日本登高研究会/伊藤俊三・惠川佐和子、ARIアルパインクラブ/原岳広
< 記 録 > 惠 川 佐 和 子
<山行日> 1998年4月19日(日)
コースタイム:美濃戸(6:00発)行者(7:38着/8:20発)取付き(9:40発)終了点(12:15)
先月悪天により敗退した中山尾根へ今シーズン最後のチャンスと思いチャレンジしてきました。当初 金曜日夜出
の18日登攀予定でしたが、天候が悪いとの事だったので計画をスライドさせました。
3月にあんなに雪が多かったのに 美濃戸山荘付近には雪は全くない。車の数も少なく人もいない。小屋もしまっ
たまま。お天気は青空が広がって日差しも暖かい。今シーズン晴れたのは 初めて!ウキウキして行者へ向かう。
行者小屋もしまっていた。テントが2張だけ。コールがこだまする。見上げると 中山尾根を登っているパーティ
ーが6〜7人くらいいた。美濃戸に湘南アルパインスクールの車がとまっていたので、その人達かな?稜線にも人が
いなく なんとなく淋しい感じ・・
中山乗越から取付きへと樹林帯を行く。取付き手前で装備を装着&エネルギーを補給して取付きへ。雪はほとんど
ない。ここから一段下がって凹角を登るとあったが、先行Pは3M左から左上していった。
トップは伊藤 一段下がらず正面直上コースを取った為、途中嫌なトラバースをする。岩はボロボロ。ハーケンもグ
ラグラ中には引き抜くとスポッと抜けるのもあって、伊藤はがんがん打ち直していた。
本当に冬季は このピンでみんな登ったのだろうか・・?後続Pがいなかったからよかったものの ガラガラと落石
し放題。こぶし大の落石が原の頬を直撃。幸い怪我はなくてほっとした。
200Mの雪のない稜線をあがると 第二岩峰。 左の凹角のほうがやさしいと聞いていたのだが伊藤がぜひにと 正
規ルートのリードを私に薦めるのでしぶしぶ引き受ける。いざ登ってみると さっきの岩場とは打って変わって 硬く快
適な岩場である事が分かってとたんと機嫌が良くなる私であった。
ルート下からではピンが分かりずらかったが取りついてみると、ピンに導かれてややかぶった凹角の下に出る。最初
はどうしたものか と思ったがちょっと上がると ピンがこまめに打ってあり”思い切って行ける”という意味がわかっ
た。ホールドもガバだし、スタンスもちゃんとあるので、わりと余裕をもっていく事ができた。
上がって潅木でビレー点を取る。最後のガレ場も雪はなかったが一応ロープをつけて登った。稜線に出ても人っ子一
人なくこんなさみしい八ケ岳は初めてだった。人気がなくて淋しかったが、パーティーは大いに盛り上がり大変楽しい
登攀であった。
<まとめ>
岩に雪がついていなく天気も良かったので、あまり苦労はなかったのだが、第一岩峰のボロボロには参った。ピンが
次々と抜けたのにもびっくり。雪のついている時に登ったら一気にグレードが上がりこうは行かないだろうと思った。
最後に 伊藤に「おかげで 大変楽しいリードができて本当に嬉しかった。」と言ったら丁度水を飲んでいる時だった
ので、水を吹き出させてしまった。ごめんなさい。
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