日本登高研究会/浅川・濱口・惠川
< 記 録 > 惠 川 佐 和 子
<山行日> 1998年3月14日(土)〜15日(日)
タイム:赤岳鉱泉12:00 大同心基部14:00 大同心肩16:00
3月14日〜15日で、大同心南稜と中山尾根をやろうと金曜日の夜に新宿を出発したのですが、渋滞で美濃
戸口到着が遅れ、朝寝坊と続き赤岳鉱泉を出発したのが、12:00でした。
天気は小雪、曇り空・・私は少し重たい気持ちで大同心稜へ向かいました大同心稜はラッセルされていて途中
までは順調に進みました。上部までくると、下降者があり、(その方達がラッセルしてくれたものでした)見事
にステップは崩れ、そこからちょっと辛い登高となりました。(ここの最後の登りはいつも嫌いだな と思います)
大同心基部に着くと 風がものすごく、ますます気が重くなったのですが、装備を着け取付く事にしました。
大同心の岩を初めてそばで見たのですがアイスのチョコナッツバーのようにホールドを後から埋め込んだみた
いになっています。体重をかけるとすっぽり抜けてしまいそうな感じで恐ろしい。
正規の取付きを右に巻きすぎてしまい、最初の半ピッチはノーザイルで登ってしまいました。つかむ岩は信用
できないのですが、ガバが多くて抜けないとわかってからは 登りやすい岩となりました。どこでも登れて、色々
な色の岩が混ざり合って、ピンが岩と一体化し、下からではピンが見えません。ルート取りが難しいところだな
と思いました。
登っていくうちに風はものすごくなり、雪は下から上へ絶えず吹き上げロープは舞い、からまり途中のピナク
ルでのビレーは最高潮で、鼻も口も目も風でもぎ取られそうでした。セルフを取って足を岩にからめていないと
飛ばされそう。ガイドブックに「ここで冬壁のなんたるかを学ぶ人は多いのである」とありましたが、う〜ん
なるほどこういう事か・・と思いました。
ピナクルから少し直上し、右にトラバースして肩に着くと 先行パーティーがいて、トップは半分のところでし
た。この時点で16:00だったので時間切れ敗退を決めました。
肩から、バンドをトラバースして大同心ルンゼに入ったのですが、このトラバースが一番恐かったです。
夕方から、雪と風が強まり本当に明日は天気になるのか疑問を抱きながら就寝。2月より今日のほうがよっぽ
ど寒く感じ、今頃温泉に入っている人はいいなーと思いました。(^!^)
翌朝起きてみると吹雪きです。中山尾根は中止にしました。10数張あったテントは次々とたたまれ、みんな
さっさと下山していきました。我々も朝食を摂った後、下山し、鹿の湯へ入って帰宅しました。
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