日程 |
2006年1月28日(土)〜29日(日) |
メンバー |
(東海山岳会)松永、古川 |
記録 |
(東海山岳会)松永 |
写真 |
なし |
ルート図 |
なし |
<山 行 記 録>
松永@静岡です。
週末の2日間で霧の滝へ行きました。
結果は2P目途中までとなりましたが、ロケーションは最高で結構楽しんで来ま
した。
2006/1/28〜29
メンバー 松永・古川(静岡山岳会)
1997年の2月に当時同じ会にいた2名の会員によって初登されましたが、そ
の後再登された記録も見ずに現在に至ってます。
もしかすると過去に登られた方もいるのかもしれません。今回は滝の下まで古い
トレースが付いてました。
以下、簡単に報告します。
先週末角木場へ行った帰り、国道20号線から眺めた霧の滝は見事につながって
いた。その場で来週アプローチすることに決めた。
土曜日の朝ゆっくりと静岡を出発、林道のゲート手前に車を置き歩き出す。途中
林道脇の傾斜の強い氷瀑に3人パーティを見かけただけで、人の気配は全くない。
ヤチキ沢、日向沢さらには堰堤にも氷が発達していていいコンディションである。
天気も良く、気温が高めなのが気になるものの本谷沿いには雪もほとんどなく途
中の20m滝も巻かずにクライミング。3時間ほどでベースに到着。本日は休養
も兼ねてのんびりとする。
霧の滝手前の河原にテントを張り、しばし滝を眺めた。周囲に雪もなくいきなり
あれだけの氷柱が垂れ下がっているのは圧巻である。氷柱部分だけで見ると荒川
のブライダルベールよりはスケールがあるのは間違いがなさそうだ。
翌日夜明け前に出発、取り付きへ。離れて見るのと下から見上げるのとでは全く
印象が異なっていた。1P目のスカート状は問題なさそうなものの、2P目上部
には巨大な氷のルーフがぶら下がっている。初登時はここを右に巻き滝の裏側を
たどって3P目につないでいる。ざっと見た限りそこしかルートは見出せない。
1P目右側よりスタート、傾斜の緩む部分までは氷の状態も良く70〜80°程の傾
斜で問題はない。そこから氷柱の基部までが少し難儀であった。ウロコ状の氷が
続きバイルがうまく刺せず、壊さないように引っ掛け多用で登る。良いプロテク
ションもとれず結構なランナウト、傾斜が緩いのが救いであった。ここまで
40mくらい。
次は核心の2P目である。空は快晴で既に氷柱全体に太陽が当たっている。それ
でも気温がそんなに高くないためか、上部からのシャワーはそれほどでもなく氷
もグサグサではない。初登時に比べると状態は良いと思われた。
いざ核心に突入。左右の氷柱の間がチムニー状となっていてそこにルートを求め
る。背中が使えるので気分的には楽であった。スクリューは利きそうな場所を
じっくりと選んで慎重にセットしていく。反対側からは水道の蛇口をひねったよ
うに激しい水音、さらにはドスンという音とともに氷が落下する音。精神的にい
いものではない。ルートは真上のハングの付け根から右トラバースとなるのであ
るが、ルートとなるはずのツララの隙間が見当たらない。土木工事をしないと氷
柱の裏側へは回りこめないようだ。しばし考えもったいないが登攀はここまでと
する。
V字スレッドでロワーダウン。そしてさらに懸垂下降で取り付きへ戻る。
仮に完登した場合の下降は、1)氷柱をV字スレッドで懸垂下降 2)岩壁部を
上部の木からつないで懸垂下降、但しかなり脆そう 3)抜け口から尾根を上部
にたどり、対岸の尾根を歩いて下降
のいずれかであるが、3)の方法が確実に思えました。
現在の道具から考えて、登攀自体はフリーとかフリーソロとかにこだわらなけれ
ば困難ではないと思います。スケールもあり見栄えもしますが、基本的には日当
り抜群の氷柱なのでリスクも織り込み済みで冷静に対処できるクライマーでない
とおすすめできないように思います。しかし今年のように条件が良くてアプロー
チもそんなにかからないとなれば、もっと沢山のクライマーにトライされてもい
いような気もしました。
以上。
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