法政大学山岳部/黒崎友介 原田裕介
< 記 録 > 原 田 裕 介
<山行日> 1997年7月18日(金)〜20日(日)
法政大学山岳部@原田です。20日に北岳バットレスを登りました。混んでいたものの、早めに取付いた事と、
先行Partyが早かったため、快適に抜けました。以下、3日間の記録です。
7月18日(金)
はじめての北岳。車のアプローチもあまり分からないままに八王子から高速に入る。釈迦堂のS.Aで道路地
図を見て確認したのでが、ここでものすごい間違いを侵していたようだった。「南アルプススーパー林道」では
なくて、トラックしか通らない様な(実際にトラッ・Nだけだった)ところにはいりこんでしまった。
よくよく見ると、谷を挟んで反対側の道を走っていたようだ。予定では白根御池小屋まで行く予定だったが、
車アプローチで時間がかかりすぎたために広河原でテントを張った。スーパー林道を通って来たキャンパーが大
勢居た。
7月19日(土) 晴れ−ガス・曇り
3:15広河原Dep−5:15白根御池小屋−5:45Dep−6:00大樺沢二俣−7:50下部岩壁(?)取付−14:50BC
広河原から二時間程のアプローチで御池小屋につく。北岳への一般登山者の小屋BCでもあるらしく、おばさ
んがいっぱいいた。ここから大樺沢二俣に下りて、沢を詰めてゆく。
顕著な沢が右から入ってくるがその二本目の沢(大きな岩がある)の右側の尾根から踏み跡をたどっていった。
沢のすぐ近くを登って行ったのだが、どうやら踏み跡を外したらしい。クライムダウン出来るようなところでは
なかったので、ロープを出して、体重を預けて降りた。右に赤布を見つけたので、そちらの踏み跡から登ってゆく。
登ってゆくと岩壁が見えて来た。「おー、これが下部岩壁か」とかなんとかいいながらも、さっきまでいっしょ
だったおじさんクライマーはどこかへ行ってしまった。ルート図を見てもどこがピラミッドフェースかわから無い。
ちょっと左にいくとすでに他のクライマー達が登っていた。「ここ違うんじゃない?」とかなんとかいっ・トも、
結局登りはじめてしまった。
1P目はピンが全くなく、ハーケン1本打って残置支点が打ってある所まで行く。2P目を黒崎さんが行くと、
ボロボロで登れないらしい。微妙なクライムダウンをして引き返す。ビレイ中にふと後ろを見ると、僕等がいる所
が全く違う所であると気付いた。ロストアロー一本残置してさっさと懸垂して下りる。
気を取りなをしてピラミッドフェースの取り付きに向かう。僕等が上がって来た沢はc沢ではなく、b沢だった
のでした。雪渓をトラヴァースして無事「下部岩壁」の取り付きについた。dガリーの大滝がしっかり確認できた
のでこんどはまちがいない。(ところが間違った)dガ・梶[のすぐそばに取り付いている人たちがいたので、安直
にそこの後ろから取り付いてしまった。
V+とトポに書いているので簡単だとおもったら、すごく難しい。完全に自信喪失してしまい、今までのトレー
ニングが頭をよぎる。とりあえず2Pほど登り、終了した。上にいる人に聞いたら、僕等が登ったのはピラミッド
フェースではなかったらしい。
どうりで難しいわけだ。この日は早いがおとなしく帰る。下部岩壁のましたから来ている尾根の明瞭な踏み跡を
たどる。この尾根は登りで使った尾根の一本上だった。登りと違い、なんの苦労もなくBCに帰れた。シュラフを
持っていかなかったので、2500mの夜はかなり寒かった。
7月20日(日) 晴れ−ガス・曇り
4:00Dep−5:20下部岩壁基部−5:505尾根支稜−7:00下部フランケ取付−11:50終了点−12:40〜55北岳−14:20
白根御池小屋−15:10Dep−16:50広河原
今日はアプローチを昨日体で覚えていたせいもあってか、かなり早く取り付きについた。僕等が最初かとおもっ
たが、ところがどっこい、もうすでにかなりの人数がとりつている。さらにどんどん上がってくる。
今日は5尾根支稜から下部岩壁を超える。dガリーは他の人がのぼっ・トいたせもあったが、落石のとうり道に
なっているので、上に人が居る時には取り付かないほうが無難である。dガリー大滝のとりつきからクライムダウ
ンして支稜の途中にでた。
ピトンを打ち込んでビレイ点を造り、そこから2pで昨日の最高到達点までついた。ここより下部フランケのク
ライミング。
1P目、ピンのないフェースを直上する。なくても良いのだが、一応練習も兼ねてネイリングしてゆく。こんな
に今回ピトンを使うとは思わなかった。持って来た4本ではどうも用事が足りない。上部は浮き石がおおくて慎重
に行く。
2P目、フリーで行けばYのピッチだ。ちょっ・ニはフリーで行こうと粘ってみたものの、結構シビアなので妥
協してピトンを踏みまくってとっとと抜ける。その後のかぶった凹角のクラックにハンド・ジャムをかっちりきめ
て快適に進む。だれかが残置したフレンズがあった。この位置にあると結構心強い。
3P目、狭い凹角の中をステミングやフットジャムを使い快調に行く。いちどテラスのなところにでてまた凹角
に向かう。凹角の中のクラックにジャミングをきめて越えてゆく。正面がかぶって来た所で左にのっこす。
アレートの下を少しトラバースぎみに左上して下部フランケの終了点。先行する信州大の・lたちが三にんなのに
結構スピードをもって登っていたので、長々と待たされる事はなかった。
4P目、凹角を右に行き、途中から草付きをトラバース。ここより上部フランケ。
5P目、草のはえているフェースを直上し、クラックを使ってかぶりぎみの凹角をダイナミックに越えてゆく。
ホールドが大きいので非常に使い易い。ハンドジャムが良く決まり、普段なら絶対にやらないレイバックも使った
りした。
6P目、ほとんどプロテクションのないコーナー・クラックを登る。登りこまれているせいか、岩がつるつるし
ていて登りにくい。フレンズの大きめのサイズがあればプロテクションが取れるかも。
7P目、引き続きコーナー・クラックを登ってゆく。先には、Dガリー奥壁の城塞ハングが立ちはだかっている。
僕等はそのリッジを越えていくのだが、また来て登ってみたい。マッチ箱のコルからリッジのうえのフェースを登
ってゆく。フランケ・ピラミッドフェース・4尾根が合流する所なので、渋滞している。その間を抜けてリ・bジの
途中でビレイ。
8P目、リッジの左をトラバースぎみに越えてゆく。(右からでも問題なし)城塞ハングの縁の枯れ木のある所で
ビレイ。ここから懸垂してしまって、北岳には行かない人も居るようだ。
9P目、最後は傾斜がゆるくなる所までロープをめいっぱい伸ばす。昨日もそうだが、12時をすぎる頃になると、
ガスが出てくる。滝谷みたいだ。ここから北岳までは踏み跡をたどって一足投だ。北岳の頂上は3300近くもある
のに、何故か妙に下界臭かった。
下りは、小屋のテントを回収して、約2000mの高度を一気に下りる。黒崎さんはくつずれ・ナかなりきつそう
だった。帰りは舗装された道路を行き、楽勝かと思ったが、連休の渋滞に巻き込まれて(50km!)最悪だった。
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