霧峰山岳会/島田邦昭、その他
< 記 録 > 島 田 邦 昭
<山行日> 1998年5月3日(日)〜5日(火)
アニマル島田@ 霧峰山岳会です。5月3日から5日まで穂高に行きました。変則的なアタックになりましたが,
目的は果たせたと思います。
<行動経過>
5月3日
0730上高地−1030横尾(幕営)
5月4日
0300横尾−0600涸沢−0900北穂(大休止)−1200ドーム西壁雲表ルート取り付き−1530登攀終了
−1720涸沢1800−1930横尾 (以上L島田 邦昭,後藤 芳郎)
0350横尾−0600涸沢(大休止)−0830北穂東稜−1300北穂−1600横尾(以上 L斎田 功, 大曽根
弘, 沖 友夫, 秋庭 博子,大島 宙, 小林 真希子)
5月5日
0900横尾−1100上高地
5月3日 大雨
予測していた事だが,上高地に着いてみるとワイパーも効かないくらいの雨が降っていた。タクシー乗り場でしばし
ボーゼンとしていたが,気をとりなおして7時半出発。横尾についたが,全員ずぶぬれで士気はあがらず,東稜組のリー
ダーはここに幕営すると言い出す。抵抗したが,いっこうに回復する気配のない天候を見てしぶしぶ承諾。明日はビバ
ーク覚悟の出発だ。
5月4日 快晴
久しぶりの2時起床。満天の星の中出発。本谷橋付近で夜が明ける。涸沢は100張りくらいいただろうか。(数え
たわけじゃないけど)奥穂に向かう人の列が稜線までつながっていた。
北穂沢もかなりの人数があがっていく。ところどころ岩が出ていたが,一応雪渓はつながっていた。調子が悪いのか
ぺースはあがらず,汗だくで松波のコルへ。北穂の小屋で腹ごしらえと身支度をすませ,ドームに向かう。出だしの雪
渓は所々氷化しており,緊張する。念のためスタカットで下った。(それでも夏の下降に比べればずいぶんと楽で速か
った)ドーム西壁へのトラバースに迷い時間を食う。
先行パーティが1ピッチ目を終える頃ようやく取り付く。岩が冷たいので手袋はしていたが,雪がないのでアイゼン
は脱いだ。最初のピッチが核心だと思っていた。中間部が細かく傾斜もきつくて難しかった。最後の10mくらいはA
0とフリーで抜ける。ラストにそのままバンドにあがってもらい,3ピッチ目に向かう。
ルート図では左の凹角からとあるが,正面のフェースの方が素直そうだったので,そのまま直上した。おそらく3級
プラス程度。いよいよ4ピッチめ。ここも途中から右にトラバースとあるが,わかりにくいのでそのままクラックを直
上した。最初のチムニーはつるつるしてる上に狭いので,ザックがつかえて苦労した。その上のクラックはフレークを
つかんでのレイバックと行きたかったが,プラスティックブーツで5.9を登る勇気はなくアブミのお世話になった。
あとは傾斜の落ちた岩場を20mも登るとドームの頭に出た。360度の眺望に満足。 日本でも有数の高さにある快
適な岩場だ。しばらく和んでいたが,まだ長ーい下降が待っているので,縦走路にでて北穂沢を下る。
横尾の明かりが見える頃にはぼろぼろになりながら16時間30分の長い一日が終わった。
5月5日 晴れ
昨日から脱水のためまったく尿がでない。こまめに水を補給しながら上高地へと向かう。新人も満足げな表情でいい
合宿ができた。カラマツの新芽が目に眩しい。夏はもうすぐそこだ。
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