山岳情報特派員/山本泰司、金佳主人、金美紀
< 記 録 > 山 本 泰 司
<山行日> 1999年1月17日(日)
アプローチ至便の50m氷瀑を発見しましたので、報告します。
(1)アプローチ・位置
伊那高遠を国道152号線を市野瀬まで行き県道212号(杉島市野瀬線)を終点まで行く、途中河川工
事のダンプが多いので、道が狭いため用心が必要だ。この道は塩見岳のアプローチに使われるが市野瀬の分
岐から12kmで三峰川林道のゲートに当たる、その手前100m右側に駐車場がある。
駐車場に車を止めて、再び林道を行くと1kmで右側に、滝が現れる、ここから先が巫女淵保護区でゴル
ジュの景観は非常に美しい。秋の紅葉シーズンには、通の写真家などが、写真を撮りにくる。
冬、太平洋側の雪が降らなければ、アプローチは乗用車で充分だ、98年は雪の為、手前の風巻発電所ま
でしか除雪がされていなかった、発電所から5km。
滝の下のボロ看板に「恵美の滝」とある、見た目は30m位かなと思われるが、実際は50mザイルで太
い潅木までわずかに届かない。
(2)ルート概要
F1(恵美之滝)50m X
滝は側壁があり、岩溝状になっていて、巻道はない。取り付くには林道の橋のたもとから浅い壷に入って、
基部の右が高くなっている所から始める。80°の傾斜でほぼ真っ直ぐ、下が幅10m落ち口で6mくらい
で、この日は左側が、硬くてややスカ氷で右側は表面を水が滴っている。何処でも登れるが中心よりやや右
を選んで登る。
半分ほどで、傾斜は約3°強くなる、その後は落ち口に近ずくにつれ、傾斜は弱くなり、落ち口へ抜ける
が、支点となる潅木が大きな岩の上なので、回り込まなければ届かない。
F2(メグミの氷柱)とナメ 20m X+ ナメ V
ここは、特異な地形をしている。テーブル状の大岩の上を水が流れて来て、端から落ちたのが直径3mの
氷注となり、横へ流れたのが、岩屋の中に流れるナメ状になっている、テーブル状の岩は下がえぐれてハン
グと成っている。ナメから登って氷柱の上に、スクリュウでトップロープをセット出来る。
(3)下降
この日は、ここから引き返したが、まだ上には何か有りそうだ。F1の下降は、大木から懸垂しかない、
50mザイルを伸ばして、下から1m浮いた所で届かないが、伸びを考えれば、問題なし。
(4)データ
11年1月17日 午前10時 気温−12℃ 午後4時−4℃
F1 50m 85° スクリュウ9本 50m以上のザイルが望ましい。
リードに要した時間 1時間10分
下降 中央の大木から懸垂 50mφ9mmザイル2本
F2 20m 90° 岩屋のナメから上がってトップロープ
途中、発電所などの工事が有ったりして、降雪の後は除雪作業がある、ただし直後と大雪の時は発電所
までの除雪となる。途中からダートになるが、良い道だ、ただ、駐車場の出入り口の坂が急なので、4W
Dで無い車は、林道に戻れなくならないように、注意。
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