岩峯登高会/木村功二郎、朝岡隆
< 記 録 > 朝 岡 隆
<山行日> 1997年10月10日(金)〜12日(日)
1.所属/参加者: 岩峯登高会/木村功二郎、朝岡 隆(記)
2.山行日: 10/10(金)-12(日)
3.ルート: 甲斐駒/南坊主岩東壁雲表ルート
4.グレード: 5級 5.10b(我々は5.8/AA1となってしまった!理由は後述)10pitch
5.入山/下山: 入/下山共に日向山林道-尾白川遡行
6.アプローチ:
日向山林道は、途中で大岩数個で道をふさいであり、車で奥までは入れませんでした。道自体は良く、私の車
(トヨタ/コルサ3ドア)及びドヘタ運転でも特に問題なし。バリケードの先も普通車で十分いけそうな状態。
尾白川遡行は、始めから沢足袋、渓流シューズで沢沿いに行きました。紅葉の尾白川は美しく、大変快適でし
た。途中の滝には全て沢の高巻きとは思えないほど明瞭な踏み跡(ほとんど登山道?)がついていました。また、
所々には、トラロープがフィックスされていました。きっと沢登りで入る人が多いのだろうと想像しました。
アプローチ所用時間(東稜乗越まで)
入山4.5時間(林道1時間、沢3.5時間) 下山3.5時間(林道1時間、沢2.5時間)
7.山行内容:
<概略>
10年程前の「岩と雪(129号)」や「日本の岩場」等の「ヨセミテを想わせる..」の文や写真を真に受け
ていったのですが、10年の歳月をへてすっかりブッシュ壁と化してしまったようです。特に最上部2ピッチは、
クラックを埋め尽くすブッシュを、剥がしては登り〜の、AA1(JA1?)になり、登っていて馬鹿馬鹿しくなりまし
た。人気ルートとして復活すれば、あるいはクラックはきれいになるかもしれませんが、中間部のブッシュは樹
林帯に近くなっており、ちょっとそれは無理だろうなあと思いました。
ビレイ点は全てしっかりしていますが、残置ピンはなし(またはブッシュに埋まっているのかもしれない)、
たまに一本ボルトがあるくらい。フリーで登るならば「日本の岩場」等のギアで済むかと思いますが、私たちは、
A1で登ったため、エイリアン,TCU,#7,R[/D#0.5,0.75を若干余計に使いました。
翌日予定していたNO-PROBLEMは止めにして下山、太刀岡山へ寄って帰りました。帰宅後しばらくたったある日、
アルパインクライミングHPを見ていたら、左京労山/野村氏の情報がちゃんと載っているではないですか。なんて
こった!行った僕らがアホでした。
<10/10(金):アプローチ&2Pフィックス>
1P目:取り付き付近は岩の崩壊が進んでいて、ビレイ点も見当たらない。ラインもこのピッチだけは、上記資
料と登った感じがどうも一致しない。単に私が変なところを登っただけかもしれないが。また岩が汚く、
ハング下のスタンスは水苔だらけで私はとても立てそうになく、いきなりアブミを出してしまう(情けな
し)。ハング上も脆い部分が多く、いやなピッチでした。
2P目:すっきりしたクラックを直上。クラックの中には落ち葉が詰まっているが、このピッチは結構快適。ス
タンスが豊富なので、ジャミングを使わなくても登れてしまう。このピッチより上部は、岩自体は、とて
も堅い。元(!)人気ルートだけのことはあると思いました。
<10/11(土):3P〜終了点>
3P目:緩傾斜のやさしいフェース。見た目はブッシュの中に突っ込んでいく様だが、登ってみると見た目ほど
ブッシュはひどくない。
4P目:左のブッシュと右のスラブのコンタクト〜ブッシュの中(の横クラック)を左へ木登りトラバース〜バ
ンド。
5P目:「岩と雪」129号のルート図には、3通りのラインが記してある。1)左コーナー2)右リッジ付近と、3)さ
らに右のスラブ〜2)のリッジ上部。僕らは3)で行きました。各ラインを見た印象は、1)ブッシュ木登りの
みっぽいので論外。2)リッジ下半分がすごく汚い。3)一番まし?このピッチの後半は、完全に樹林帯に突
っ込む形となり、ビレイ点は完全に木に隠れているので、下からは見えません。もちろん(!?)木でも
ビレイできます。
6P目:左コーナー〜ブッシュ〜フェース。樹林帯のコーナーを登る。クラックはブッシュで埋まっているが、
右のフェースにスタンスが結構あるので、フェースを登る。ランニングビレイは、木でとれる。このピッ
チは、下半分は単なる木登りで済ますことも可能(もーいや)。
7P目:凹角〜ブッシュ。ブッシュを抜けると、上部が急に開け、すっきりした印象のジェードルが目の前に現
れる。やっとすっきりしたクラックを登れる。一瞬そう思いました...
8P目:スラブを右上。スラブはとてもきれいなので、このピッチは快適。
9P、10P目:クラックがほぼ前面にわたりブッシュで埋まっており、快適なジャミングでフリーなんて絶対
無理!しっかり根っこを張ったブッシュをアイスハンマーの先端でほじくりクラックを出現させ、ぬめっ
たクラックにカム類を突っ込んでの人工が続く。「俺達、馬鹿みたいじゃない?」ふと木村君がつぶやく
が、それをいっちゃあおしまいよ...
下降は、同ルート懸垂。
登攀所用時間:全体で7時間程度(アバウトですいません)
一緒に登った木村君は、2年前の冬(1月)に下部同志会ルートを登っている(単独)が、「そういえば上部
はほとんど草付きのダブルアックスだった」とのこと。スラブはきれいなのでもったいない気もしますが、クラ
ックは上記の様な状態でから、行かれる方は、どうかそのつもりでいてください。
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