八ヶ岳/赤岳/主稜

日程
2006年1月13日(金)〜15日(日)
メンバー
(住友金属山岳部)草野、(水戸山の会)覚張
記録
(住友金属山岳部)草野
写真
あり
ルート図
なし

<山 行 記 録>

八ケ岳・赤岳西壁・主稜ルート
 
■入山日  H18年1月13.14.15日
■パーティー
  草野一夫 54歳  (住友金属山岳部)・・・記録
  覚張悦夫 63歳  (水戸山の会)
※ルート写真はH17年1月の写真
 
一昨年、昨年と、 1月2月の文三郎道から見上げていた赤岳西壁、
ロートルコンビで また 赤岳西壁を登りましょうか・・となり出かけました。
 
2/13日の朝に 茨城・鹿島を出ました。
ルートの所用時間を 壁部だけで4時間、それにアプローチと下山時間を見ると7−8時間の
所要時間が要るであろうと予想。 
私らコンビ、夏の岩でも だいたい1.5倍の所要時間が掛かってるので、
朝からでないと 時間切れになるので一日目は 行者小屋までとして入山。
 
おりしも 天気予報は 二つ玉低気圧が接近で まったくよくありません。
北アルプスあたりに居るなら 身震いする恐怖の気象配置なのですが、
表日本範囲に位置する八ケ岳は どこまで ヒドイものかは 予想つかないのです。
そんなにヒドクはならないと思う・・と 期待して入山しました。
行者小屋に着いて テントを張り あとは 酒飲みました。
 
4時の天気図、10時の天気図と取りました、良い見込みなどまったくありません。
そんなにヒドクはならない事を祈り 就寝。
 
2/14
外は 雪降りです、風は そんなにありません。
15日に延期も考えましたが 15日は帰宅もあるので、 壁を登って 降りて 帰宅行まで
考えると とてつもなくハードになります。
 
中止にする理由でなく 行くための理由を探しました。
1.気温は高い、壁で そんなに寒くない(前夜の富士山で−14℃)
2.風はそんなにない
3.視界・・・ま〜なんとか動けるだけは 見える
・・・と、それで行くことにしました。
 
サブザックへ必要な物を詰め 8:00スタート。
文三郎道を登ります、1時間ほど登っての位置を 赤岳沢・右ルンゼへの下降点としました。
登攀スタイルへ準備、9:30スタートです。視界は なんとか 右ルンゼあたりまで見えます。
下降からザイルをつかいました、沢への下降に2ピッチザイル使用で降りました。
 
降りての対岸の尾根、「主稜」、 最近の記録を見ると 少し上部の凹角ルンゼを登って
コルへ出る・・とか有りましたが、どこでも登れる岩尾根ですから 降りきった対面から
楽そうな所を ザイル伸ばしました。
尾根の稜へ出たら ちょうどビレーポイントが有り そのまま借用でセカンドを迎える。
 
2ピッチ目  凹角を4−5m程岩登りしガレを進む、 楽に見えるラインをザイルをのばします。
30mザイルを延ばしたくらいで 次のビレーポイントが有り ここでセカンドを迎える。
岩に 霧氷が張り付いて 良くない状態の 今日の岩です。
手がかりは、白く雪の積もっている所の雪を 手で落として 手がかりを探すのですが、
降りしきる降雪で 手がかりが雪で隠れ 探すのに手間とります。
氷壁でありませんから ピッケルを打ち込むわけにも行きませんし。
 
3P〜5P、雪稜、コースは なんとか見えますが あたり一面真っ白、
吹雪が少し強まると なんにも見えなくなります。
傾斜の緩んだ雪稜を ピッケルとアイスバイルを 手かぎ的に使い ひたすらに上へ
向かいます。
新雪の積雪で状態が良くないので スタカットで進みます。
6P目、10m程の垂壁状の壁部、ここらから上部への40mが 核心部になるようですが
天候が さらに 良くない状態で、降雪がヒドクなる。
ピッチグレードWクラスの岩登り この雪では 怖いね・・となり、
昔の ここの2回目の時 この位置より 右手雪壁を右上して 支稜へ出て
枝稜を上がったのを思い出し、半エスケープするとした。 
 
50m、雪壁的斜面をいザイルを伸ばして、枝稜のコルへ出る。
7.8.9P、細い枝稜を詰めて ピナクル(岩峰的大きさ)のコルへ出る。
 
残置ハーケンが見つからないので(積雪と数の少なさで) ピッチ毎にビレー用にハーケン使用。
岩なのか石ころかは 区別がつかないも 一応は キンキンと効いてそう、
 
左手少し上の稜線に頂上小屋が かすかに見える、 やれやれ・・と言う事は 少し先の高みが
頂上か・・と ほっとする。
ザイルの繰り返しを11回・・・、やっと 頂上到着。
頂上の 頂上標の杭へ シュリング掛けて ビレーポイントとして セカンドへ 声掛けます。
「オッケー・・・」・・おっさんが 吹雪の中から姿を現しました。
頂上付近 傾斜は緩んでいますが 新雪積雪で 良くない状態なので最後までスタカットで上がりました。
登り切って 握手・・・おつかれ様でした。
頂上到着15:00、 下での登攀スタートが10時、・・5時間か〜、と。
しめり雪で濡れて半分凍って針金状態のザイルをまとめる相方さん、お疲れ様でした。
さて 降りますか・・と 下山に入る、 膝の神経痛は大丈夫ですか・・・??、

いや〜、ひさしぶりに こんな山登りして、 うひひひひひ・・・満足  満足。
それにしても 寒い、低気圧が まだ関東付近らしく 八ケ岳の東側は 猛烈な吹雪。 
風向きが普段と逆でした、下降路を探しでアラレみたいな雪が顔に叩きつけられ 顔が痛い事。

夏道は、新雪積雪ではっきりしませんが、 ここらだったよねー・・とかいいつつ 適当に降りる。
まー そんなに外れる事なく 夏道のチェーン帯にに出る事が出来た。

ベースへ戻って16時半でした
冬期の岩を また登れた幸せで  カンパイ。
 
15日  翌日  快晴
もう一つ 登りたい気分でしたが オーバーワーク気味につき 止めて下山としした。
 
記録  草野


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