうにか登れる天候 だったことでよしとせねば。

(注意)

 リング欠損ボルト用に細紐、或いはランナー兼で5mm幅テープを使用した他、 エイリアン青、キャメロット1番を前進用ではなくランナーに使用。 ピトン、ボルトの打ち出しの必要は感じず。でも、全体に支点が老朽化してきて いるので、ピトン、ボルトは必携でしょう。

 京都は以前にも登っていたけれど、正面の他のルートは登っていな いので、トレーニングをして、また登りにいきたいと思ってます。


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