相模労山/杉山忠美,白井良岳,児矢野英典
< 記 録 > 児 矢 野 英 典
<山行日> 1997年1997年7月20日(日)
1P 緩いスラブ(V)から垂直の濡れた凹状のA1、テラスまでのフリーに移る部分が微妙 (W、A1,30m)
2P スラブを右上気味(V+、10m)
3P 凹角から垂壁のフェースのボルトラダーを右上(A1,20m)
4P 傾斜のあるスラブ(W+)を左上し、濡れたジェードルに入り左上の上部スラブ帯〜凹角(V+)へ(W+、45m)
ここまで来ると中央バンドのスラブ帯と圧倒的な上部ハング帯が見渡せる。下からのスケール判断を誤り敗退
するのパーティが多いのも無理はないだろう。
5P ザイルをといて中央バンドのブッシュ帯を上部岩壁突き当たりまで上り右へトラバース(部分的にかなり悪
い箇所あり。踏跡はある)
6P ここから上部岩壁。濡れたルンゼ内からチムニー右壁のボルトラダー (W、A1,25m)
7P 左上し薄暗く狭いチムニ−へ入る(V、10m)
8P チムニー右壁のボルトラダーからさらに右のフェースへ出て悪いフリー(W+)、フェースを直上ここからは
岩がもろく、上の立ち木のテラスまで1本もピンがなし、岩をこつこつたたきながらフレンズでプロテクショ
ンをとる。(W+,A1,25m)
9P チムニー右、木の倒れた草付きから右稜の頭へ(V、20m)
(タイム)6:50:登攀開始 〜14:30 右稜の頭着〜17:00 BC着
大凹角は全体的にブッシュ、草付きが多い。また8Pは岩がもろい。(我々はここから先行パーティに洗濯機大の
とんでもない落石を落とされあやうく死ぬところでした、おかげで2時間近くブッシュの中でじっとしてました)。
でもフリー人工のミックスした好ルートでした。3人とも初見参だったのでチョット新鮮なかんじ。われわれ以
外にも8人ほどといたと思います。それぞれ畠山、京都、広島ルートにとりついていました。混んでいる方なんで
しょうね。今度はうわさの洞穴ハングを登ってみようかと思います。
(唐幕に初めて行く人へ)
壁の状態
壁はあまり日があたらず、丸山や屏風に比べれば夏でもフライパンにならない。ただしその分、雨後の乾きがチ
ョット遅い。
アプローチ
アルミはしごは壊れかかっていますが、トラロープでつながっており、注意していれば問題ありません。金時の
滝の脇のガリーがもろく落石に注意、下山時は2ピッチの懸垂をしました(途中のフィックスロープに支点セット
可)
宿泊場所
大町の宿は水道のような水が出ており、最高の岩小屋でしょう。正面壁取り付きへのルンゼ状の途中、右のブッ
シュ帯にグローブとシュリンゲがかかっており、そこが目印です(見失いやすいので注意)。
今回、大町の宿はすでに満杯で困りましたが、さらに上部に(右稜のコルの近く)に快適なスペースを発見し、
我々はそこに露営しました。ただし大町の宿のような岩小屋ではなく雨はしのげず、水もありません。
右稜下降路
最初と最後に注意したほうがいいかも。最初は空中懸垂ですが懸垂支点はなるべく、前に出したほうが引き抜
きがらくだと思います。
最後の懸垂は下に向かって右に右にとブッシュ帯(これが右稜のコル)めざしていかないと、ツルツルのスラ
ブ帯で立ち往生しますので注意。
その他
低山でブッシュが多いので夜ブヨが出ます。夏の間は防虫スプレーや蚊取り線香を持っていくといいかも。
チョット感想
登りでも、懸垂もそうですが、やはり力のないパーティは落石を起こす頻度が多い。うまいへたに関わらず登り
方、その他の動作が粗雑だなあとつくずく思います。事故も多いように感じます。これも実力のうち?
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