ARIアルパインクラブ/有持、原、雨宮、大野、藤原、川村
< 記 録 > 有持真人
<山行日> 1998年12月12日(土)〜13日(日)
有持です。
先週末に、上ノ権現沢/夢幻の滝と権現岳/東綾に行って来ましたので報告し
ます。
<日程>
12/12(土)上ノ権現沢/夢幻の滝(有持、大野、藤原、川村)
13(日)権現岳/東綾(有持、原、雨宮、大野、藤原、川村)
<メンバー>
ARIアルパインクラブ
有持真人、原岳広、雨宮尚之、大野敦子、藤原敦紀、川村剛太
<行動>
12/12(土)快晴
ゲート(0830)〜出会小屋(1000/1030)〜上ノ権現沢/夢幻の滝(1330-1600)〜
出会小屋(1700)
当初は、広河原沢/3ルンゼ〜阿弥陀岳/南稜の予定あったが、先週の雪の状
況からすると、ナメの箇所は埋まっている可能性が大きかったので、アイスと雪
稜をまとめて登ろうと考え、八ヶ岳の東面に入山する事にした。
7時に、遅れてくる酒井と合流するはずであったが、時間になっても到着しな
かったため。仕方なく出発する。なんと彼は、−8℃の中を東京からバイクで走
って来ていたが、あまりの寒さにめげてしまったらしい。
地獄谷の横にある林道は、いつもならゲートが閉まっているが、まだ開いてい
た。しかし、下手に入ってゲートを閉められるのも嫌なので、ゲート手前に車を
置いて出発する。
林道にはほとんど雪はない。出会小屋周辺でスネ程度。
出会小屋の横にBCを設営して早速、上ノ権現沢へ向かう。かすかなトレース
があり、先週に入山したパーティがあったようだ。
夢幻の滝を目指して沢を遡行していく。8〜10m程度の簡単な氷瀑を2つ越
えてしばらく歩くと、突然、夢幻の滝が現れた。結構スケールがある。
右側がシャンデリア、右が水が少し流れているが、完全に氷結している。早速
有持がリードで取り付く。
グレードは、真ん中でV程度、少し左よりでV−ぐらいである。下部の15m
ほどが垂直、一度傾斜が落ちてその上部がW、この氷瀑はで35m程度のスケー
ルがあり、結構登りごたえがある。
落ち口から雪壁を少し登った所の倒木にトップロープをセットして練習をした。
下降は、倒木から懸垂1Pで取り付きに戻れる。
時間が遅かったため、十分な練習はできなかったが、今回も荒らされていない
V級の氷瀑を登れて、なかなか楽しかった。
BCでは、おでんをつまみに、ビール、日本酒、ウイスキー、泡盛で楽しい時
間を過ごした。
12/13(日)快晴
出会小屋(0730)〜権現岳/東綾(0800-1400)〜ツルネ東綾〜
出会小屋(1630/1700)〜ゲート(1800)
昨夜にBCで合流するはずであった、原、雨宮の2名が来なかったため、6時
出発の予定を少し遅らせて待つ事にした。
アプローチの雪はスネ程度。取り付き〜東綾中間部までは雪は少ない。
トポではナイフエッジが何カ所かあるようだが、ナイフエッジにはなっておら
ずブッシュエッジかロックエッジといったところだ。
核心のバットレスが見える頃になると、膝程度のラッセルになって傾斜も強く
なってくる。天気は良いし、気温も高いので汗が噴き出してくる。春山の様な感
じだ。
バットレスは、左稜線を2Pで越えられる。III〜IV程度の簡単なクライミ
ングだ。6人もいたので少々時間がかかったが、14:00に権現岳の山頂に到着。
取り付いてから、樹林帯のラッセルが多い割には岩が2Pとは、チョット寂し
すぎる。
しかし、天気が良く雲は全くなかったので丹沢、南ア、中央ア、北ア、日光な
ど360°の展望を楽しむ事ができた。
下降は、ツルネ東綾を下り、BCを撤収して下山した。
先週の南沢大滝といい、今回の夢幻の滝といい、全く荒らされていない状態の
氷瀑を登ることができて、今年のアイスはさいさきの良いスタートだ。
八ヶ岳の東面は入山者が少なく、今回は、旭岳/東綾に行くという1パーティ
に会ったのみだった。
以上が記録です。
まだ積雪量も少ないので、氷瀑をやるなら西面より東面の方が空いているし、
氷瀑も荒らされていないので楽しめると思います。
今回の<夢幻の滝>の写真は、後日にアルパインクライミングホームページの
氷結情報にリンクして掲載しますのでご覧下さい。なかなか登攀意欲をそそられ
る氷瀑です。
それから、各地の氷結、積雪情報をお持ちの方は、是非お知らせ下さい。
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