JECC/廣川健太郎、雲表/水津
< 記 録 > 廣 川 健 太 郎
<山行日> 1998年4月18日(土)〜19日(日)
週末で不帰に行ってきました。最初は今日20日も休んで三角形岩壁下部〜上部さらにV峰A尾根につなげよう
と計画していたのですが、休みが取れず結局2日間。
4/18
日頃の忙しさのせいか、八方尾根ゴンドラに一番で乗るつもりが起きたら9時のテイタラク、下部は初日に登る
つもりだったが結局、下部岩壁独標ルートの取付きでビバークとする。洞穴?上の下の雪溜りを整地して快適に泊
まれたが、1週間以内でここは多分使えなくなりそう。
4/19
6時ちょっと回って取付く。1P目水津君がトップ。ズルズル、ヌレヌレののバンドを12mほど左上の後、大
まかなフェース右上。浮き石が多く、残置は少な目。4級下程度で難しくはないが気分は良くない。トラバースし
終わったところで上の凹角に向けボルトで直上しているラインを登り、残置を纏めてビレー。W、A1
2P目、濡れた小垂壁をフリーで直上か?、嫌なとこがトップで当たったと思ったら、左寄りにピトンの人工で
あっさり抜ける。小さな段差のところに残置があるがアブミで乗る気がせず、フリーで登る。15mほどで潅木の
あるバンド。正面はハングに押さえられた外傾スラブ。右は潅木混じりの垂直のボロ壁。右がラインのようだがト
ラバースでザイルが流れそうにないので短めに切る。W、A1
3P目、ボロ壁を3ポイント人工でバンドに出て、右の稜角から草付き混じりの嫌らしい岩場をフリーで登る。
一応大怪我はしない程度にランナーがあったが、快適ではない。40m。W?、A1
4P目、頭上の垂壁帯を避け、雪田下スラブをトラバース20m。
5P目、引き続き広川トップ。壁の左端を更に回り込んだところに小潅木が点在する凹角があり、そこがライン
のようだ。出口がちょっとだけ岩登りらしかった。後はボロ岩と草付き、潅木登りになる。40m。V+
6P目、3級位の草付を登っていき、雪田下の潅木迄。45m。
7P目、右の稜角めざし雪田を右上。稜角の潅木迄。45m。
8P目、潅木から雪稜に出る。とてもビレーのできるところではないので35mで一旦左に下り潅木でビレー。
9P目、再び稜上に出る。高度感もそこそこあり快適。雪通しに甲南のコル(上部岩壁左端)にでられそうだっ
たが、シュルンドが空いている。35mでハイ松の太い幹が丁度出ていたので、慎重を期してピッチを切り25m
の懸垂で甲南ルンゼに降りる。
登山大系には200mとあって、所要4〜6時間は余裕を見過ぎと思ったが、実際には250m以上あって我々
も5時間ちょっとかかってしまった。また、中途半端に草付きが緩み、濡れていて不快。まことにもって日本の岩
を実感できる、シーズン初めを飾るに相応しくない一本であった(水津君は二度と行きたくないと・・・)。
時間は昼前、上部岩壁の方が草付きは多そうだが、岩はしっかりしているのでどうしようか迷ったが、水津君も
嫌そうだし、岩はしっかりしてそうだが、茶色く涸れた草付きをそぼ伝う染み出しに懸念を覚え??、下部が余り
快適でなかったことから、甘い期待は禁物と日和って、下山の時間も考え、甲南ルンゼからT・U峰間ルンゼを下
って、T峰尾根上半につなげることにした。
T峰尾根はJECCの志水君がガイドで入るはずで、尾根上に出ればトレースがあるはず。しかし、昼を回り、
尾根に上がるルンゼの雪も腐って重いラッセル。いよいよ尾根、快適なトレールが待っていると思っていたら、何
にも付いておらずがっかり。下半が核心の尾根の上半だけというのは、何か物足りなかったが、転進を決めてから
のんびり休んだせいもあってT峰頂上は15時。
稜線は殆んど夏道が使えるのだが、雪が残っている部分、トレースが全然ない。U峰への登り、問題はなさそう
だが、滑ったらアウトの左斜面の雪のトラバースで1P半ロープを使う。U峰頂上直下もガレ場が登れそうに思っ
たのだが、せこい木の標識に騙され?、不安定な雪面から左に回り込み、U峰上部岩壁からのリッジを登ったが頂
上へ付いたらガレ場に道がありがっかり。午後の暑さもあり、夕方近くは結構疲れる。
なんだかんだで時間がかかり、八方尾根の途中で日暮れ、八方池山荘で19時半、45分身繕いをして夜のスキ
ー場を下降開始。広川は無謀にも快適な滑降を夢見て上げたショートスキーで滑るが、ヘッドランプでスキーはさ
すがに無理で300mほど滑ったところで断念。
黙々と歩いて21時旅館道街着。相模湖自宅25時帰着。久々に「はまった」山行でした。
★ エリア別山行記録へ戻る ★ INDEXへ戻る