アメリカ/Mtiddle Palisade

山岳愛好会雷鳥OB/中村匡、上杉威一郎、高田陽一郎


< 記 録 > 中 村 匡


<山行日> 1998年9月7日(月)〜9日(水)
 以前に相模原にいて、今年の4月より福井に引っ越してきた中村匡と申します。福井のみなさま、よろし くお願いします。今月の始めに米国カリフォルニア州のMtiddle Palisade 4272mに登ってきたので簡単に報 告を書きます。 9月7日(月)  モハベ砂漠の中の町Big Pineを出発し、車で登山口のGlacier Lodgeまで。そこからBig Pine Creek Shou thForkのトレイルをたどり、トレイルの終点より標高200mほどあがったFinger Lakeにテントを張る。途中、 Big Pine Creekが増水していて徒渉が手間取った。 9月8日(火)  Middle Palisade頂上へのルートの中、もっとも容易なNorth West Face Routeをめざす。岩場にとりつい てから最初のピッチが傾斜がきつかったのでザイルをだした。ワンムーブ4級+くらいがある。あとはコン テでガリーを詰め、頂上へ。特に困難はないが、高度が高いので息がきれる。  正午過ぎ頂上着、Finger Lakeから約6時間。ひといきついてから下降。登りにザイルを出したところは 下りでは懸垂をした。このあたりから雨が降り出したが4時前には無事テント着。 9月9日(水)  結構疲れた+天気がイマイチなので予定より一日早く下山。Finger Lakeより来た道をGlacier Lodgeまで 下る。(翌日はヨセミテでちょっとクライミングして帰った。) <文献> *Climber's Guide to California Fourteeners, by Porcella, Palisades Press. *High Sierra: Peaks, Passes and Trails, by Secor, Mountaineers. <参考:>  ガイドではこのルートはClass3(ザイルはいらない)となっていたが、下部では、ザイルがないとかなり 怖い(特に下降時)。われわれのルートファインディングが甘かったのかもしれないが、ほかのどこを行っ ても似たりよったりだと思う。ふもとのBig Pineまではサンフランシスコまたはロスアンジェルスから車で 半日。 <Sierraの宣伝>  一昨年にこの山域に入ったときの報告にも書きましたが、Sierraの山は結構手軽にいける割に本格的な登 山のフレーバーが味わえておすすめです。我々が登った日にはこの山域に入っているのは我々3人だけだっ た(我々以前にMiddle Palisadeの山頂に人がきたのは1週間前)ので、結構「生きて帰えらんと誰も助けて くれへん」という緊張感を味わえました。  山頂へはいわゆる「縦走路」はなく、なんらかの「クライミング」をしなくては登れないというのも日本 ではなかなかないと思います。また、ルート中でわれわれが見つけた人間の痕跡は忘れてあったストッパー ひとつだけで、「ナマ」に近い山をルートファインディングしながら登れるのも魅力です。  今、谷川での赤ペンキが問題になってますが、私も大渕さんや市山さんと同意見です。だから人間の痕跡 のないこういう山行はとても満足がいきます。  Sierraの山は日本から1週間で十分に楽しめて、また、TetonやRockeyほど混んでません。ふもとまでのア プローチは楽勝で山岳ゲリラとかと戦う必要もありません。来年は海外の山に行きたいんだけどどこがいいか な、と迷ってらっしゃるかたにお勧めです。おたよりいただければ私のもっている情報は提供します。 中村 匡 Tadas Nakamura

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