東京岳人倶楽部/田中識章、尼子まゆみ、木下徳彦
< 記 録 > 木 下 徳 彦
<山行日> 1998年7月18日(土)
木下@東京岳人倶楽部です。一ノ倉中央カンテに行ってきましたので、報告します。
(計画は中央カンテ〜南稜下降〜3ルンゼ)
朝3:30スタート。1ヶ月前に比べ、雪渓はかなり後退してしまって、しかもヒョングリがでて
いる。左壁には、申し訳程度に雪渓がつながっているが、ロシアンルーレットは好きでないので、巻
き道に逃げて、懸垂25mとクライムダウン20mで再び雪渓へ。
テールリッジを息も絶え絶え登り、取付に着いたのが5:30であった。6:00、トップ尼子で
スタート。1P目は凹角状を登る。ビレイ点まであと15mというときに、「ラク!」コールを聞く。
なにがなんだかわからないうちに「21型テレビ級」を見事に被弾。かすっただけなのに5m程吹っ飛
ばされる。左肘、肩にかなりの負傷。痛くて、肩が上がらないし、指先がしびれてどうしようもない
。内出血もひどい。あと10cmずれていたら、危うく直撃で死ぬところ(死ななくても骨折は間違
いない)でした。この怪我のせいで何も出来ず、この日はただただお荷物の私でした。
2P〜5P目は全く問題なし(のはずだが、左腕がうまく動かせない私には怖かった)。6P目は
チムニー登攀。強引に中に入れば問題ないが、左壁のでっかいフレークが落ちかけていて、かなりい
やらしい。トップが落としたら、間違いなくビレイヤーに直撃するので注意が必要かも。
7P目、フェースを右上のはずだが、尼子さんが、FIXのある正面ルンゼダイレクトに誘いこまれて
しまい、見事にはまる。トラバースやクライムダウンを交えて正規のビレイポイントまで戻るのに1時
間以上を使ってしまう。
8P目は強引にA0といきたいところだが、怪我のせいもあり、左腕に全く力が入らないので、あぶみ
で突破。9P目は、ごていねいにも核心の一手にアブミが残置。しかも、下部には外れなくなたフレン
ズがあり、ランナーには困らない。これを登ったところが、四畳半テラス。前日寝ていないので、しば
し休憩。
ここから、トップ田中に変更。11:40発。草付きの斜面3Pをいいペースで登り、残るはいやら
しい最終ピッチ。なかなかきわどい浮き石だらけの逆層をランナウトしながら登りきる。尼子さんが登
っている最中に岩場がすべて崩れて、落石で手や腕をすっぱりと切ってしまう。
13:00、登攀終了。すでに三人とも満身創痍だったため、継続は中止。国境稜線経由で下山(1
3:30発)。この後は15:00〜30一ノ倉岳、16:30〜45谷川岳、18:20一ノ倉沢出
合着でした。
いろいろな落とし物があったので、ある程度はお掃除させていただきました。でも、まだ回収してい
ないものもたくさんありますね。(ディレティッシマに残置ヌンチャク、中央カンテ最終ピッチに残置
カラビナetc.)
それでは。
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