日程 |
2006年12月31日(日) |
メンバー |
(地球クラブ)山岡人志、(同人ルーデンス)池野明子 |
記録 |
(地球クラブ)山岡人志 |
写真 |
なし |
ルート図 |
なし |
<山 行 記 録>
みなさん、こんにちは。
山岡@地球クラブ(兵庫県)です。
年末年始は、高知の海岸線でクライミングをしていました。
ちょっと、ユニークな登攀をしたので、報告します。
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「最果ての岩峰の登攀」
場所 :高知・大堂海岸の先の観音岩(高知県幡多郡大月町)
日時 :2006年12月31日
メンバー:池野明子(大阪、同人ルーデンス)
山岡人志(兵庫、地球クラブ)
概要の報告(山岡):
昨年11月末に高知県の西にある大堂海岸(「日本100岩場」
(山と渓 谷社)参照)に行った際、その先にある観音岩を見に行った。
海岸からすぐのところに、独立した30-40メートルほどの岩峰が立って
いるのを展望台付近から見て、これが登れたらおもしろいかもしれない
と感じていた。しかし、アプローチが問題であった。
年末年始、再び、このエリアに行くことになり、穏やかな快晴の
大晦日に、池野と二人でトライした。朝9時前に、展望台から低木帯を
少し降りると、そこは、60-70メートルの絶壁となって切れ落ちていた。
目的の観音岩に行くには、そこをいったん海の近くまで降り、 ほぼ
同じ高さのぼろぼろの壁を登って、岩峰をトラバースし、その後、
ゆるい傾斜の部分を降りていかなければ行けないことがわかった。
最初の絶壁の下は、海かしれない、うまく、取り付きまで
たどりつけるのだろうか、と思ったが、最初の絶壁の下は、岩が
崩壊して、海を埋めてくれていた。とりあえず、そこまで、立木を
支点に して、懸垂する。このロープは、帰りのためにフィックスして
行った。そこから、浮石だらけのフェースを登り、トラバースしていくと、
やっと観音岩が見えてきた。25メー ターほど懸垂し、そこから
クライミングダウンして、取り付きにたどり着くことがで きた。
約2時間ほどの、これまでになく、緊張したアプローチであった。
遠くから見るのと違い、岩は以外と立っていた。実際の登攀距離は、
30 mくらいであろう。岩は、部分的に脆くはがれる部分もあるが、
全体としては、しっかりしていた。
少し、休憩したあと、最初、降りてきた側正の面から登ろうとした。
しかし、途中で支点がとれる確信が持てず、どうしても、登りだすことが
できなかった。左側の 海に落ちている面にまわると、やさしそうに
見えたので、こちらから行くことにし た。数メーター登ったところで、
カムでランニングをとるが、しかし、そこから先に行く勇気が
なかなか持てず、躊躇して2回ほど引き返した。3回目に覚悟を決め、
足元になったランニングのことは忘れるようにして、クライミングに集中し、
なんとか、上のガバホールドをつかむことができた。11bくらい
あったかもしれない。安定したところで、ピトンを打ち、後は簡単な
斜面を登ると、潅木のある傾斜の緩いところに出て、ピッチを切った。
最後の6-7メートルは、一度にふたりで、ピークには立てないので、
交代で登り、そして、クライムダウンした。下降は、潅木を支点に、
取り付きまで懸垂下降した。ピークからは、凪いだ海と快晴の空、
美しい海岸線を見渡すこ とができた。登って戻るまで、1時間半
くらいかかったと思う。取り付きからは、往 路をたどり、最後は、
50メーター強の完全に垂直なユマーリングをして、展望台に
1 5時過ぎに無事帰り着いた。
観音岩は、付近の観光名所である。昔、地元のひとが登りに
行ったらしいという話しを、地元のパークボランティアのひとから聞き、
登ってもいいだろうと勝手に判断 した。我々が登った時、残置物は、
まったくなかった。少なくとも、フリーでは、初登かもしれない。
アプローチとその帰りが大変であったが、未知のところにトライする
という気持ちを思い出させてくれた、小さな冒険であったと思う。
こんなところに、一緒に、行ってくれたパートナーの池野さんに
感謝したい。
池野の感想:
昨年1月、同人仲間と大堂海岸へ行った折、観音岩を眺めながら、
登ったら面白いだろうな、という話をしていた。しかし観光名所でもあるし、
泳いでいかなければ取り付けないようにその時は見えた。それが、
この年末年始の大堂海岸ツアーでご一緒することになった山岡氏が、
観音岩に同行するパートナーを募っているというので、有難くお供
させていただくことにした。 観音岩の岩は概ねしっかりしているの
だが、山岡氏がムーブを探って登り降りしているうちにも、
細かいものがポロポロと落ちてくるので緊張する。ランナウトしながら
越えていった被り気味のフェースが終っても、傾斜が落ちた部分も脆くて、
私には悪く感じられた。ピークに立つと、登ってきた側と反対側は
少し緩くなっているのが分かったが、またすぐに切れ落ちているのかも
しれない。残りの2面は傾斜も強く弱点も少なそうで、昔登ったという
人はどのラインを辿ったのだろうか、海からアプローチしたのだろうか・・・
と想いを馳せる。観音岩までのアプローチも緊張感のあるクライミングで、
周辺の景観も素晴らしく、行き帰りを含めて、全てを楽しめた一日だった。
山岡氏は、初めてロープを組む不慣れなパートナーの安全確保に
大変気を使われたことと思うが、貴重な体験をさせていただき、
深謝したい。
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