弥生山考会/平村明永、無所属/大久保孝則、横山めぐみ
< 記 録 > 平 村 明 永
<山行日> 1998年5月23日(土)〜25日(月)
先週末の報告ですが、岩場に戻ってきた若者たち・さらに僕たち昔の若者たちで賑わう一ノ倉で楽しんでき
ました。有持さん、中央カンテに行ったらゴミ片づけに忙しいかも。あちこちに残置支点を残してしまいまし
た、すみません。
<コースタイム>
2日め、出合4:30〜テールリッジ5:00〜取付6:00〜登攀開始6:30〜終了点17:00
〜18:305ルンゼの頭付近にてビバーク
3日め、出発6:00〜一ノ倉岳7:00〜谷川岳8:30〜ロープウェイ駅11:00
5/23(土)晴れ
出合のキャンプで目を覚ますとすでに9時で、当然ながら20ほどの他のテントにはもう誰もいないようだっ
た。大久保氏は午後着の予定なので初心者二人ではどうしようもなく、とにかくテールリッジを中央稜基部まで
登り、ひなたぼっこで見学を決め込んだ。今日のすばらしい好天が翌日には恨めしいのだが、それは後の事であ
る。
5/24(日)曇りのち雨
明日の天気はまず見込みがないので予定の南稜はとばし、本命の中央カンテに狙いを絞った。4ピッチまでは
岩も硬く快適な登攀だったが、チムニーを登ってるうちついに降り出した。他のルートにとりついているパーテ
ィが次々と懸垂で退却するのを眺めながら、僕たちは登攀を継続し頂上に抜けることに決める。
思ったより雨は徐々に強まり、壁に水が流れるようになる。トップの大久保氏のビブラム底はだいぶ以前から
丸くすり減っている。ただでさえ滑りやすいという上部の壁に相当手こずっているのだが、ビレイをしながら僕
にはどうしようもなく、うまくやってくれるように祈るだけである。
僕の新品の靴でもよく滑るので、3級が4級にも、未知の5級にも感じられて、マジで真剣にさせてくれる。
本番初の横山さんが案外うまく登ってくれているのがせめてもの救いだ。
午後5時終了点にたどり着く。10時間も費やしていたとは驚きだが、しかしまだ安全地帯とはいえない。さ
らに強まる風雨の中、慎重に一ノ倉尾根をたどるが、国境稜線に出る前に日が暮れてしまった。そこは幸い強風
を避けられる絶好のビバーク適地だったので、ツェルトを張ってもぐり込んだ。小型ストーブをテントに置いて
きたのは僕の大失敗、濡れネズミで朝までふるえていた。
5/25(月)雨
明るくなっても雨は止もうとしてくれない。寒さと窮屈な姿勢でこわばった体をツェルトから出すのは億劫な
仕事だが、やっと身支度を済ませて歩き出す。ロープウェイの駅が見える頃になってやっと雨が小やみになった。
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