早月尾根〜剣岳/南壁〜チンネ/左稜線〜早月尾根(行動14時間)

日程
2005年7月23日(土)
メンバー
(ARIアルパインクラブ)有持真人、小林政紀
記録
(ARIアルパインクラブ)有持真人
写真
なし
ルート図
なし

<山 行 記 録>


<日程>  2005年7月23日(土)
<場所>  剣岳/早月尾根〜剣岳/南壁/A3稜〜チンネ左稜線〜早月尾根
<メンバー> ARIアルパインクラブ/有持真人、小林政紀
<行動>
馬場島(04:10)〜剣岳(07:55)〜南壁/A3稜取付(08:15/08:30)〜剣岳(09:05/09:10)〜
三ノ窓(11:00/11:10)〜左稜線取付(11:20/11:30)〜チンネの頭(13:20/13:30)〜
剣岳(14:30/14:40)〜馬場島(18:10)

<記録>

 今年の春は天候や雪の状態のためハードな1DAYクライミングができなかったため、
以前に計画して腰痛のために早月小屋で敗退した、日帰り剣岳岩場めぐりにリベンジす
ることにした。

 以前に一緒に行った相棒の藤川は、ヒマラヤのGT峰に行って不在なので、今回は昨
年末に入会した新人の小林と行くことになった。

 計画では、馬場島から早月尾根を登って剣岳南壁/A2稜から剣岳、そして源次郎尾
根を下り、熊の岩経由で八ッ峰/Y峰/Dフェースを登り、八ッ峰上半を縦走して三ノ
窓に入りチンネ左稜線を登攀後、再び剣岳を越えて早月尾根を下山し馬場島までを12
時間以内で行動するとのが目標である。

 この計画を成功させるためには、まず休まずに行動できる体力、そしてクライミング
のスピードが必要だ。

 小林は入会当初から比較的体力がある方だったが、更に体力アップをさせるために、
春から自転車でのヒルクライミングトレーニングをしてもらうことにした。私も体力ト
レのためにヒルクライミングレースを春から始めて入賞できるぐらいの体力もついたし、
その体力が山での行動に十分すぎるほどの効果があると身をもって感じたので、私の自
転車を貸して各種ハードなトレーニングを実施してもらった。プラス、丹沢でのトレイ
ルランも合わせて行った。

 当初はアタックは7月16日の予定だったが、天候が不安定なために一週間延期とし、
7月18日に丹沢のヤビツ峠ヒルクライム10kmを3本登り、その後丹沢トレイルラ
ン20kmをやって最終トレーニングとした。

 天気予報では剣岳は晴れである。二人とも体力、体調とも万全に整えて22日の夜に
出発。

 馬場島で少し仮眠し04:10に出発。天候は曇り。早月尾根の出だしの急坂を登っ
て呼吸を整えダッシュで駆け登る。1600m付近から突然雨が降り出しかなりの土砂
降りとなってきた。引き返そうかとも考えたが小林は早月尾根は初めてでもあるし、山
頂まで行ってその後の行動を判断する事にした。早月小屋前で5分ほど小休止して山頂
を目指す。

 トレーニングの成果もあり、私は呼吸も乱れないし足にもほとんど乳酸は溜まってい
ない。山頂が近くなって、小林が遅れだしたのでたびたび待ちながら登ったが07:55
に山頂着。3時間45分であった。目標は4時間以内だったのでまずまずだ。この頃に
は雨も上がったため休まず南壁/A2稜へ向かう。

 カニの横ばいに登山者がいたのでしばらく待たされてしまう。平蔵のコルの直下から
かなりの雪渓が残っており、シュルンドもかなり深くA2稜には取り付くことができな
かったためA3稜にルートを変更することにした。

 簡単なピッチはノーザイルで登り取付から35分で剣岳山頂に到着。写真を撮りすぐ
に八ッ峰/Dフェースに向かうために源次郎尾根を下る。しかし、ガスがかなりかかっ
ていて視界がほとんどないため熊の岩への下降ポイントが分からない。結局、1時間ほ
ど捜したが見つからなかったため、しかたなく山頂へ戻った。

 Dフェース登攀は割愛してチンネ左稜線を登るために三ノ窓へ向かう。池ノ谷乗越へ
の稜線も視界が悪く分かりずらい。ガラガラの斜面を降って三ノ窓に到着。この頃には
時々ガスが切れるようになってきた。

 三ノ窓もかなりの雪渓が残っている。左稜線の取付まで行けるか分からないのでとり
あえず軽アイゼンを着けて取付へ向かう。幸い取付には雪渓の切れ目があった。

 11:30分に登攀開始。登攀スピードを上げるために4ピッチほどはスタカットで
登ったが他のピッチは50mザイルを目一杯伸ばしてのコンテで登った。13:20に
チンネの頭到着。登攀時間は1時間50分であった。ここまで9時間10分。予定より
少し遅れ気味である。休む間もなく馬場島を目指す。

 今日3回目の剣岳で小休止。14:40に山頂発。早月小屋までの下りは岩場が多く
スピードが上がらないため時間がかかる。早月小屋から先はスピードアップできたが、
さすがに疲れが溜まってきたし膝が痛くなってきた。途中で雨も降り出して滑るために
結局、馬場島まで3時間30分もかかってしまった。18:10に馬場島到着。行動時
間は14時間丁度であった。

 八ッ峰登攀はできなかったが無事下山を祝って小林と固い握手を交わす。

 予定より2時間オーバーしてしまったが、小林もトレーニングを含めよく頑張ってく
れたおかげで何とか1DAYアタックを成功することができた。通常なら3〜4日コー
スであるので14時間ならまずまずの時間だったと思う。

 早速、温泉に入り富山で旨い魚でビールを飲んだのは言うまでもない。次回は穂高あ
たりで1DAYハードクライミングを計画したい。


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